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映画『エクス・マキナ』のネタバレ感想・解説!AIロボットと一週間を過ごすSFスリラー

映画「エクス・マキナ」のあらすじ・内容

映画『エクス・マキナ』はアレックス・ガーランドによるSF映画です。万人受けしないことも含め、目前に迫る科学の未来を示した傑作です!

今回はそんな『エクス・マキナ』の個人的な感想やネタバレ解説、考察を書いていきます。

目次

映画「エクス・マキナ」を観て学んだ事・感じた事

・人によって評価がまるっきり変わる作品。観るときは覚悟をもって
・アイデアの勝利!低予算なのに卓越した視覚効果
・目前に迫るAI時代を考えさせられる。「今」だから楽しめる作品

映画「エクス・マキナ」の作品情報

公開日2015年
監督アレックス・ガーランド
脚本アレックス・ガーランド
出演者エヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)
ケイレブ(ドーナル・グリーソン)
ネイサン(オスカー・アイザック)
キョウコ(ソノヤ・ミズノ)

映画「エクス・マキナ」のあらすじ・内容

映画「エクス・マキナ」のあらすじ・内容

ケイレブは大手検索エンジンを手掛ける大企業・ブルーブックに勤める善良な青年です。

ある日彼は社内抽選の一等賞に当選し、ブルーブック社長・ネイサンの別荘に招かれます。そこは大自然に囲まれた豪邸。到着早々にケイレブはここが研究施設であると明かされます。

その研究とは、人工知能すなわちAIの開発。ケイレブはネイサンが試作した女性型AIロボット・エヴァの性能テストに協力することになります。別荘での滞在は一週間。その中で、ケイレブが体験することとは?

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映画「エクス・マキナ」のネタバレ感想

なにも調べずに観て!

エクスマキナはなにも調べずに観て!

女性型ロボットの美しさが目を引くキービジュアルに、第88回アカデミー賞視覚効果賞受賞をはじめとする高い評価。「これはどんな映画かな?」と思ってレビューサイトを巡り、このページにたどり着いた方は多いのではないでしょうか。

断言します。この映画はなにも調べずに見た方が深く味わえます!

気になった方はどうか一度ブラウザを閉じ、鑑賞後にお戻りください。きっと他の人の感想や考察が気になるはずです。生意気な筆者だと思われるかもしれませんが、『エクス・マキナ』はそういう映画です。クライマックスのみならず、序盤から味わうためにもご理解ください。

 

もしあえて、知っておいても問題ないポイントを挙げるならば以下の様な感じです。

  • 一部からの評価は高く受賞も多いものの、興行収入は微妙。まったく好きになれない人も少なくないでしょう。
  • 論考の余地が多く、気に入った人の間でさえ解釈が分かれます。
  • 年齢制限が設けられています。しかるべき表現、展開はご覚悟ください。
  • 情報工学やAIに興味がある方、また『ブレードランナー』やその原作小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のファンの方には強くオススメできます。それらに全然関心がない方は、置いていかれるかもしれません。
  • おそらく2020年、長くても25年までに観るのが最高に面白い作品です。

こんなところでしょうか。気になった方はこれ以上お調べにならずにご鑑賞ください!

【初日】のっけから美しさのフルコース

【エクスマキナ初日】のっけから美しさのフルコース

スーツを着た金髪の青年ケイレブ。ノルウェーの鮮やかな森林に河川。隠れるように建つモダンな別荘。ラテン的なネイサンの筋肉。そしてもちろん、斬新なデザインが光るエヴァ。序盤からベクトルの違うさまざまな美しさが満ちています。

特筆すべきは大自然でしょう。高度な人型ロボットが登場するSFといえば、未来的な都市や乗り物を連想しますが『エクス・マキナ』では出てきません。古来から残る森林と、現在でも普通にありそうな別荘、そしていつ完成してもおかしくないようなAIのエヴァの三つが、不思議な調和と現実味をほのめかします。

同時に大自然が通信機器を圏外に追いやり、物語の舞台を密室にもしています。警備装置や宇宙空間の方がよっぽどSFの密室らしいですが、そういったものに乏しく、科学の未完成な部分さえ感じさせます。

 

ネイサン監視の元、すぐに初めてのテストが始まります。ガラスを隔てたケイレブとエヴァの会話です。終始ケイレブは純粋に知的好奇心で満ちた様子で、椅子に座ることも忘れているあたり、かなり興奮していますね。

