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『スパイダーマン:ファーフロムホーム』ネタバレ感想・解説・考察!エンドゲーム後の世界を描く!今見ているものは本物か?

エンドゲーム後の世界を描くも暗くなることはない

映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」はシリーズ的には「スパイダーマン:ホームカミング」の続編にあたり、マーベル作品全体でみると「アベンジャーズ/エンドゲーム」の次に公開された作品です。

もちろん、トム・ホランド主演のスパイダーマン映画として単体でも楽しめますが、上記の2作品を見ているとより楽しめるかと思います。

今回は映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を視聴した感想や解説、考察を書いていこうと思います。ネタバレも含みますのでご了承ください。

映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を観て学んだこと・感じたこと

・エンドゲーム後の世界を描くが暗くなりすぎていない
・進むIT技術の怖さ、ネット社会への皮肉
・今後のマーベル作品の展開が楽しみ!

映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」の作品情報

公開日2019年6月28日
監督ジョン・ワッツ
脚本クリス・マッケナ
エリック・ソマーズ
出演者ピーター・パーカー(トム・ホランド)
クエンティン・ベック/ミステリオ(ジェイク・ジレンホール)
ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)
ミシェル・“MJ”・ジョーンズ(ゼンデイヤ)
ネッド・リーズ( ジェイコブ・バタロン)

映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のあらすじ・内容

映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のあらすじ・内容

ニック・フューリーとマリア・ヒルはメキシコで土で出来たゴーレムと遭遇し、戦闘中にベック(ミステリオ)に救われます。

ニューヨークのピーターが通う学校では、2週間のヨーロッパ旅行が予定されていて、ピーターはMJに告白するため想いを募らせていました。そんなところに、フューリーから何度も呼び出しの連絡がきますがピーターはそれを無視し、みんなと変わらない旅行を楽しんでいました。

しかし、旅行先で水で出来た怪物と遭遇し、ピーターは戦いに巻き込まれていきます…。

映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のネタバレ感想

エンドゲーム後の世界を描くも暗くなることはない

エンドゲーム後の世界を描くも暗くなることはない© 2019 CTMG, Inc.

映画冒頭では「エンダアアアア」でおなじみの曲「I Will Always Love You」が流れ、アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ヴィジョンの姿が映し出されたので、ヒーローの死を悼む悲しいシーンでもあるのかと思いましたが、ピーターの通うミッドタウン高校のテレビ放送で流れるだけの映像でした。

アナウンサー(?)の生徒の会話がいかにも学生らしくて、ヒーローの死を扱っているのにもかかわらず暗くなりすぎず終始明るい感じです。もう少しエンドゲームの悲しみを引きずる展開を予想していたのですが、いい意味で裏切られました。悲愴感が漂いすぎるのもあまり良くありませんもんね。

 

「アベンジャーズ/エンドゲーム」を視聴している方であれば重々理解していると思いますが、サノスの指パッチンでいなくなった人はヒーローたちの活躍によって復活することになります。今作ではそのことについても軽く触れられていて、指パッチンで消えてから復活するまでに5年の歳月が経ち、復活した人は消えた当時の年齢、姿で復活をしています。

なので、復活をしてみると弟が年上になっていたり、指パッチンで消滅することのなかった同級生が5年年上になっていたりするわけです。消滅せずに生きていた人も、復活した人も戸惑いますし社会は大混乱だったでしょうね…。

兎にも角にも「エンドゲーム後の世界はどうなっているのか」という疑問をコミカルに描いてくれたことは個人的にとても良かったです!

【解説】ベック(ミステリオ)が良いキャラ!と思ったけど正体が…

ベック(ミステリオ)が良いキャラ!と思ったけど正体が...© 2019 CTMG, Inc.

今作に登場するベック(ミステリオ)はマルチバース「アース833」から来たといい、緑色の魔法のような技を使います。サノスとの戦いによって時空が歪んだ的なことを言っていたと思うのですが、ベックは予告編にも登場していたので、どんなキャラなのかワクワクしていた方も多いかと思います。

ドクター・ストレンジと似た緑色の魔法のような技を使うベックですが、この物語の最終的な敵はベックでした。水のエレメンタルズと戦うシーンではヒーロー的な活躍をしますし、火のエレメンタルズと戦うシーンでは自分を犠牲にしてまで敵を倒していました。

