映画「オーシャンズ8」は「ハンガー・ゲーム」などで知られるゲイリー・ロス監督が手がけた作品です。「オーシャンズ11」をリブートした作品ですが、時系列的には「オーシャンズ13」に続く物語となっています。
女性だけの犯罪集団を描いた映画「オーシャンズ8」のあらすじや感想、ネタバレ解説・考察を書いていきます!
目次
映画「オーシャンズ8」を観て学んだ事・感じたこと
・オール女性キャストのカッコよさ!
・細かく練られた作戦、個々の能力を生かした盗みがスゴイ
・カメオ出演するキャストがかなり豪華
映画「オーシャンズ8」の作品情報
公開日 | 2018年 |
監督 | ゲイリー・ロス |
脚本 | ゲイリー・ロス |
出演者 | デビー・オーシャン(サンドラ・ブロック) ルー・ミラー(ケイト・ブランシェット) ダフネ・クルーガー(アン・ハサウェイ) アミータ(ミンディ・カリング) タミー(サラ・ポールソン) |
映画「オーシャンズ8」のあらすじ・内容

ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の妹であるデビーは5年8ヶ月の間、刑務所に服役し出所します。
出所前に二度と犯罪はしないと言っていたデビーでしたが、出所後すぐに万引きを行います。
デビーは服役中にファッションの祭典「メットガラ」で宝石を盗む作戦を立てていて、仲間を集めて盗みを行うことにします。そして、盗みと並行してデビーはある計画を立てていました…。
映画「オーシャンズ8」のメンバーの仕事・特技
壮大な作戦で指揮をするリーダー、デビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)

デビーは強盗が稼業のオーシャンズ一家の一人で、ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の妹です。
刑務所に服役している間に壮大な作戦を何度もシミュレーションし、失敗しそうな部分を無くして完璧な作戦を仕立てあげます。
偽物の酒を売る右腕ルー・ミラー(ケイト・ブランシェット)

ルー・ミラーはデビーの相棒的なポジションで偽物の酒を売っています。
メンバーを揃える時のスカウト役としても活躍しています。ケイト・ブランシェットは「アビエイター」「バベル」「シンデレラ」など様々な映画に出演していますね。
大人気女優ダフネ・クルーガー(アン・ハサウェイ)

METガラに出演する大女優で、デビーたちはダフネがつけるカルティエのネックレスを盗もうとしています。
犯行のターゲットでしたが、物語の終盤ではオーシャンズ8の一員となります。
落ち目のファッションデザイナー、 ローズ(ヘレナ・ボナム=カーター)

ローズは自身が手がけるファッショショーを行いますが、メディアからはボロクソに叩かれてしまい、ファッションデザイナーとして後が無い状態でした。
そんなところをデビー達にスカウトされ、ファッションデザイナーとしてダフネに接近します。
何でもハックする天才ハッカー、ナインボール(リアーナ)

警備システムや防犯カメラに侵入し、パーティ会場のトイレ前に小さな死角を作るために防犯カメラを操作します。
ナインボールを演じたリアーナは女優やモデル以外にも歌手として活躍しています。自身のアルバムはグラミー賞で9部門にノミネートされるなど多才な人物です。
マジシャン&スリ師、コンスタンス(オークワフィナ)

道端でマジックを見せながら、時計や財布を盗み取るスリ師として生活しています。
ダフネの首元のネックレスを直接盗んだりと実戦向きの特技で、泥棒グループには欠かせない存在ですね。
宝石を分解する宝飾デザイナー、アミータ(ミンディ・カリング)

手先な器用なアミータは盗み出した後のトゥーサンを細かく分解し、持ち運びしやすくします。
トゥーサンは1億5000万ドルの価値がある大きなネックレスなので、アミータがいないと簡単に持ち運ぶことができません。
盗品をイーベイで売りさばき、情報収集が得意なタミー(サラ・ポールソン)