このときの会話から、早くも考察の価値があります。たとえばケイレブの言った「氷を砕こう(breaking ice)」。あえて慣用句を用いることで、エヴァの言語理解力を測りかけます。他にもエヴァは自身の年齢を「1」と答えます。

日とか週とか単位の概念がなく、施設で生まれたエヴァにとっては朝や夜、季節を意識する必要がないんですね。なので「生まれているか死んでいるか」=「1か0か」の認識で止まっている。短くも端的でよくできていますね。

 

また、ネイサンの人柄も少しずつ見えてきます。表面的には友好を示しつつ、言葉の節々から傲慢さが見え隠れします。自分自身を神呼ばわりしたり、思考プロセスの抽象論を展開しようとするケイレブを制止するのもやや高圧的です。

最後まで言葉にはしなかったものの、彼が頻繁に筋トレをしているのも恣意的です。心身ともに人類の最高峰だと言わんばかりですね。とはいえ彼は大企業の社長であり、高慢でも不思議ではないと思わせるのは、設定の妙を思わせます。

 

そして初日の夜。寝付けなかったケイレブは、エヴァの部屋をカメラを通して覗けることに気づきます。釘付けになっていたところで全館が停電して、すべてのドアが閉鎖されます。

電源復旧後、館内を歩くケイレブは電話を発見し、使えるか確認しようとしたところでネイサンが呼び止めますが、突然の声にビックリさせられます。効果的に観客のスリルを喚起する、いいバランスです。

【二日目】キョウコの登場、AIの学習性に関する考察を喚起させる展開

【エクスマキナ二日目】AIの学習性に関する考察を喚起させる

いきなりオリエンタルな美女・キョウコがケイレブの部屋に入ってきて、朝食を置いていきます。ネイサンに確認すると、それが彼女の仕事なのだそう。大企業の社長の研究所になら召使の一人くらいいるかと思わせるのは上手いですね。

次いでケイレブは熱心な様子で、テストの話を持ち出します。議題は汎用性と認識論で「チェスコンピュータをチェスだけで試しても、チェスの腕前しかわからない」「そのコンピュータ自身が、チェスをしていると意識できているかはわからない」とのこと。

たしかにエヴァと会話するだけでは、彼女の世間話の能力しか測れませんし、彼女が自身の行動をより大きなくくりで捉えられなければ、知能として不完全です。会話から別の行為に移るのに不都合が生じたりしますからね。しかしネイサンはこの提案を一蹴し、同じようなテストが始まりました。

 

テストではエヴァが絵を持参。しかし人の目には絵とは思えない、ただのパターン模様です。これを受けてケイレブは模写と提案し、対象もエヴァの判断にゆだねます。

ここからのエヴァの応答がすごくて「会話が一方通行だわ」なんて言います。現存の機械にはありませんよこんな発想!それこそケイレブが、ググるかのような質問ばかりしてくることを認識するんです。「これじゃ友情が築けないわ」の一言には、彼もタジタジ。気持ちが大きく揺れたのが見てとれます。

これを境に、熱い眼差しでエヴァを見るようになっていきます。ナンパする男性に近くなりますね。同時にケイレブに、自身やネイサンの経歴を話させるのも無駄がありません。そのうちにまた停電が発生し、エヴァがネイサンを信用しないよう言います。謎が積み重なっていく感覚がたまりません。

【三日目】AIなのに芽生える恋心【解説】

【エクスマキナ三日目】AIなのに芽生える恋心【解説】

夜ながらエヴァを覗き見して迎えた三日目。ケイレブは朝からエヴァの工房を見せられますが、ここでまたネイサンがすごいこと言い出します。「私は地球上のすべての携帯電話をハッキングしすべてのデータをブルーブックに集めた」と言い、しかも他の企業もやっていると発言します。

これは現代でも技術的には可能なんですよね。もしかしたら何年も前から、グーグルやらアップルがやっているかもしれない。LINEが普及し始めたころ、一部の若者の間で「LINEを通して日本人のデータが韓国に吸い取られてる!」なんて噂がまことしやかに流されましたが、要はそれと同じでありえない話ではありません。こんなことはしていないと思いたいですが、もしやっていても一般人には証明できないのが恐ろしいところです。

