海外映画/洋画の感想

映画『ダ・ヴィンチ・コード』ネタバレ感想・解説・考察!聖杯を巡る人間同士の心理戦&驚きのラストが魅力…!

映像はSFっぽくて観やすい

宗教を絡めたミステリー映画『ダ・ヴィンチ・コード』。テーマ的にはオカルト映画のようなのに、人間同士の残虐さや心理戦が魅力的な映画になっていて、ミステリー映画がお好きな方におすすめしたい作品です!

今回はそんな『ダ・ヴィンチ・コード』についての詳しい感想や解説、考察をご紹介していきます。感想と考察ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください。

目次

映画「ダ・ヴィンチ・コード」を観て学んだ事・感じた事

・時間のあるときにじっくりと観る映画としておすすめ
・人間の残虐さ、人間同士の心理戦が魅力的な映画
・神や幽霊よりも結局怖いのは人間

映画「ダ・ヴィンチ・コード」の作品情報

公開日2006年05月20日
監督ロン・ハワード
脚本アキヴァ・ゴールズマン
出演者トム・ハンクス(ロバート・ラングドン)
オドレイ・トトゥ(ソフィー・ヌヴー)
イアン・マッケラン(リー・ティービング)
ジャン・レノ(ベズ・ファーシュ)
ポール・ベタニー(シラス)
ジャン=ピエール・マリエール(ジャック・ソニエール)

映画「ダ・ヴィンチ・コード」のあらすじ・内容

映画「ダ・ヴィンチ・コード」のあらすじ・内容

ルーブル美術館で殺害された館長ジャック・ソニエール。

彼の遺体は自らの手で施された不可思議な暗号に包まれた状態で発見され、残されたダイイングメッセージの1つから容疑者として疑われたのは、夕方からソニエールと会う約束をしていたハーバード大学教授ロバート・ラングドンでした。

彼を犯人だと決めつけているベズ・ファーシュ警部の元からラングドンを逃がすために協力してくれたのは、被害者であるソニエールの孫娘ソフィー・ヌヴー。

ずっと疎遠だった自分とラングドンにダイイングメッセージを残したソニエールの真意を知るために、2人は追いかける警察、謎の男の追っ手に苛まれながらも暗号解明に挑んでいくのですが…。

新作映画も見れる!
U-NEXT31日間の無料お試しはこちら

映画「ダ・ヴィンチ・コード」のネタバレ感想

映画「ダ・ヴィンチ・コード」は敵やストーリー、暗号など非常にボリュームのある作品になっています。

時間のあるときにガッツリと映画を観たい、何度も観返して映画を理解していきたい方におすすめな作品になっています。

白く黒い幽霊・シラス

白く黒い幽霊・シラス© 2006 Columbia Pictures Industries,

今作の被害者とも言えるような敵キャラ・シラスは印象的な見た目、行動、思考のキャラクターになっていて、宗教をテーマにした今作の敵キャラとしてよく合っていましたね。

まず髪や肌が白く儚げなのに真っ黒な僧衣を身に纏っていることで、内面的な弱さがあるのを隠しながら外面的には真っ黒で冷たく残酷な姿を装っているような、キャラクターの性格や心情まで伝わってくるような見た目をしていたと思います。

父の暴力を受け、幽霊と言われ続けて育ったことで自分の存在価値を見失い、何かに縋らなければ生きていけないようになっていたところに現れた司教に、「天使」と呼ばれたことで自分に存在価値を見出すことができたのだけれど、殺戮の天使として働かされ続けたためにシラスは真っ黒な何かに包まれてしまった…。

何とも不憫というか、生まれた環境さえ違えば…存在価値を与えてくれた人が違っていたら…そう思わずにはいられないような、敵だけど宗教に巻き込まれた被害者のようなキャラクターに感じました。

序盤は宗教のため、司教のためと淡々と多くの人を殺しているシラスが怖いなと思っていたのですが、後半はシラスにそういったことをさせている司教や黒幕の人物の方が怖かったですね。

面白いけどガッツリ観る必要性アリ!

