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映画「ロケットマン」ネタバレ感想・解説・考察!エルトン・ジョンの半生を描いた至高の伝記ミュージカル

映画「ロケットマン」のネタバレ感想

映画「ロケットマン」は、昨年世界的大ヒットを記録した「ボヘミアン・ラプソディ」の最終監督を務めたデクスター・フレッチャーが監督を務めた作品で、伝説的ミュージシャンのエルトン・ジョンの半生を描いています。

エルトン・ジョン役には「キングスマン」シリーズなどもタロン・エジャトンが務め圧倒的なパフォーマンスを見せていました。

世界中に愛される名曲の数々を生み出したエルトン・ジョンが成功を掴み取るまでのストーリーと、成功の裏に抱えていた孤独や苦悩を印象的に描いています。

今回は映画「ロケットマン」のネタバレ感想・解説・考察を書いていきます。

目次

映画「ロケットマン」を観て学んだ事・感じた事

・エルトン・ジョンの壮絶な人生。誰もが普遍的に求める愛情が得られない苦悩
・孤独に陥りながらも最終的に支えになってくれる友の存在
・映画全体に魔法をかけるエルトン・ジョンの眩いばかりの名曲たち

映画「ロケットマン」の作品情報

公開日2019年8月23日
監督デクスター・フレッチャー
脚本リー・ホール
出演者エルトン・ジョン(タロン・エジャトン)
バーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)
シーラ・アイリーン(ブライス・ダラス・ハワード)
ジョン・リード(リチャード・マッデン)

映画「ロケットマン」のあらすじ・内容

映画「ロケットマン」のあらすじ・内容

「your song」や「Crocodile Rock」などの名曲で知られるエルトン・ジョン。グラミー賞を5度受賞し、楽曲の売上枚数は3億枚以上ともいわれる史上最も売れたアーティストの1人の半生を描くストーリーです。

世代を越えて愛される音楽を作り続ける栄光の裏側で、孤独と悲しみの中で苦しむ壮絶なドラマを描きます。

若くしたスーパースターに上り詰めた一方で、薬物中毒や過食症、アルコール依存症に苦しみ、カムバックするまでを往年の名曲と共に送る映画になっています。

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映画「ロケットマン」のネタバレ感想

映画「ロケットマン」のネタバレ感想© 2018 Paramount Pictures.

映画「ロケットマン」は、伝説的ミュージシャン「エルトン・ジョン」の半生を輝かしい音楽と共に描いた作品です。

この映画の公開が発表されたときには「ボヘミアン・ラプソディ」の成功に味をしめた映画会社が、二匹目のドジョウを狙ってきたなと思ってしまったのですが、確かにそういった側面もありながらも、それでもエルトン・ジョンの輝かしい栄光とその裏にあった壮絶なドラマは心惹かれる内容になっています。

 

監督は「ボヘミアン・ラプソディ」で最終監督を務めたデクスタ・フレッチャー、エルトン・ジョン役には「キングスマン」シリーズでも知られるタロン・エジャトンがキャスティングされました。

「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリー役を演じたラミ・マレックのときもそうでしたが、本人と見紛うほどのクオリティと抜群のパフォーマンスを見せてくれています。

劇中に流れるエルトン・ジョンの楽曲はタロン・エジャトン自身の声で作られており、その圧倒的な歌唱力も高い評価を得ています。

世界で最も売れたミュージシャンの1人エルトン・ジョンの半生を素晴らしい音楽とファンタジックな演出で描く、新たなミュージック・エンタテインメントに仕上がっていました。ここでは映画「ロケットマン」の感想を1つ1つの項目に分けて書いていきます。

【解説】エルトン・ジョンについて

【解説】エルトン・ジョンについて© 2018 Paramount Pictures.

映画「ロケットマン」の内容を解説する前に、エルトン・ジョンについて簡単に紹介していく。音楽をあまり聞かない人でも名前は聞いたことがあるでしょうし、音楽は聞いたことがあるかもしれないほどメジャーでかつてない成功を収めたスーパースターの1人です。

エルトン・ジョンは1947年3月25日、イングランドミドルセックス州ピナーで誕生します。同じイギリスのスーパースター、フレディ・マーキュリーは1946年生まれということで、この2人の偉大なミュージシャンが同時期に生まれたことになります。

王立空軍のパイロットだった父スタンリー・ドワイトと妻シェイラの間に生まれます。劇中にも描かれていましたが、父親と過ごす時間は少ししかなく、エルトン・ジョンが15歳のときに離婚、その後は母親と義父の間で過ごします。

 

4歳のころからピアノを弾き始め、耳で聴いたメロディを即興で演奏することができるほどの神童で、11歳の頃に王立音楽院に合格します。

卒業後はバンドを組みながら、ライブ活動を中心に続けていました。その頃、リバティレコードA&Rマネージャーレイ・ウィリアムズが雑誌に載せた募集広告に応募したことがきっかけで、長年歌詞のパートナーとなるバーニー・トーピンと出会います。

