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映画『ポルターガイスト(1982)』ネタバレ感想・解説・考察!スピルバーグが手掛けた傑作ホラー映画は呪われていた?

スピルバーグが直接スカウト?女の子がとにかくかわいい!

ホラー映画ランキングによく登場する『ポルターガイスト』は『悪魔のいけにえ』で知られるトビー・フーパー監督が手がけました。脚本と制作はハリウッドを代表する映画監督スティーブン・スピルバーグという贅沢なコンビによる大ヒット作品です。

「見る価値あり!」のとても面白い作品なのですが、この映画を一躍有名にしたのはシリーズに出演した役者が次々と亡くなってしまったという恐ろしいサイドストーリー。呪われた映画だといわれていますが、その理由は一体どのようなものだったのでしょうか?

今回は映画「ポルターガイスト」の感想や解説、考察、私が気になったポイントについてご紹介していきたいと思います。一部ネタバレを含みますので、これから見る方はくれぐれもご注意ください。

映画「ポルターガイスト」を観て学んだ事・感じた事

・1980年代のSFX(特撮)を駆使した映像がすごい!
・映画の後半に怒涛の展開、最後までハラハラドキドキ
・スピルバーグ作品はやっぱり面白い!

映画「ポルターガイスト」の作品情報

公開日1986年
監督トビー・フーパー
脚本スティーブン・スピルバーグ
出演者キャロル・アン・フリーリング(ヘザー・オルーク)
レシュ博士(ビアトリス・ストレイト)
タンジーナ(ゼルダ・ルビンスタイン)
スティーブ・フリーリング(クレイグ・T・ネルソン)
ダイアン・フリーリング(ジョベス・ウィリアムズ)

映画「ポルターガイスト」のあらすじ・内容

映画「ポルターガイスト」のあらすじ・内容

フリーリング一家は夫婦と長女、長男、末娘キャロル・アンの5人家族。新興住宅地の大きな一軒家に引っ越してきた一家は、新しい生活をとても楽しみにしていました。しかし、ある出来事をきっかけに、期待は恐怖へと変わっていきます。

家族が寝静まった真夜中、キャロルアン・アンが何も映っていないテレビに向かって話しかけていました。その後すぐに家の中で物が勝手に動いたり、家が揺れたりする不思議な現象が起こり始めます。

ポルターガイスト現象は激しさを増し一家は大混乱。そしてついに、キャロル・アンがクローゼットの光の中に吸い込まれてしまったのです。父親のスティーブは、超心理学の権威であるレシュ博士に助けを求めますが、博士にもどうすることもできません。そこで博士は、霊媒師のタンジーナを呼び、タンジーナのサポートで無事キャロル・アンを助け出しました。

しかし、フリーリング家のポルターガイスト現象は収まりません。そしてスティーブは、新興住宅地に隠された秘密を知り愕然とします。それこそが恐ろしいポルターガイスト現象を引き起こしたものの正体でした。住宅地の秘密とは一体…。

映画「ポルターガイスト」のネタバレ感想

映画「ポルターガイスト」のネタバレ感想© 1982 Warner Bros.

映画『ポルターガイスト』の公開は1982年。ホラー映画の傑作として並び称されることの多い、映画『オーメン』『エクソシスト』よりも10年ほど新しい作品です。そのせいか、ゴシックホラーとして名高い2作品に比べて、もう少し現代的な雰囲気の映画になっています。

さらに興味深いのは、何となく明るい雰囲気の映画でもあるということ。ホラーなの明るいって、ちょっと違和感ありますよね。

しかしそれは、脚本・制作を手掛けたのがスティーブン・スピルバーグだということで納得できます。本当は監督も務める予定だったそうですが、そういった事情についても後ほどご紹介したいと思います。

シンプルなストーリーの中に散りばめられたホラーエピソード!

シンプルなストーリーの中に散りばめられたホラーエピソード!© 1982 Warner Bros.

