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映画『マイノリティ・リポート』ネタバレ感想・考察!後味の悪いラスト、結末が最高に面白いSFミステリー

アクションシーンがカッコいい!

殺人予知をテーマにした映画『マイノリティ・リポート』。近未来のSF映像・アクションに見応えがあるだけでなく、どんどん回収されていく伏線も楽しめるような、ストーリーにも魅力的が詰まっているSFミステリーになっていました!

今回はそんな『マイノリティ・リポート』についての詳しい感想と考察をご紹介していきます。感想と考察ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください!

映画「マイノリティ・リポート」を観て学んだ事・感じた事

・テンションの上がるSF映像とアクション
・イヤミス感のあるラストは最高!
・イヤミス感のあるSFミステリーがお好きな方にイチオシ!

映画「マイノリティ・リポート」の作品情報

公開日2002年12月07日
監督スティーヴン・スピルバーグ
脚本ジョン・コーエン
スコット・フランク
出演者トム・クルーズ(ジョン・アンダートン)
コリン・ファレル(ダニー・ウィットワー)
サマンサ・モートン(アガサ)
マックス・フォン・シドー(ラマー・バージェス局長)
キャスリン・モリス(ララ・クラーク)
ドミニク・スコット・ケイ(ショーン)

映画「マイノリティ・リポート」のあらすじ・内容

映画「マイノリティ・リポート」のあらすじ・内容

西暦2054年。殺人を事前に予知する3人の予知能力者・プリコグを中心とした犯罪予知システムと、殺人を犯す前に犯人を逮捕できる組織・犯罪予防局が生まれたことで、ワシントンDCの殺人犯罪率は0%になっていました。

そんな犯罪予防局のチーフとして働きながら、最愛の息子を失った悲しみから薬漬けの日々を送っていたジョン・アンダートン。

彼はある日、普段は立ち入りを禁じられているプリコグのいる場所に足を踏み入れたことで、プリコグの1人・アガサに過去の事件のものと思われる映像を見せられました。

その事件に興味を持ったジョンは事件について調査を始めるのですが…。

映画「マイノリティ・リポート」のネタバレ感想

冒頭からマンガ『サイコパス』に似た設定、狂気的な犯罪シーンで惹き込まれ、そこからさらにSF映像やアクションシーン、ゲームのような面白い展開で盛り上がっていき、最後にイヤミス感のあるラストで締めるという、最初から最後までテンション上がりっぱなしの魅力的な映画になっていました!

ミステリー好きな方、SF映画がお好きな方にはもちろんのこと、イヤミス感のあるSFミステリーがお好きな方にイチオシな映画です!

漫画『サイコパス』に似てる部分もある

漫画『サイコパス』に似てる部分もある© Twentieth Century Fox Film Corporation and Dreamworks LLC.

未来の犯罪を予知し、犯罪を未然に防ぐために動く組織という設定自体はマンガ『サイコパス』に似ているとは思いますが、犯罪を予知する方法が違うためか作品としての印象はだいぶ違うように感じました。

サイコパスの方は心理状態を機械でスキャンすることで、犯罪を犯す可能性があるかどうかをチェックしますが、今作では偶然の産物であるプリコグの予知能力を元に、これから犯罪を犯す可能性がある人物を逮捕します。

サイコパスがSF作品らしく発達した機械によって犯罪可能性をチェックするというのに比べ、今作は予知能力というオカルトに近い能力で犯罪を予知し、それが警察の中心になっているというのが一番大きな違いになっていますね。

SF作品としてはサイコパスの方が王道なのかもしれませんが、今作のようにSF作品の中にオカルトの要素が入っているというのが個人的には面白いなと思いましたし、逆に科学が進歩したからこそオカルトの信憑性が増している感じが皮肉で、近未来という世界観をリアルにしているように感じました。

 

そして、サイコパスの方は犯罪ではなく犯罪を犯す可能性のある人物を事前に知ることができるので、その人物を逮捕しようと警察側が追う形になるのに対し、今作では犯罪自体を予知するので犯罪が行われる場所に向かって犯罪を阻止する形になるという違いもあります。

