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映画『スーパーマン』のネタバレ感想・解説!アメリカのヒーロー像を作り上げた作品

映画「スーパーマン」のあらすじ・内容

映画『スーパーマン』は主演にクリストファー・リーヴ、脇役にマーロン・ブランドやジーン・ハックマンを配した豪華なキャスティングで作られた1978年のアメリカ映画です。

アメリカン・コミックの人気作の実写映画化作品で、公開されるやアメリカで興行収入1位を記録し日本でも大ヒットしました。

今回は映画『スーパーマン』のネタバレ感想や解説、考察を書いていきたいと思います!

目次

映画「スーパーマン」を観て学んだ事・感じた事

・特撮と音楽が見事、これだけでも十分楽しめる!
・70年代後半、アメリカ映画のヒーロー像の変化
・農場の風景と大都会の風景という、アメリカ合衆国のふたつの側面のコントラスト

映画「スーパーマン」の作品情報

公開日1978年
監督リチャード・ドナー
脚本マリオ・プーゾ
デイヴィッド・ニューマン
レスリー・ニューマン
ロバート・ベントン
音楽ジョン・ウイリアムズ
出演者クリストファー・リーヴ(クラーク・ケント/スーパーマン)
ジーン・ハックマン(レックス・ルーサー)
マーゴット・キダー(ロイス・レイン)
ネッド・ビーティ(オーティス)
マーロン・ブランド(ジョー・エル)

映画「スーパーマン」のあらすじ・内容

映画「スーパーマン」のあらすじ・内容

高度な科学を発展させた惑星クリプトンは、星の寿命を迎えようとしていました。科学者であるジョー・エル(マーロン・ブランド)は危機を訴えますが、星の指導者たちはその意見をまったく信じようとしません。

いよいよ星が最後の時を迎えた時、ジョー・エルは息子のカル・エルを隕石型の宇宙船に乗せ星から脱出させます。宇宙船の中でカル・エルは機械から知識を学び、そして地球へとたどり着きます。

地球に落下する隕石を発見した老夫婦は、隕石の中からでてきた子供に出くわします。子供のいなかった老夫婦は、この宇宙人を自分たちの子供として育てる決心をします。そしてこの子どもは、超人的な能力を備えているのでした。

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映画「スーパーマン」のネタバレ感想

スーパーマンの撮影方法・特撮の見事さに脱帽!

映画「スーパーマン」の特撮の見事さに脱帽!

ストーリーなどの内容以外に、この映画で素晴らしいと思ったものが二つありました。それは特撮と音楽です。

まず、特撮が実に見事でした。何より特撮のイリュージョン(錯覚、幻影)の見事さに感動してしまいました。

美術や絵画で重要なものは、マチエールとイリュージョンだなんて言われます。造形芸術でも絵画でも、それはもう被写体そのものではないので、そのものではない事を受け入れなくてはいけません。

そこで、美術の良さは材質がもたらす効果と、その材質を使って作り上げるイリュージョンの素晴らしさに移っていくという事なのだと思います。これって特撮映画もまったく同じだと思います。

特撮を観る時に、観ている人は本当に人が空を飛んでいるなんて思っていません。それがイリュージョンである事を最初から承知して観ています。手品と同じで、イリュージョンそのものを楽しんでいるんです。

最近の映画のCGでは「書き込んでいる」だけなので、イリュージョンがないというか、それを楽しめなかったりするのですが、それに対してイリュージョンを駆使したスーパーマンの特撮は見事なものでした。CGを使うようになる直前、最後の特撮イリュージョンを楽しめる作品のひとつなのかも知れませんね。

【解説】特撮の素晴らしさが映えた4つのシーン

この映画の特撮は、ほとんど全てが素晴らしいです。走って電車を追い抜くシーンのスーパーマンの走り方だけは、コミカルで笑ってしまいましたけどね。そんな素晴らしい特撮の中でも、特に心に残ったものが4つありました。

一つ目はまだ幼児だったスーパーマンが、隕石型の宇宙船に乗って地球に飛来するシーンです。大気圏を突き抜ける際に宇宙船の外装が燃え尽き、雲を抜け地上が見え、どんどん地上に近づき地上に激突します。