結局のところあれはホログラムに投影されて仮想敵であり、アース833から来たという設定も全て偽りでした。確かに、ベックの星を滅ぼしたという火のエレメンタルズをわりとあっさり倒していたので「あれ?まだ映画の中盤なのに大丈夫?」と思っていたのですが、まさか敵だったとは…めちゃくちゃ残念でした。

空を飛びながら戦ったり、攻撃のカッコ良さは「王道のヒーロー参戦か!!」なんて思いましたが、劇中のピーター同様、私も騙されてしまいました…。ピーターの話も親身に聞いていたので、優しい良いキャラだと思っていたんですけどね。

 

結局のところベックはトニー・スタークを良く思っておらず、ドローンやホログラム技術を使って仮想敵を作り、人類の危機を煽ることでヒーローになろうとしていたわけですね。そして、トニーからピーターに宿されたメガネ「E.D.I.T.H.」を騙し取り、さらに力をつけていきます。

ベックはアース833から来たわけでもなければ、特別な能力を持っている人物でもないため、技術力と有能なチームを武器に「人類を騙す」ことで戦います。それにしても、サングラスをつけた時のベックはトニーにかなり似てましたね。

【考察】ドローンやホログラムなど、進化するIT技術や現代社会への皮肉

【考察】ドローンやホログラムなど、進化するIT技術や現代社会への皮肉© 2019 CTMG, Inc.

個人的に思うのは、初期のマーベル作品はアメコミらしい「ザ・ヒーロー」の物語が多く、ヒーロー誕生のストーリーが描かれることが基本でしたが、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」を含め、ここ数年の作品は現代社会が抱える問題というものを描いているような気がします。

ご存知の通りサノスの目的は「増えすぎた生命を減らすこと」でした。サノスのやり方に賛同することはできませんが、私たちが住む地球でも人口が爆発的に増加しており、資源や水、食糧などが足りなくなってしまう未来が訪れる可能性は大いにあります。

人口が増えるとそれに応じて食糧も必要になります。人間が生きるにはタンパク源が必要となりますが、牛を育てるとなると牛はかなりのメタンガスを排出することで知られていますから、さらに地球温暖化が進むのではないかと言われています。

環境のことも考えて牛を一から育てず、牛の細胞から研究室で人口的にお肉を作る「培養肉」などの技術開発が進んでいますし、数十年後の人類は火星に移住することもありえるのでしょう。話が少しそれてしまいましたが、そんな「増えすぎた生命をどうするのか」という現実問題が「インフィニティ・ウォー」では描かれていました。

 

「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」では進化するIT技術への警鐘にも感じました。複数のドローンを飛ばしてホログラムでリアルな映像を流すことは現代の技術では難しいと思いますが、技術が進めば映画の中のようなことが出来るようになるかもしれません。

あそこまでリアルな映像が投影されれば、人間は現実か虚構か判断することは難しいですし、映画の中のように映像に騙された人々からベックは「(虚構の)ヒーロー」として担ぎ上げられました。

少し前にオバマ大統領が「トランプ大統領は救いようのないマヌケ」と発言する動画が話題になりましたが、これはAIによって作られたフェイク動画でした。映像に若干の違和感はあるものの、かなり精巧に作られているので種明かしをされなければ騙されてしまう方もいるかと思います。ドローンに投影はできなくても、映像としてはAIでここまで作れてしまう時代なのです。

そして、ベックはスパイダーマンによって倒されますが、編集された動画が公開され「正義のヒーロー(ベック)を倒すスパイダーマン」という映像が出回ってしまいます。

エンドロール後の映像ではJ・ジョナ・ジェイムソンがスパイダーマンを殺人犯として非難するシーンがあり、スパイダーマンの正体がピーターであることも世界に発信されてしまいました。テレビ放送されているメディアでさえも、その映像に騙されているわけですね。

ちなみに、気づいた方もいるかもしれませんが、J・ジョナ・ジェイムソンはサム・ライミ監督の「スパイダーマン」三部作にも出演しています。J・ジョナ・ジェイムソンを演じたJ・K・シモンズは映画「セッション」などにも出演しています。

 

さらに面白いのが、ピーターに接触していたフューリーとマリア・ヒルは実は本物ではなく、タロスとソレンが変身したものでした。タロスは「キャプテン・マーベル」にも登場したスクラル人ですね。

まるで「今見ているものは本当に本物か?」と問われている様でした。ピーターもベックを倒した際に本当に死んだのか?これも映像ではないのか?と「E.D.I.T.H.」に確認する程でしたからね。フェイクばかりで何も信用できないピーターが理解できます。

ピーターにトニーの姿を見るハッピーが良い!

