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『ビューティフル・マインド』ネタバレ感想・考察・解説!どんでん返しに騙される実話を基にした映画

天才が故に人付き合いの下手な主人公

実話を基にした映画『ビューティフル・マインド』。まさかのどんでん返しに誰もが騙されるような、1つの作品として純粋に楽しめるような人間ドラマ系の映画になっていました。

今回はそんな『ビューティフル・マインド』についての詳しい感想と考察・解説をご紹介していきます。感想と考察・解説ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください!

目次

映画「ビューティフル・マインド」を観て学んだ事・感じた事

・どんでん返しに騙される!
・実話ということを抜きにしても、1つの作品として楽しめる
・人間ドラマがお好きな方からそうでない方にまでおすすめの作品

映画「ビューティフル・マインド」の作品情報

公開日2002年03月30日
監督ロン・ハワード
脚本アキヴァ・ゴールズマン
出演者ラッセル・クロウ(ジョン・ナッシュ)
ジェニファー・コネリー(アリシア・ナッシュ)
ポール・ベタニー(チャールズ)
ジェニファー・コネリー(パーチャー)
クリストファー・プラマー(ローゼン医師)
ジョシュ・ルーカス(ハンセン)

映画「ビューティフル・マインド」のあらすじ・内容

映画「ビューティフル・マインド」のあらすじ・内容

1947年、プリンストン大学に入学した数学者の卵ジョン・ナッシュ。

天才的な才能を持っているものの人付き合いが下手なジョンは、研究ばかりで授業にも参加せず、同年代とは馴染めずにいたのですが、そんな彼の側には良き理解者で心の支えでもあるルームメイトのチャールズがいました。

周りの学生たちが次々に論文を発表しているのに対し、ジョンが論文どころかテーマすら決められないと悩んでいた時にもチャールズは支えてくれて、そのかいあってかジョンは今までの理論を真っ向から否定する新しい論文を完成させます。

そして5年後の1953年、ジョンはウィーラー国防研究所MITに就職したのですが、与えられる仕事は教師などの研究とは関係ない自分の望まぬことばかりでした…。

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映画「ビューティフル・マインド」のネタバレ感想

映画「ビューティフル・マインド」のネタバレ感想© 2001 – Imagine Entertainment

今作は人付き合いの下手な主人公が、政府から極秘任務を依頼されたことによって命を狙われるようになってしまうというミステリーアクション…だと思ったのですが、途中のどんでん返しから人間の狂気や悲しみを感じる人間ドラマに変化していきます。

誰でも1度は騙されるようなどんでん返し、悲しみが押し寄せる人間模様、人間の狂気を感じる演出がかなり魅力的な映画になっているので、人間ドラマがお好きな方からそうでない方にまでおすすめな映画になっていました!

天才が故に人付き合いの下手な主人公

天才が故に人付き合いの下手な主人公© 2001 – Imagine Entertainment

天才が故に人付き合いが下手なのですが、なぜか周りの人々からは愛されるような主人公ジョンのキャラクターが非常に魅力的でしたね。

天才が故に人への配慮を忘れ、ずけずけと思ったことを口に出してしまう性格のために人付き合いや世渡りが下手。しかし決して悪い人というわけではなく、研究に対して一直線なために不真面目な部分はあれども、人から愛されるような実直さのあるキャラクターが今作のストーリーによく合っていました。

印象としては映画『真夏の方程式』の湯川学や、映画『博士の愛した数式』の博士、映画『シャーロック・ホームズ』のホームズに近いですね。

 

そして湯川先生には岸谷がいたように、博士の側には杏子やルートがいたように、ホームズの側にはワトソンがいたように…ジョンの側にはルームメイトのチャールズと、多くの友人たちに囲まれていました。

ジョン自身は孤独だと思っていたとしても、彼の周りには何だかんだで良き友人たちが集まってきていて、表面からは分からないような彼の人柄の良さが感じられましたね。

実際の実物像については分かりませんが、人間ドラマ系の映画の主人公としては非常に王道で分かりやすい、魅力の多いキャラクターになっていたと思います。

チャールズ役のポール・ベタニー

チャールズ役のポール・ベタニー© 2001 – Imagine Entertainment

ジョンを支え続けるルームメイト・チャールズは、映画『ダ・ヴィンチ・コード』に登場していた暗殺者・シラス役のポール・ベタニーでしたが、シラスとは印象が正反対で観ていて面白かったですね。

シラスの時には病的な儚さがある、生や喜びに対する執着が薄いようなキャラクターだったのに対し、今作では色白ではあるもののジョンを引っ張り出す力強さと強引さ、生や喜びに対する執着や活力に満ちているキャラクターを演じていました。

顔立ち自体は一目見ただけで同一人物だと分かるくらい変わっていないのに、キャラクターの雰囲気は正反対ですごく印象的でしたね。

 

個人的には色白な肌質と細長い顔立ち、身体つきからシラスの方が合っているような気もするのですが、今作の友人のことを想い一生懸命になり、友人から信頼・親愛を獲得しているようなキャラクターもよく合っていたと思いますし、個人的にはチャールズというキャラクターが好きでした。