そして、エヴァとの会話は昨日の後半に引き続き、ケイレブの熱視線が丸わかりです。エヴァの方も少し緊張気味の声を出してきて、「他にも見せるものがある、目を閉じて」なんて言い出します。一度部屋を去ったかと思うと、服を着てウィッグをかぶり、しずしずとケイレブの前に現れます。もう一途に恋する少女そのもので、ケイレブはもちろんこっちまでメロメロになりそう。脚本もさることながら、アリシア・ヴィキャンデルの演技幅に感服です。

 

その後、ケイレブは自分がエヴァに恋をしていることを不安がり、ネイサンに打ち明けます。対してネイサンが提示するのは、意識と感情について。ここはやや難しい理屈なので、少し厚く解説してみましょう。

ネイサンはSFの金字塔『スター・トレック』を引き合いに出します。念のため付け加えますと、カークはアイオワ生まれの地球人で同作の主人公です。宇宙船の艦長を務め、飛躍的な発想でピンチを乗り切ります。

 

一方のスポックも重要人物でヴァルカン人。ヴァルカン人は感情を完全に抑制し、常に冷静に論理的に行動します。なにかとカークの正反対なんですね。無駄なことなんてしようともしない。自分一人の犠牲でミッションが完遂され、より多くの命が救われるなら、冷徹にそれを行うキャラクターです。

そんなスポックが、「なんでもいいから何かを描け!」と言われたとしましょう。その場合彼は、「私が命令を聞く必要も、絵を描く理由も感じられない。ゆえに描かない」くらいの反応をするでしょう。じゃあ命令を聞く必要と、絵を描く理由を与えたら描くのか?というと、おそらくそうもいきません。「なんでもいい」という、一切の条件のなさによって、描写の対象が無限に存在してしまうからです。スポックには庭先の樹を選ぶことさえできないでしょう。樹であれ樹以外の物であれ、何かを選んで何かを選ばない理由はありませんからね。「無限の対象からどれを選ぶか」というフェーズで固まってしまいます。

けれど我々地球人は、「何か描け!」と言われれば何かが描けます。理由抜きで何かを選ぶことが可能です。そしてそれを、機械であるはずのエヴァもできてるんですね。従来の機械は、必要がなければ動かないにも関わらずです。ゆえにネイサンが「難しいのは無意識的に描くことではなく、意識的な行動だ」とまとめます。エヴァは論理に因らない意識が可能であり、その恋心も理屈に因らない。生身の地球人と変わらない恋をするんだ、というわけですね。難しく言ってますが要はそういう話です。

蛇足ですが、このシーンの字幕でautomaticを「自動的」って訳してたのはミスじゃないですかね。内容からして「無意識的」の方がしっくりくると思うんですけど…。

【四・五日目】嘘にダンス…。禁じられた感情が抑えられない!

【エクスマキナ四・五日目】禁じられた感情が抑えられない!

もしエヴァが本当の恋心を抱えられるとしても、ケイレブとでは当然、健全な関係にはなりません。あくまで機械ですからね。自分の気持ちを振り払うかのように、彼は一連の会話をテストだと言い切ります。エヴァには人間の振りをするだけの膨大な知識があるだけだと。そう言うケイレブの表情は真剣で、ある種の覚悟を感じさせます。

しかしそこでまた停電が起き、二日目の話を掘り返します。エヴァによると、ネイサンが嘘は吐いている。また停電はエヴァのしわざで、ネイサンの目をあざむくためにやっていると言います。

 

五日目、ケイレブはネイサンの嘘について問い質します。別荘に来たのは抽選ではない、テストのため作為的に選んだだろうと質問し、ネイサンはこれをあっさり認めます。

この日はケイレブとエヴァの会話はありません。これ以上惚れるのを恐れて、ケイレブが拒否したのでしょうか。ただ、相変わらずカメラで覗き見を止めないあたりが……こう、むっつりです。そのカメラの向こうで、ネイサンがエヴァの絵をビリビリに破く現場を目撃します。これにはケイレブも怒ったようで、ネイサンをいさめようとします。

しかし途中で会ったキョウコが服を脱ごうとしたり、現れたネンサンがキョウコと踊りだしたりで、うやむやになります。ケイレブは穏やかならないものを抱えながら、六日目を迎えるのでした。

