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映画『トレインスポッティング』ネタバレ感想・解説・考察!赤ちゃんの死因や「trainspotting」の意味を考察

映画「トレインスポッティング」のあらすじ・内容

ヘロイン中毒の男たちの日々を描いた映画『トレインスポッティング』。普段であれば観ないようなテイストの映画でかなり衝撃を受けましたが、人生の選択について、クスリについて考えさせられるような面白い映画でした。

今回はそんな『トレインスポッティング』についての詳しい感想と解説・考察をご紹介していきます。感想と解説・考察ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください!

目次

映画「トレインスポッティング」を観て学んだ事・感じた事

・クスリについて知る良いキッカケになった
・人生の選択は慎重に。
・良き反面教師になる映画

映画「トレインスポッティング」の作品情報

公開日1996年11月30日
監督ダニー・ボイル
脚本ジョン・ホッジ
出演者ユアン・マクレガー(マーク・レントン)
ユエン・ブレムナー(スパッド)
ジョニー・リー・ミラー(シック・ボーイ)
ロバート・カーライル(ベグビー)
ケリー・マクドナルド(ダイアン)

映画「トレインスポッティング」のあらすじ・内容

映画「トレインスポッティング」のあらすじ・内容

ヘロイン中毒のマーク・レントン。
ケンカが趣味のベグビー。
気のいい小心者のスパッド。
女たらしのシック・ボーイ。

ヘロイン中毒で窃盗・詐欺・万引きと悪さを繰り返していたレントンは断薬・更生を決意し、ロンドンにて就職をしました。

悪さをしていたときに比べて穏やかな日々を送っていたのですが、そこに指名手配されたベグビーとシック・ボーイが押しかけてきたために穏やかな日々は崩壊します。

会社もクビになり、地元へ戻れば待ち受けていたのはヤク漬けのまま死んでしまった友人の葬式…。圧倒的な絶望感の中、レントンと仲間たちは人生を変える賭けに出ました。

映画「トレインスポッティング」のネタバレ感想

映画「トレインスポッティング」のネタバレ感想© 1996 – Miramax

「トレインスポッティング」は普段だったらあまり観ないような下品・下ネタ・悪さが凝り固まったようなテーマの映画でした。

男達の人生を見守るような淡々としたストーリーですし、テーマがテーマなだけに人によっては胸糞悪くなってしまったりつまらないと感じるような映画なのですが、個人的にはクスリの怖さや依存性を感じられたり、自分の人生の選択について考えさせられるような良い映画だったと思います。

ヘロイン中毒の男とその仲間たちの話

ヘロイン中毒の男とその仲間たちの話© 1996 – Miramax

基本的にはヘロイン中毒の男・レントンとその仲間たちの話がメインになります。

個人的にはクスリなんて芸能ニュースや漫画・ドラマなどの小物として見かける危険物くらいの認識しかないのですが、今作ではクスリを中心に、クスリというものが当たり前にあるもの、クスリは生活の一部・必需品くらいの認識で描かれていました。

クスリをタバコを吸うくらいの感覚で打ち、断薬を「俺、禁煙はじめるわ~」くらいの感覚で話していたり、友達とクスリを打ち合っていたり、クスリというものが身近にない者としては衝撃的でしたね。

 

映画の中の演出とはいえクスリをやめると言いながら「最後に1回だけ…」とすぐに再開していたりする依存性の高さ、クスリによって見ている幻覚、断薬した時の禁断症状などの怖さを見ているとクスリは怖いなと改めて思いました。

特にクスリでどうでもよくなってしまっている様子や、クスリの影響で見ている訳の分からない幻覚などはかなりリアルで、天井を這ってくる死んだ赤ちゃんや自分のトラウマ・身近なものが詰まった幻覚などのかなり独特な表現は下手なホラー映画よりも怖かったです。