ソロデビュー後、1970年にリリースされた「your song」の大ヒットによって一気にスターへの階段を登ります。数々の楽曲をリリースし、それが軒並み大ヒットを記録、アルバムが7枚連続で全米1位を記録するなど世界的な人気を博していきます。

しかし、1980年代に入ると精神的に不安定な状態が続き、薬物依存症や過食症、アルコールの過剰摂取などプライベートで問題を多く抱えるようになります。1990年に薬物とアルコール依存症、過食症の治療を受け、更生施設を経てカムバックを達成、再び音楽活動を再開します。

 

今年で72歳となったエルトン・ジョンですが、いまだに音楽活動は継続しています。しかし2018年には家族との時間を増やすことを理由に、ツアー活動からの引退を発表しました。

このように経歴だけ見ても波乱万丈、浮き沈みの激しい人生を歩んでいます。私たちがニュースやゴシップ、音楽などで見るスーパースターの姿はごく一部に過ぎず、その裏には名声を得た人物にしかわからない苦悩や、それを得るために払わなければならない犠牲があります。

映画「ロケットマン」は、エルトン・ジョンの輝かしいキャリアを魅力的な音楽と共に描きながらも、そういった私たちの想像が及ばないような苦しみ、抱えていた孤独にスポットを当てて描いています。

そこには特別な人間だけにしかわからない感覚や孤独、それと同時に私たちが当たり前のように抱えるでろう感情も含まれています。

【考察】映画全体のテーマとタイトル「ロケットマン」

【考察】映画全体のテーマとタイトル「ロケットマン」© 2018 Paramount Pictures.

この映画のタイトルはエルトン・ジョンが1972年にリリースしたシングル曲「ロケットマン」からつけられました。

「ボヘミアン・ラプソディ」もクイーンの代表曲からタイトルがつけられましたが、エルトン・ジョンの代表曲といえば「your song」というのが一番しっくりくるかもしれません。

なぜその中で「ロケットマン」をタイトルに選んだのでしょうか。考えてみると「ロケットマン」の歌詞と映画全体のテーマにリンクする部分が見られます。

「ロケットマン」のサビ部分の歌詞はこのようになっています。

「And I think it’s gonna be a long, long time
‘Till touch down brings me round again to find
I’m not the man they think I am at home
Oh no no no, I’m a rocket man
Rocket man burning out his fuse up here alone」

訳「ずっと先の事になるけど
再び地上に戻る頃に、わかるだろう
僕はみんなが考える、地球にいた頃の僕じゃないって
あぁ、違うんだ、僕はロケットマン
ロケットマンは、孤独の中で燃え尽きるのさ」

「your song」の大ヒットによって、一気にスーパースターに上り詰めたエルトン・ジョン。当事者にしかわからないプレッシャーや苦しみを感じていたことも、劇中では描かれています。

 

そして、エルトン・ジョンは元々内向きで真面目な性格の子供だったことも示されていますし、ミュージシャンとして成功するためになりたい自分に姿を変えてきたことも表されています。

その中で自分の身近にいる人でさえ、本当の自分のことを理解してくれることもなくなってしまいます。ずっとずっと遠い存在になってしまったがために、孤独を抱える状態を招いてしまっているのです。

映画全体ではエルトン・ジョンのサクセスよりも、そういった闇の部分が強調されて描かれていると思いました。ミュージシャンとして周囲やファンが期待する作品をがむしゃらに提供し続けることだけを求められ、次第にボロボロになっていく。

エルトン・ジョンが抱え続けていた孤独や苦悩、そして、半生を通じて得ることが難しかった愛情、そういった映画全体のストーリーでテーマになっている部分がこの「ロケットマン」とリンクしているのだと考えられます。

野球のユニフォームを着てライブを行なっていたシーンが象徴的でしたが、精神的に消耗し、控え室では虚ろな目をしていたエルトン・ジョンがステージ衣装を着て舞台に上がる瞬間に笑顔を作り、観客を魅了するパフォーマンスをしていました。

プロのミュージシャンとして決して私たちには見せなかった苦しみを抱えていたということを印象的に表現しています。派手なパフォーマンスでファンを魅了し、ヒットナンバーを作り続けてきたエルトン・ジョンですが、映画の中で描かれる特別な人間が抱える孤独を表現したタイトルとしてぴったりだったのでしょう。

【解説】映画「ロケットマン」で史実と異なる点

【解説】映画「ロケットマン」で史実と異なる点© 2018 Paramount Pictures.