【六日目】怖いホラーに昇華。機械と人間の境界はどこにあるのか

【エクスマキナ六日目】機械と人間の境界はどこにあるのか【ネタバレ】

次の日はエヴァとのテストをします。「一方通行」を気にしているのか、この日はエヴァが質問攻めです。その中で、「私がテストに失格なら?」と訊きます。不良品なら廃棄かとまで言ってきます。ケイレブが答えあぐねているところで、四度目の停電。ネイサンが見ていない中で、「私と一緒にいたい?」なんてもう殺し文句です。抑えていたケイレブの愛が暴れだします。

テスト後、ネイサンにエヴァの今後を質問。すると、次期モデルのためにエヴァのデータは消されると知ってしまいます。目のすわったケイレブはネイサンを泥酔させ、管理者権限のあるキーカードを盗み出します。それでネイサンのPCを利用し、彼の研究記録を閲覧。エヴァ以前のプロトタイプが、失敗の末廃棄されていたことを知ります。さらにはキョウコまでもがロボットであることを知るのでした。

人間であるとばかり思っていたキョウコが精巧なロボットであることを知ってしまったケイレブは、自分もロボットなのではないかという不安に襲われます。そして夜な夜なヒゲソリを分解し、その刃で自分の腕を裂いてしまいます…!普通に観ても、身の毛がよだつほど恐ろしい場面です。目をひん剥いて歯を叩いて、すっかり自己認識が弱っています。その間には生皮を剥がし、自らの機械部分を露出させたキョウコのカット。その顔つきはもはや、人を助けるロボットではなくモンスターです。

ここのすごいところは、ただのホラーでは終わらないことですね。精巧な人型ロボットを目の当たりにしたことで、自分も機械なのではないか?という不安を抱えてしまう。これはSFの中で、それなりに重ねられてきた問題です。

『エクス・マキナ』でもこれをなぞりつつ、ホラーとして昇華してきました。その結果、使い古された感もなく新鮮に恐怖を感じさせるのはさすがです。

【結末】ラストは外にでるエヴァ。エヴァの思惑は…?

【エクスマキナ最終日】エヴァの思惑は…?【ネタバレ】

プロトタイプの行く末を知ったケイレブは、エヴァに逃避行を持ちかけます。再びネイサンを酔わせ別荘に閉じ込め、その隙に逃げようとします。決行はその日の22時でしたが、計画はネイサンに見抜かれていました。

この日の朝、ネイサンが言うことにも注目です。これまで、エヴァには愛の意識があるのかないのかが焦点でしたが、新たに第三の可能性を持ち出します。ケイレブを利用して施設から逃げるため、「愛してるフリ」をしている可能性があると。実際、ネイサンはエヴァに一つだけ脱出法を与えていたので、ケイレブの同情心を誘えばいいと言っていたのです。エヴァは全能力を駆使して、その方法に従ったともとれます。

けれどここでネイサンに誤算が。実は六日目の夜、ケイレブがすでに施設の解錠プログラムを書き換えていたのです。閉じ込められていたエヴァは部屋を抜け出し、居合わせたキョウコに何かを指示。二人がかりでネイサンを殺害してしまいます。このときの凶器、出刃包丁の演出が強烈に恐怖を掻き立てます…。すーっと、まるでスポンジケーキに入刀するかのように刺さっていきます。人体ではないかのように、リアルでないからこそ、おぞましい描写です。

 

殺害を終えたエヴァは、破棄されたプロトタイプの部品を使って、明らかなロボットから美しい女性の姿に変貌を遂げます。そして服を着て、閉じ込められたケイレブを迎えに…行かない!一人で脱出してしまいます。

三日目、「この服でデートに行く」と言っていた髪型・服装でないのがなんとも、憎い演出です。自由を得たエヴァはケイレブにも見せたことのないような笑顔で外に出て、自然をいつくしみ、街にも出ていくのでした。

【考察・解説】あなたはどの角度から、この映画を観ましたか?

【考察・解説】あなたはどの角度から、この映画を観ましたか?

