映画『ラ・ラ・ランド』は「きみに読む物語」「ナイスガイズ!」などに出演したライアン・ゴズリングと、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズでヒロインを演じたエマ・ストーン主演のミュージカル・エンターテイメントです。
2016年度の最高の映画の一つと評され、アカデミー賞で6部門、ゴールデングローブ賞で7部門を受賞したこの映画は最高に心躍り、最高に泣けてロマンティックな映画でした。
今回は映画『ラ・ラ・ランド』のネタバレを含む個人的な感想や解説、考察を書いていきます!
目次
映画「ラ・ラ・ランド」を観て学んだ事・感じた事
・ずっと一緒にいることはできなくても大切な人は人生の中にいる
・夢を見ること、夢見てきたことはかけがえのない日々
・踊りたく、口ずさみたくなるような素敵な音楽とダンスシーン
映画「ラ・ラ・ランド」の作品情報
公開日 | 2016年 |
監督 | デミアン・チャゼル |
脚本 | デミアン・チャゼル |
出演者 | セバスチャン・ワイルダー(ライアン・ゴズリング) ミア・ドーラン(エマ・ストーン) キース(ジョン・レジェンド) ビル(J・K・シモンズ) |
映画「ラ・ラ・ランド」のあらすじ・内容
舞台は大都会ロサンゼルス。女優志望のミアはカフェでアルバイトをしながら、オーディションを受けていますがうまくいかない日々を送っています。
ある日、ミアはとあるバーでピアノを弾いていたピアニストのセバスチャンの演奏に心を奪われます。セバスチャンは本格的なジャズの店を作る夢を持っていました。やがて惹かれ合い、お互いの夢を支え合う二人でしたが、セバスチャンが店の資金作りのために加入したバンドが成功するにつれて、二人の生活はすれ違い始めます…。
ロサンゼルスの街を舞台に、出会いの冬から春、夏、秋へ。季節の移り変わりとともに二人の切ない恋物語が展開します。
映画「ラ・ラ・ランド」のネタバレ感想
私が本作を見る前、既に映画を見終えた友人から「映画館から出た後泣きすぎて公園でクールダウンした。今まで観た中でナンバーワンかもしれない」と言っていました。人によってはそれほど心に響く作品だと思います。
それにライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが向かい合うビジュアルがすごく素敵なんですよね。
そして私は「シェルブールの雨傘」や「レ・ミゼラブル」といったミュージカル映画が大好きだったので、これは絶対に観なければ…と意気込んで鑑賞しました。以下ネタバレ含む感想を書いていきます。
オープニングの高速道路で突如始まるダンスシーンに感動&涙
映画はロサンゼルスの高速道路から始まります。高速道路は大渋滞で、それぞれの車のステレオからは様々な音楽、ブブーとクラクションを鳴らす人たち。
そしてオープニング曲「Another day of sun」が始まります。これが最高に良い曲です!ある車の中で女性が歌いだして車から出て踊り、そこから他の車の人たちもどんどん出てきて賑やかなミュージカルが始まります。歌う人がどんどん代わり、飛んだり跳ねたりめまぐるしいダンス、トラックの荷台を開ければ陽気なバンドが出てきてさらに盛り上がります。
フラメンコやブレイクダンスなど様々なダンスで踊り、多国籍で多文化な皆な様子が描かれます。
実はダンスと音楽に夢中であまり深く歌詞を追えなかったため、後日歌詞を改めて読んだのですが、「あの日のことを思い出す。私は彼を残して長距離バスに乗った。17歳同士 彼はとってもやさしい人だった でも私は決めていた 心に固く~中略~ 彼はいつか映画館でスクリーンに私の姿を観て、あの頃の私の姿を思い出すでしょう。」という女優志望の女の子と「いつか自分の歌で誰かの背中を押せたらどんなに素敵だろう」と夢見る歌手の歌です。
歌詞を追ってみると、この曲はこれから始まる物語の2人の主人公を思わせるだけでなく、この場で踊るたくさんの役者や、スクリーンに向かう観客たちにも重なる歌のように思えてきました。