ピーターにトニーの姿を見るハッピーが良い!© 2019 CTMG, Inc.

ピーターのおばであるメイと良い雰囲気になる姿が度々映されていたハッピーですが、ピーターが機内でスーツや搭載する武器を選んでる時に、ハッピーはトニーの姿を重ねるというか、トニーを見ている様な良い顔をするんですよね。

物語の一つのワンシーンにすぎないのですが、あのなんとも言えない懐かしむ表情というか、少し嬉しそうな表情がものすごく良くて、演技が上手いなと感じました。個人的にお気に入りのシーンです。

ちなみに、ハッピー役を演じているジョン・ファヴローは映画監督としても素晴らしい人で「アイアンマン」「アイアンマン2」の監督も彼です。そういった意味ではアイアンマンとの繋がりは深いものがありますし、あの何とも言えない自然な表情は素の演技だったのかもしれませんね。

 

物語の結論として、トニーからメガネを託されたピーターは後継者がベックであると勘違いをしてしまいました。しかし、トニーが自分の後継者として選んだのはピーターで間違いなかったのです。「エンドゲーム」でもピーターのことを想っていましたしね。

トニーとピーターは性格は違えど、頭の良さや人を守りたいという気持ちは似ています。アイアンマンの意志を継いで今後も活躍して欲しいですね。

MJとの恋も進展。ネッドも恋人ができる

MJとの恋も進展。ネッドも恋人ができる© 2019 CTMG, Inc.

スパイダーマンシリーズと言えばピーターとMJの恋も見所です。今作でMJは「ピーターがスパイダーマンではないのか?」と疑問を持っていて、ストレートに「あなたスパイダーマンでしょ」とピーターに問います。なんともMJらしいです。

MJがベックに狙われてしまうという危険な場面もあるのですが、今作でMJはピーターがスパイダーマンであることを知り、ラストシーンではスパイダーマンに捕まって町中を飛び回っていましたね。ピーターとMJの恋は進展しました。

今作ではエンドゲーム後の初マーベル作品ということで注目が高く、「エンドゲーム後の世界」を描く必要がありましたし、もちろんそれだけでなくスパイーダマンの物語もしっかりと描かなくてはなりません。

その中には、敵との戦いやピーターという一人の学生の恋も描かなくてはいけないので、映画的に含める内容が多く、描き方によってはとっちらかってしまうこともあったと思いますが、全ての内容が上手く描かれている様に感じました。

 

そして、親友であるネッドも旅行中にあっさりと彼女を作って楽しんでいます。旅行が終わると同時に恋人関係解消となったみたいですが、別れても二人は仲が良さそうでしたね。

ネッドの「椅子の男」として活躍があまり見られなかったのは残念でしたが…。

凛として時雨「Neighbormind」の曲がスパイダーマンとマッチしていなかった

凛として時雨「Neighbormind」の曲がスパイダーマンとマッチしていなかった© 2019 CTMG, Inc.

主題歌は映画の出来には直接関係しませんが、作品と音楽がマッチしているとより作品を好きになれたりもします。最近であれば「海獣の子供」の主題歌を歌う米津玄師の「海の幽霊」が世界観とマッチしていてとても良かったです。

マーベル作品なので映画公開前に映像をもらうことは難しいと思うので、映画のために作られた曲ではないと思いますが、個人的にはスパイダーマンの映画とはそこまで合っていない様な気がしました。

アニメ版「東京喰種トーキョーグール」の曲「unravel」は好きで東京喰種と世界観も合っていたので、決してバンド自体が嫌いというわけではないのですけどね。

今後のマーベル作品の展開が楽しみになる

今後のマーベル作品の展開が楽しみになる© 2019 CTMG, Inc.

マーベルは別の作品同士で繋がっていて、複数のフェイズでグループ分けすることができます。「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」から始まった「フェイズ3」は「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」をもって終了となります。これで作品の一区切りがつきました。

フェイズ4の作品は2020年から公開され、まだ詳細はわかりませんがブラック・ウィドウが主人公の作品も製作されていたり、アジア系の初ヒーロー映画の製作も決まっていたりします。

「エンドゲーム」は興行収入もアバターに迫る勢いで、世界的なヒットを記録しています。今後登場するヒーローや、今まで登場してきたヒーローが今後どのような活躍をするのか?サノスを超えるヴィランは登場するのかなど楽しみしかありませんね!

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