エルトン・ジョンの半生を描いた映画「ロケットマン」ですが、多少脚色や事実とは異なるシーンがいくつか見られます。

ここでは、映画「ロケットマン」の内容と事実の相違点を紹介していきます。

エルトン・”ジョン”の名前由来はジョン・レノンとは無関係

エルトン・ジョンがレコード会社で自身の芸名を尋ねられたとき、当時一緒に活動していた「エルトン・ディーン」から「エルトン」の名を拝借し、会議室にあったビートルズの写真を一べつしてから「エルトン・ジョン」と名乗ったシーンがありましたが、これは事実ではないようです。

名探偵コナンのようなシーンですが、正しくは1960年代のロックシンガー「ロング・ジョン・ボールドリー」から着ているようです。

冒頭に流れる「I Want Love」について

幼少期のエルトン・ジョンが両親からの愛情を受けられず、悶々とした日々を過ごす中でミュージカル調で流れた曲が「I Want Love」ですが、こちらの曲はエルトン・ジョンが2001年に発表したアルバム『Songs From The West Coast』に収録された曲です。

2001年に作られた曲ではあるのですが、エルトン・ジョンが幼少期に過ごした1950年代の家庭を描いています。

「I’m Still Standing」について

劇中では更生施設に入ったエルトン・ジョンが治療に成功し、シラフの状態でも優れた楽曲を生み出せることを再確認したシーンで作られた「I’m Still Standing」という曲ですが、実際には1983年の完成されていた楽曲でもあり、リバビリを終えた1990年とは異なっています。

このように映画「ロケットマン」では、時間軸や時系列、事実関係などに変更・脚色が加えられています。

「ボヘミアン・ラプソディ」のときもそうでしたが、これはドキュメンタリーではなく、人物を題材にしたエンターテインメント映画であることを考えれば、大きな問題ではありませんけどね。

【解説】映画「ロケットマン」で流れる楽曲を紹介

【解説】映画「ロケットマン」で流れる楽曲を紹介© 2018 Paramount Pictures.

映画「ロケットマン」で流れるエルトン・ジョンの名曲の数々をリストアップします。映画を観て思い出しながら聞いてみるのもいいでしょう。

・The Bitch is Back-introduction
・Saturday Night’s Alright(For Fighting)
・Border Song
・Your Song
・Crocodile Rock
・I Want Love
・Thank You For All Your Loving
・Rock And Roll Madonna-interlude
・Amoreena
・Tiny Dancer
・Take Me To The Pilot
・Don’t Go Breaking My Heart-interlude
・Pinball Wizard -interlude
・Bennie And The Jets -interlude
・Sorry Seems To Be The Hardest Word
・I’m Still Standing
・Hercules
・Honky Cat
・Rocket Man
・Don’t Let The Sun Go Down On Me
・Goodbye Yellow Brick Road
・ (I’m Gonna)Love Me Again

ちなみに映画「ロケットマン」のサウンドトラックが発売されています。iTunesやSpotifyなどでも配信されているので、ぜひ聴いてみてください。

【解説】映画「ボヘミアン・ラプソディ」と異なる点

【解説】映画「ボヘミアン・ラプソディ」と異なる点© 2018 Paramount Pictures.

間違いなく映画「ボヘミアン・ラプソディ」の世界的大ヒットを受けて制作が決定されたとしか思えない映画「ロケットマン」。一部には「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリー役を演じたラミ・マレックが出演するという噂もありました。

マーベルのクロスオーバー作品並みの胸熱展開も期待されましたが、さすがにあざとすぎるということで実現はしませんでした。

同時期・同国のスーパースターとして音楽界に名を残した2人の半生を共に描いた映画ではありますが、割と似たような構成にもなっています。

中心になっているのは、スーパースターの成功秘話と成功を掴み取った後の苦悩にフォーカスが当たります。偶然にも両者は共に同性愛者であり、同時代に生きた人物でもあるので、同性愛に対する時代背景についても共通する苦しみがみられました。

 

ただ、「ボヘミアン・ラプソディ」と大きく異なるのは、エルトン・ジョンの闇の部分を強調するかのようなテーマになっていたことです。

「ボヘミアン・ラプソディ」や同性愛やメンバーとの確執、エイズなどの展開はありましたが、そこまで深掘りしていたわけではなく、最終的に「ライブエイド」というゴールに向けて最大限の盛り上がりを見せていた展開でした。

「ロケットマン」は最終的に、エルトン・ジョンが数々の苦しみを乗り越えてカムバックするところにゴールが設定されています。中心になっているのは、薬物依存症や過食症といった病気、愛情を得ることができなかった悲しみ、スーパースターの孤独、そういった部分が映画全体の中心になっていました。

そういう意味では、映画「ロケットマン」の方が映画として人物に共感しやすい内容になっているのではないでしょうか。

特別な人間にしかわからないような苦しみや苦悩を抱えていながらも、その原因は実は私たちが抱える問題と大して変わらないという部分に共感を感じ、感情移入しやすい構成になっています。

世界中で愛される歌を作ったエルトン・ジョンの感動の実話

「ロケットマン 」を見終わった今、「ボヘミアン・ラプソディ」のように大ヒットするのか?それだけが楽しみです。そして、映画全体を通じて、愛情を求めるエルトン・ジョンの悲しみに満ちた表情が印象的でした。

誰もが聴いたことがある名曲の数々も映画を彩っていて、エルトン・ジョンを演じたタロン・エジャトンの圧巻のパフォーマンスにも注目の作品です!

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