「貧乏でも落ち込む日があっても、また晴れた日が来るよ。」という詞の歌を聞きながら、一瞬自分の人生に意識が飛びましたね。
このオープニングに出演していたのは、きっと無名のダンサーたちです。大きな映画でそれぞれにスポットを当たっているので考えてみたらすごい役、それでもアンサンブルと呼ばれるこれらの役も、オーディションで勝ち取ったんでしょうか。
一人一人に目を凝らして「あなた素敵だったよ!」と握手してお伝えしたいくらい、夢や希望だけじゃなくて、うまくいかない寂しさが音楽や表情、ダンスに詰まっていました。
私は本編に入っていないオープニング部分で大満足してしまい、すでにボロボロ泣いていました。この涙は「いいもの見せてもらった!」というだけでなく、自分の置いてきた夢のことを思い出してしまったので、少し悲しい涙だったのかもしれません。
ダンスシーンの後は、しれっと皆さん車に戻り本編が始まります。
このたくさんの車の中にはミアがいて、車の中でオーディションの台詞を覚えています。台詞覚えに夢中なミアは前の車の発進に気づかず、後ろの車に煽られる。その車に乗っているのはセバスチャン(以後セブ)で実はここは二人の出会いなのですが、もちろんお互いただの煽る人・煽られる人なのでさらりと?(ミアは中指たてて挑発しますが)すれ違います。
主役のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングが魅力的。納得の演技力
「ラ・ラ・ランド」は主役二人が本当に魅力的です。ミアを演じるエマ・ストーンはすらりとしたスタイル、ぱちっと大きな目でとても美人なので「こんなに可愛いエマ・ストーンはオーディション落ちるような女優の卵に見えるのか?」と思いましたが、カフェでアルバイトする姿は女優オーラを微塵も感じさせず、ちょっと不器用な雰囲気で、オーディション中も熱演しているにかかわらず、「あ、これダメかも」と思わせるような絶妙な演技がさすがでした。
それにしてもオーディションのシーンや、業界への“もしかしたら”の出会いを求めて出かけたパーティーでぞんざいに扱われるシーンは、私も舞台女優を目指していた時期があったのでミアに共感しきりでした。
頑張っても頑張っても空回りで、自分に興味が持たれないのが空気でわかってしまう、品定めするようにじろじろ見られた後にすぐに落とされる。演技云々の前に、自分の魅力の無さを突きつけられるようで本当につらいものです…。役者じゃなくても、仕事とか日常生活の中にもありますよね。
ちなみに、チャゼル監督はエマやライアンに実際に経験したオーディションの失敗談を聞き、演出に活かしたそうです。当たり前ですが、エマやライアンにだって不遇の時代はあったということです。
Wikipediaでは、個人的にはエマはオーディションに落ち続けていたのは初めの1年で、コンスタントにキャリアを重ねているように思いましたが、苦労は他人にはわかるはずもありませんね。
一方セブ演じるライアン・ゴズリングは少し神経質そうで、自分の音楽にも自信を持っています。ジャズが廃れていく街を憂い、いつか本格的な自分のジャズの店を持つという静かな情熱を持っています。
容姿も含めてすごく男らしくカッコいいと思うのですが、どこか可愛らしくて間の感じも面白くて、ライアン自身ももしかしたら少し抜けている人なのかもしれないと感じさせます。やわらかい雰囲気が滲み出て、ジャズを風化させまいと高い志を持つ優しい孤高のピアニストでした。
これはもう有名な話なのですが、セブの演奏シーンは全てライアン自身が演奏しました。3ヶ月スタジオで練習したそうです。どんな状態のスタートからはわかりませんが、こんなにプロのように弾けるなんて(私の素人目ですが)本当にプロ意識が高いんですね。でもご本人もバンドをやられているので、元々音楽好きでセンスも良いんでしょう。
セリフはいらない。ダンスと音楽で恋に落ちた瞬間を表現する素敵さ