映画のタイトルが「ポルターガイスト」というものすごくストレートな作品なので、視聴していなくてもどんな映画なのかすぐ分かるかと思います。ストーリーはとてもシンプルで、新しく造成された住宅地の一軒家に引っ越してきた家族が、ポルターガイスト現象に苦しめられるというお話です。

見所はバラエティに富んだ恐ろしい現象の数々です。ポルターガイストというと、物が勝手に動いたり扉が開いたりする現象をイメージしますが、この映画では謎の発光が現れて大木が襲い掛かってきたり、ピエロが動いたり幻覚を見たり、テレビを通して霊と話をすることもあります。

30年も昔の特撮なので、CGを見慣れた今となってはアナログ感に逆に驚くかもしれませんが、一つ一つのエピソードが丁寧に描かれていて飽きさせない演出も魅力です。

【解説】そもそもポルターガイストとは?

【解説】そもそもポルターガイストとは?© 1982 Warner Bros.

映画のテーマにもなっているポルターガイストについて、少し解説してみたいと思います。

「ポルターガイスト」の名前の由来はポルター(騒がしい)+ガイスト(霊)という意味のドイツ語です。大きな音を立てたり、物を動かしたりする騒がしい心霊現象という意味ですね。

具体的には、
・ラップ現象(謎の音が聞こえる)
・浮遊現象(人が空中に浮く)
・テレキネシス現象(物体移動)
・アポーツ現象(物が突然現れる)
・発火現象
・電気が消える、点滅する
・話し声が聞こえる
・寒気がする(温度が下がる)

といった物理的な心霊現象が、一時的、短期間のうちに起きる状態を指します。

前の章では、バラエティに富んだポルターガイスト現象がこの映画の特徴だとご紹介しました。単に物が動くだけでなく、いろいろなポルターガイスト現象を取り入れているところがさすがスピルバーグ!始めから終わりまで、想像を上回る演出の数々で観客を驚かせてくれます。

スピルバーグが直接スカウト?女の子がとにかくかわいい!

スピルバーグが直接スカウト?女の子がとにかくかわいい!© 1982 Warner Bros.

映画『ポルターガイスト』といえば、ポスターにもなっている少女が何も映っていないテレビに向かって座っている場面がものすごく印象的ですね。この場面だけで、何かが起こりそうな様子が伝わってきます。

シリーズを通して物語の中心的存在である、フリーリング家の末娘キャロル・アンを演じているのは、ヘザー・オルーク。ブロンドの髪がチャーミングでとてもかわいい女の子です。

ヘザーは当時、子役として活躍していたわけではありません。子役の女の子を探していたスピルバーグ監督が、偶然彼女を見かけてスカウトします。オーディションを受け、キャロル・アン役に抜擢されました。

3つの作品に出演したヘザーの演技はとてもすばらしく、まったくの素人だったとは信じられないほどですね。生まれついての才能があったのでしょう。

【考察】ポルターガイスト現象の原因は何だったのか?

【考察】ポルターガイスト現象の原因は何だったのか?© 1982 Warner Bros.

ところで、ポルターガイスト現象は家や建物ではなく、特定の人物のもとで起きると考えられています。家自体に霊などがとりついて恐ろしい現象が繰り返し起きる場合は、幽霊屋敷(ホーンテッドハウス)と呼ばれます。

映画『ポルターガイスト』では、末娘のキャロル・アンを中心に怪奇現象が起きました。
2作目、3作目で新興住宅地を離れてからも、ポルターガイスト現象は続き、悪霊はキャロル・アンに執着し続けます。優しい心の持ち主であるキャロル・アンの無垢な美しい魂に、悪霊までも惹きつけられているという設定なのですね。

 

その悪霊の正体はというと、住宅地の地下に眠る霊たち。フリーリング一家が引っ越してきた新興住宅地は、もともとは墓地であった場所に作られていたのでした。しかも、開発のために墓地を移動した際に、地下の遺体はそのまま放置され、墓石だけを移動するという恐ろしいことが行われていたのです。

一家は遺体の上に建てられた家で暮らし、知らず知らずのうちに霊たちの怒りをかっていたのです。そして、キャロル・アンがテレビを通して彼らと交信してしまったことから、霊たちはフリーリング家に出没するようになってしまいました。

もしキャロル・アンに霊感がなければ、一家は気づかないまま住み続けていたのでしょうか?それはそれで、恐ろしいですね…。

出演者が次々と死亡?呪われた映画『ポルターガイスト』

出演者が次々と死亡?呪われた映画『ポルターガイスト』© 1982 Warner Bros.

