バットマンとジョーカーとの出会い・戦いを描いた映画『ダークナイト』。
間違えてシリーズの2作目から見始めてしまいましたが、2作目からでも十分楽しめましたし、カッコ良いバットマンとジョーカーの戦いに熱くなれる様な作品になっていました!
今回はそんな『ダークナイト』についての詳しい感想や解説、考察をご紹介していきます。感想と考察ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください!
目次
映画「ダークナイト」を観て学んだ事・感じた事
・登場人物達がカッコいい!
・引き込まれる残虐性と人間性
・ヒーロー系の映画が苦手な方にもおすすめ!
映画「ダークナイト」の作品情報
公開日 | 2008年08月09日 |
監督 | クリストファー・ノーラン |
脚本 | ジョナサン・ノーラン クリストファー・ノーラン |
出演者 | クリスチャン・ベイル(ブルース・ウェイン/バットマン) ヒース・レジャー(ジョーカー) アーロン・エッカート(ハービー・デント) ゲイリー・オールドマン(ゴードン) マギー・ギレンホール(レイチェル・ドーズ) マイケル・ケイン(アルフレッド) |
映画「ダークナイト」のあらすじ・内容
バットマンが見守る街・ゴッサム。そんなゴッサムに突如として、白塗りに真っ赤な裂けた口のジョーカーと名乗る正体不明の悪が現れました。
ふざけた態度と残虐性を併せ持つジョーカーは、不敵に笑いながらゲームをするかのようにバットマンに「名乗り出ろ!」と言い、バットマンを追い込むために次々と凶悪事件を引き起こしていきます。
街を…警察を…バットマンを翻弄するジョーカーは、確実にバットマンたちを窮地に追い込んでいきますが、それすらも彼が用意した悪のフルコースのほんの始まりにしか過ぎません…。
映画「ダークナイト」のネタバレ感想
こういったアメリカンヒーロー系の作品はあまり観てこなかったのですが、そんな私でも「カッコいい!」と思えるようなビジュアル、ストーリー、キャラクターたちの映画でした!
ただヒーローが悪を倒して終わるというだけではなく、味方だったはずの人物が悪側についてしまう、ヒロイン死亡と残された手紙という切ない展開もあるので、ヒーロー系の映画を観たことがない、あまり好きではないという方にもおすすめできる映画です!
【解説】ダークナイト・バットマンは普通の人間がヒーロー
バットマンはスーパーヒーローではなく、超能力の代わりにハイテクなスーツやマシンを駆使して、自分の身体をボロボロにしながら戦うというのが良い設定ですよね。
1作目の「バッドマン ビギンズ」を見ることなく、間違えてシリーズ2作目から観始めてしまったので、なぜ彼がバットマンになったのか、なんのためにバットマンとして活動しているのか、ゴードンやレイチェルなど周りの人物との背景などの細かい部分は分かりませんが、普通の人がヒーローのような活動をしているという設定が面白いと思いました。
飛ぶ能力がないからハンググライダーのような黒い羽根で飛ぶ、昼間は危険だから闇に紛れて動くというのも人間らしいし、ヒーローらしからぬ感じが逆にカッコいいですね!
アルフレッドの「彼はヒーローではない。それを超えた存在」というセリフ。
ゴードンの「静かなる守護者。目を光らせる番人。ダークナイト」というセリフ。
どちらもバットマンを表すのにピッタリな言葉で、アルフレッドのセリフにもありますが、作品内でずっとバットマンはヒーローではないと言っているのがすごく斬新で、あくまでも守護者であるというのが面白かったです。
個人的にはヒーロー系の映画にあまり良い印象は持っていなかったのですが、今作のこういったヒーローらしからぬ設定は好きでしたね。
【解説】謎の敵・ジョーカー
バットマンの敵、世界から生まれた悪として今作登場する謎の敵・ジョーカー。
人を殺すことにためらいがなく、盗んだ金を独り占めするために仲間を最初から殺し合わさせるように計画していたり、バットマンを名乗りださせるために次々に人を殺していたりとかなり残虐なのですが、無駄のない合理的な敵だったと思います。
人をおちょくっているようなふざけたメイク・言動も多いのですが、それも彼の残虐性を強めている感じがして良かったです!