「ラ・ラ・ランド」はミュージカルなのでテンポがすごく良く、ダンスと音楽に目を奪われながらも物語がさくさくと進んでいきます。
ミアが女友達とパーティーに出かける時の「SOMEONE IN THE CLOUD」。誰か私を見つけて、夢の場所に連れていってくれないかな~という内容のこの曲は、アップテンポで友人達と踊ったり、ミアの心情と一緒にしゅんとスローになったり、強弱があってノリの良い曲です。
誰かに連れて行ってもらうだけではなく、自分が準備しておくことも必要という歌詞は、普段から努力している人へ送る歌で、エマ・ストーンの歌声が聞きやすかったですね。
ミアがバーでセブに出会った時にセブがピアニストとして演奏していた曲は「MIA&SEBASTIAN’S THEME」。タイトルからして二人のテーマソングだったんですね。静かに始まる切なくて美しい曲で耳に残ります。
そして、パーティーで再会した二人がロサンゼルスの夜景を背景にして踊る「A LOVERY NIGHT」は、きっとダンスやバレエを習っている方からすると、おいおい!と思うレベルかもしれないのですが、ダンスは上手いヘタではないと改めて思いました。
二人ともとても上手なのですがやはりダンサーではないので、ライアンがくるくる回る時にはぎょっとしますし、曲が後半になるにつれてさらにバラバラになってしまうところも人間味があって、不器用な二人のダンスとしてはよかったです。
そして2人が恋に落ちるシーンですが、個人的にここが大好きなシーンでした。2人は初めから少しずつ惹かれ合っていたので、「恋に落ちたのに気がついたシーン」ですね。
グレッグという恋人とディナーの約束をしていたことを忘れ、セブと映画を観に行く約束をしたミア。この映画を観に行くのも、オーディションの研究のためにこの映画を観るべきだ!とセブが誘ったものでデートでは無かったのですが、ミアは後ろめたいながらもグレッグとの食事会に行き、セブはひとり映画館で待っています。
食事会にはグレッグの優秀そうな兄、華やかな兄の嫁?も同席し、リッチなものでしたが、ミアはなんだか所在ない…というかあからさまに興味無さそう。そんな時にお店にとあるピアノ曲が流れます。その曲はミアがセブに出会った時に、セブがバーで弾いていた曲でした。ミアは曲を聞いているうちに、自分が本当はセブと一緒にいたいんだということに気がつき、この時の表情の変わり方がとても良いんです。そしてグレッグに謝り、店を飛び出してセブの待つ映画館に走るのですが…。
こういう展開だと私はいつも「置いて行かれる方が可哀想でしょうよ!」と憤慨するタイプなのですが、この時のミアがすごく可愛いんです。恋に落ちた嬉しさ、会いにいける喜びでニコーッと笑顔で小雪降る中走るのですが、「この恋に落ちる感じはいいな」と感じてしまうシーンでした。
そして映画館で迎えた時のセブの微笑みから、言葉に出さなくても相思相愛であることがわかった二人は、少しずつ距離を縮めていき、キスをしようとしますが映写トラブルにて映画は途中で終わってしまいます。そこで上映していた映画の中に出てきたグリフィス天文台に移動し、デートを続ける中でワルツを踊ります。
ミュージカル映画的な演出で、ミアもセブもプラネタリウムの星空の中にワイヤーアクション?で浮上していきクルクルと踊ります。広い宇宙に二人だけ、二人の目にはお互いだけ…。そんな恋の始まりが、美しいワルツの中で描かれていました。
夢を語り支え合うミアとセブの関係が羨ましい
季節は夏。ミアはセブの勧めで一人芝居の脚本を執筆中、セブはジャズバーで演奏をして、二人とも自分の夢に向かって充実な日々を過ごし、デートもたくさんして幸せそうです。
二人がお互いの夢を尊重して才能を認め、支え合いながら「この人には才能がある、うまくいってほしい!」と思っているところが良いですよね。どちらかが少し見下していたり、口では「応援している」と言っても本心ではそうじゃなかったり、自分の夢を優先するあまりもう一方には堅実な職について欲しいと思うことなどはありません。