クスリが身近にない日本に比べて、クスリが比較的身近にある時代・国の映画だからこその恐怖感・リアルな表現なのかもしれません。

また、ジュリア・ロバーツの演技がひかる、薬物中毒の息子との関係を描いた映画「ベン・イズ・バック」もおすすめです。

映画「トレインスポッティング」は下品・下ネタ・悪さの塊

映画「トレインスポッティング」は下品・下ネタ・悪さの塊© 1996 – Miramax

そもそも映画のテーマがクスリという時点で大体察しはつくかもしれませんが、登場人物達は全員イイコちゃんではないのでストーリーの内容的にはかなり下品ですし、下ネタや犯罪行為などもかなり多めに盛り込まれています。

座薬型のクスリをお尻に入れて下痢になってしまい、かなり汚いトイレで排泄音を響き渡らせていたり、せっかく入れていた座薬がトイレに落ちてしまったからと排泄後のトイレに手を突っ込んでいたり頭をつっこんでいたりと…かなり汚い表現があったり…。

面接の前にクスリをキメて訳の分からないテンションで受け答えをしていたり、自分の失敗を見ず知らずの他人に擦り付けてケンカを始めたり、友達の自家製ポルノをこっそり盗んでみたり、かなりバカバカしい表現もあったりします。

クスリ・ケンカ・下ネタ・汚さ・下品さ・悪さみたいなものが凝り固まったストーリー内容や表現なので、人によっては受け付けない映画かもしれません。

 

下世話な下ネタは多いですし、大切なところにモザイクはかかっているもののベッドシーンもあるのでそういった表現が苦手な方には特に注意が必要だと思いますが、個人的にはベッドシーンに不快感はありませんでした。

映画の中で度々映る不必要なベッドシーンが苦手なタイプなのですが、作風が犯罪多めなテイストに感覚がマヒして性行為が普通に見えてしまっているためなのか、バカバカしいぐらい本能丸出しの表現やキャラクター達が笑えてしまったためか、下ネタが多いものの不必要なわけではなかったためか、理由は不明ですが不快ではなかったです。

みんながみんなそうとは限りませんが、どちらかといえば下品さや下ネタをバカバカしいと笑い飛ばせる方におすすめな映画かもしれません。

クスリをやめたいとは思わないのか?

クスリをやめたいとは思わないのか?© 1996 – Miramax

レントンの場合、息子のことを思った両親が部屋にカギをかけてレントンを閉じ込めることで強制的に断薬させることに成功しましたが、そもそも自分からクスリをやめたいとは思わないのでしょうか?

クスリは当然やったことがありませんし、酒やタバコとも縁がない自分にとってはそのあたりのことに少し理解しがたいものがありました。

酒やタバコにも通ずるものがありますが、クスリのためにお金はどんどんなくなっていくし、自分の身体はどんどん蝕まれているし、クスリをやっていることがバレたら逮捕されてしまうのになぜ手を出してしまうのか、継続して使用してしまうのかが分かりません。

「クスリはやめる」「最後の1回」と口では言うものの結局やめれていないことを思うと、本心からやめたいとは思っていないということなのでしょうか?自分はイマイチ理解することができませんでしたが、この辺りのことは喫煙者・お酒が好きな方には共感できるものがあるのかもしれませんね。

それぞれが選択した未来

それぞれが選択した未来© 1996 – Miramax

今作のパッケージ画像には『未来を選べ』という言葉がありました。

クスリをなんとかやめることが出来たレントンは就職し、穏やかな日々を選択。仲間の内1人はクスリ漬けのまま死亡、その他の仲間は犯罪者の道を選択しました。

クスリを継続している仲間連中は論外ですが、レントンはせっかく運よくクスリをやめられて、HIVの感染もなく、就職も決まって、更生したことで昔の仲間たちとは違った穏やかな日々を選択したはずなのに、結局また集まることになってクスリも再開し、抜け出したはずの悪の道へ舞い戻ってしまいます。