これが隕石視点で映し出されるのです!今であればドローンで撮影できるのかもしれませんが、当時これをどうやって撮影したのでしょうか。まさに、特撮のイリュージョンだと思いました。

 

二つ目はアメリカン・フットボールの楕円形のボールを、スーパーマンが蹴るシーンです。学生時代のスーパーマンは育ての親の言いつけで、その異常な能力を隠しています。本領を発揮すればすごい事になるだろうに、アメフト部では選手ですらなくてかた付けをするマネージャーに甘んじています。

そんな彼が、レギュラー選手からちょっと軽く扱われた時に悔しさに歯を食いしばり、選手たちがいなくなった後、はるか彼方にあるアメフトのゴールポストに向かって、ボールを蹴ります。

ボールはとんでもない遠くにあるゴールを見事通過するどころか、そのはるか彼方にまで飛んでいきます。これは特撮の素晴らしさだけでなく、スーパーマンのとてつもない能力をみせ、さらにアイデアも見事なシーンでした。

スーパーマンの飛行の見事さ

映画「スーパーマン」の飛行の見事さ

特撮が見事と思った3つ目のシーンは、あの青と赤の派手なコスチュームを着たスーパーマンの活躍シーンの一つです。

この映画は、スーパーマンの能力を活かした見ごたえのあるシーンが多いです。折れた線路の代わりに自分が線路代わりに下敷きになって電車を通過させるシーン、ヘリコプターから落ちたロイスを下から飛んできてキャッチするシーン、橋から落ちかけたバスを飛んできて押し返すシーンなど、こういう楽しいシーンは数えきれないほどあります。

でも、その中で僕がいちばん素晴らしいと感じたのは、本当にさりげないシーンでした。

女の子が飼っている猫が街路樹に登って降りてきません。それを、スーパーマンが降ろしてあげるシーンです。女の子に猫を届けた後、スーパーマンはふわりと宙に浮いて、身をひるがえすように空に浮かんで去っていくのですが、これが本当に空を舞っているようなのです。

このシーン、合成などを使わずにクレーンで吊ったのだと思うのですが、スーパーマンの軌道やマントのはためき方などなど、本当に細かい所まで計算してのシーンだったのではないかと思います。「吊っている」のではなく「飛んでいる」ように本当に見えるんです!これはお見事でした。

レックス・ルーサーのミサイルを追うスーパーマンの飛行

そして4つ目はスーパーマンが、悪党レックス・ルーサーの放ったミサイルを追いかけるシーンです。この未曾有の大災害をスーパーマンが食い止めるシーンは、この映画最大のクライマックスですが、その盛り上がりは空撮と合成の見事さ合ってのものではないかと感じました。

大犯罪者レックス・ルーサーは、合衆国の西海岸に走る断層にミサイルを落とす事によって、二束三文の土地代を一気に跳ねあげて大儲けしようとたくらみます。そしてその撃たれたミサイルを追って、スーパーマンがとんでもない速さで空を飛びます。

手前から奥へと高速で移動する3D視点で飛ぶミサイルを追いかけるショットは、恐らく本当に飛行機を飛ばして撮影した映像に、ロケットとスーパーマンを合成しているのでしょうが、このスピード感や3D視点の構図が素晴らしかったです。グランドキャニオンや山岳の上を目で追いきれないほどの速さで飛んでいくんですよ。このスピード感が本当にすごいです。

 

この空撮、莫大な予算をかける事が出来ないとちょっと難しいと思うのですが、それが出来るのってハリウッド映画だけかも知れません。

ハリウッド映画は資本主義の産業映画しか作りにくいという弱点があるものの、一方で大資本がないと作ることのできないものを作る事が出来るメリットもあると思います。このシーンなど、ハリウッド映画でなければできなかった名シーンではないかと思います。

【解説】映画史上に残る名音楽「スーパーマン愛のテーマ」

映画史上に残る名バラード「スーパーマン愛のテーマ」

特撮とならんで、音楽にも感動させられるものがありました。

スーパーマンの音楽の作曲者は、ジョン・ウイリアムズです。「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」など、70年あたりからのハリウッドの大作映画で、数多くの音楽を手がけた名作曲家です。

