映画「グランド・イリュージョン」は最後まで謎が多く、大どんでん返しが待っている映画で観ている人をワクワクさせます。
今回はそんなアッと驚く展開の映画として有名な「グランド・イリュージョン 」のネタバレ解説と個人的な感想を紹介していきます。
目次
映画「グランド・イリュージョン」を見て学んだこと・感じたこと
・マジックの世界ではあらゆる先入観が仇となる
・ド派手なマジックはとにかくすごい!
・考えさせられることが多く、ネタバラシもあって分かりやすい!
映画「グランド・イリュージョン」の作品情報
公開日 | 2013年10月25日 |
監督 | ルイ・ルテリエ |
脚本 | エド・ソロモン |
出演者 | J・ダニエル・アトラス(ジェシー・アイゼンバーグ) メリット・マッキーニー(ウディ・ハレルソン) ヘンリー・リーブス(アイラ・フィッシャー) ジャック・ワイルダー(デイブ・フランコ) ディラン・ローズ(マーク・ラファロ) サディアス・ブラッドリー(モーガン・フリーマン) |
映画「グランド・イリュージョン」のあらすじ・内容

マジシャンの世界は必ずしも成功が確約されている世界ではありません。いくら優秀なマジシャンでも、人気が出ず廃れてしまうことは十分ありえます。
主人公であるアトラス、メリット、ヘンリー、ジャックの4人もその一人でした。しかし、1枚のタロットカードによって運命が変わります。
タロットカードの指示によって、4人がたどり着いた先はアパートの1室で、そこには秘密の計画書が置かれていました。4人は「フォー・ホースマン」というチームを組み、売れっ子マジック集団となっています。
彼らのマジックは前代未聞のマジックが多く、ラスベガスのステージからパリの金庫にある大金を盗み出します。しかし、これは法に触れる行為であり、FBIも動き出します。
FBI捜査官であるディランはこの4人を逮捕するために動き始めます。マジックのネタバラシを専門とするサディアスを味方にして、フォー・ホースメンに挑みますが、フォー・ホースメンのマジックが上回ります。
途中のマジックでジャックは死んでしまい、追悼として、最後のマジックを行います。最後のマジックでは厳重に守られている金庫から大金を盗みだすというものです。これをサディアスの車のトランクに瞬間移動させます。
サディアスはこれによって逮捕されてしまい、逮捕されたサディアスはディランに対してネタバラシとジャックが生きているという事を伝えます。
ディランがフォー・ホースメンを導いていた本当の黒幕だということが発覚して、フォー・ホースメンの前にディランが現れます。ディランは自分が所属している「the EYE」という所属に招待して物語が終わります。
映画「グランド・イリュージョン」のネタバレ感想
キャストがとにかく豪華!

グランド・イリュージョンはキャストがとにかく豪華です。
J・ダニエル・アトラスを務めるのはジェシー・アイゼンバーグです。ジェシー・アイゼンバーグといえばFacebook創設者の物語としても有名な「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞にノミネートされていて、有名な俳優ですね。
それ以外にも「ジャスティスリーグ」や「バットマンシリーズ」にも出演しているため、たくさんの洋画で見る機会が多いです。
続いて、メリット・マッキーニーを務めるのはウディ・ハレルソンです。出演キャストの中では年配のキャストです。メリットは催眠術を得意とする役で、催眠術のシーンが多く、作中でも重要な役割を担っています。
ウディ・ハレルソンは「ラリー・フリント」で1996年にアカデミー賞にノミネートされていて、演技力が高い俳優ですね。
ジャック・ワイルダー役にはデイヴ・フランコです。若手ながらも実力派のマジシャンを演じています。
デイヴ・フランコはまだそこまで有名な俳優ではありませんが、「グランド・イリュージョン」の2作目にも出演しています。
また、デイヴ・フランコは「スパイダーマン」で有名なジェームス・フランコの弟です。兄弟揃って俳優をやっていて、顔もかなりのイケメンですね。これからが楽しみな俳優です。
フォー・ホースメンのメンバーの中で紅一点なのが、ヘンリー・リーブスを演じるアイラ・フィッシャーです。アイラ・フィッシャーといえば映画「華麗なるギャツビー」にも出ていた有名な女優ですね。
アイラ・フィッシャーはグランド・イリュージョンにおいて重要な人物ですが、実は2作目には出演していません。フォー・ホースメンの他の3人のメンバーは同じ俳優が続投していますが、アイラ・フィッシャーは降板という形を取りました。
なぜ、降板したのかというと撮影の時期にアイラは夫のサシャ・バロン・コーエンとの間に第3子を妊娠していたため、撮影は不可能でした。そのため、現段階でアイラ・フィッシャーの役をグランド・イリュージョンで見ることができるのは、この1作目のみとなっています。
ディラン役にはマーク・ラファロ、サディアス役には「ショーシャンクの空に」などで知られるモーガン・フリーマンと脇を固める俳優陣もとても豪華です。そのため映画のクオリティも高くなっていて、今作を観ただけでグランド・イリュージョンシリーズにハマること間違い無しです!