犯罪を事前に阻止するという設定自体は似ていますが、機械的かオカルト的か、事前に知ることができる情報、犯罪を阻止する手段が違うので、作品としては印象がだいぶ違っていましたね。

なのでサイコパスを好きな方であれば気に入る方が多いとは思いますが、サイコパスとは違った作品としても楽しめる作品だったと思います。

冒頭の浮気話が狂気的

冒頭の浮気する妻とそれに気付いた夫の話は、犯罪予知システムと犯罪予防局のことを伝えるためのただの導入ストーリーなのですが、それにしては力の入った狂気を感じる演出で個人的に好きな話でした。

勉強を真面目に頑張る息子、妻を気遣う優しい夫がいながら、若い男を家に引き入れて浮気行為を行う妻の行動、浮気を知った時の夫の冷めた表情・狂気的な行動が非常に良かったです。

もうすぐ殺されるとも知らずに2人の世界に浸る背徳的で緊張感のある浮気シーン、声を掛けるでもなく静かに近寄り、浮気を咎めることなくメガネのことを話し出す狂気的な夫というのが何とも哀れで歪で、導入のための話とは思えないくらい魅力的で面白かったですね。

 

殺人を犯そうとする夫も良くないというは思いますが、正直浮気した妻が全面的に悪いのに、浮気に関してはお咎めなしで守られて、浮気被害者である夫の方が収容所行きというのは歪んだ世界だなと思いました。

アガサとジョンが犯罪予防局から逃げている時にも、アガサが浮気をしている女性に警告しているワンシーンがあったので、平和な世界になり殺人はなくなったものの浮気は減っていないというか、むしろ増えていっているのかもしれません。浮気がバレても殺されることはないわけですから…。

そう思うとプリコグによる犯罪予知システムの弊害というか、殺人がなくなったことで歪んだ世界が生まれてしまったことを知れる、重要なストーリーだったのかもしれませんね。

テンションの上がるSF映像!

テンションの上がるSF映像!© Twentieth Century Fox Film Corporation and Dreamworks LLC.

今作はテンションの上がる美しくて印象的なSF映像が多くて、ストーリーだけでなく映像的にも楽しむことが出来ました!

犯罪予防局が逮捕した人々を収容している収容所のシーンや、スリープ状態の人々が車の駐車場のような地下室に大量に収容されていて、一気にブワーっと床から出てくるシーンは映像的に美しいだけでなく、現代からすると人権を無視した風景で何とも異質で、ストーリーと相まって闇を感じるSF映像でしたね。

プリコグの映像を調査するために特殊な手袋を付けて、空間的に画面操作を行っているのも厨二心をくすぐるといいますか、少年漫画読んでいる気分で心躍るものがありました。

芋虫のような形でフォルムこそちょっとイマイチなものの、道路にくっついている形で流れるように走る車も、壁のように垂直な道路と合わせて印象的で良かったです。

 

今作のSF映像は、時代を跳躍し過ぎることなく近未来的だった点が良かったですね!

スゴイ技術がたくさん盛り込まれているのだけれども大部分は現代と変わっていなくて、ポイントでSF技術・映像が出てくることで、妙にリアルで近い未来にこうなるのではないかと思わせるような身近さがありました。

そんな身近さがあったからこそ、スゴイ!と思えるSF映像だったのかなと思います。

アクションシーンがカッコいい!

アクションシーンがカッコいい!© Twentieth Century Fox Film Corporation and Dreamworks LLC.

今作はSF映像と合わせて、アクションもカッコよかったですね!犯罪予防局の空を飛ぶ相手と戦うジョンのアクション、そしてアクションシーンの映し方がとても観やすくて、迫力があって良かったです。

空中戦という横だけではなく縦軸の戦いに合わせて、ジョンを上から見下ろすように縦方向から撮っていて、アクション自体に迫力があったのはもちろのこと、映像がすごく印象的でしたし迫力があって個人的に好きな映し方でした。

 

そして、印象的な映し方と共に、画面自体の動きは少なかったので画面がぶれることなく観やすかった点もGOOD!

