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映画『名探偵ピカチュウ』ネタバレ感想・解説・考察!とにかく可愛いポケモンたちの世界が目の前に!

【考察】結局は「ポケモンの実写化」がメイン。続編はあるのか?

映画「名探偵ピカチュウ」は3DSゲーム「名探偵ピカチュウ 〜新コンビ誕生〜」が原作の映画です。

ビデオゲームが原作の実写化映画は多くありますが、「名探偵ピカチュウ」は全米のオープニング興行収入が5800万ドルとなり、ビデオゲームの実写化作品で最高位だった「トゥーム・レイダー」の記録を抜いて一位となりました。

日本のみならず世界的にも成功している映画「名探偵ピカチュウ」のネタバレ感想や解説、考察を書いていきます。

目次

映画「名探偵ピカチュウ」を観て学んだこと・感じたこと

・実写化が難しそうなポケモンの世界がそこにある!
・ピカチュウの中身がノリの良いおっさんというギャップ
・ポケモンを知らなくても絶対に楽しめる映画

映画「名探偵ピカチュウ」の作品情報

公開日2019年5月
監督ロブ・レターマン
脚本ロブ・レターマン
ダン・ヘルナンデス
ベンジー・サミット
出演者ティム・グッドマン(ジャスティス・スミス/竹内涼真)
ルーシー・スティーヴンス(キャスリン・ニュートン/飯豊まりえ)
ヒデ・ヨシダ(渡辺謙)
ジャック(カラン・ソーニ/梶裕貴)
名探偵ピカチュウ(ライアン・レイノルズ/西島秀俊)

映画「名探偵ピカチュウ」のあらすじ・内容

映画「名探偵ピカチュウ」のあらすじ・内容

ティムは長い間顔を合わせていなかった父・ハリーが事故で亡くなったとの訃報を受け、人間とポケモンが共生する街「ライムシティ」を訪れます。

ハリーの部屋を訪れると1匹のピカチュウと出会い、ピカチュウの話す内容や声を理解できることに気づきます。ピカチュウは記憶喪失状態でしたが、ハリーのパートナーであったと言い、ハリーはまだどこかで生きているということをティムに伝えます。

ティムはピカチュウ、新米記者のルーシーとそのパートナー・コダックと共に、ハリーの死の真相を追求していきます。

映画「名探偵ピカチュウ」のネタバレ感想

ポケモンが目の前に!実写化映画としては大成功

ポケモンが目の前に!実写化映画としては大成功(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
(C)2018 Pokemon

ポケモンといえば日本のみならず世界中で大人気のゲームであり、ゲームをプレイしたことがなくてもピカチュウやゼニガメ、フシギダネ、ヒトカゲといったポケモンを知っている方は多いのではないでしょうか。

そんな大人気ゲームであるポケモンが今回実写化したわけですが、視聴する前の筆者は「ポケモンの実写映画とか大丈夫…?」と不安に思っていました。というのも、漫画原作の実写化作品は日本でも数多く公開されており、「るろうに剣心」のように実写化に成功した作品もあれば、「鋼の錬金術師」のように残念な結果になってしまった作品もあります。

名探偵ピカチュウは日本で製作されるわけじゃないし大丈夫なんじゃ…?と思う方もいるかもしれません。しかし、実写化作品で一番失敗した作品と言っても過言ではない「ドラゴンボールエボリューション」を忘れてはいけません。これは20世紀フォックスが製作・配給を行ったハリウッド製作の映画ですが、ご存知の通りお粗末な結果となりました。原作者の鳥山明さんも「多分ダメだろうなと思ったら本当にダメだった」とコメントをしています。

 

とは言っても、上記で紹介した作品は全て漫画が原作の作品です。「名探偵ピカチュウ」はゲームが原作なので、漫画原作の実写化映画とはまた少し違うのかもしれません。

では、ゲームが原作の実写化映画はどんなものがあるかというと「バイオハザード」「トゥームレイダー」「サイレントヒル」などが挙げられます。これらの作品は実写化映画の中でも成功した部類に入るのではないでしょうか。