 

スーパーマンのメインテーマは聴けば誰もが「ああ、この曲か」と思うであろう有名曲ですが、僕が感動したのは「スーパーマン愛のテーマ」というバラードです。さざなみのように静かに響くストリングスをバックにオーボエが美しいメロディを奏で、次第にオーケストラが劇的に盛り上げていくこのバラードは、映画の中でスーパーマンとその恋人のデートシーンで流れます。

そのデートというのが、夜のマンハッタンの摩天楼の上をふたりで飛行するデートなのです。夜景の美しい高層ビルを周回し、自由の女神が夜の中に照らし出される世界一の摩天楼を見おろしてのデート、なんとロマンチックなのでしょうか。

好きな映画音楽はたくさんありますが、感動する名バラードって僕は映画「スパルタカス」と「スーパーマン」が史上屈指の名バラードだと思っています。

合衆国の田舎の田園風景と文化の魅力

映画「スーパーマン」は合衆国の田舎の田園風景と文化の魅力が描かれる

スーパーマンは何度も映画化されていますが、大きく分けると3つのグループに分ける事が出来ると思います。

一つは、1948年から51年までに作られたモノクロ映画時代3作。次が、1978年から87年までに作られたクリストファー・リーヴ主演の4作品で、ここで紹介している映画はこの時期の初作にあたります。そして最後のグループは、2006年以降の「マン・オブ・スティール」「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」です。

この中で僕が映画版スーパーマンの傑作を選ぶなら、間違いなく70〜80年代のクリストファー・リーヴ主演スーパーマンの最初の2作です。それは映画の完成度だけではなく、映画に映り込んだ背景に大きな理由があるのではないかと感じました。

 

シリーズ第1作となったこの映画は、スーパーマンの子どもの頃から大人になって働き始めたぐらいの所までを描いています。学生時代のスーパーマンは、アメリカの田舎の農場に住む、善良な老夫婦に育てられています。

ここに広がっているのが、黄金の稲穂がみごとな農場と田園の風景です。牧場に馬がいて、犬が走って、牧場や田園は地平線まで続いています。そして農場の牛小屋や馬小屋も、昔ながらの風情あるものです。なんと美しい風景でしょうか。

そして、そこで生きている人々が善良そのものなのです。スーパーマンの育ての親の老人なんて、スーパーマンと話すときに上から目線でしかりつける事などせず、肩を組んで友人のように話しかけます。優しさの塊のような老いた母親との別れのシーンなど、秋が来て黄金に輝く広大な稲穂の中、母親の暖かい言葉には涙を禁じ得ませんでした。

広大なアメリカの大地の素晴らしさ、そして善良であたたかい古き良きアメリカ文化をひきついだ人々の素晴らしさに胸が熱くなりました。

もうひとつの合衆国、メトロポリスの摩天楼の迫力

スーパーマンにはもうひとつの合衆国、メトロポリスの摩天楼の迫力がある

優雅で大らかな合衆国の田園風景と対比されるように描かれていたのが、スーパーマンが大人になってから務めるようになった新聞社のある、ニューヨークの巨大都市の風景です。

摩天楼が無数にそびえたち、日本の瀬戸大橋やレインボーブリッジ級の巨大な橋がいくつも折り重なり、色んな人がごった返し、夜でも灯が消えないメトロポリスの風景です。幻想的な光のアートのように見えるその景色は何度見ても感動します。

 

あくまで個人的な意見ですが、現在のニューヨークや東京の摩天楼は、ちょっと綺麗に整理され過ぎていて魅力に欠けるんですよね。最先端の摩天楼の足元にレンガ造りのビルや、ごちゃっとした裏通りが残っている20年代と70年代後半の二つのニューヨークこそ、もっとも魅力的だったメトロポリスではないかと思っています。

そして、その時のニューヨークの色々な側面が、この映画には見事に記録されているのです。

世界の近現代史を知ってしまうと、一概にアメリカ合衆国やヨーロッパ枢軸国の大都市を褒める気分にはなれなくなってしまいますが、それでも人々が活気に満ちあふれて働いて、ハンバーガーやピザやコーラがあって、自由の女神が輝いていて、地下鉄が無数に走って、ちょっと悪い奴もいて…という70年代後半のニューヨークの生き生きとした感じは、やっぱりものすごく魅力的です。