2児の母であるタミーは盗品を売りさばき、情報収集能力に長けています。
また、盗んだ宝石トゥーサンをボーイに運ばせようとしますが、ボーイは厨房までの道中で同僚と会話を楽しんでいます。その際、ボーイにちゃんと仕事をするように喝を入れたのもタミーでした。
他にも、アミータが厨房のトイレでトゥーサンを解体している時に捜査員が厨房に入ってきてしまいます。危機的状況でしたが、タミーが偽物のトゥーサンを水の中から引っ張り出し「見つかった!」と叫びます。これによって危機的状況は回避されました。タミーは危機的状況の時に役立つ存在ですね。
映画「オーシャンズ8」の感想・ネタバレ解説
デビーの出所後の万引きの方法が堂々としすぎ

出所前の面接では「犯罪行為は二度と行わない。普通の生活を送りたい」と言って出所しましたが、出所してすぐに化粧品を万引きしています。それも堂々と。
化粧品店に入ったデビーは次々と化粧品を手に取り、それをレジに持って行って「返品してほしい」と言います。店員は「レシートはありますか?」と返しますが、デビーは「レシートは持っていない。箱も開封していないのよ?」と返答します。
もちろん、売り場にあったものを持ってきているだけなのでレシートを持っているハズがありませんし、箱を開封していないのも当たり前です。
そして店員は「レシートがないと返品は出来ない」と言い、デビーは「それなら持って帰るわ。袋をちょうだい」といって堂々と万引きをするのです。
普通、万引きをするのであればコソコソと隠れて行うでしょうし、店員と会話をすることも避けたいはずですが、デビーは堂々と店員と会話をしているので怪しさが全くないのです。
店員が後から気づいて防犯カメラを確認すれば一発でアウトなわけですが、このやり方は上手いな〜と感心してしまいました。
もし、化粧品を返品できたとしても現金が手に入りますし、返品できなかったとしても化粧品が手に入るわけなので、どちらに転んでも良いんですよね。本当にやり口が凄いです。
宝石を盗み出すためのメンバーたち

1億5000万ドルの宝石を盗み出すために、リーダーのデビーと右腕のミラーはメンバーをスカウトしていきます。
天才ハッカーやスリ師といったオーシャンズシリーズには欠かせない特技を持った人物から、ファッションデザイナーや服飾デザイナーといった、一見泥棒チームに関係のないような特技を持つメンバーでチームが構成されています。
ファッションデザイナーなんて必要?と思うかもしれませんが、デビーが5年の服役中にずっと考えていた壮大な作戦を見ればファッションデザイナーが必要なんですよね。
スリ師は盗みを行う実践で役に立つ特技ですが、ファッションデザイナーは盗みを行う舞台や条件を整えるのに一役買います。ファッションデザイナーのローズを演じるヘレナ・ボナム=カーターは「ハリー・ポッター」シリーズの敵キャラである、ベラトリックス・レストレンジを演じていますね。
盗みだけでなくデビーがクロードに復讐する物語でもある

オーシャンズシリーズの大きなテーマと言えば「窃盗」ですが、オーシャンズ8にはもう一つ「復讐」という大きなテーマがあります。
デビーが5年8ヶ月も服役していた理由は劇中でしっかり語られていて、元彼であるクロード・ベッカーに騙されたことが理由でした。
愛していた彼に騙され5年8ヶ月も刑務所に入れられたわけですから、デビーがクロードを恨む気持ちはとてつもなく大きいです。右腕のミラーも復讐には反対していましたが、デビーにとっては宝石を盗むことよりもクロードに対して復讐をすることが一番の理由だったのかもしれません。
結局、クロードはデビー達が行った窃盗の罪を被せられることになります。クロードがデビーに行ったように罪をなすり付けられた訳ですね。こんなに頭の切れる女性を怒らせてはダメでしたね。
主人公が女性の映画はカッコいい

これは個人的に感じることですが、こういった犯罪映画やスパイ映画って主人公が男性よりも女性の方が物凄くカッコよく見えるんですよね。
「アトミック・ブロンド」「ソルト」「トゥームレイダー」など、女性が主人公の犯罪映画やスパイ映画はミステリアスな要素を含んだ人物が多く、男性が演じるよりもカッコ良く見えます。
オーシャンズ8では緻密に練られた作戦に、能力値の高いキャスト達が連携プレーで盗みを行う様子がよりカッコいいのです。
そして、オーシャンズ8では女性にしかできない盗みの技があります。大女優のダフネ・クルーガーはカルティエの宝石トゥーサンを身につけていて、ダニーたちはこのネックレスを盗み出そうとしています。
ダフネの料理に薬を入れて防犯カメラの無いトイレに行かせ、トイレで宝石を盗むという作戦を実行しますが、この作戦が女性ならではの作戦なんですよね。
宝石を護衛する人は屈強な男性なので、ダフネがトイレに駆け込んでも中まで入る事ができません。もし宝石を護衛する人の中に女性がいたら作戦が上手く行かなかったと思いますが、一般的に護衛を行うのは屈強な男性ですし、宝石を身につけているのは女性なので女性集団の方が盗みやすいという訳です。
スキャンメガネや3Dプリンターなど最新技術がすごい