クスリをやめたことで彼には新しい未来の可能性があったのに、仲間とクスリの元に帰ってきてしまいました。

 

そんなレントンはラストに仲間を裏切って大金を持ち逃げします。1人で逃げる道を選択し「足を洗って堅気の生活を送る」と言っていますが、レントンが変わることはないと個人的には思っております。

クスリを「これで最後だ」と何度も言いながら断薬に失敗していたり、穏やかな日々からすぐに悪の日々に舞い戻ってしまったように、持ち逃げした金を使い切ったらまた悪さをして、クスリをやってしまうのではないでしょうか。

そしてまた何かの折に仲間と再会し、一緒に悪さをして、また裏切ってというのを繰り返す気がします。この映画を教訓に、自分は未来の選択を失敗しないようにしたいと切実に思いますね。

人によってはつまらないと感じるかも

人によってはつまらないと感じるかも© 1996 – Miramax

基本的には悪さばかりしている男たちの人生や生き様を見守るようなヒューマンドラマ映画になっているので、人によってはつまらないと感じてしまう映画かもしれません。

悪さばかりしているもののストーリーのテンポは悪くないですし、重要シーン毎に流れる音楽はかなりカッコいいので観ていて飽きることはないのですが、感動する部分があるわけでもなく、男たちが改心するわけでもなく、ただただ悪さばかりしている生き様を見守っているだけなので「結局なんだったんだろう」と思う節はあります。

なので、感動する映画を求めている方や盛り上がる映画を求めている方には不向きなのかもしれません。

 

個人的には選択で未来が変わっていく感じ、悪さばかりしているキャラクター達、カッコいい音楽、主人公の行く末を見守っている感じが『ライフ イズ ストレンジ』というゲームに似ているなと感じたので、あのゲームがお好きな方なら比較的観やすい映画なのかなと思います。

面白いと思えるかどうかは難しいところですが、ライフ イズ ストレンジがお好きな方はぜひチェックしてみてください!

映画「トレインスポッティング」の解説

映画「トレインスポッティング」の解説© 1996 – Miramax

今作ではどうしてもクスリに関する言葉が多く、分かりにくい表現や理解しきれていない部分があったので映画視聴後に意味を調べてみました。

できるだけ分かりやすくまとめていくので、私と同じように分からない部分があった方はぜひ参考にしてみてください!

メタドン(メサドン)とは?

麻薬性鎮痛薬・麻酔薬としても利用されるモルヒネに似ているものの、モルヒネよりも常習性の少ない合成鎮静剤で、今作でも話があるようにヘロイン中毒の治療薬として使用されているものらしいのですがこちらも合成麻薬のようです。

ヘロイン中毒を麻薬でごまかそうという治療法なのかもしれませんが、ヘロイン中毒を脱しても今度はメタドン中毒になる可能性が高そうな荒療治ですね。

メタドンの危険性を考えれば、レントンの母が「メタドンは良くない」といい、病院ではなく自宅で強制的に断薬に踏み切ったことも理解できます。

ヘロインとは?

「ヘロインは1回でも使用するとやめられなくなる」「キング・オブ・ドラック」とも言われるほど、きわめて強力な鎮痛作用・依存性を持つ薬物。

ヘロイン注射には緊張感を著しく低下させ、眠気のあとに強い陶酔作用、耐えがたい欲求を起こす作用があります。禁断症状に陥ると快楽を得たいという精神的依存、耐えがたい関節の痛み、激しい嘔吐などの身体的依存があるようです。

モルヒネと比べると鎮痛・麻酔作用が強いのですが、毒性は10倍ほどあり中毒性もモルヒネよりも激しく、中毒者は狂暴化します。

 

摂取量が増えると死亡する場合もあり、習慣性や中毒に陥りやすい麻薬かつ毒薬。かなり危険性の高い薬物のため国際的に製造・所持・売買・使用が禁止されており、ヘロインを医薬品として使用している国はないらしいです。

これを知ればやめると言いながらやめられないこと、繰り返しクスリに手を出してしまうことも少しだけ理解できますね。そもそもクスリに手を出してしまう心理は変わらず理解しがたいですが。

映画「トレインスポッティング」の考察

映画「トレインスポッティング」の考察© 1996 – Miramax

次に映画内では語られなかった赤ちゃんの死因について、タイトルの意味について考察していきます。

あくまでも個人的な考察なのでこれが正解というわけではありませんが、参考程度に見て頂けると幸いです!