ゾンビとの戦いを描いた「バイオハザード」は実写映像との相性も良いですし、「トゥームレイダー」のようなアドベンチャーアクションも実写化しやすい作品ですが、「名探偵ピカチュウ」はポケモンという架空の生き物が登場するだけあって、実写化するのは難しいと思っていました。ポケモンはアニメ色の強い作品ですからね。

 

しかし、この映画を観てみると、人間とポケモンが共生するライムシティの映像は全く違和感を感じさせませんでした。「バイオハザード」の様にゾンビ化した人間が襲ってくるというストーリーは、フィクションでありながらリアルっぽさを感じることができますが、「人間と共に暮らすポケモン」というのは完全に架空なものなので、この感覚が不思議でした。

子供の頃から慣れ親しんだポケモンがそこにいて、交通整理をするカイリキーやカビゴン、消火活動をするゼニガメ、カフェの店員として働くルンパッパなど、ポケモン好きであれば実現してほしいと思える様な世界が広がっていました。

個人的には、冒頭のカラカラを捕まえるシーンで既に心を掴まれていました。ポケモンのゲームでは別にカラカラは好きではなかったのですが、大声で泣き叫ぶカラカラが何とも言えない可愛さで、この映画を見て完全に恋に落ちました。

ピカチュウやゼニガメは誰が見てもカワイイと思えるポケモンですが、この映画で実際に動いているポケモンを見ると、新しい推しのポケモンが増えるかもしれません!

ピカチュウの吹き替え声優・西島秀俊はどう?ボルテッカーがまんま西島秀俊だった

ピカチュウの吹き替え声優・西島秀俊はどう?ボルテッカーがまんま西島秀俊だった(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

海外映画を吹き替えする際に、プロの声優ではなく芸能人やお笑い芸人を起用することが多々あります。もちろん、中には声を当てるのが上手な方もいるのですが、やはりプロの声優として活動している人と比べると、実力に差があることが多いです。

映画を興行的に成功させるためにも、著名な芸能人を起用しようとする意図はわかるのですが、声優としての経験があまりない方を起用することで作品の全体の質が下がってしまうことも考えられます。

「君の名は。」「カメラを止めるな!」の様に映画が口コミで広がっていく事も考えられるので、作品の完成度を高めるためにもプロの声優を起用したり、声優経験のある方を起用する方が良いと思うんですよね。

最近は人気の高い声優の方がたくさんいるので、有名な方を起用することで芸能人を起用するのと同じくらい集客できると思うのですが、どうなのでしょうか。そもそも、「名探偵ピカチュウ」はポケモンという知名度抜群の作品が原作なわけですから、それだけで十分集客できると思うのです。そうであれば、プロの声優を使って欲しかったなと思います。

 

ちなみに、今作の主人公であるティムの声は竹内涼真が演じています。ティムの声に関しては特に気になることはなく、声優経験が無いにしては上手い方だったのでは無いでしょうか。

ピカチュウの声は西島秀俊が演じています。最近では「空母いぶき」に出演するなど、演技力の高い俳優です。海外版では「デッドプール」の主人公であるライアン・レイノルズが声を演じていますが、ピカチュウは可愛い風貌でありながら、渋い声でおちゃらけた性格をしているので、ライアン・レイノルズは役とマッチしている気がします。

では、日本版のピカチュウの声を演じた西島秀俊がどうだったのかというと、個人的には微妙でした。決して声を当てるのが下手だったというわけではありませんが、「人の言葉を喋るが人間では無い生き物(ピカチュウ)」を声だけで演じるのは中々難しく、かなりスキルのいることだと思うのです。

人の言葉を喋るからといって人間ぽさを全面に出してしまうと、ピカチュウというキャラが引き立たなくなってしまいます。ピカチュウという可愛いキャラの中身が実はおっさんというギャップのある設定ではありますが、人間ぽさがバリバリに出てしまうと「ピカチュウではなく西島秀俊じゃん!」となってしまうのです。