カルティエの宝石トゥーサンを盗み出すため、デビーたちはトゥーサンの偽物を3Dプリンターで作ろうとします。
3Dプリンターでトゥーサンを作るために特殊なメガネを使って形をスキャンしますが、この技術が最先端で凄いんですよね。
ファッションデザイナーのローズがメガネをかけてトゥーサンを読み取るシーンは、相手にバレないかハラハラしますが、スキャン率100%になった時の達成感と皆んなが喜ぶシーンが良かったです。
バンクシー、イーベイなどリアルの人物やサービスも登場する
社会風刺のアーティストとして有名なバンクシーですが、最近では日本のニュースでも良く取り上げられていましたね。
2018年10月に行われたサザビーズオークションでバンクシーの作品「赤い風船に手を伸ばす少女」が出品され1億5000万円で落札されましたが、それと同時に絵画に仕込まれたシュレッダーが作動し、絵がズタズタになってしまうという出来事がありました。
オーシャンズ8では美術館に勝手に自分たちが用意した絵を飾り、バンクシーが絵を持ち込みにきたという事件を起こします。これによって主催者側が警備強化を図るのですが、それに乗じて警備システムをハックすることに成功します。
バンクシー本人が出演しているわけでは無いですが、実在している人物やサービス名が出てくるって邦画ではあまり無いですよね。
バンクシーの他にもテイラー・スウィフトやレオ(レオナルド・ディカプリオ)の名前も登場しますし、エルメスやカルティエといった実在するブランド名が登場しています。
また、盗品を売りさばくタミー(サラ・ポールソン)は倉庫にマウンテンバイクなどを大量に置いていましたが、家族にはイーベイの為と言っていましたね。イーベイは実在するネットオークションサービスで、日本で言うところのヤフオクやメルカリにあたります。
こういった実在する人物や企業を絡めてくる事でリアリティが増し、背景などを知っているとクスっと笑えたりします。
シャラポワセリーナ、ゼインなどカメオ出演がかなり豪華

盗みの舞台となるMETガラも実際に行われている祭典なわけですが、カメオ出演として登場する人たちがかなり豪華です。
ファッション雑誌「VOGUE(ヴォーグ)」の編集長で、映画「プラダを着た悪魔」の厳しい編集長のモデルにもなったアナ・ウィンターや、プロテニス選手のマリア・シャラポワ、セリーナ・ウィリアムズなども登場します。
歌手で言えばワンダイレクションの元メンバーであったゼイン・マリク、モデルで女優のキム・カーダシアン、カイリー・ジェンナー、ケイティ・ホームズなども出演しています。
METガラでの盗みなのでセレブ達が登場しないとリアリティが無くなってしまいますが、これでもかというくらい豪華なセレブ達が登場しています。
【小ネタ】実はマット・デイモンもオーシャン8に出演する予定だった?
オーシャンズ8ではオーシャンズシリーズに出演していたマット・デイモンが出演する予定で撮影も行われていた様ですが、本編ではマット・デイモンが出演するシーンは全くありませんでした。
当時、ハリウッド界ではハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ告発がされ、「#MeToo運動」が賑わっていました。マット・デイモンはこの問題を大事にするべきではないといった旨の発言をしていて批判にさらされ、これが原因でマット・デイモンの出演がなくなったと言われています。
#MeToo運動でアメリカ映画界のセクハラ行為が明るみになった訳ですが、オーシャンズ8はメインキャストが全て女性なので、この問題を軽く見ることはもちろん出来なかったのでしょうね。
個人的にはマット・デイモンが出演しているシーンを見たかったというのはありますが…。
一応、オーシャンズ8には過去のオーシャンズシリーズに登場していたイエン(シャオボー・チン)が登場しています。
イエンはアクロバットな技が得意で、宝石を次々に盗み出していくシーンも描かれていましたね。
【考察】ダニー・オーシャン没は本当か?死因は続編でわかる?