心から応援し合うミアとセブが素敵ですし、一人芝居が形になった時にまず一番にセブに見せるミアや、それを観て「君は才能がある!」と誉め称えるセブの二人の関係は理想的でもありました。
そして、笑い合い見つめ合いながら「City of Stars」を二人でデュエットするシーンでは、楽しそうで愛があって、エマとライアンの関係も良いものだろうと思わせるシーンでした。
この曲は「私達の夢がやっと叶う」「新しい扉が開く」「私がいるよ大丈夫」「今、こんなに輝いてる」といった、「色々あったけどもうすぐ夢が叶うね」という希望の歌です。でも寂しいメロディーなのは、まだ夢の途中で自分たちに「大丈夫だよ」と言い聞かせている不安な段階だからかもしれません。
そしてそんな良好な関係も、セブが店の資金のために昔の仲間に誘われるままバンドに加入した時からすれ違いが出てきます。
喧嘩にすれ違う二人。互いを思うミアとセブはどちらも悪くない
季節は秋。ミアの一人芝居はもうすぐで稽古も佳境に入ります。セブのバンドは大成功で、ツアーでなかなか家に帰れず会えない日々が続きます。そんな中、サプライズでセブは忙しい中家に帰り、ディナーの準備をしてミアを迎えます。嬉しそうなミアですが、ディナー中に喧嘩をしてしまうのです。
セブはバンドのツアーにミアについてきて欲しいと考えますが、ミアはそこで「あれっ?」となりますよね。ミアの舞台本番はもうすぐで、今が一番大事な時なのにツアーについてこいということは、私の舞台は「どうでもいいもの」だと思っているの?となるのも無理はありません。
小さな舞台でも、脚本執筆から劇場探し、小道具の準備や稽古、迫ってくる本番。それも初舞台なので、セブには一番応援して欲しい時期なんだと思うんですね。だけどセブにも悪気は無く、ミアともっと一緒にいたいという気持ちから提案をしたのでしょう。
それはミアも分かっているようで、話を変えて「いつまでこのツアーは続くの?」と聞きます。ここでグサッときたのがセブ。セブ自身もバンドの音楽性の違いになんとか折り合いをつけながら、それでも資金や暮らしのために稼がなくてはいけなくて、それはミアのためとも思っていました。ミアのためと何とかやってきましたが、それをミアに指摘されて腹が立ったのでしょう。
しかし、ミアは自分のためにそんなことをして欲しいとは望んでいないはず。どちらの気持ちも分かりますし、どちらもお互いの事を思いやっているのも事実です。なのでこの衝突は必然であったように思います。そしてセブは「女優に何がわかる」とミアに言ってしまい、ミアは家を出ます。
ミアの舞台本番では、セブは雑誌の撮影があったことを忘れていて、ミアの舞台に行けませんでした。舞台が終わり、お客さんに一礼をして顔を上げたミアが見たのは、少ない観客に空席だらけ。予約席にしていたセブの席も空で、その後楽屋でお客さんが「大根だ」と自分のことを話しているのを聞き、ミアはショックを受け「もう終わりだ」とセブに告げ、故郷に帰ることを決めます。
しかし、見ている人は見ていて、この舞台を見ていたキャスティングディレクターはミアに対して大絶賛でした。大作映画のオーディションをとセブとミアの家に電話をし、セブはミアの故郷まで迎えに行くのです。
迎えに行ったセブにミアは全てを吐き出します。もう恥はかきたくない、馬鹿にされたくない、自信が無いなど。それを全部受け止めて、怒るでも取り繕うでも無く「明日8時に迎えにくる」とセブは言い、次の日ミアを連れて帰ります。ミアもたくさん弱音を吐いて、涙を流したことで素直になれたのかもしれません。
【解説】ミアのオーディションシーンが印象に残る。別れた理由は…
個人的に、ミアのオーディションのシーンがとても印象に残っています。脚本がない中、何か自由に語ってくれというオーディションで、ミアは自分が女優になったきっかけとなったおばさんがパリのセーヌ川に飛び込んだ話をしました。その話はだんだんと「Audition (The Fools Who Dream)」という歌になっていきます。