面白いけどガッツリ観る必要性アリ!© 2006 Columbia Pictures Industries,

宗教・歴史要素のある話は個人的に好きで、ボリュームのある謎解きで面白い作品だったなとは思うのですが、ボリュームがある分、何かしながらサラッと観たいなという時には向かない、映画だけに集中できる時に観た方が良い映画になっていましたね。

宗教や歴史に詳しい方であればサラッと見でも理解出来るのかもしれませんが、好きではあるけど詳しくはないという方であれば、ヒントを見逃さないようによく見て、解説やセリフをよく聞かないと理解できない部分が出てきてしまいます。

 

正直、よく聞いていてもどういうことだろう?と理解しきれていない部分が出てくることも多かったので、このシーンはどうだったっけ?ここはどこに伏線があったっけ?と、ある程度観返して確認が出来るような環境下で視聴するのがおすすめです。

難しそうで観るのが面倒…と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、難しいものの内容が理解できるとおぉ!と斬新な謎解きに驚いたり、伏線を見つけた時に喜びを感じたりできる作品になっているので、ぜひぜひじっくりと時間をかけて観ていただきたいおすすめの映画になっています。

神や幽霊よりも人間が怖い

神や幽霊よりも人間が怖い© 2006 Columbia Pictures Industries,

今作は宗教・歴史的な話がテーマとなるため、オカルト系の映画だと思われているかもしれませんが、オカルト要素はあくまでも学術的に紹介されているだけで、内容的には神や幽霊よりも人間の方が怖く感じるような映画になっています。

そもそも敵は神や幽霊ではなく、司教が送り込んだシラスという暗殺者、ラングドンを犯人と決めつけるファーシュ警部と警察、友のフリをして聖杯に近付こうとするリーなど…全て生きている人間です。

ファーシュ警部は元々の猪突猛進な性格を司教に利用され、警察という公正公平な動きを求められる立場にいながら、宗教に振り回されたことで真実を見失いかけてしまった被害者みたいな側面もありますが、ラングドンが犯人だと信じ切っているからこそ執拗に追いかけてくる恐ろしい敵になっていましたね。

そして、テーマがオカルト的なのに神や幽霊が人間を攻撃することは1度もなく、全ては人間による攻撃・裏切りに終始しているのが印象的でした。そんな人間の怖さがメインになっているからこそ、ストーリー・ミステリーにも深みが出ていたのかなと思います。

映像はSFっぽくて観やすい

映像はSFっぽくて観やすい© 2006 Columbia Pictures Industries,

今作は内容が結構重めで、歴史も絡めていることでどうしても複雑になりがちな部分が多いのですが、映像は意外とシンプルなのにインパクトのあるシーンや、SFのような面白い映し方をしているシーンばかりになっているので、内容に反して非常に観やすくなっていました。

個人的には広い空間から1点に、高い所から下にある小さな物にどんどんズームアップしていくような映像の映し方がすごく印象的で、映像的にも勢いがあることでストーリーにもインパクトが出ていましたね。

 

その他には、アナグラムの謎解きをしている時には文字が光って浮かび上がっていたり、クリプテックスを解くために再現イメージを作り出していたり、SFっぽい要素もありつつ見栄えも良くて作品がかなり観やすくなっていました。

ストーリーが重たい分、映像には遊び心があるように感じて楽しく観やすかったですし、ストーリーが重たい作品は…と思っている方でも比較的観始めやすいような作品になっているのではないかなと思います。

リーとラングドンの宗教討論が笑える

リーとラングドンの宗教討論が笑える© 2006 Columbia Pictures Industries,

個人的にはリーとラングドンの屋敷での宗教討論がかなり面白くて好きでした。

リーの話は宗教・歴史の解説がメインになっているので、他のシーンに比べて難しい話ばかりにはなってしまっているのですが、再現シーンや映像を交えての解説なので理解はしやすかったですし、ラングドンとの討論が入ることで面白さもしっかりと加わっていましたね。

