映画「スパイダーマン:ホームカミング」はトム・ホランド主演のスパイダーマン新シリーズにあたります。2019年には続編にあたる「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」が公開される予定です。
今回はアベンジャーズシリーズにも関係性の深い映画「スパイダーマン:ホームカミング」のネタバレ感想や解説、考察を紹介していきます。
目次
映画「スパイダーマン:ホームカミング」を観て学んだこと・感じたこと
・ヒーローとしての活動はそう上手くはいかない
・好奇心旺盛な10代の少年が描かれている
・父親のように見守るアイアンマンはやっぱり頼りになる!
映画「スパイダーマン:ホームカミング」の作品情報
公開日 | 2017年 |
監督 | ジョン・ワッツ |
脚本 | ジョン・ワッツ ジョナサン・ゴールドスタイン |
出演者 | ピーター・パーカー/スパイダーマン(トム・ホランド) エイドリアン・トゥームス/バルチャー(マイケル・キートン) ハッピー(ジョン・ファヴロー) ネッド・リーズ(ジェイコブ・バタロン) ミシェル・“MJ”・ジョーン(ゼンデイヤ) リズ・トゥームス(ローラ・ハリアー) |
映画「スパイダーマン:ホームカミング」のあらすじ・内容
ニューヨークで行われたアベンジャーズとチタウリの戦いの瓦礫を撤去するエイドリアン・トゥームスですが、トニーと政府が設立した機関によって職を奪われてしまいます。
トゥームスは隠し持っていたチタウリの残骸を使い、強力な武器を製造して売りさばいていきます。
それから8年後、高校生のピーター・パーカー(スパイダーマン)はトニーに見出され、トニーが開発したスーツをもらうことになります。街の犯罪行為を取り締まるピーターですが、何度も空回ってしまいます…。
映画「スパイダーマン:ホームカミング」のネタバレ感想
【解説】MCUの新スパイダーマンシリーズでアイアンマンも登場!
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)とはマーベルの作品同士で世界観を共有し、他の作品に別のキャラが出演するというクロスオーバー作品のことをさします。
過去にもスパイダーマンの映画は5作品製作され、原作はマーベルコミックではあるものの基本的に映画単体で楽しむ作品でした。今作のスパイダーマンは「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」や「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」「アベンジャーズ/エンドゲーム」など他の作品にも出演しています。
他にも、今作には「アイアンマン」の主人公であるトニー・スターク、トニーの運転手を務めるハッピーや恋人のポッツなども登場します。キャプテン・アメリカも教材ビデオとして登場するなど、他のマーベル作品を視聴していればより楽しめる映画です。
また、スパイダーマンといえば、普通の少年が蜘蛛に噛まれたことによって特殊能力を得るお約束的な展開がありますが、今作ではそういった描写は一切描かれていません。これは新しい試みではありますが、何度もリブートされている作品なので今作ではあえて描かなかったのでしょう。
同じように、ベンおじさんが亡くなるシーンも描かれていません。ネッドにスパイダーマンであることがバレてしまったピーターは「これ以上メイおばさんを悲しませたくない」と言っていることから、ベンおじさんは亡くなっていることが想像できます。
そもそも、メイおばさん自体がかなり若くて美しいので、キャラクターの名前などの基礎は抑えつつも、その他の部分は結構変わっていますね。
シビルウォーの戦いに参加するスパイダーマンの裏側が描かれる
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」では、アイアンマンと共にキャプテン・アメリカチームと戦うシーンがありましたが、トニーから招集され、スパイダーマンの最新スーツをもらい、シビルウォーの戦いに参加するまでの裏側が描かれているので、シビルウォーを観た人にとっては嬉しいシーンではないでしょうか。巨大化したアントマンもちらっと映っています。
終始ピーターはビデオを回していてテンションがとにかく高いです。憧れのヒーローたちと戦った際の喜びようもすごく、ハッピーに怒られていましたね。空回りすることも多いピーターですが、作品を通してピーターの10代らしさが描かれているように感じました。
スパイダーマンの正体を知ったネッドの質問攻め
スパイダーマンとしての活動を終えたピーターは静かに家に帰りますが、家にいたネッドにスパイダーマンであることがバレてしまいます。
ネッドはピーターに対して「毒を吐くの?」「クモ軍団を呼べる?」「キャプテン・アメリカはジジくさい?」と次々に質問をしていきます。もし、自分がネッドだったらと考えると何だか分かる気がするんですよね。
正体不明のヒーローが実は親友だったと分かればテンションが上がりますし、「自分はスパイダーマンの正体を知っている」と誰かに言いたくなってしまいたい…という気持ちも理解できます。
結局、ネッドはピーターがスパイダーマンであることを誰かに言うことはありません。ただの友達ではなく親友だからこその対応ですね。そして、ネッドは「イスの男」として今後の展開でスパイダーマンを手助けしていきます。
アイアンマン製作のスパイダーマンのスーツがカッコ良く、人工知能カレンも良い!
