人気少女漫画の実写化映画『ひるなかの流星』。映画視聴前に原作を読んでしまっていたので、実写のキャラクターに違和感を感じないか不安だったのですが、思った以上に原作でのキャラクターとキャスティングがマッチしていて、すんなりと受け入れて楽しむことが出来ました!
今回はそんな『ひるなかの流星』についての詳しい感想をご紹介していきます。感想ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください!
目次
映画「ひるなかの流星」を観て学んだ事・感じた事
・原作のキャラとキャスティングがピッタリ!
・王道少女漫画とは違った斬新な結末!
・王道少女漫画が好きな方からそうでない方まで、幅広い方におすすめ!
映画「ひるなかの流星」の作品情報
公開日 | 2017年03月24日 |
監督 | 新城毅彦 |
脚本 | 安達奈緒子 |
出演者 | 永野芽郁(与謝野すずめ) 三浦翔平(獅子尾五月) 白濱亜嵐(馬村大輝) 山本舞香(猫田ゆゆか) 佐藤隆太(熊本諭吉) |
映画「ひるなかの流星」のあらすじ・内容
田舎から東京に引っ越すことになった女子高生・与謝野すずめ。
東京ですずめは一見軽そうだが優しく面倒見の良い担任教師・獅子尾に生まれて初めての恋をして、教室で隣の席ということで話すことになる女子が苦手な同級生・馬村から告白されることになります。
すずめに想いを寄せながらも教師・大人という立場から距離を取ろうとする獅子尾。不器用ながら真っすぐに向き合い、獅子尾に恋するすずめを自分に振り向かせようとする馬村。しかし、そんな馬村は大切な友達の好きな人…。
教師との初めての恋、同級生からの告白、恋愛と友情の関係に悩むすずめ。恋愛経験のないすずめの恋の行方は…?!
映画「ひるなかの流星」のネタバレ感想
今回映画『ひるなかの流星』を観る前に原作2巻分を読んでいるのでどうしても原作と映画を比較してしまう部分は多かったのですが、全体的に原作でのキャラクターとキャスティングのイメージがとてもマッチしていて数ある実写映画の中でもかなり見やすく、原作を知っていても楽しめるような映画だったと感じました。
恋愛映画としては斬新な結末もかなり新鮮で楽しめたので、私のように王道少女漫画が好きな方からそうでない方まで幅広い方におすすめな恋愛映画です!
原作との違いは『ストーリー展開』と『印象』
映画を視聴する前にマンガアプリのキャンペーンを利用して2巻分だけ原作を読んでいるのですが、原作とはストーリー展開や受ける印象がだいぶ違うように感じました。
最初のバングラディッシュに行く両親、東京の諭吉おじさんのところに引っ越すことになる設定までは原作と同じでしたが、獅子尾先生との出会いが少し違います。
映画ではひるなかの流星が東京でも見られたということになっていますが、原作では「東京の空では星は見えないかも…」というところですずめが倒れてしまい、そこに通りがかった獅子尾先生におんぶされて諭吉おじさんの喫茶店に連れて行ってもらう際、首筋にちらりと見えたほくろが流星だという話でした。
その変化で話の流れが不自然になるわけではないので問題はないのですが、個人的にはほくろが流星という設定が面白くて気に入っていたので、映画版でほくろのくだりがカットされていたのは少し残念です。
また、本来は移動教室の前にあるボウリングの話がカットされ、移動教室の話の中にボウリングでのストーリー展開が組み込まれていました。そのため、原作では移動教室の時にはすでに仲良くなっていたはずの猫田ちゃんとの関係性が違うものになっていて、個人的に好きだったシーンはカットされています。
いなくなったすずめを心配して宿でソワソワする猫田ちゃんが、「サボってんじゃないの~?」という女生徒に言い放った「こんなときにクソつまんねーこと言ってんじゃねーぞ ブス共」というセリフ。ボウリングの時にハブられたすずめをそれとなく先生が迎えに来るシーンも好きだったので、ぜひ実写でも観たかったですね…。
映画の限られた時間の中にストーリーを詰め込み、できるだけ展開を早めるためには致し方ないことですし、原作を知らない方にとっては全く問題なく視聴できる部分なのかもしれませんが、原作を知っているとこれらの違いは少し残念でした。