痛快なシナリオが素晴らしい

グランド・イリュージョンはとにかく痛快なシナリオが特徴的な映画です。シリーズを通して、最後は誰かを陥れる展開になります。今回はマジックのネタバラシを得意とするサディアスを陥れる展開となりました。
サディアスとしてはマジックのネタバラシを得意としていますが、そのマジックにはめられてしまい、投獄されてしまう展開です。
プライドを傷つけられる展開となってしまったサディアスですが、味方だと思っていたディランもマジシャン側の人物ということが発覚したシーンには騙された方も多いのでは無いでしょうか。
サディアスは劇中で先入観を出来るだけ持たないようにしていますが、それでもディランが本当はマジシャンだということは分からなかったようですね。
この映画は観ている人も錯覚してしまうようなマジックが多く、思い込みが生まれてしまいます。そこが見所の作品です。
フォー・ホースメンのメンバーも個性たっぷり!

グランド・イリュージョンの主人公は4人です。4人ともとにかく個性が豊かな人物で、それぞれ特徴を持っています。それぞれ仲が良いのか、仲が悪いのか分からないような会話が多いですが、それでもマジックの連携は息がぴったりです。
アトラスはやや自信過剰なマジシャンですが、実力はしっかりとあります。フォー・ホースメンをまとめている人物でもあり、彼がマジック全体の統率も取っています。
メリットは人の脳内を操るマインドコントロールのマジックを得意とするマジシャンです。そのため、作中でもマインドコントロールを使用する場面は出てきます。
しかし、味方に対してもマインドコントロールをかけようとする厄介な性格をしている少し変わり者ですが、作中のマジックには欠かせない存在です。
ヘンリーはかつてアトラスの助手をしていたこともあってアトラスと仲が良く、独立もしているため、やり手のマジシャンとしても有名です。
フォー・ホースメンの中で唯一の女性人物で、うるさい男性メンバーをいい感じにまとめています。
グランド・イリュージョンは続編もありますが、ヘンリーは2作目には出演していません。ヘンリー役のアイラ・フィッシャーが妊娠、出産をしたためです。
ジャックはフォー・ホースメンのメンバーの中でも一番若いメンバーであり、カード捌きに関しては1番と言って良いでしょう。
ジャックは作中では自分の死を偽装するという大事な役割を担っています。それほど実力を持っていて、フォー・ホースメンのメンバーからも信頼されています。
フォー・ホースメンのメンバーはかなり曲者揃いでどうしても意見が合わない瞬間があります。しかし、それぞれの得意なマジックを活かしながら世界が注目するようなマジックを行なっていきます。
息が合っていないようで、しっかりとチームとして成り立っているフォー・ホースメンのメンバーには要注目です。
マジックシーンは全部本物?迫力がすごい!

グランド・イリュージョンはマジックシーンがとにかく大迫力です。今作では多くの人を巻き込んだマジックが全部で3回あります。どのシーンも迫力満点で観ている人を惹きつけてくれます。
冒頭のトランプマジックは衝撃的です。高速でパラパラとするトランプの中から一枚を覚えるというものですが、ビルの窓に映し出されたのは「ハートの7」でした。これはトランプの束にハートの7が複数枚含まれているため、ハートの7が印象に残るというタネです。
また、舞台がアメリカということもあって、オーディエンスもノリが良いんですよね。
そして、マジックショーのシーンでは誰か一人が活躍するのではなく、それぞれの人物が活躍しています。基本的にアトラスが司会進行することが多く、他の3人がそれをサポートするパターンが多くなっています。
しかし、決して「脇役」というわけではなく、それぞれしっかりと目立っています。1人もかけてはいけない存在であることを思い知らされるようなマジックショーで、それがまた良いんですよね。
マジックショーのBGMも良く、ショーの迫力を後押ししてくれています。
ラストのマジックは必見!

グランド・イリュージョンにはどれも素晴らしいマジックショーが登場しますが、特に映画の最後で行われるラストマジックは見所がたっぷりでした。
ラストマジックは警備会社から大金を盗むマジックを行なって終わります。このマジックショーはビルの最上階のような場所で行い、多くの民衆の注目を浴びながら行います。
フォー・ホースメンはすでにFBIから狙われているため、FBI捜査官も足を運んでいます。逮捕される可能性がある中でのマジックショーとなり、一度、FBI捜査官がフォー・ホースメンのステージに上がって捕まえようとしますが、そちらはダミーで本当のフォー・ホースメンは別のステージにいました。
FBIが来ることは予想の範囲だったというわけですね。
そして、フォー・ホースメンはマジックを成功させて金庫から大金を盗み出します。このマジックでは、ビルが飛んで自分の姿をお金に変えてしまうとマジックで姿を消しますがこのマジックに関してはネタバラシが行われていません。
映画に登場するマジックは全て本物ということなので、何かタネがあると思いますが、ラストマジックのネタは謎のままです。それ以外のマジックはサディアスによってネタバラシが行われているので、スッキリして見終えられるのもこの映画の良いところですね。
続編に繋がるピースが多い!