同じ物を研究していても人によって考え方・結論・受け取り方は違う物になっていましたし、宗教・歴史について研究している者同士だからこそ自分の考えと反する部分には反論せずにはいられないという討論が、2人のキャラクターをよく表していたと思います。

 

そんな2人の間に挟まれながらも、分からないことにはグイグイ質問していき、混乱しながらも時には時には自分も言葉を挟むようなヌヴー3人の構図も良かったですね。

このときにはただ似た者同士だけど違った考えを持つ者同士の2人を笑って観られたのですが…そんなリーがこの後、ラングドンたちを裏切ります。

ラングドンと似た者同士ではあったものの、実は自分の熱意を貫き通すためには人を殺すことも厭わないような、宗教に狂ったかなり冷酷な人物になっていました。

キャラクターとしては笑顔でラングドンと歴史を語る姿も、聖杯を探求している狂った姿もどちらも違和感なくよく似合っていて、ストーリーを盛り上げてくれる面白い裏切りだったと思います。

カーアクションが意外と魅力的!

カーアクションが意外と魅力的!© 2006 Columbia Pictures Industries,

今作はあくまでも謎を解いていくミステリーがメインではあるのですが、謎解きの最中に迫る敵から逃げるアクションもそこそこあって、斬新なカーアクションは結構魅力的なものになっていたと思います。

個人的に1番好きだったのが、冒頭のヌヴーとラングドンが軽自動車に乗って警察から逃げる時のカーアクションです。

アクション映画であれば逃げる時の車はカッコいいスポーツカーとか、パトカーとか大型トラックなどでの大掛かりな車でのカーアクションになることが多いのですが、今作ではあくまでもミステリー映画内でのアクションのためか軽自動車。

軽自動車のカーアクションというのがかなり斬新でしたし、コンパクトだからこその街中での走りやすさ、小回りの効いたアクションが輝いているように感じられて、思っていた以上に見応えのあるものになっていました。

 

その他のアクションに関しては、基本的には逃げの一択でしたね。

ラングドン、ヌヴー側からは攻撃せず、逃げることをメインにしているアクションになっているので戦うアクションがお好きな方には物足りないかもしれませんが、逆にアクションが苦手という方には観やすい映画になっているのではないかなと思います。

【解説】2度3度と驚かされるラストの結末!

2度3度と驚かされるラストの結末!© 2006 Columbia Pictures Industries,

ソニエールの残した暗号を解いた先にあった2度3度と驚かされるようなラストは、驚くだけでなくカッコよく締めていて、かなり盛り上がるラストになっていましたね。

ヌヴーとソニエールには血縁関係がなく、彼女こそが聖杯。イエス・キリストとマグダラのマリアの子孫で、2人の血族を守るためにソニエールが自分の孫娘として引き取り、全てを隠しながら育てていました。

そして全てを知ったことで、1人ぼっちだと思っていたヌヴーにはまだ血縁が残されていたということも知ることができ、全てはハッピーエンド…という形で終わると思いきや、最初から自分たちの側にあったもう1つの聖杯に驚かされるような展開にもなっていて、非常に面白かったですね。

最初には不要な話だと思われたものが実は伏線で、最後にその全てを回収して上手くまとめあげているような、盛り上がるラストになっていました。そして個人的には最後に静かに棺の前に跪き、祈りを捧げるラングドンの姿もカッコよくて好きでした!

映画「ダ・ヴィンチ・コード」の考察

映画「ダ・ヴィンチ・コード」の考察© 2006 Columbia Pictures Industries,

シラスが自分を幽霊だという理由について、聖杯の場所を示す暗号の意味について、ソニエールが行っていた儀式の意味について考察していきます。

あくまでも個人的な考察なのでこれが正解というわけではありませんが、参考程度に見て頂けると幸いです!