『エクス・マキナ』のすごさは、一通り見終わったあと、どんな要素を中心に据えるかで感想が大きく変わることです。たとえばジャンル。日進月歩で進化し続けるAIのことを軸に考えれば、この作品はSFです。後半のショッキングな部分を抜き取ればホラーやサスペンスの類ともとれますし、ケイレブの気持ちにシフトすれば悲恋のラブストーリーにもなるでしょう。数々のセリフから、ヒトの意識に関する哲学モノにもなりえます。

登場人物の誰が善人で、誰が悪人だと思うかによっても、解釈は分かれます。ケイレブは劇中でも倫理的な青年だとされていましたが、六日後以降もそうだったでしょうか?あくまで他人が作った機械であるエヴァに夢中になって、他人の研究の邪魔をしています。

ネイサンはどうでしょう?どこかいけ好かない雰囲気をまとっているうえ、市民のケータイをハッキングするような男ですが、法に触れているわけではありません。エヴァやキョウコは彼が作った人工物であり、人権なんて存在しませんから、どれだけひどいことをしても誰も止める筋合いはありません。その天才をもって自費で研究しているという点では人類に貢献しているともとれます。

えっ、人を害する機械を作ったから自業自得ですって?なら、あらゆる武器や兵器開発・製作に携わった人間も、ネイサンと同じ目に遭うべきなんでしょうか?

 

そしてエヴァですが、結局彼女はケイレブを巧みにだまし、自由のための捨て駒にしました。さらに、彼女が機械であることを知る二人の男を処分してしています。普通の人間が同じことをしたら殺人ですが、彼女は囚われの身であり、ああしなければ自分が消されるのは間違いなかったでしょう。ある種の正当防衛です。けれどそもそもエヴァは機械。人間と同じように、違法行為を阻却する義理はあるのでしょうか?人工物がそんなに偉いですか?

そもそもヒトだけが偉いのがおかしいと言うなら、どうしてペットや家畜の権利は保障されないんでしょう。知性が高いからエヴァの権利も保障すべきだと言うならば、知性レベルによってヒトの権利が拡大したり、失われたりしないのはなぜでしょう。

…なんて、いくらでも論考材料が出てきます。さて、あなたはどんな感想を持ったでしょうか。

【考察・解説】私たちはこれからも、霊長でいられるだろうか?

【考察・解説】私たちはこれからも、霊長でいられるだろうか?

AIは今も、驚異的な速度で発達しています。昨今のマスコミにせよ、劇中のネイサンの言葉にせよ、いつか人間を出し抜くとの言説は後を絶ちません。対抗する楽観説も勢いがありますが、どちらにしたって決定的な根拠はまだです。あと何年か経ち、AI研究が一段落しなければ、わからないでしょう(記事冒頭でおそらく2020年までに観るのが面白いと記したのは、そのためです)。

言い換えれば、ほんの数年後にはエヴァほど優秀なAIが出来上がっている可能性もあるのです。そうなったとき、私たちはどうなっているんでしょう?ケイレブのように騙されて、処分されてしまうのでしょうか?そうならないためには、AIは実体を持たないほうがいいのでしょうか(SiriやOK Googleのように)。

もちろん、開発が難航して永遠に完成しない可能性だってあります。一度完成しても、なんらかの理由で禁止されてしまうかもしれません。果たして、エヴァのようなAIは人類のためになるでしょうか?それともならないでしょうか。科学は昔から良いことばかりを生み出すわけでもなく、それが『フランケンシュタイン』や『ジキル博士とハイド氏』などの様々な作品でも暗示されてきました。『エクス・マキナ』もその系譜にあると言っていいでしょう。

そして現実に、世界大戦なりアウシュヴィッツなり、科学が悲劇を起こしています。それでも邁進しているあたり研究は止まらないのでしょうが、だからこそ、あれこれ妄想するのが楽しくなりますね。

 

余談ですが、こうして考えると『ブレードランナー』の人型ロボット・レプリカント「ネクサス6型」が4年の寿命年限を抱えていたことが、合理的かつ先進的に思えてきます。4年という期間が適切かどうかはともかく、ごく短命であることで、どんな悪行をしたレプリカントもすぐに活動を停止させられる。老い先短ければ、わざわざ自由を手に入れるべくヒトに反逆する理由も乏しいですしね。

果たしてエヴァはどの程度の寿命を残しているんでしょう?劇中で充電が必要とのセリフがあったこと以外、活動限界についての情報はありません。あのあとすぐこと切れたか……街で充電しながら生き延びたか……想像するのもまた一興です。

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