この映画は3部作になっているのですが、1982年に公開されたシリーズ3作目となる映画『ポルターガイスト3』には、『少女の霊に捧ぐ…』というサブタイトルが入っていることをご存知でしょうか?

もちろんこれは、見る人を怖がらせるためにそういう設定にしているわけではありません。

幽霊に連れ去られる女の子キャロル・アンを演じたヘザー・オルークはシリーズすべての作品に出演し、3作目撮影時は12歳になっていました。3作目の撮影中から体調を崩し、治療をしながら撮影を続行しますが、映画の公開前に亡くなってしまったのです。急遽シナリオを変更し、代役を立てて撮影を終わらせ『少女の霊に捧ぐ…』として映画を公開しました。

 

ポルターガイストシリーズに関連して亡くなった俳優は、実はヘザー・オルークだけではありません。

シリーズを通して4人もの俳優が映画の公開前後に亡くなっているのです。そのため、『ポルターガイスト』は呪われた映画だといわれています。

1) ヘザー・オルーク(次女キャロル・アン)
1作目より、物語の中心的存在であるフリーリング家の次女キャロル・アンを演じてきたヘザー・オルークは、3作目の撮影中に炎症性腸疾患で死亡。

2) ドミニク・ダン(長女ダナ)
1作目にフリーリング家の長女役で出演したドミニク・ダンは、映画公開の翌年、ボーイフレンドにより絞殺されます。2作目以降は姉は存在しない設定となっています。

3) ウィル・サンプソン(祈祷師テイラー)
2作目に登場する祈祷師テイラーを演じたウィル・サンプソンは、映画公開の翌年、心臓手術ののちに死亡。

4) ジュリアン・ベック(ケイン牧師)
2作目に登場するケイン牧師を演じたジュリアン・ベックは、映画公開直後に胃がんで死亡。3作目では別の俳優がケイン牧師役を演じました。

【考察】映画『ポルターガイスト』が呪われた理由は人骨を使ったため?

【考察】映画『ポルターガイスト』が呪われた理由は人骨を使ったため?© 1982 Warner Bros.

映画の撮影時や公開前後に事故や事件が起きたり、関係者が亡くなるということは、決して珍しいことではありません。しかし、そういったことが何度も繰り返し起きると、この映画は呪われているのではないか?といわれるようになります。

有名なところでは、ゴシックホラーの名作、映画『オーメン』の撮影時に事故やトラブルが頻発して2人が亡くなり、うち1人のスタッフは首を切断されて死亡します。悪魔に呪われているのではないかと噂になりました。

 

では、映画『ポルターガイスト』は何に呪われたといわれているのでしょうか?

映画の後半、大量の骸骨が登場するシーンがあります。通常はプラスチックなどで作られた偽物を使用するのですが、実はこれは作り物ではなく、本物の人骨が使われているのだそうです。そのほうが安上がりだったとか…。なんと恐ろしいことを!

このことが原因で映画が呪われてしまったのではないかとも言われますが、真意のほどはわかりません。プールのシーンは結構衝撃だったので、あれが本物の人骨だったかと思うと今更ながらゾッとします。

【解説】映画『ポルターガイスト』を支える特撮チームILMってなんだ?

【解説】映画『ポルターガイスト』を支える特撮チームILMってなんだ?© 1982 Warner Bros.