その反面、原作と受ける印象が変わっていたのは面白かったなと思います。原作だと少女漫画らしく主人公であるすずめがメインにストーリーが進んでいく印象でしたが、映画版だとすずめに恋して大人として苦悩する獅子尾、すずめの恋を知りながらも真っすぐに恋する馬村の方がメインにストーリーが進んでいく印象がありました。
原作を2巻分しか知らないためにそう思うのかもしれませんが、男性側をメインにストーリーが進む恋愛映画というのは新鮮で、恋愛映画が好きな方から恋愛映画は普段観ないという方まで楽しめるストーリーなのではないかなと感じました。
序盤が少しスピード展開過ぎる印象
先ほども申し上げたようにボーリングの話がカットされて移動教室の話とくっつけているので、序盤の獅子尾先生・馬村くん・すずめの恋愛までの流れ、猫目ちゃんと友達になるまでの流れが少しスピード展開過ぎるような印象がありました。
原作ではあった諭吉おじさんが経営する喫茶店でのやり取りが映画版だとほぼなくなり、季節のイベント事がギュギュっと映画の前半部分に詰め込まれているので、登場人物達が恋してアクションを起こして告白するまでの流れが異様に早く感じます。
女子高生であるすずめはまだしも、大人である獅子尾先生があそこまで惚れっぽいのは少し違和感がありますし、女性が苦手なはずの馬村くんがあそこまでスピーディーにキスするのは少し変かなと思いました。
猫目ちゃんも原作とは違いほぼ猫を被らずに最初から本性丸出しの状態になっているので、もう少し猫を被っていてすずめと一緒にいることで、少しずつ素直になっていくような展開があっても良かったのではないでしょうか。
まぁ、恋愛映画は多少惚れっぽいぐらいでちょうど良いと個人的には思っていますが、さすがに少し展開が早すぎるかな…。もう少し細かい要素を減らして1つ1つをゆっくりやっても良かったんではないかなと個人的には感じました。
ただ、ずっと告白できないままモジモジしている恋愛映画が苦手という方にはこのくらいスピード展開なくらいが良いのかもしれませんね!
三浦翔平さんの獅子尾先生がピッタリ!
獅子尾先生が初登場した時、そっくり!と思ったくらい三浦翔平さん演じる獅子尾先生はイメージ通りでピッタリでした!
休日の帽子を被ってチャラくボサっとしている感じと、先生の時のキリッとした好かれる先生のスーツ姿の演じ分けもしっかりとされていますし、顔・演技・キャラ共に自分の中でイメージしていた獅子尾先生とカチッとハマったように思います。
特に休日スタイルの軽いけど優しくて真っすぐな感じはまさに獅子尾先生で、原作で獅子尾先生が好きだったという方にも受け入れられるような実写映画・キャスティングなのではないでしょうか。
三浦翔平さんの低く印象的に響く声も恋愛映画の雰囲気ととてもマッチしていて、ヘッドフォンを付けて映画を視聴していると、映画の世界観にのめり込んで楽しむことが出来ました。
正直、三浦翔平さんは桐谷美玲さんの旦那というくらいしかイメージがなく、俳優として映画に出演されているところは今回初めて観ました。出演作品を調べてみるとTVドラマの出演は多いのですが、映画作品にはあまり出演されていないようですね。
個人的にはクルクルと変わる表情やキャラクターには観ていて引き込まれる魅力がありましたし、低く響く声も恋愛映画の中ではかなり印象に残る方だということを今回知ることができたので、他に三浦翔平さんが出演されている恋愛映画があればぜひ観てみたいなと感じました!
山本舞香さんの猫田ゆゆかちゃんも良かった!
山本舞香さん演じるすずめの友人・猫田ゆゆかちゃんもイメージに合っていて良かったです。猫被っている初期のキャラクター、本性を出してからの荒っぽい感じ、小悪魔っぽいけど意外と純情な性格、ちょっとおせっかい気味で恋に真っすぐな感じも猫田ちゃんのイメージとピッタリ合っていました。
個人的に猫田ちゃんが今作の中で一番好きなキャラクターで、原作を読んだ時から実写だとどんな感じになるのかなと楽しみにしていた部分だったので、イメージ通り、漫画から飛び出してきたようなそのまんまの猫田ちゃんでとても嬉しかったです!