スーパーマンを見て元気が出る理由はスーパーマンだけでなく、こうしたアメリカが映し出されている所もあるのではないかと思いました。

【考察】70年代のアメリカのヒーロー像の転換

70年代のヒーロー像の転換“Superman”Christopher Reeve1978© 1978 Gunther

合衆国の田舎の田園風景とそこにある人々の文化の雄大さ、70年代後半の合衆国のメトロポリスの生き生きとした活気の二つ。これは映画の背景というだけでなく、スーパーマン自体のヒーロー像そのものにも関わっているように感じました。

この映画は嫌な気分になる所がありません。観ていてずっと胸がときめいて、ワクワクしてしまうのです。あまりに晴れやかなものだから、これって実はアメリカ合衆国のプロパガンダ映画なんじゃないかと思ってしまうほどです。

嫌なところや暗さをまったく感じさせず、つねに魅力的であるものというのは背景にあるアメリカだけでなく、スーパーマン自体がそうなのです。こうした、スーパーマンとアメリカの景観や文化との関係は、映画が作られた1978年という時代にある気がしました。

 

1960年代〜70年代前半のアメリカ映画のヒーロー像というと、アウトローが主流でした。

71年作『ダーティー・ハリ—』でのクリント・イーストウッド、『シンシナティ・キッド』や『ブリット』でのスティーブ・マックイーンも、みんなアウトローなタフガイです。

その少し前の、ハンフリー・ボガートやポール・ニューマンだってそうです。彼らが演じたアメリカの主役は自分の信じるものの為なら、法を破る事も暴力にものを言わせて相手をねじ伏せる事も平然と行うタイプです。

しかし、クリストファー・リーヴのスーパーマンは違います。秩序を守り、敵ですら寛大な心で許します。スーパーマンの敵である犯罪者レックス・ルーサー(ジーン・ハックマン)に殺されかけながらも、彼を倒す事はしません。このヒーロー像の変化に、アメリカの転換点を見る思いがしました。

1960年代後半〜70年代のアメリカ合衆国の時代背景

アメリカ合衆国の時代背景

スーパーマン以前のアメリカ映画の主役が、ダーティー・ヒーロー主流であった事には、アメリカの時代の気分が反映されていたのではないかと感じます。

60年代後半から70年代初頭の合衆国というと、なによりまず長期化して泥沼となったベトナム戦争があげられます。戦地に行ったアメリカ人が多数犠牲になり、二つの世界大戦でもほとんど痛手を負わずに一人勝ちとなったアメリカが、初めて辛酸をなめた戦争です。

 

また、内政でも公民権運動が激化し、黒人をはじめとした人種差別という社会問題が表面化、その中でキング牧師やマルコムXの暗殺が起きるなど、合衆国全体に暗い影を落とした時代でもありました。

第1次大戦で世界の中心がヨーロッパから合衆国に移動し、第2次大戦で繁栄を勝ち取ったはずであった合衆国ですが、実際には致命的な暗部があったわけです。その不穏で不安ある社会で望まれるヒーロー像が、力づくで強く生き抜くイーストウッドやマックイーンであったのだと思います。70年代初頭であったら、この映画のスーパーマンのヒーロー像は子どもには受け入れられても、大人には通用しなかったのではないでしょうか。

しかし、78年は違います。ベトナム戦争に目途が立ち、みなが家を持って住む事が出来、経済的にも豊かになって、いよいよアメリカが力を取り戻し始めた70年代後半に登場したのがスーパーマンでした。

スーパーマンは暗い影などなく、斜に構えたアウトローではなく、清廉潔白で誰よりも強い正義のヒーローでした。これは合衆国の浮上そのものとオーバーラップしたヒーロー像だったのではないかと感じました。だから、観ていて清々しかったのだと思います。

スーパーマンのキャスティングの見事さ

スーパーマンのキャスティングの見事さ

そんなヒーロー像であるスーパーマンの主役のキャスティングが見事でした。健全で斜に構えたところがなく、白い歯がキラッと光るような爽やかさで頭脳明晰、それでいて誰よりも強いヒーロー。こんな人は普通いないのですから、キャスティングは困難だったのではないかと思います。