「古い映画なのでちょっとアナログ感がある」と先述しましたが、映画の公開時には当時としては驚きの特撮技術が話題になりました。この映画のSFX(特殊撮影)を担当したのは、ILM(インダストリアル・ライト&マジック)社です。

ILMはジョージ・ルーカスが映画『スター・ウォーズ』を撮影するために1975年に設立した、特殊撮影を専門に行う機関です。現在はウォルトディズニーの傘下になっていますが、これまでに何十回もアカデミー視覚効果賞やアカデミー技術賞を受賞し、ノミネートは数え切れないほどです。

制作にかかわった映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『インディー・ジョーンズ』『トランスフォーマー』『ハリー・ポッター』など超ヒット作が多数あり、とにかくすごい会社なのです!

ILMが撮影した映像というだけでも、映画『ポルターガイスト』は見る価値があります。ちなみに、ILMが関わっているのは1作目と3作目。2作目の特撮は、BFC(ボス・フィルム・コーポレーション)が担当しています。

スピルバーグが作品を絶賛した映画監督トビー・フーパー

映画『ポルターガイスト』は、原作・脚本スティーブン・スピルバーグのオリジナル作品です。

自分で監督するつもりでしたが、大ヒットSF映画『E.T.』の撮影スケジュールとバッティングしてしまったため、別の方にお願いしたということのようです。同時に2つの作品を監督することはできないルールなのですね、知らなかった!

 

そこで白羽の矢が立ったのが、トビー・フーパー監督です。ホラーを中心に映画に携わり、1974年に公開された映画『悪魔のいけにえ』が大ヒットしました。

『悪魔のいけにえ』の原題は『The Texas Chain Saw Massacre(テキサスチェーンソー大虐殺)』。こちらのほうが500倍ぐらい怖いですね!日本版のタイトルってどうしていつも原題と離れてしまうのでしょうか…。

『悪魔のいけにえ』が大変気に入ったスピルバーグが、トビー・フーパーに『ポルターガイスト』の監督を依頼します。フーパー監督の最恐ホラーにスピルバーグのファンタジーテイストが加わった、なんとも味わい深い作品に仕上がったというわけですね。

ちなみに、映画で本物の人骨を使うというアイデアは、『悪魔のいけにえ』で使われた手法をスピルバーグが採用したものだそうです。まさか、呪いの元凶になってしまうとは、フーパー監督もびっくりしたことでしょう。

リメイク版『ポルターガイスト』はもっと怖い?

リメイク版『ポルターガイスト』はもっと怖い?© 1982 Warner Bros.

映画『ポルターガイスト』は3部作になっており、一家のその後を描いた『ポルターガイスト2(1986年)』と『ポルターガイスト3(1988年)』が公開されています。続編の映画についての評価はそれほど高くありませんが、出演者が次々と亡くなっていることでかなり話題になりました。

そして、最初の公開から30年以上経った2015年、映画『ポルターガイスト』が再び脚光を浴びることになりました。リメイク版『ポルターガイスト』が公開されたのです。

リメイク版の制作には、映画『死霊のはらわた』『スパイダーマン』などで知られるサム・ライミ監督が加わっており、大いに期待された作品でしたが、なぜか日本では未公開です。

いかんせん、原作のレベルが高すぎるので比べようがないのですが、リメイク版も悪くないという評価です。DVDでは見ることができますので、興味のある方はぜひどうぞ!

「ポルターガイスト」はハラハラドキドキ!最初から最後まで楽しめるスピルバーグのホラー映画

「ポルターガイスト」はハラハラドキドキ!最初から最後まで楽しめるスピルバーグのホラー映画

スピルバーグ作品といえば、インディー・ジョーンズシリーズに代表されるような、息もつかせぬノンストップアドベンチャーや見る人を一瞬たりとも飽きさせないストーリー展開が特徴です。

映画『ポルターガイスト』もスリリングなストーリーに、SFX(特殊撮影)を駆使した驚きの映像、ドキっとさせられる仕掛けの数々にぐぐっと惹きつけられてしまいます。

最初から最後まで、ハラハラドキドキ目が離せないホラー映画『ポルターガイスト』、老若男女問わず楽しめる作品です。

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