ボーリングの話がカットされていたことで、個人的に好きだったすずめとのケンカシーンもカットされるものかと思っていましたが、体育館でしっかりとケンカからのヘッドロックがあって安心しましたね。
ちなみに映画中で一番好きな猫田ちゃんのセリフは、クリスマスパーティーに獅子尾先生を誘おうとするすずめのメールに対しての「業務連絡かっ!」です。原作での少女漫画だけどギャグっぽい雰囲気と合っていてクスッっと笑えましたし、返し方がまさに猫田ちゃんそのものでしたね。
立ち位置的にはすずめと友達であり恋敵になるポジションなのですが、恋を大事にキッチリと馬村くんにアタックしてフラれつつ、友情も大事にして田舎に引きこもるすずめを迎えに行ったり。後半では何だかんだ馬村との仲を取り持とうとしたり、2人を応援している感じが個人的には大好きです。
少女漫画や恋愛映画で出てくる友達ポジションは大体途中で友情が面倒くさく、ドロドロにこじれる印象があってイヤなのですが、このくらいさっぱりとしている友達がいる恋愛映画はすごく新鮮で、イヤな気持ちになることなく安心して観続けることができました。
ヒロインよりヒロインな馬村くんは白濱亜嵐さんが
ヒロインよりもヒロインな馬村くんはEXILEの白濱亜嵐さんが演じています。
最初登場した時には、原作のイメージからもう少しナヨナヨした細身の男の子の方が原作の馬村くんイメージに合うのではないのかなと思ったのですが、観ていくうちに少しガタイの良い白濱さんが演じることで、馬村くんのヒロインっぽさとか乙女チックなギャップが際立って逆に良かったなと感じました。
女の子が苦手で赤面してしまうところを実写でも再現するとは思っていなかったので、あのガタイの良さですずめとちょっと触れるだけで頬を赤らめていくようなギャップには、胸キュンするものがありましたね。
そのギャップさからヒロインであるすずめより、ヒロインっぽいなと思っていましたが、運動会での獅子尾先生とのバトル、獅子尾先生への想いに悩むすずめを抱きしめてから獅子尾先生のところに送り出す姿、その後ラインを送るシーンはカッコよかったですよね。
てっきりライバルポジションですずめにフラれて終わると思っていたのですが、一途に想い続けてすずめを支え、最後にはしっかりとすずめを振り向かせることに成功している感じは少女漫画のヒロインっぽい部分もありつつ、男らしくてカッコいい部分も多かったなと思います。
個人的には獅子尾先生派ではあるのですが、すずめのパートナーとしては馬村くんがピッタリだと感じました!
もっと諭吉おじさんの登場シーンが欲しかった…!
今作は全体的にキャスティングがとても良くて、獅子尾先生・馬村くん・猫目ちゃんなどの主要キャラクターから、サブキャラの諭吉おじさんまで原作で読んだ時のイメージ通りだと思いました。
だからこそ、もっと諭吉おじさんの登場シーンが欲しかったです…!
原作にあったすずめに勉強を促す鬼の諭吉おじさんとか、すずめのパジャマを選んでいる設定とか、おねぇ系の方に好かれる設定とか個人的に好きだったので、せっかくイメージ通りの諭吉おじさんが実写映画の方でキャスティングされているからこそ、そういった部分とか他のシーンでももっとガツガツ登場してほしかったなと思います。
あくまでも恋愛をメインにした映画なのでしかたないのかもしれませんが、個人的には少し残念でした。
斬新な結末!ただ「納得いかない」との声も…?
よくある恋愛映画だとヒロインメインに進むストーリー展開、女友達とドロドロにこじれる展開、何だかんだで本命1本でライバルの男性は突っぱねる印象がありますが、今作はそんな王道展開に悉く反していますね。
ストーリー展開はどちらかと言えば男性側をメインに進んでいきますし、女友達はさっぱりとしていてこじれることはないし、途中からライバルの男性と付き合いだし、最後に本命に行くと思いきやライバルの男性に帰っていくというかなり斬新な結末になっています。
正直、最後に馬村くんの方に行くとは思いませんでしたね。何だかんだ言って初恋である獅子尾先生の方にすずめは行き、残された馬村くんは猫目ちゃんと付き合ったりするのかなと思っていましたが、『恋→諦め→恋→諦めからの恋成就』とかなり意外な展開でストーリーが移り変わっています。
個人的には今作のような大人と子供の恋愛だと『キスよりも早く』『花と悪魔』『弾丸ハニー』などの王道で、最初から一途に初恋相手との恋成就を目指すような少女漫画が好きなのですが、今作のような斬新な感じも予想外で好きでしたね。良い意味で少女漫画だけど少女漫画過ぎない印象がありました。
ただ、だからこそ感想の中には「納得いかない」という声もあるようですね。
個人的には確かに王道とは違った展開から驚きはしましたが、ひたむきにすずめを想い続ける馬村くん、馬村くんと一緒に楽しそうにしているすずめを観ていると、獅子尾先生といるよりもしっくりくるというか収まりがいいように感じたので、この展開で良かったと納得しています。
結局は好みなので難しいところではありますが、個人的には王道少女漫画が好きな方から王道少女漫画に飽きてきた・苦手という方にもおすすめできるような恋愛映画です!
「ひるなかの流星」は王道少女漫画とは違った斬新な結末!
個人的に少女漫画が好きでよく読んではいますが、少女漫画はどうしても王道の展開になりがちでどれを見ても同じように感じてしまう場合が多いです。今作はそんな王道少女漫画とは全く違った斬新な結末で、最初から最後まで驚きながら楽しむことができました。
原作のキャラとマッチしたキャスティングもとても良くて、個人的にはとても満足のいく映画でしたね。
原作を知っている方、王道少女漫画が好きな方、少女漫画に飽きている・苦手という方にまで幅広い方におすすめしたい恋愛映画なので、興味を持った方はぜひチェックしてみてください!
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