スパイダーマンというと腕からクモの糸を出し、生身で戦うのが基本でした。しかし、今作のスパイダーマンはトニーが製作したスパイダーマンスーツ(ハイテク・スーツ)を身にまとって戦います。
このハイテク・スーツがめちゃくちゃ強くてカッコ良いんです!初めは補助輪モードになっていて機能が制限されていましたが、ネッドが補助輪モードを解除したことによって、あらゆる機能を使うことが出来るようになりました。
偵察ドローンを飛ばしたり、拡張尋問モードなどもあります。人工知能(カレン)も搭載されていて、ターゲットの位置を調べたり、盗聴や車を飛び降りる時のタイミングなど全てを教えてくれます。クモの糸を飛ばすウェブ・シューターのモードだけでも576種類もあり、さすがトニー製のスーツです!
また、ピーターは人工知能のカレンに対して「スパイダーマンってリズに言うべきかな?」と恋の相談をします。「やっぱり変に思うかな?」というスパイダーマンに「何が変なのですか?私が彼女なら失望しません」と何とも嬉しい言葉を言ってくれるんですよね。
人間のように会話をしてくれて、的確なアドバイスをしてくれるカレンは人工知能ではありますが、こんなAIが側にいてくれれば楽しいでしょうね。アイアンマンの映画ではジャーヴィスやフライデーなど、幾度となくアイアンマンのピンチに対して助言をしてきた人工知能が登場しましたが、スパイダーマンとカレンという新しい組み合わせも、続編の「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」で楽しみです。
スパイダーマンはヒーローとしてはまだまだ。頼りになるアイアンマン
スパイダーマンはバルチャーの取引現場を抑えるため船に乗り込みますが、バルチャーの攻撃によって船が真っ二つにされてしまいます。そこでスパイダーマンはクモの糸を使い、2つに分かれた船を繋ぎとめようとします。
結果的に上手くはいかず、船が沈没してしまうところにアイアンマンが駆けつけてきます。ヒーローとしての熟練度が違うというか、パパッと人々を救ってしまう姿がかなりカッコいいんですよね。
そして、勝手な行動をしたピーターにトニーが説教をしてスーツを取り上げます。このシーンが親子のような関係性で、トニーはピーターが勝手な行動をしたことにではなく、命を危険にさらしたことについて激怒しているようでした。このシーンでは、ピーターのことを思う父親のような優しさが感じられました。
自由奔放で好き勝手にやっているイメージの強いトニーですが、やはり正義感が強くて他人想いなんですよね。
「スーツなしじゃ僕はなにもできない」というピーターに対して、トニーは「スーツ無しじゃダメならスーツを着る資格はない」と言います。普段アイアンマンのスーツを身にまとって戦っているトニーですが、例えスーツが壊されたとしても、誰かを守るためにヒーローは戦わなくてはなりません。アイアンマンが言うセリフだからこそ言葉に重みがありますね。
リズの父親がバルチャー!急なホラーサスペンス展開
ピーターは好きなリズをホームカミング(パーティ)のパートナーに誘い、当日にリズの家を尋ねますが、家から出てきたのは今作のヴィランであるバルチャー(トゥームス)でした。筆者もピーターと同じように「え、マジか!?」と驚きましたね。
ピーターはスパイダーマンのスーツを身にまとって戦うので、バルチャーにバレることはありませんが、とにかくピーターの表情が驚きを隠せていない表情で、写真撮影の時にも顔がひきっつています。そんなんじゃバレてしまうよ…とこちらもヒヤヒヤするシーンです。
そして、バルチャーはピーターとリズを学校まで送り届けてくれます。その車内での会話がまるでサスペンス映画のようで、何も知らないリズが「事件に巻き込まれた時はピーターはいなかった」「よくいなくなる」というような発言を次々にするんですよね。
リズの普通ではないピーターの話、そして強ばるピーターの顔をみてバルチャーはスパイダーマンの正体を確信します。リズの命を救ってくれたピーターを見逃してくれるという、娘思いな性格と情け深いというか、情に熱い一面もみられます。
マーベル作品は爽快な戦闘シーンや感動できるシーンがあったりしますが、ここまでハラハラとする急なサスペンス展開は今までにないように思えました。それにしてもピーターは嘘が下手ですね。
【解説】生身で戦うピーターは一回り大きく成長したヒーローに
トニーからスーツを没収され、スーツ無しでは何もできないと嘆いていたピーターですが、生身の姿でバルチャーと戦い人が集まる場所に飛行機を墜落しないようにするなど、ヒーローとしての仕事を全うします。