イーストウッドやマックイーンではアウトロー過ぎます。「ロッキー」のシルヴェスター・スタローンでは影があるし、それに合衆国のマジョリティーとするには顔立ちがイタリア移民っぽすぎます。クリストファー・リーヴを抜擢できたのは、この映画のキャスティングの大ファインプレーだったと思います。

 

この映画、俳優に掛けた予算がすごいです。冒頭に少し出るだけのスーパーマンの父親役に、ギャラが高額な事で有名なマーロン・ブランドを起用していますし、スーパーマンの敵役には、ハリウッド映画で主演クラスとなっているジーン・ハックマンを起用します。

そこまで潤沢な予算がありながら、主演には映画の世界ではほぼ無名だったクリストファー・リーヴを起用しています。この英断が素晴らしいです。この映画に出るまでのリーヴは映画での主演経験どころか、クレジットつきの出演ですら1作しかない俳優でした。

映画会社ワーナーがその年でもっとも大きな予算を割き、社の命運をかける中心作品で、新人を主役に持ってくるのですからすごいです。

 

これって、しがらみやネームバリューで選んだのではなく、「スーパーマンにふさわしい俳優」を純粋に選んだ結果なのでしょうね。全く暗い影のない甘いマスク、純真そうな笑顔、そしてあれだけピッタリとしたボディスーツを着ても細く見えない立派な体躯(肩幅が広く、胸板のなんと厚いことか!)。

そして、シェークスピアの演劇をやっていたというだけの事はある知性を感じさせる話し方など、クリストファー・リーヴ以外では、スーパーマンがここまでヒットする事はなかったのではないかと思えるほどの見事なキャスティングでした。

【解説】レックス・ルーサーの悪知恵と解決するスーパーマンという脚本の面白さ

特撮の面白さや役者の素晴らしさ、時代の雰囲気との一致だけでは、ここまで面白い映画にならなかったと思います。ストーリーとしての映画の面白さのほとんどは、悪党レックス・ルーサーの悪知恵と、それを解決するスーパーマンという脚本の素晴らしさでした。

この映画、スーパーマンが飛ぶという時点で荒唐無稽といえば荒唐無稽ですが、ご都合主義であったり、矛盾だらけという荒唐無稽さがありません。それどころか、すべてが論理的に一貫していて、実に練りこまれた見事な脚本でした。決して子供だましではないのです。

 

例えば、レックス・ルーサーがミサイルを放つシーンなどに、その緻密さがあらわれていたように感じます。普通では、一般の人がアメリカを破壊する規模のミサイルを放つというだけで荒唐無稽ですが、それを荒唐無稽にしないため、アメリカ軍からミサイルを奪い取る設定にしています。

また、方法が論理的に描かれているのです。簡単に言うと、ミサイル自体に誘導装置をつけてしまうのですが、この知恵とその装置をつけるまでの描写が見事で、「おお、なんて頭が良いんだ」と感心してしまいました。

でも、これを凶悪犯罪にみせないために、ルーサーの部下にドジで憎めないキャラクターが置いてあるんです。こういうところも心憎くて最高でした。前向きで明るい映画にする事に徹底してるんですね。

映画「スーパーマン」はベトナム戦争後のアメリカにヒーロー像を作り上げた傑作映画

スーパーマンはベトナム戦争後のアメリカにヒーロー像を作り上げた傑作映画

アメリカン・コミックの実写映画化なので、子ども向けの映画なのかと思いきや、大人の観賞に堪える、前向きで明るい合衆国という国の良い面がすべて映像化されたような素晴らしい映画でした。

この映画の25年後に、同じくアメリカン・コミックのヒーローであるスパイダーマンが映画化されますが、映画スパイダーマンは最初の3作のプロットがクリストファー・リーヴ版のスーパーマンとそっくりです。

それぐらい、完成されたプロットを作り上げた名作といえるのが、この映画なのではないでしょうか。何度観ても観るたびに元気がもらえる、素晴らしい映画だと思います!

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