赤ちゃんの死因について

レントン達がクスリを買ったり打ったりしていた店・修道院長の館にいた赤ちゃん・ドーンがある日突然死亡してしまうのですが、映画内ではドーンの父親について話がメインになされていて死因については語られていませんでした。

細かい描写や説明があるわけではないので確証はありませんが、今まで元気だったのに突然死したこと、口元に泡を吹いた形跡があることを考えると、母乳からの薬物過剰摂取のために死亡したのではないかと思います。

 

2018年4月、アメリカにて実際にそういった事件があったそうです。

鎮痛剤依存症の母親が薬物を摂取した状態のまま生後11週の男児に授乳し、母乳を通して致命的となる混合薬物の過剰摂取をしてしまったために死亡したと思われる事件。

口述書によると母親は数日前から赤ちゃんには粉ミルクを与えていたのにも関わらず、夜中に泣き出した子供に粉ミルクを準備するのが面倒だからと母乳を与えたらしいです。

今作での赤ちゃんの死亡もこれと同様のケースだったと考えられます。普段は粉ミルクを与えていたけれど、薬物摂取中に泣き出す子供に粉ミルクを準備するのが面倒で、うっかり母乳を与えてしまったために薬物の過剰摂取によって死亡してしまったのではないでしょうか。

もしそうだったとしたら、クスリのせいで子供を死なせておいて、まだクスリを打とうとしている今作の母親はどういう神経をしているのか…理解しがたいですし、かなり怖いものがあります…。

タイトル『trainspotting』の意味

トレインスポッティングとは、列車の型やナンバーを覚えて見分けること、自分が見た列車について記録することなどの鉄道マニアの活動の一種を表す言葉だそうです。

ネット上にはトレインスポッティングには『ヤクチュー』『ヘロイン中毒』などの意味があるという話もあるのですが、真実なのかどうか調べてみても信頼できる情報元をみつけることができませんでした。

なので、今回はトレインスポッティングの意味がそのまま鉄道マニアの活動という前提で考察していきます!

レントンと仲間たちが電車。
彼らの人生をレール(線路)。
それを記録している原作者・監督たちが鉄道オタク。

そして、映画を観ている視聴者も鉄道オタクだという表現だと個人的には考えています。

レントン達はレールの上を走っているのと同じようなもので、決められた線路の上を走っている中でいくつかの分岐点があって、どちらにいくか選択しながら終点を目指していき、終点までたどり着いたらまた始点を目指して走り出して、また始点から終点へと向かう事を繰り返しているのではないでしょうか。

電車がすでに引かれているレールの上を何度も往復しながら走り続けているように彼らも同じような悪さばかりを繰り返していること、そしてレールに分岐器があるようにクスリをやめられた時に新しい人生の選択肢が現れていたことを表現しているのだと思います。

この考え方だと「レントンは変わらないだろうな」とラストに思った自分の感想とマッチしているので自分的にはしっくりきました。

「トレインスポッティング」は良き反面教師になる映画!

「トレインスポッティング」は良き反面教師になる映画!© 1996 – Miramax

若い時に観ていれば「悪カッケェ!」と思えるような映画なのかもしれませんが、そこそこの年齢になった今となったは「こうならないように自分はこうしなきゃな」と思えるような良き反面教師になる映画だと思いました。

普段はこういった映画を観ないという方でも、感じる部分や考えさせられる部分があるかもしれないのでぜひ観てみてください!

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