そして、敵であるバルチャーを炎の中から救う姿は、ピーターの根の優しさが分かるシーンでした。リズの父親だからということは関係なしに、一人の命を救うという理由で助けたのでしょう。
また、大きな活躍をしたピーターはトニーにアベンジャーズに入らないかと再度スカウトされます。記者を大勢呼んでいることからみて、トニーはピーターが承諾すると思っていたのでしょうが、ピーターの答えはNOでした。この時のトニーは面食らって驚いていましたね。
初めはしつこいぐらいにアベンジャーズ入りを熱望していたのに、再びスカウトしてみれば答えはNOですからトニーが驚くのも無理はありません。でも、この答えがピーターらしいというか、やりたいことや自分の夢が頻繁に変わる少年らしさでもあります。
敵と戦う上で、人助けやヒーローとして活動することの難しさを感じ、自分は「親愛なる隣人を救うヒーロー」として活動することが向いていると思ったのでしょう。「世界を救うヒーロー」もカッコいいですが、自分の好きな街や人を助けるヒーローというのも素敵です。
結局、ピーターはアベンジャーズに入らなかったので、急遽トニーはポッツとの婚約会見を開くことになります。行き当たりばったりの性格はさすがトニーです!
【考察】MJはミシェルだった!今後はヒロインに?
スパイダーマンシリーズの主人公はピータ・パーカー、ヒロインのニックネームはMJというのがお約束ですが、映画のラストでミシャルが友達からMJと呼ばれていると明かします。
ミシェルはよく皮肉を言い、根暗な性格で友達はあまりいませんが、学力コンテストの仲間としてピーターと共に活動する彼女は度々ピーターを気にかけています。彼女は続編の「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」にも出演するので、今後の展開でヒロインとして活躍するのかもしれません。
今作はヒロインの描き方が今までのスパイダーマンシリーズと違いますが、描き方の違いは随所でみられます。今作は「スパイダーマンという一人のヒーロー」を描くことよりも、「一人前のヒーローへと成長していくスパイダーマン」を描いているように思いました。
過去の作品ではスパイダーマンというヒーローが誕生することを描き、ヒーローとしての強さも兼ね備えていました。今作では蜘蛛に噛まれるシーンが描かれていなかったり、「スパイダーマン誕生」に重きをおくよりは、頼りないスパイダーマンが一人前のマーベルヒーローになる過程を描いているように思います。
どちらのスパイダーマンも素晴らしいですが、トニーとの出会いなどを通して一人前のヒーローになっていく様子は、また新しい展開で良いなと感じました。
【解説・考察】ラストのエンドクレジットの刑務所の男は誰?
エンドクレジットでバルチャーが刑務所に入れられ、ある男に声をかけられます。これはスパイダーマンが船に乗り込んだ際にいた、マック・ガーガンという人物です。人工知能のカレンが「殺人を含む犯罪多数」と言っていましたね。
バルチャーがスパイダーマンに攻撃した際にマック・ガーガンにあたり、海に突き落とされていましたが結局捕まっていたのですね。
原作漫画では「スコーピオン」というヴィランが登場しますが、マック・ガーガンの首元にサソリのタトゥーがあることから、スコーピオンで間違い無いでしょう。今後のスパイダーマンの映画でヴィランとして登場する可能性が高いです。
そして、刑務所にはいってきたトゥームスに対してマック・ガーガンはスパイダーマンの正体を聞きますが、トゥームスはスパイダーマンの正体を知らないふりをします。自分の命を救ってくれたスパイダーマンをかばうトゥームスは、やはり情に熱い性格なんですよね。
「スパイダーマン:ホームカミング」は新展開が多い!
スパイダーマンは何度もリブートされているので、展開がマンネリ化になっていますが、今作は展開に違いがあって新鮮味がありました。
今作のスパイダーマンは他のマーベル作品にも登場していますし、今後も様々な作品に登場することが予想されるので、1作目の「スパイダーマン:ホームカミング」は是非視聴してみてください!
映画「スパイダーマン:ホームカミング」の動画が観れる動画配信サービス一覧
配信状況 | 無料お試し | |
Hulu | × | 2週間 |
Netflix | ○ | 30日間 |
FOD | × | 1ヶ月 |
U-NEXT | ○ | 31日間 |
auビデオパス | ○ | 30日間 |
※2019年5月現在の情報です