人気映画の新しいシリーズ1作目の映画『スター・トレック』。シリーズ2作目である「スター・トレック イントゥ・ダークネス」を観てからの視聴になりますが、その順番で観た方が逆に楽しめるのではないだろうかと思えるくらい、シリーズ通しての魅力が詰まった作品になっていました!
今回はそんな『スター・トレック』についての詳しい感想と考察をご紹介していきます。感想と考察ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください!
目次
映画「スター・トレック」を観て学んだ事・感じた事
・カークとの過去と船員たちとの出会い
・スポックの過去と感情が切なく熱い!
・『イントゥ・ダークネス』を観てからの方がテンションが上がる!
映画「スター・トレック」の作品情報
公開日 | 2009年05月29日 |
監督 | J・J・エイブラムス |
脚本 | ロベルト・オーチー アレックス・カーツマン |
出演者 | クリス・パイン(ジェームズ・T・カーク) ザカリー・クイント(スポック) ゾーイ・サルダナ(ウラ/ウフーラ) カール・アーバン(レナード・ボーンズ・マッコイ) ジョン・チョー(カトー/スールー) サイモン・ペッグ(スコッティ) |
映画「スター・トレック」のあらすじ・内容

宇宙で生まれると同時に、宇宙で父を失った青年ジェームズ・T・カーク。
幼い頃から悪さをしたり、優秀にも関わらず不真面目な態度ばかり取っている問題児でしたが、酒場で父を知る男クリストファー・パイクと出会ったことで、父と同じ宇宙艦隊への道を進むことになりました。
そして母親が地球人ということで、同じバルカン人から差別を受けてきた青年スポックも、地球人とのハーフということで自分を差別し続けるバルカン人の元を離れ、宇宙艦隊への道を進みます。
しかしそんな宇宙艦隊への道を進む2人の元に、スポックを探している男・カークの父の命を奪った男ネロが近付いてきていました。そしてついにスポックはネロに捕まってしまうのですが…。
映画「スター・トレック」のネタバレ感想
シリーズ2作目の次にシリーズ1作目である今作を観たことで、シリーズ2作目を観ていたからこそ面白いと感じる部分が多い映画だと感じました。
特に今作のメインキャラクターとなるスポックに関しては、今作だけよりも2作目を観てからの方が盛り上がる展開が多くなっているので、2作目が好きだった方にはぜひ今作もチェックしていただきたいです!
カークの過去が重い

出生と同時に父を失ってしまったこと、母親があまり側にいなかったこと、父親の殺害された理由等を考えると、何とも重たい過去になっていましたね。
個人的には元々船長だったのではなく、タイミング悪く数分間だけ船長になってしまったために父が命を落としていくというのが、残酷で切ない過去だったなと感じました。
敵船に来るよう指示された船長の代わりに船長となったために、逃げずに他の船員たち・妻子を守るために船内に残ったのだと思うと、正直タイミングが悪かったというか、たった12分間船長になってしまったがために、その後の父としての人生も宇宙艦隊での人生も失ってしまうというのが切なかったですね。
映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』で分からなかったカークの出生・宇宙艦隊に入るきっかけが分かったことで、カークと言うキャラクターには暑苦しい正義感だけでなく、悲しみや誰にも死んでほしくないという強い望みが詰まっていたのだなと感じられるようになって、前回以上に好きなキャラクターになりました。
今作も最初からクライマックス!
イントゥ・ダークネスでも序盤からクライマックスな雰囲気で始まって驚きましたが、今作もそんなクライマックスから始まる映画になっていましたね。
突然現れた敵。
敵に殺害されてしまう船長。
危機的な状況で船長を任された男。
身重な妻。
脱出シャトルに船員たちと妻を乗せ、自分は船に残る。
ここでエンドロールが流れるのではないかというくらい切なく盛り上がる展開になっていましたし、少年マンガのような見応えがありつつカッコいい展開になっていて良かったです。
やはり冒頭から盛り上がっている方が冒頭から物語に入り込むことができますし、興味をそそられながら観始めることができました。さらに、この冒頭の名付けシーンが『イントゥ・ダークネス』でも少し関わってくるので、そういった意味でもシリーズ通して盛り上がる展開を持った冒頭になっていましたね。
スポックの過去と感情