シラスが自分を幽霊という理由

シラスはことあるごとに「自分は幽霊だ」と言っていますが、その言葉は望まれない子供だったために戸籍がないことを表していたのかもしれません。

父母は出生届を出さなかったために戸籍がなかったのでしょう。

もしかしたらシラスの母親が浮気をした末に生まれた子供がシラスで、そのことを知った父親が浮気の末に出来た子供のシラスを認知せず、暴力をふるっていたり、罵ったりしていたために戸籍がなかったのかもしれません。

 

そして、その浮気相手と言うのがシラスを「息子」と呼ぶアリンガローサ司教。

だとすれば、聖職者が浮気など世間体に問題があるから名乗り上げることはできないが、父親を殺害したことで母親からも疎まれたシラスをわざわざ引き取り、自分の手足として仕事をさせていたこと、シラスを天使と言っていた理由にも納得がいきます。

聖杯の場所を示す暗号の意味について

聖杯の場所を示す最後の暗号には、マグダラのマリアとイエス・キリストの子孫にあたるヌヴーに至れるようになっていましたが、実はもう1つマグダラのマリアの棺の場所にも至れるようになっていました。

『聖杯は古のロスリンの下で待ち、その門を剣と杯がかばい守る。
匠の美しき芸術に囲まれて横たわり、ついに星の輝く空の下に眠る。』

ロスリンの下というのは、ロスリンという名がローズラインから取られていることからローズラインの下ということを表しています。

剣と杯とは、美術館内にあった上下で対になっているピラミッドのこと。
匠の美しき芸術に囲まれとは、単純に美術館のこと。
星の輝く空の下とは、空まで遮るものがないこと、天井がガラス張りになっているということ。

つまりマグダラのマリアの棺は、ソニエールが館長を勤めるルーブル美術館の地下にあるということを表していました。

その2つ目の意味を理解したからこそ、ラングドンはマリアの棺の前である対のピラミッドの側で跪き、祈りを捧げていたのです。

ソニエールが行っていた儀式の意味

リーの屋敷で語られていた「異教徒は男女の交わりを通し、超越的存在を見出した」「異教では女性を天国への道として崇拝する」ということを考慮すると、交わりを通して神に近付こうとしていたか、もしくは神を呼び出そうとする儀式だったと思われます。

何かを呼び出そうとしていたのだとすると、女神を表す五芒星を掲げていたことから、彼らの女神であるマグダラのマリアを呼び出そうとしていたのではないでしょうか。

だからこそ、マグダラのマリアの血族であるヌヴーは儀式の最中に予告なく突然家に戻ってきたのかもしれません。つまり儀式は成功していたのかも…?

儀式の成功をソニエールが知っているかどうかは定かではありませんが、五芒星を掲げていることが女神を呼び出すための儀式に重要だったのだとすると、ソニエールが死の間際に自らの肉体に五芒星を刻み込んでいたのは、マグダラのマリアの血族であるヌヴーに来てほしいという、最後の願いにも似た儀式だったのかもしれませんね。

映画「ダ・ヴィンチ・コード」はじっくり観てもらいたい映画!

映画「ダ・ヴィンチ・コード」はじっくり観てもらいたい映画!© 2006 Columbia Pictures Industries,

宗教・歴史といった重いテーマの映画ということで、複雑に感じてしまう部分も多いのですが、その分、宗教・歴史を交えつつのミステリー映画ということでかなりボリュームのある作品になっていました。

ミステリー映画好きな方には、ぜひともじっくりと観てもらいたい映画です!

映画「ダ・ヴィンチ・コード」の動画が観れる動画配信サービス一覧

 配信状況無料お試し
Hulu×2週間
Netflix×30日間
FOD1ヶ月
U-NEXT31日間
auビデオパス30日間

※2019年9月現在の情報です。

映画の配信本数が多い!U-NEXTの31日間の無料お試しキャンペーン

U-NEXTには見放題の邦画や洋画が多くあり、ポイントを使うことで最新の映画も見ることができます!

毎月1,200円分のポイントを貰うことができるので、個人的に動画配信サービスの中でも一番おすすめです。

無料のお試しキャンペーンがあり、無料期間中に解約することもできるので、まだ試していない方は是非どうぞ!

新作映画も見れる!
U-NEXT31日間の無料お試しはこちら

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です