“おばさんはセーヌ川に裸足で飛び込んで、水が冷たくて一ヶ月くしゃみをしたけどまた飛びたいと。夢を追う人は馬鹿に見えるかもしれないけど、愚かに見えるかもしれないけど、どうか痛む心に、夢追い人に乾杯を。おばさんはこう言った、「ほんの少しの狂気が新しい色を見せる。」明日は誰にもわからないから夢追い人は必要だ”
役者や物書き、アーティストなど何か創作的な仕事を夢見てうまくいかないと、馬鹿っぽくて遊びのようだと思われがちです。それに凍えたセーヌ川に飛び込むことも、何をしているんだと思われてしまいますが、常識を飛び越えた世界の方が人生豊かじゃない?チャレンジする事で新しい世界が見れない?と感じ取れます。
そして情熱を燃やし、それでも上手くいかなかった先人たちの光を思って、自分の消えそうな光を思う…。「ほんの少しの狂気が新しい色を見せる」という言葉に勇気づけられました。ミアがこの歌を感情をこめて歌うので、聞いていて感動しましたね。
そしてミアとセブは、お互い夢に没頭する時だと話し合い別れます。二人が別れた理由は嫌いになったわけでもなく、お互いの夢のためだったのですね。
ララランドの結末。一年足らずのよくある恋かもしれないけれど
5年後の冬。ミアは大女優になって、自分が勤めていたカフェにコーヒーを買いに来ます・女優オーラが出ていて、前のミアの可愛さが優雅に変わっています。
そして自宅に戻ると小さな可愛い女の子がいますが、夫はセブではありませんでした。そしてセブも自分のジャズの店を持ち、別々の人生を歩んでいます。
「そうか…。」と悲しくなる一方、そうだよなとも思いました。描かれていない5年間という時間はとても長いもので、その間に多くの出来事や出会いがあるわけです。ミアが大上祐になり、セブがジャズの店を持ったように、大きく人生は変わってしまう時間なのです。
セブとミアが一緒にいた時間は一年足らずです。傍目からみれば素敵な恋愛だった思いますが、それが一生の恋だとは言い切れません。夢を必死に追い自分に没頭する中で、消えてしまうものなのでしょう。
ただ、二人の出会いは互いにとって必要だったことは間違いありません。ミアがいたことでセブは自分の夢を取り戻して店を持つことができましたし、セブがいたことでミアは夢を諦めずにいました。一緒にいる時間は終わっても、新しい大切なものを見つけながら人生は続いていくんですよね。
そしてミアと夫が夜のデート中、偶然セブの店に寄ることになります。セブの店の名前はかつてミアが提案して却下された「セブズ」という名前でした。そしてミアが店に来たことを知ったセブは思い出の曲を弾き、「もしあの時こうしていたら二人はどうなっていたか」の人生を夢想します。
もし、セブがバンドをしなかったら、ミアの舞台を観に行けていたら、パリについて行っていたら…。めくるめくダンスシーンの中、空想の中の二人はとても幸せそうでした。そして今ミアの夫がいる場所に、ミアの隣に座ってこの店にお客としている…そこで空想は終わります。セブはそこで、この選択がお互いにとって間違ってなかったと気づいたようでした。
個人的に、セブ側に家族や恋人の存在が描かれていなかったのも良かったです。例えばジャズハウスで子供が「パパー」と観ているなどがなくてよかったです。セブ側に少しの未練や後悔、愛情を置いておくことで一方は待っていた…ということが、物語に切なさと深みを与えたなと思います。そしてもし待つのがミアの側だったら、男女の違いであると思うのですが悲しすぎたかと思いました。
ミアの選択を理解し、幸せを願う。最後に二人が目を合わせた時、そんな最後のセブの優しい表情によって、お店に入ってからずっと罪悪感と少しの後悔で辛そうだったミアの表情がやわらかい笑顔になっていくのが本当に本当に良かったです。
私は「ラ・ラ・ランド」を観て、人生で何度か思い出すような映画のひとつに出会えたという気持ちで観終わりました。セブに恋してミアに勇気をもらい、私も自分の選択に後悔しないように生きて行こうと思えた作品でした。
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