今作のメインキャラクターであるスポックの過去と感情面がしっかりと描かれていることで、ストーリーに深みを与えているだけでなく、キャラクター自体にも深みが増すような良い展開が多かったですね。
スポックがバルカン人と地球人のハーフであることはイントゥ・ダークネスでも話されていたので知っていましたが、そのことでバルカン人から差別にあっていたことは知らなかったので、驚きあり切なさありの展開になっていましたね。
同じ種族であるはずのバルカン人から母親が地球人と言うことで母親が差別にあい、父親も裏切り者として差別にあい、そんな2人の子供だからと差別とイジメにあい…、両親のことを愛しているからこそのツラい境遇です。
そして、バルカン人として生きていくことを決められていたからこそ論理的には振舞ってはいたものの、母親をバカにされると激情して感情を露わにしてしまうというのは、スポックという人物の印象が変わっていくような良い感情表現だったと思います。
そんな風に感情を露わにするほど愛していた母親が目の前で死亡してしまい、生まれ育った星と多くのバルカン人を失ってしまうというのは、あまりにも酷で…でも自分自身の中で何とか折り合いを付けて、そんな悲しみに迷いながらも前へ進んでいくというのは、主人公よりも主人公のようでカッコよかったですね。
イントゥ・ダークネスの時からスポックは好きなキャラではありましたが、今作を観たことでさらに好きになりました!
カークのだんだん輝いていく青い瞳

イントゥ・ダークネスを見たときはカークの青く輝く瞳が印象的だと感じましたが、今作の冒頭では青い瞳はそこまで印象的なものではありませんでした。
ただ、そこからストーリーが進むにつれて段々瞳の青さ・輝きが増していくようになっていて、ストーリーに合わせてカーク自身が輝いていくように感じられ、最初からずっと瞳が輝いている以上にカッコよく、テンションの上がる演出になっていましたね。
最初に瞳が輝いて見えなかったのはカークが酒場などの暗い場所にいたせいかもしれませんが、強い意志や志なく、悪さばかりの堕落した生活を送っていたことが瞳から感じられるようになっていて。
そんなカークの瞳が連合艦隊の本部にやってきたときには光がキレイに入り込んで、青くキラキラと輝くような瞳に変化していて、ここから彼の目的・野望・希望が始めっていくように感じられました。
ただの撮影環境の問題と言ってしまえばそれまでなのですが、瞳の輝き方でカークが成長していっているように感じられたので、個人的には好きな演出でしたね。
スコットたちとエンタープライズ号との出会い

今作でエンタープライズ号で共に過ごしていく船員たちとの出会い、そしてエンタープライズ号との出会いも描かれていて、「イントゥ・ダークネス」の前日譚を観ている気分で楽しむことが出来ました。
前日譚として観てみると、マッコイとスコットの出会いが意外でしたね。
マッコイはたまたま乗り込んだ船が同じだったという出会いだったものの、そこから馬が合って一緒に行動するようになり、アカデミー停学中で船に乗ることができなかったカークを患者として秘密裏に乗船させていたり、思っていた以上に仲が良さそうで驚きました。
イントゥ・ダークネスでも仲良さそうではあったのですが、アカデミーからの親友という感じには見えなかったので、思っていた以上に長い付き合いだったことが意外でしたね。
そしてスコット。立派な功績を持っていたのに、教官と馬が合わなかったために氷の島に追放に近い形でいたというのは、出会いこそ偶然なもののカークと近い感じもあって、出会うべくして出会った2人という雰囲気が非常に良かったです。
イントゥ・ダークネスを観ていたからこそ、お馴染みの船員たちとの出会いに驚いたり、それぞれの癖の強さ・性格に難があるものの優秀であることはしっかりと分かるようになっていて、前日譚を観ている気分で楽しめたかなと思います。
宇宙での映像が美しくて冷たい

イントゥ・ダークネスほどの鮮やかさはないのですが、宇宙での映像の美しさ、そして残酷に感じるほどの冷たさは印象的でしたね。
宇宙空間で見る星の輝き、終わりの見えない広大さ、大きな惑星というのは美しいのですが、宇宙空間に漂う宇宙船の残骸、酸素がなく音の響かない無音の冷たさというのには、あこがれだけでなく冷たさや宇宙の厳しさが感じられるようになっていて、宇宙で戦う組織というSFストーリーによく合った、リアルで良い表現だったと思います。
ただそんな宇宙の残酷さが描かれているからこそ、子供向きではないですね…。
ストーリー的にはかなり王道なSF映画という感じなので問題ないのですが、宇宙で人々が結構死んでいきますし、敵との戦闘シーンでは細かい表現こそされていないものの火に焼かれてしまう残酷なシーンとかもあるので…どちらかと言えば、宇宙で戦うシーンや組織が好きな大人向きな作品だと思います。
ウフーラとスポックの恋はうーん…