銃撃アクションも近未来的で衝撃波に近い銃を使用していて、映画『メン・イン・ブラック』シリーズの銃に近いものがあって、少年心をくすぐるカッコよさがありましたね。そして通常の銃とは違って血が流れないので、子供でも観やすいと思われる点も良かったと思います。

印象的なのに観やすく、迫力があって、近未来的な武器も良くて、非常にカッコよく魅力的なアクションでした!

【解説】伏線を回収していく面白い展開

【解説】伏線を回収していく面白い展開© Twentieth Century Fox Film Corporation and Dreamworks LLC.

序盤から話されていたジョンの息子の話、プリコグが見せたアン・ライブリーの話、ジョンが犯罪を犯すという予知の話、アガサの話がどんどん絶妙に絡み合ってきて、続きがどうなるのか、ラストがどうなるのかワクワクドキドキする展開が良かったですね。

犯罪予知で自分が殺すことになっていた被害者が最愛の息子を誘拐した犯人だった…と思いきやそいつも雇われただけで、黒幕は他にいるという展開。

強い意志で犯罪予知を回避して殺害せずに済んだ…と思いきや、死を望んでいた男が自殺に近い形で結局死亡してしまったという展開。信頼していた親しい人物が黒幕だったという展開など、ストーリーの流れに沿いながら何度もどんでん返しが起きる感じが面白かったですね。

 

アン・ライブリー殺害トリックに関しても、序盤で説明されていたプリコグの伏線を活かした面白いトリックで、ミステリーとしても十分に楽しむことができました。

伏線を回収しながら面白い展開に繋がっていく感じは、映画というよりもゲームに近かったですね。

息子を失った父親が謎の犯罪に立ち向かう姿はゲーム『HEAVY RAIN 心の軋むとき』に似ていますし、SFの世界観に存在する人間のようで人間ではないような異質な存在はゲーム『Detroit: Become Human』と似ていました。

なのでこの2作がお好きな方、ストーリー重視のゲームがお好きな方であれば、気に入る方の多い映画だったのではないかなと思います。

イヤミス感のある結末・ラストが良い!

イヤミス感のある結末・ラストが良い!© Twentieth Century Fox Film Corporation and Dreamworks LLC.

今作は犯人死亡という中途半端な形で終了してしまうものの、一応登場人物たちにとってはハッピーエンドという雰囲気で終わっているのですが、最初から通して観てみると何ともハッピーエンドとは言い難い、イヤミス(後味の悪いミステリー)感のあるラストになっていて良かったですね。

犯罪予知システム・犯罪予防局が解散されたことでプリコグたちも解放されましたが、犯罪予知システムがなくなったことで今まで抑えられていた犯罪への抑止力がなくなってしまいましたし、殺人を止められた人々が一斉に解放されたことで再び殺人を犯す可能性もありますから…殺人犯罪率0%だった街はこれから荒れていくことでしょう。

 

そしてプリコグたちも解放こそされたものの、能力がなくなったわけではないですからこれから悩み苦しむことも多いでしょうし、浮島のような所に3人一緒に押し込められて、自由とは言い難い生活を強いられることになっています。

ジョンは嫁と復縁したことで新しい命を授かり、これから家族3人で新しい幸せな日々を送っていく…という雰囲気になっていますが、これから街が荒れ行く中で子育てをするのは教育的・安全面からも難しそうですよね。

何よりショーンを誘拐した犯人を探し出すと言っていたのに、結局ショーンを誘拐した犯人は分からずじまいのまま、新しい命を授かったことでこのままショーンの事件の真相を探さなくなるという…悪いことではないのですが何ともモヤモヤする結末になっています。