顔の傷についてのエピソードが話す人によって変わっているのでどれが本当の話なのか、全て嘘なのかジョーカーについての背景がハッキリとしないのもまた良くて、残虐なのに合理的で、ふざけているのに自分のことは隠すジョーカーに興味が湧きます。
また、ジョーカーは残虐な面とふざけている面がどちらも面白いのが良いですね。
ふざけているシーンだと必要性のない看護師の変装とか、ハービーが乗る護送車に攻撃しているときに一気に奪い取るのではなく、マシンガン→ショットガン→バズーカとどんどん攻撃力を高めて相手をおちょくっている感じが笑えました。
残虐なシーンだと、最後の不自由な2択が良かったです。2隻の船にそれぞれ爆弾を仕掛けておいて、悪者と市民どちらを生き残らせるのか自分たちに選択させるという悪魔の選択が個人的にはとても好きでした。
特に好きだったのが、市民側の動き。犯罪者側は自分たちの意思で起爆スイッチを放棄したのとは違い、市民側は相手を殺そうとしながらもその勇気がなかったために、起爆スイッチを押せなかったというのが良かったです。
押さなかったという点だけを観れば美談なのですが、その背景に誰だって自分の手は汚したくない、人を殺す勇気がないというのがとても人間臭くて、結果オーライではあるけども人間の美しくない部分がよく出ていたと思います。
そういった人間の汚い部分を引き出そうとするジョーカーは、人間を愛し信じているバットマンの敵としてピッタリなキャラクターでしたね。映画「ジョーカー」ではジョーカー誕生の理由が描かれているので、合わせて視聴してみてください。
街と家族の幸せを願うゴードン
バットマンの協力者として登場する刑事・ゴードン。ストーリー中でも結構メインに絡んでくるキャラになっているのですが、良い具合にストーリーを乱してくれて、キャラクター自体もとてもカッコよく、個人的には今作で1番好きなキャラでした。
一時はジョーカーに狙われた市長を庇うために死亡したと思われていましたが、実は生きていてハービーを乗せる護送車の運転手をしていたというのは実に良い展開でしたね!
ずっとしゃべらない運転手が怪しいなとは思っていたのですが、てっきりジョーカーかジョーカー側の協力者だと思っていたので、ゴードンが現れた時には良い意味で裏切られて盛り上がる展開に。
そこでゴードンの盛り上げは終わったと思いきや、そこからさらに家族の命を狙われることになるという…何とも今作中で最もカッコいいキャラではあるものの、最も不運な刑事とも言えるような立ち位置でしたね。
個人的に1番好きだったのは、彼の息子が「バットマンが助けてくれたの?」と言った時に、「いや、今度はパパが助けてやった」と言っていたセリフ。
バットマンも人であること、バットマンとは持ちつ持たれつの協力関係にあること、事件を共にした仲間のような友人のような存在であることが分かるセリフだったし、バットマンがヒーローじゃないとするのであれば、彼こそが表世界に立つヒーローなのではないかなと思わせるセリフでした。
街の人々が何と言おうと犯罪者逮捕に協力するバットマンと力を合わせ、貪欲に犯人逮捕のため、街のため、家族のためにと尽力している姿が良かったですね。
ハービーも良いキャラしていましたが、個人的にはゴードンの方が好きです!
バットモービルからのバイク!
今作ではキャラクターだけでなく、バットマンが使用するマシンの数々も良かったですね。
特に好きだったのがバイク内蔵のバットモービル!見た目がカッコいいというのももちろんあるのですが、自動操縦で偵察・威嚇射撃をこなし、いざという時にはバイクの部分に搭乗者を乗せて逃がし、本体の方は自爆して証拠を消すという徹底ぶりがカッコいいです!
「脱出シークエンス開始。グッバイ」のあとにバットモービルからバイクが飛び出していく姿、その後に自爆してしまうのは何だか切ない感じもしますが、闇を動く守護者・バットマンが乗る車としてピッタリだったと思います。
そもそもバズーカで撃たれても、脱出シークエンスが開始できるだけ無事な部分があるだけスゴイですよね。バズーカに撃たれても搭乗者は無事という安心安全の完璧設計…さすがです。
【解説】ジョーカーが逮捕され終わったと思いきや…
ジョーカーが逮捕されたことで終わったと思いきや、レイチェルとハービーがジョーカーの策にハマり監禁され、ハービーは助けられたもののレイチェルは爆発に巻き込まれて死亡、ハービー自身も半身に火傷を追いました。
そこからハービーが殺人者・復讐者として動き出し、人々を殺害していく新たな展開が始まるわけですが、何とも切ない展開ですよね。
熱く街の幸せを願っていた男が壊れてしまい、その男を見込んでいたバットマンがその男を殺すことになってしまうというのは、ハッピーエンドとはほど遠い、切ないラストだったと思います。
また、バットマンに宛てたレイチェルの手紙も切なかったですね。ただ切ない真実ではあるのですが、こういったヒーロー系の映画でヒロインが主人公以外の人物を選ぶというのは、自分にとってはかなり衝撃的な展開だったので面白かったです。
バットマンの心が折れてもしょうがないような真実でしたが、バットマンの心が守られたのはアルフレッドの機転のおかげですね。
バットマンに手紙を見せようとしたところで、自分が選ばれたとバットマンが思っていることを知って手紙をスッと引っ込め、「またの機会にします」と言っていたのはとても正しい判断だったと思います。結局またの機会は訪れず、アルフレッドの手によって手紙は燃やされていましたが…。
バットマンが可哀想な気もいたしますが、知らなくて良いこともあるという人間臭さのある良いラストだったと個人的には思います。
仲間だった男は壊れ、ヒロインはヒーロー以外の男を選ぶというのが、ジャンルは異なりますが映画『ひるなかの流星』のような王道から外れた斬新な展開で、個人的には面白かったし驚いたし、良い意味で想像していたヒーロー映画とは違った作品で楽しめました!