続編「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」は既にリリースされていますが、続編に繋がるヒントなどもしっかりと今作にあります。
まず、今作の終わりにディランがFBI捜査官でありながら、フォー・ホースメンのメンバーを誘導していた「the EYE」という組織のメンバーだったことが明らかになりました。これには驚きましたよね。
しかし、「the EYE」という組織がどういった組織なのか、「the EYE」はなぜフォー・ホースメンのメンバーを導いたのかなどは一切明らかになっていません。
「the EYE」のメンバーに関しても何もわかっていないため、確実に次章があると言っても過言ではない終わり方をしています。
そして、フォー・ホースメンは目立ち過ぎている故、少なくとも彼らを恨んでいる人もいます。フォー・ホースメンのスポンサーであったアーサーも、彼らを憎んでいる人物でもあります。
スポンサーとしてお金を援助していたにも関わらず、フォー・ホースメンはアーサーの口座からお客さんに対してお金を配るマジックを行い、アーサーはお金を抜き取られてしまいました。
お客さんの中には災害で被災した人もいて、アーサーの保険会社に加入していましたが補償されることはありませんでした。そんな人たちにお金を配ったフォー・ホースメンたちは、ヒーロー的の様に賞賛されています。
また、今作の最後に投獄されてしまったサディアスもフォー・ホースメンを恨んでいる人物です。サディアスは正直そこまでフォー・ホースメンに直接絡んでいるわけではありませんでした。
マジックを観に行って、マジックのネタを見抜こうとしていただけであり、直接的に関わっているのはディランでした。しかし、そのディランもマジシャン側の人物であり、どちらかといえばフォー・ホースメンの味方でした。
結果的にフォー・ホースメンのメンバーにはめられてしまい、牢獄行きとなってしまいます。サディアスにとっては予想外の出来事となりましたが、ネタバラシを行う人物はマジシャンにとっては危険な人物です。
投獄されたシーンでは口数も少なく、そこまで目立った発言をしていませんが、間違いなく仕返しにくる存在でしょう。
「目」が重要になってくる!?

実はグランド・イリュージョンの中では「目」がたくさん出てきます。映画の最初、まだフォー・ホースメンが結成されていない段階で、4人に配られたタロットカードも目のカードとなっています。
マジックショーのモニターにも目のマークがあったり、最初のマジックショーを行なったステージが目の形に似ていたり、様々なところに目が登場しています。
そして、最後にディランがフォー・ホースメンを招待した秘密結社が「the EYE」でした。
目は監視しているという合図とも取れますし、よく神話などでも目がシンボル的な扱いを受けることも多いです。映画観ている我々に対して「目を凝らして見ろ」というようなメッセージがあるようにも感じますね。
原題「NOW YOU SEE ME」の意味とは

グランド・イリュージョンは日本での邦題であり、原題は「NOW YOU SEE ME」です。「NOW YOU SEE ME」とはマジックの時に使われる「こちらを見てください」というマジシャンの常套句です。
よくマジシャンがトランプやアイテムを一度観客に見せる時に使用する言葉として有名です。おそらく、皆さんはテレビ番組や実際にマジックを見たときに一度は聞いたことがある言葉でしょう。
マジシャンは観客が自分に注目すればするほど騙しやすくなりますし、「こちらを見てください」ということで意識を違う方向に向けることができるわけです。
そして、今作の最初にアトラスが民衆に対して行なったマジックも同様のことが言えます。アトラスは民衆の中の一人の女性に対してトランプを見せて覚えるように言います。トランプをシャッフルしてもう一度トランプの中にあるか確認させます。
女性は「ない」と答え、アトラスは「近すぎて見えない?」と述べてトランプを上空に投げます。すると、後ろのビルに女性が選んだカードが映し出されるというマジックでした。
マジシャンに近づきすぎると騙されやすくなってしまい、マジシャンの思い通りに動かされてしまいます。マジシャンも観客の注意を引き込むようにしていますし、よく見ないようにしている観客も注目させるコツも分かっています。
そのため、「見ようとしないとしても見てしまう」というのがマジックの重要な点なのです。
マジックのタネを見つけるには、向けられる意識とは別のところを注視しなければ行けません。今作ではモーガン・フリーマン演じるサディアスがマジックを解いていきますが、サディアスはあらゆる錯覚を取り除き、1回目と2回目のマジックショーに関しては綺麗にネタを明かしました。
そんなサディアスでも最後のマジックショーではネタを明かす側ではなく、ネタにはめられてしまう側になってしまいます。おそらくサディアスは「自分はマジックに騙されない」という錯覚に陥っていたのでしょう。
見事にフォー・ホースメンのマジックにはまってしまい、自分も刑務所行きとなってしまいました。
そしてこの「NOW YOU SEE ME」という言葉は、映画を見ている全ての人にも言われていると言えるでしょう。
この映画はとにかくどんでん返しが醍醐味の映画と言えるでしょう。見ている人も騙されること間違いありません。映画を観て色々推測する人もいるかと思いますが、そういった人も先入観で考えていると騙されてしまいます。
この映画を観るときは、自分の先入観と戦いながら観てみると面白いかもしれませんね。
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