印象的で好きなキャラクターだった分、知らずにいた方がジョンにとっては幸せだったのではないだろうかと思わなくもないほどに…彼が幻覚だったという衝撃の事実はジョンと同じように驚きましたし悲しかったですね。

ジョンを愛した女性・アリシア

ジョンを愛した女性・アリシア© 2001 – Imagine Entertainment

ジョンが政府からの極秘任務を請け負っていると騙されていた時には、彼女が敵国のスパイなのではないかと疑っていたのですが、実際はジョンをただただ愛していた…悲しみと強さのある女性でしたね。最初は彼女が敵国のスパイだと思っていました。

生徒たちから慕われているとはお世辞にも言えないジョンに自ら近付き、護衛が付いているような研究室に些細な用事で入り込んだり、仕事や彼のことについて聞き出そうとしている気配があったので、てっきりスパイかと…。

 

ジョンが悪い人ではないということは分かっていても、あの不躾な態度やストレートな表現に魅力を感じるものだろうかと疑っていたのですが、それがどんでん返しに向けての誘導になっていましたね!

アリシアは本当にただジョンに惹かれていて、彼と愛しあいたいと思っていただけで…そして彼を愛したがゆえに、若くして悲しく切ない現実と向き合うことになった女性でした。

愛した男は実はずっと精神病に苦しんでいて、若くして子供と夫の世話をすることになり、世話をしながら生活のためにお金も稼がなくてはならなくて…見捨てることも離婚することも叶わず、愛していたからこそツラくて悲しく、切なかったと思います。

実際のことは分かりませんが、映画だけ観ていると残業といって夜遅く帰ってくることもあったようんsので、正直浮気をしていたのではないかなと。というか浮気をしていてもおかしくない状況だよなと感じました。

女性としてはジョン側よりも、どうしてもアリシア側に共感でき、同情的になってしまいましたね。

人間の狂気を感じる映画

人間の狂気を感じる映画© 2001 – Imagine Entertainment

今作は幻覚・被害妄想に苦しみ悩むジョンと、そんな彼を支えようと思いながらも疲労・恐怖しているアリシアが多く表現されていたので、人間の狂気のようなものを強く感じる映画になっていました。

疑心暗鬼になり、自宅の周りを監視するようにずっと窓の外ばかり見て、灯りを付けることにすら恐怖し、顔を青白くして濃いクマをつくり、挙動不審でギョロ付く目が非常に怖かったですね。

 

幽霊とか怪物の怖さではなく、純粋に人間が怖いと感じるような演出で、そんな雰囲気が映画『シャイニング』とよく似ていました。

シャイニングは一応幽霊が出てくるホラー映画なので一緒にするのはまた違うのかもしれませんが、幽霊が自分に迫ってくると怯えて疑心暗鬼になっていたり、かと思えばそんな幽霊を喜々として受け入れていたりする姿が今作とよく似ていたと思います。

違うのはその疑心暗鬼の原因を知り、受け入れようと努力する姿勢があったことですかね。
しかし1度幻覚だと受け入れたと思っていても、ふっとしたきっかけでまた自分に騙されてしまい、どんどん家族までもが危険に晒されていく…。

自分を騙すことで危険が及ぶのは本人よりも家族というのが実に人間的で、自分が自分を騙すというのが人間の狂気を感じて、非常に面白かったです。

「シャイニング」のような、人間の狂気を描いた作品がお好きな方ならば気に入る方が多い作品だと思います。

どんでん返しの真実…!

どんでん返しの真実…!© 2001 – Imagine Entertainment

やっと暗号解読という望んだ仕事ができるようになった…と思いきや、パーチャーという人物はジョンが生み出した幻覚で、さらに学生時代から支えてくれた1番の親友すらも彼が生み出した幻覚という驚きのどんでん返しがありました。

妻どころか本人すらも知らなかった、孤独な天才が生み出した幻覚という悲しい事実。

どんでん返しが用意されているとは思っていなかったので、暗号解読の仕事・パーチャーが幻覚だったというだけでも驚いたのですが、学生時代から支え続けてくれたチャールズすらも幻覚と言うのは衝撃の事実でした。

 

そして嘘なのではないかと疑っていた妻という人物、その愛だけが真実というのも個人的には驚きましたね。

嘘と本当が明らかになっても、まだ彼らの方が嘘を付いているのではないかと疑ってしまったり、幻覚の方が本当なのではなかいと信じてしまったり、天才が生み出した幻覚だからこそ妙に説得力があって…。

どこからが嘘でどこまでが本当なのかが分からない、疑い出したらキリがない最初から最後までジョンと一緒に疑心暗鬼になるようなストーリー展開やキャラクターが、スゴイ印象操作だったなと思います。

実在の人物・実話を基にした映画

実在の人物・実話を基にした映画© 2001 – Imagine Entertainment

前情報なしで視聴していたのでフィクション映画だと思っていましたが、今作は実在の人物・実話を基にした映画らしいですね。

基となった人物についてはほとんど知らず、この映画の元となっている伝記や実話についても知らないので、今作の内容がどこまで実話なのか、伝記とどう違うのか等の比較はできませんが、1つの作品としては非常に面白かったです。