感情を抑え込むスポックと感情を表に出すウフーラ(ウラ)というカップルは、相性が良さそうで観ていて微笑ましい部分もあるのですが、ちょっと恋人関係になるまでの展開が早すぎる気がいたしました…。
ナンパして何度もアタックしていたカークとウフーラがくっつくのであれば理解できなくもないのですが、同じ船に乗ったことで初めて会話した様子の2人が突然恋人関係になるというのは唐突過ぎて、何が起きたのか理解できない部分が多かったです。
生まれ育った星を失い、母親を失い、多くの民を失ったことで絶滅の危機にまで追い込まれたスポックにウフーラが同情的になるというのは理解できるのですが、だからといってキスすることには繋がらないですし、あの時点ではわざわざスポックを追いかけるほどの仲ではないと思いますし…。
エンタープライズ号に乗るために抗議してきたウフーラに対し、優秀であることを知っていたり、すぐに変更に同意していたことを考えるとスポック側に恋愛感情があったというのは納得できなくもないですが、ウフーラ側に関しては何の脈絡もなくて…唐突過ぎました。
映画内では2人の交際関係について触れられていませんが、もしかしたらエンタープライズ号に乗船する前から2人は交際関係にあったのかもしれませんね。
イントゥ・ダークネスの時から好きなカップルではあるのですが、2人のなれそめがあいまいだった点、そのために恋愛関係になるまでの脈絡がない感じは少し残念でした。
共感しやすい魅力的な敵・ロミュラン人

今作はカーク、スポックの過去が切ないというのはもちろんのこと、敵まで切ない過去というか未来を持っていたのが印象的でしたね。
守ると約束していたのに星は壊れてしまい、妻や多くの民を失い、全てはブラックホールに吸い込まれてしまう…スポックを恨む気持ちも理解できるような、ツラく切ない出来事だったと思います。
共に過去にやってきたスポックを殺害するのではなく、同じ苦しみを与えるために生かしておいて自分の星・仲間が死んでいくのを見させるというのも、自分がされたからこその残酷な仕返しで…残虐ではあるものの少し同情的になってしまう敵でした。
映画『ターミネーター』のように未来からやってきた、過去に干渉して未来を変えようとするタイプの敵というだけでも魅力的なキャラクターではあるのですが、暴力的な部分はあれども家族、同族を愛していたからこそ恨んでいるということで、どこか憎めないような共感しやすい敵でしたね。
分かりやすい悪を求めている方にはイマイチに感じる部分もあるかもしれませんが、敵側のストーリーも重視する方にはおすすめの敵キャラになっています!
映画「スター・トレック」の考察

改めてイントゥ・ダークネスを先に観ていても問題なかったのか、スールーとカトー・ウフーラとウラといった同じキャラなのに名前の違うキャラについて考察していきます。
あくまでも個人的な考察なのでこれが正解というわけではありませんが、参考程度に見て頂けると幸いです!
『イントゥ・ダークネス』後の視聴がおすすめ
今作を先に観ていた方が、「イントゥ・ダークネス」でパイク船長との関係性や船員たちとの出会い、カークの過去などが分かりやすくなるとは思いますが、観ていなくてもストーリー的にある程度は理解できましたし、関係性に関しては概ね予想通りだったので今作を先に観ていなければダメと言うことはなかったですね。
むしろ「イントゥ・ダークネス」を見てから今作を見た方が、前日譚を観る気分で主要メンバーとの出会いを知ることが出来ましたし、仲を深めていく様子を楽しむことができました。
そしてなによりも、今作で登場する未来のスポックのセリフは「イントゥ・ダークネス」を観た後に聞いた方が理解しやすく、テンションの上がるものになっているので、個人的には「イントゥ・ダークネス」を観てから今作を視聴する方がおすすめです!
スールーとカトー、ウフーラとウラ
出演者は変わっていないのにイントゥ・ダークネスとは名前の違うカトーとウラ。
どちらもどうやら日本オリジナルの名称だったらしく、カトーはイントゥ・ダークネスの『スールー』、ウラはイントゥ・ダークネスの『ウフーラ』という名前の方が原作通りなのですが、スター・トレックの日本版のみ、なぜか名称が変わっているらしいです。
日本人が親しみやすいように日本版だけ名称を変えているのかもしれませんが、イントゥ・ダークネスからは正しい名称の方に戻っているので、正直混乱してしまうだけですね…。
今後はスールー、ウフーラという正しい名称の方で統一すると思われるので、覚える時にはぜひ正しい名称の方で覚えていきましょう!
後日談として観ると楽しい!

シリーズ2作目から1作目の今作という順番で観始めたために、後日談を観ているような感覚で楽しめる映画になっていました。
スポック好きにはたまらない魅力の詰まっている作品なので人におすすめしたくなる作品ではあるのですが、「イントゥ・ダークネス」に比べて敵・味方の死に方が残酷になっているので、子供よりかは大人におすすめな作品です!
映画「スター・トレック(2009年)」の動画が観れる動画配信サービス一覧
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※2019年8月現在の情報です。