プリコグたちの人権を無視することで成立していた犯罪予知システムが解散された。
犯人ではない可能性のあった人を逮捕していた犯罪予防局が解散された。
可能性だけで逮捕されていた人々が解放された。
ずっと意識も意志もなく閉じこめられていたプリコグたちが解放された。
息子を失って悲しみに暮れていたジョンは嫁と復縁して新しい命を授かった。

1つ1つの出来事を見てみればハッピーエンドではあるのですが、犯罪予知に異存して平和を保っていた街、なくなることのない予知能力、ショーンを誘拐した犯人を探しつづけていたことを思うと、ハッピーエンドとは言い難いですよね。

 

このSFミステリーからのイヤミス感のあるラストという展開は、映画『オブリビオン』に似ている感じがしました。

ハッピーエンドのようだけど、これまでのことやこれからのことを考えればバッドエンドのようにも感じられる、なんとも胸糞悪いというか後味の悪い結末で、個人的にはハッピーエンドを迎えるよりも今作によく合った、納得のいく魅力的なラストだったと思います。

映画「マイノリティ・リポート」の考察

映画「マイノリティ・リポート」の考察© Twentieth Century Fox Film Corporation and Dreamworks LLC.

結局真犯人を見つけることなく終わってしまったがジョンの息子・ショーンは生きているのか、なぜプリコグはクロウ死亡事件でジョンが犯人だと予知したのかについて考察していきます。

あくまでも個人的な考察なのでこれが正解というわけではありませんが、参考程度に見て頂けると幸いです!

結局息子(ショーン)は生きてるの?

ジョンがアガサを連れてララの住んでいる家に行った時、アガサが2人に大人になったショーンの話をしているシーンがありますが、あれはマイノリティ・リポートのことを語っているだけで、ショーンが生きているというわけではないと思います。

大人になったショーンの話はパラレルワールド・イフの世界の話で、誘拐されていなければ…生きていればそういう未来もあったという話。

その話のあとに「だけどまだ6歳で…」とアガサが言っているので、ショーンが誘拐犯によって殺害されてしまったからこの世界では叶わなかったけど…ということが含まれていると思われています。この世界ではショーンはすでに殺害されてしまっているのでしょう。

なぜプリコグはジョンが犯人だと予知したの?

ジョンが殺人を犯す未来もあったということだとも思えますが、アガサがマイノリティ・リポートはないと言っていたことを思うと、犯罪予知システムの欠陥が関係しているのだと考えられます。

ウィットワーがプリコグは完璧だというジョンに対して「(プリコグは)完璧。そうだ。欠陥があるのは人間だ」と言っていたことを思うと、プリコグの予知イメージ自体は間違っていなかったのだけれど、それを人間側が誤認識していたために予知にズレが生じたのではないでしょうか。

プリコグはあくまでも未来イメージを予知しているだけなので、それが殺人事件かどうか、犯人・被害者を認識しているのは人間側のコンピューター。

予知イメージを元にコンピューターが死亡した人物を網膜スキャンで被害者として認識、側にいた人物を犯人として認識していたので、クロウは自殺だったのにも関わらず状況的にジョンが犯人だと誤認識されてしまったのだと思われます。

つまりプリコグの予知自体は間違っていなかったけれど、人間側によって殺人事件だと誤認識され、そのため事件発生時刻にもズレが生じてしまったということですね。

「マイノリティ・リポート」はまた観たくなる映画!

「マイノリティ・リポート」はまた観たくなる映画!© Twentieth Century Fox Film Corporation and Dreamworks LLC.

SFミステリーとして個人的に好きなものが詰まっている映画で、最初からラストの結末まで楽しみ尽くすことができました。また1度の視聴で楽しむだけでなく、ラストを知った上でまた最初から観てみても新たな発見がありつつ楽しめる作品だと思われるので、また機会があれば観直したいと思います。

SFミステリーがお好きな方、イヤミス感のあるラストがお好きな方にはぜひチェックしていただきたいです!

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※2019年8月現在の情報です。

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