特に全てが妄想・幻覚だったというどんでん返しの展開、感動とは違った悲しみのある人間ドラマが魅力的でした。

病気だからと言えばしょうがないことにも感じるかもしれませんが、信頼していた親友とやりがいのあった仕事を一気に失うことになり、どれが現実なのか幻覚なのかも分からなくなってしまうというのはツラく悲しいことだったと思います。

自分を支えてくれる妻や友人すらも現実なのか幻覚なのか分からず、幻覚が消えることもなくそんな自分を受け入れるしかないというのは、頭では分かっていても受け入れるのは難しいことですよね。

 

そしてそんな夫を支えようと努力して肉体・精神共に疲弊していく妻、かつての友人を助けたいと思いながらも壊れていく様を見続けなければならない友人といった、ジョンの周りの人物も彼を愛していたからこそツラかったことでしょう。

映画なのでツラい部分はかなりカットされ、ドラマチックなエンディングを迎えていますが、全て実話だったとすれば現実はかなり壮絶なものだったのではないかなと思わせる人間ドラマでした。

映画「ビューティフル・マインド」の考察・解説

映画「ビューティフル・マインド」の考察・解説© 2001 – Imagine Entertainment

ジョンが生み出した3人の幻覚の存在理由や役割について、ジョンの元にローゼン医師を呼んだ人物、万年筆(ペン)を置く意味について解説・考察していきます。

あくまでも個人的な考察・解説なので必ずしもこれが正解というわけではありませんが、参考程度に見て頂けると幸いです!

ジョンが生み出した3人の幻覚

ルームメイトのチャールズは同学年の友人たちに馴染めず、上手くいかない研究に思い悩んだジョンが友人や理解者を求めた結果生まれた幻覚でした。

だからこそ学校を卒業した後も、ジョンが孤独を感じたり思い悩んだときには必ずチャールズが現れていたのだと思います。

実際にはジョンの周りには多くの友達がいたのですが、ジョンはそのことに気付いていなかった・分からなかったために、自らの頭の中で友人を作り出し、チャールズに頼り切っていました。

 

そして、突如現れたチャールズの姪というキャラクターは、ジョンの妻が妊娠したために生み出された幻覚。

子供のことに関してもチャールズが良き理解者となれるように、そして結婚していないチャールズの元に子供が現れることに違和感が出ないようにするために、姪という子供が現れたのだと思います。

国防総省の男・パーチャーは教科書通りのことを教える講師の仕事、やりがいのない仕事ばかりを押し付けられることにストレスを感じた彼が暗号解読の仕事をしたい、非日常的な刺激が欲しいと思ったために生み出された幻覚でした。

ただ、最後には生徒たちから慕われる教師になっていたことを思うと、教科書の内容をなぞるように教えるのではなく、自分と同じ分野を学びたいと考えている子に知りたいことを教えるタイプの教師であれな向いていたのかもしれませんね。

ジョンの元にローゼン医師を呼んだ人物

夜中に家を抜け出し、どこに行っていたのかも言いたがらず部屋に閉じこもり、外をにらみつけては何かに怯えている様子の夫を不審に思った妻・アリシアが呼んだのだと思います。

ジョンに家を出るように指示されたあと、電話を見つめるシーンがありましたし。

アリシアからの話に緊急性を感じたローゼン医師が、実際のジョンの様子を見るために大学を訪れたのですが、知らない人物の接近に恐怖したジョンが逃げ出してしまったために、急遽捕まえる形で保護したのだと思われます。

万年筆(ペン)を置く意味

映画内では「素晴らしい功績を上げた教授にペンを捧げる伝統」と説明していました。

おそらくですが学者が素晴らしい功績を上げるためには多くのものを書き、多くのペンがインク切れになるから、このペンを使ってさらに多くの研究をしてほしいという願いを込めてペンを送る伝統があるのかもしれませんね。

学者にとって人に研究を理解される、人に望まれて研究をするというのはかなりの喜びのようですから。

もしくは成功した人物に自分が使っている物をプレゼントすると、自分にもご利益があるという『爪の垢を煎じて飲む』と似た感覚から、自分の使っていたペンを送る伝統があるのかもしれません。

「ビューティフル・マインド」はどんでん返しが魅力の映画!

「ビューティフル・マインド」はどんでん返しが魅力の映画!© 2001 – Imagine Entertainment

今作は極秘任務のために何者から命を狙われるというミステリー展開からのどんでん返し、全ては幻覚・妄想という悲しみをテーマにした人間ドラマが魅力的な作品になっています。

実話を基にした映画、偉大な数学者の伝記が基になっているということで、難しい映画なのではないかと不安に思っている方も多いかもしれませんが、難しいことよりも人間の心理がメインとなる映画になっているので面倒に感じることはなく、1つ作品として純粋に楽しむことができる作品でした。

なので少しでも興味のある方はぜひチェックしてみてください!

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