結局、映画のラストでピカチュウの正体は実の父親であることがわかったため、人間ぽさが前面に出てしまう演技が間違っていないとも取れますが…。

 

そして、個人的に気になったのが、ハリーの死の真相を追求するために研究施設を訪れたティムたちが襲われ、何とか逃げ出して森をさまよっていると、実は巨大化したドダイトスの背中にいることがわかったシーンです。

瓦礫が襲ってくる中で石がピカチュウにあたり、ピカチュウが大ダメージを負うというシーンがあるのですが、かすれた声でピカチュウが喋るシーンでは劇場内に「フフッ」という笑い声が漏れてたんですよね。

前提として劇場にあまりマナーが良くないお客さんがいましたし、「そんな小さな石ころがあたって大ダメージになるの!?」という疑問もあったのですが、多分あそこのシーンは感動するとまではいきませんが、シリアスなシーンだったのではないかと思います。

瀕死状態にあるピカチュウの今にも死にそうな声というのは難しいと思います。しかし、彼の声からはそれを感じることができず、思わず笑ってしまった人がいたのかなと感じました。字幕版でもこのシーンはシリアスなシーンではなく、笑えるシーンなのでしょうかね?

 

また、映画の終盤ではピカチュウが「痛いから嫌」と言っていたボルテッカーを使用します。その時のシーンでは「ピカピカピカピカーーッッ!!」とピカチュウが言うのですが、完全に「ピカピカ言う西島秀俊」で一瞬冷めた自分がいました。

ちなみに、ティムには人間の言葉でピカチュウの声が聞こえていますが、周囲の人には可愛らしい「ピカピカ」という声で聞こえています。その時の声はアニメ版で声優を担当している大谷育江です。

補足ですが、映画の冒頭に登場したティムの友達であるジャックの声は梶裕貴が担当しています。「進撃の巨人」のエレンや「僕のヒーローアカデミア」の轟焦凍の声ですね。人気声優なだけでに贅沢な使い方だなと思いました。

コダックやバリヤード、ブルーなどポケモンがリアルで可愛い

コダックやバリヤード、ブルーなどポケモンがリアルで可愛い(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

今作はピカチュウがメインとして描かれていて、ピカチュウの目の動きや瞬き、毛が風になびく様子や耳が上がったり下がったりなど、とにかく映像がリアルです。そして、ピカチュウ以外にも登場するポケモンがどれも魅力的です。

例えば、ハリーの事件の手がかりを知っているバリヤードは一切言葉を発さず、パントマイムで事件の真相を教えてくれます。おちょくるようなパントマイムは憎たらしくもあり、豊かな表情に劇場内では笑いが起きていました。

 

他にも、ライムシティの刑事ヒデ・ヨシダのパートナーポケモンであるブルーですが、終始表情を崩さず怒ったような顔をしています。恐い表情のブルーは実は性格が臆病だったりとギャップがすごいです。ポケモンの持つ可愛らしさにそれぞれの個性や特徴が合わさり、ポケモンのゲームの中では見向きもしなかったポケモンが、意外と魅力的だったことに気づきます。

ちなみにヒデ・ヨシダを演じる渡辺謙は最近公開された「ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ」にも出演しています。日本初のゴジラとポケモンに出演してるんですね。

 

そして、今作のヒロイン的なポジションでもあるルーシーはコダックを連れています。女性とコダックという組み合わせはアニメ版のカスミを彷彿させます。

コダックもまた可愛らしく、ゲッコウガに襲われた時は常に叫んでいました。コダックからしてみればとにかく恐怖でしかないのでしょうが、怖がってる姿もまた可愛らしくて笑えます。そして、ストレスによって頭痛を引き起こして念力を使うシーンは迫力があり、「そんなに威力高いの?」と驚きました。

個人的に好きだったシーンがラストでハワードを倒し、コダックがピカチュウとハグをするシーンです。ちっこい2体のポケモンがハグをするとか可愛すぎるんですよね。とにかく登場するポケモンが全て可愛くて大満足でした。