オーシャンズ8では、ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)没と壁面に書かれ、そこでダニーがお酒を飲むシーンがありました。
映画の中では度々ダニー・オーシャンの名前が登場しますが、ダニー・オーシャンの死因については詳しく描かれていませんでした。デビー自体、ダニーの死因が分からない様でしたし、そもそも本当に死んでいるのか生きているのかも分からないという感じでしたね。
サンドラ・ブロックは「オーシャンズ8が興行的に成功すればオーシャンズ9が制作されることはある」という旨の発言をしています。続編が制作されれば、その中でダニー・オーシャンの死の理由が語られると思いますし、実際は死んでなかったという展開もあるかもしれません。
実際、オーシャンズ8と過去のオーシャンズシリーズの興行収入がどれくらいだったか見てみましょう。
作品名 | 興行収入 | 制作費 |
オーシャンズ11 | 4億5000万ドル | 8500万ドル |
オーシャンズ12 | 3億6200万ドル | 1億1000万ドル |
オーシャンズ13 | 3億1100万ドル | 1億ドル |
オーシャンズ8 | 2億8900万ドル | 7000万ドル |
オーシャンズ8は過去シリーズと比べると一番興行収入が低いですが、制作費も一番かかっていない作品なので続編が制作させることは十分にありえます。続編でダニー・オーシャンの死の理由が明らかになることを期待したいですね。
ダフネが仲間になった理由が少し微妙

無事、トゥーサンを盗み出すことに成功したデビーたちでしたが、この一連の強盗事件をさらに完璧なものにするためダフネを仲間にします。
ダフネも友達(仲間)が欲しいとの理由で仲間に加わり、女性8人の強盗集団「オーシャンズ8」になったわけですが、ダフネが仲間になる理由はあったのでしょうか?
オーシャンズ8のメンバーと言えば、出所したばかりの人やウォッカに水をいれて販売する人、マジックを見せながらスリを行う人など、お金とは縁遠い人物ばかりです。
世界的に人気のある大女優のダフネはお金はたくさんあるでしょうし、自分で稼ごうと思えば毎年何億も収入があるハズなんですよね。この強盗メンバーに加担して捕まってしまえば、女優としてもやっていけなくなるのでリスクが大きい気がしますが…。
しかし、ダフネがグループに加入する理由が友達が欲しいということだったので、お金というよりは本当の仲間が欲しいというだけだったんでしょうね。
また、世界的に有名な大女優がメンバーに加入したことで今後の展開がさらに面白くなりそうです。
大女優であれば大きなイベントやパーティーに呼ばれることもあるので、オーシャンズ8にとってはかなり動きやすくなりますよね。こういったことからもダフネが一から作戦に参加する次回作が見てみたいなぁと思います。
オーシャンズ8は過去のオーシャンズシリーズを観てなくても十分楽しめる!

筆者はオーシャンズ11,12,13を観たことがありましたが、何年も前に観た作品だったので、詳細にストーリーを把握していませんでした。
過去作にはジョージ・クルーニーやブラット・ピットが出てたな〜くらいの記憶しかありませんでしたが、それでもオーシャンズ8は問題なく楽しめます。時系列的にはオーシャンズ13の続編となりますが、ストーリー的には繋がっている要素がありません。
過去作を観ていることで楽しめるシーンといえば「ダニー・オーシャン没」「イエンが登場するシーン」くらいでしょうか。ダニー・オーシャン没については先ほども書いた通り、詳しい内容は描かれていないので初見でオーシャンズ8を観ても問題ありません。
それぞれの特技を持ったエレガントな女性達の盗みがかなり面白いので、まだ観ていない方はぜひ視聴してみてください!
映画「オーシャンズ8」の動画が観れる動画配信サービス一覧
配信状況 | 無料お試し | |
Hulu![]() | × | 2週間 |
Netflix | × | 30日間 |
FOD![]() | × | 1ヶ月 |
U-NEXT![]() | ○ | 31日間 |