最初のストーリーが…
バットマンvsジョーカーの戦いには満足しているのですが、最初のギャングを逮捕する、そのための証人を捕まえるというストーリーはいらなかったのではないでしょうか。
刑事・検事・ギャングと大量のキャラクターが登場しますし、直接的にストーリーに必要な感じもしませんでしたし、バットマンのストーリーと平行してそのストーリーが始まるので、最初の部分がゴチャッとしているように感じました。
特に自分は最初のあのストーリーに興味を持てなかったので、できれば最初からジョーカーとバットマンの話だけをメインにしてほしかったです。
映画「ダークナイト」の考察
ジョーカーがバットマンを狙う目的、バットマンはなぜレイチェルとハービーの2択でハービーを選んだのか、レイチェルの手紙とアルフレッドの行動について考察していきます。
あくまでも個人的な考察なのでこれが正解というわけではありませんが、参考程度に見て頂けると幸いです!
ジョーカーの目的とは
バットマンを殺したくない、バットマンの居なくなった世界を想像するとつまらないと言いながら名乗りださせようとしていたり、銀行強盗をしながら金に興味がないというジョーカーの目的は一体何だったのでしょうか?
続編でその辺りの話が出てくるのかもしれませんが、今作を見た限りだと特定の目的があるわけではなく、ただ殺人を楽しんている残虐な快楽殺人者だと思われます。
バットマンを自分の手で殺すというよりも、バットマンが出てくるように周りからじわじわと攻めていき、バットマンを苦しめることを楽しんでいるのではないでしょうか。ハービーもただそのために利用しただけで、バットマンが気に入っていたハービーをバットマン自身に殺させることで楽しんでいたのだと。
顔の傷についてのエピソードがコロコロ変わっていたのも、どれも本当のことではなく、ただその場の雰囲気に合わせて面白そうなことを話しているだけなのだと思います。
イメージとしてはマンガ『HUNTER×HUNTER』に登場するヒソカのような感じで、意味のない嘘を付き、ただ人を殺したり苦しめることを楽しんでいるという印象です。
バットマンはなぜハービーを選んだのか
レイチェルとハービーが誘拐・監禁されたときに、バットマンは「レイチェルだ」とレイチェルの元へ向かうようなことを言いながらハービーを助けに行っていますが、それはなぜだったのでしょうか?
街の未来のために必要なのがハービーだったからとも思えますが、レイチェルだと即答している姿を思うと、どんな理由があろうともバットマンはレイチェルの元へ向かっていったと思います。
にも関わらずハービーを助けていたことを思うと、ハービーを選んだのではなく選ばされたのではないでしょうか。
本当はレイチェルを助けるためにレイチェルの元に向かっていたはずなのに、ジョーカーから聞いた場所にいたのはハービー。だからバットマンをハービーを連れてその場から離れるしかなく、結果的にレイチェルを見捨ててハービーを選択することになったのだと思われます。
ジョーカーはバットマンが向かうのはレイチェルだと分かっていて、あえて逆の場所を教えて自分が助けようとした人を見殺しにさせ、自分が見捨てようとした人物を助けさせてあざ笑っていたのではないでしょうか。
最後の2隻の船での不自由な2択を思えば、ありえないことではないと思います。
レイチェルの手紙とアルフレッドの行動
レイチェルがバットマンに渡してとアルフレッドに託した、レイチェルの本心を綴った手紙をアルフレッドはバットマンに見せずに燃やしてしまいましたが、なぜそんなことをしたのでしょうか?
おそらくですが、バットマンのため。ブルース個人のためではなく、あくまでもバットマンのためだったと思います。
レイチェルが亡くなり、ハービーが亡くなり…もう手紙に書かれた真実を知る人物はいなくなりました。バットマンをやめた時に側にいる人がいなくなってしまったわけですから、この手紙を観せる必要性がなくなってしまいましたよね。
わざわざツラい真実を告げるよりも、自分はレイチェルに愛されている、自分が選ばれたと思っている方が、バットマンとして戦い続ける力になると判断したのだと思います。最悪の場合、真実を知ったことでバットマンを辞めてしまう可能性もありますし…。
バットマンのことを思っての行動だったと個人的には思います。
映画「ダークナイト」はテンションの上がる作品!
間違えてシリーズの2作目から観始めてしまったにも関わらず、バットマンとジョーカーの戦いやゴードンというカッコいいキャラクター、バットモービルなどのカッコいいマシンでテンションが上がるような魅力的な作品でした。
今までアメリカンヒーロー系の映画は観てこなかったのですが、今後はその辺りも観ていきたいなと思うことが出来ましたし、バットマンシリーズの他2作もチェックしたいと思います!
映画「ダークナイト」の動画が観れる動画配信サービス一覧
配信状況 | 無料お試し | |
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※2019年6月現在の情報です。