【解説】ポケモンを知らなくても楽しいけど、知ってるともっと楽しい

【解説】ポケモンを知らなくても楽しいけど、知ってるともっと楽しい(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

ライムシティでは様々なポケモンと人間が共生しているので、画面の隅々までどんなポケモンがいるのか目を見張らせていると発見があります。

筆者は第三世代であるルビー・サファイア全盛期であり、それ以降の作品はやり込んでいないので、全てのポケモンを把握していません。今回「名探偵ピカチュウ」を友達と観に行きましたが、その友達は第三世代以降のポケモンもやり込んでいるかなりのポケモンファンでした。

その友達曰く、巨大化したドダイトスから逃げるピカチュウに石があたりピカチュウが負傷。フシギダネに助けを求めて奥地へと導かれるシーンがありますが、そこにキュワワー、フラベベ、ネマシュというポケモンがいたそうです。

筆者はポケモンの名前も聞いたことがなかったので調べて見ると、花や草、キノコのような形をしているので、初見ではポケモンなのかどうなのか区別がつかないかもしれません。もしかすると、気づいていないだけで他にもチラッと映るポケモンがいるかもしれないので、注意して見てみると新たな発見があるかもしれませんね。

ミューツーを操るハワードが少しアホ

ミューツーを操るハワードが少しアホ(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

ミューツーは悪い奴で父と確執のあったロジャーが黒幕と思いきや、結局の黒幕はハワードでした。

ハワードは捕まえたミューツーに自分の意識を移して好き勝手に暴れるのですが、意識を転送させるには機器を頭に装着する必要があり、これを外されるとミューツーに移った意識が再び元に戻されてしまいます。

ミューツーに意識が移っている時には生身の体(ハワード本体)は身動きを取ることができないので、ハワードの視点に立って考えてみると、敵を自分の本体に近づけさせてはいけないわけです。

しかし、主人公のティムを完全に排除することはなく、警備はメタモン一匹だけってセキュリティがガバガバすぎませんか?ティムをビルから落とすなど、生身の体を守る方法は他にもあるハズなんですが抜けてるんですよね。まぁ、結局は主人公が勝利するというラストに向けて多くの映画はストーリーが進んでいくの、ここを指摘するのは野暮ではあるのですが…。

【考察】結局は「ポケモンの実写化」がメイン。続編はあるのか?

【考察】結局は「ポケモンの実写化」がメイン。続編はあるのか?(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
(C)2018 Pokemon

映画は脚本などのストーリー、映像、世界観、伝えたいことなど、作品によって押したいポイントがあると思います。

「名探偵ピカチュウ」の作り手の意図は詳細にはわかりませんが、視聴者側が思うことは「実写化したポケモンがどう描かれているのか」だと思います。なので、この映画はストーリーをじっくり見るというよりも、ゲームやアニメ映像でしか見たことがなかったポケモンたちが、実写化してどのように動くのかが一番のポイントだと思います。

そして、今作は視聴者側の疑問に対して、見事に答えてくれた作品だと感じました。可愛らしいポケモンたちがリアルに動き回り、お馴染みの技を使い、人間と共生する世界はとても新鮮で「ゲームの世界がまるで現実に!」と思えるような映像でした。そう感じた方は多いのではないでしょうか。

 

気になる続編についてですが、前述した通りゲーム原作の映画としては記録的な大ヒットです。制作費は1億5000万ドルかかっており、現時点で興行収入は4億ドルを超えているので、制作費+宣伝費は十分回収できてると推測できます。

映画の続編は興行的に成功したかどうかで決まるので、「名探偵ピカチュウ」シリーズの続編とはいかないまでも、ポケモンの実写映画が今後製作される可能性はかなり高いのではないでしょうか。

ポケモンのゲームを一度でもプレイした方はもちろんのこと、ゲームを未プレイの方でも楽しめる作品だと思うので、ぜひ視聴してみてください。

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