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映画『ライフ・イズ・ビューティフル』のネタバレ感想・解説!ユダヤ人の迫害、人生の美しさを描いた作品

映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじ・内容

映画『ライフ・イズ・ビューティフル』はイタリアのロベルト・ベニーニが監督・脚本・主演を務めたヒューマンドラマです。第51回カンヌ国際映画祭で審査員グランプリを受賞しました。

第二次世界大戦中のユダヤ人迫害を軸に、人生の美しさを描いた作品です。

本記事では『ライフ・イズ・ビューティフル』の感想と解説を紹介します。ネタバレを含んでいるのでご注意ください。

映画「ライフ・イズ・ビューティフル」を観て学んだ事・感じた事

・どんな状況でも生き方によって人生を美しく輝かせることができる
・親から子どもへの愛は強い
・前向きに生きようとすることで人生は明るくなる

映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の作品情報

公開日1999年4月17日
監督ロベルト・ベニーニ
脚本ロベルト・ベニーニ
出演者グイド・オレフィチェ(ロベルト・ベニーニ)
ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)
ジョズエ・オレフィチェ(ジョルジョ・カンタリーニ)
エリゼオ・オレフィチェ(ジュスティーノ・ドゥラーノ)
フェッルッチョ・パピーニ(セルジョ・ビーニ・ブストリッチ)

映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじ・内容

映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじ・内容

第二次世界大戦直前のイタリアを舞台に、ユダヤ人迫害と迫害されながらも力強く生きる親子を描いた物語です。

主人公のユダヤ系イタリア人のグイドは、明るくポジティブな性格。一目ぼれした女性に求婚し、駆け落ちさながらの勢いで結婚をして息子を授かります。

戦争は激しさを増していき、しだいにユダヤ人への迫害が強くなり、グイドファミリーは強制収容所に収容させられます。

グイドは、息子を怖がらせないために収容所での生活を「これはゲーム」とおどけてみせて楽しく過ごさせようとします。戦況は変化し、衝撃的なラストを迎えます。

映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の感想

人生とは美しいと感じさせる名作

「ライフ・イズ・ビューティフル」は人生とは美しいと感じさせる名作© khalid alroumi

『ライフ・イズ・ビューティフル』は涙なしでは観られない名作です。おそらく、私が1,2番目に好きな映画です。

どんなところが好きかというと、ロベルト・ベニーニ演じる主人公のグイドのポジティブさです。グイドはどんな状況下であってもとってもポジティブです。ユダヤ人強制収容所に入れられても明るく笑っています。普通は、死ぬかもしれない状況では明るくポジティブにはいられません。

でも、彼にかかれば、「収容所での生活はちょっとハードモードのゲームで、クリアしたらナイスなアイテムがもらえるから、ちょっと頑張ろう」という感じになります。人生には山あり谷ありで紆余曲折があります。見方を変えるだけで、どんな状況かでも人生を明るく美しくすることができると感じさせる映画です。

 

また、彼が明るくポジティブにふるまうのは、大切な息子と妻を守るためです。

自分たちがおかれている過酷な状況を理解したうえで、子どもを心配させまいと楽しげにふるまう強さに魅力を感じました。

親から子どもへの愛情の強さ

親から子どもへの愛情の強さ© khalid alroumi

グイドも強制収容所に入れられたことは怖かったと思います。死ぬかもしれないし、戦争はいつ終わるか分かりません。ときどきグイドは、子どもが見ていないところで恐怖から真顔になります。

それでも、子どもの前で笑顔だったのは「息子を怖がらせないため」ということに尽きると思います。自分の恐怖心より子どもを安心させたい想いのほうが勝っていると感じました。

 

以前、おむつのCMで出演俳優が赤ちゃんに対して「何も心配しなくていいんだよ」というように話しかけるシーンがありました。「子どもを安心させてやりたい。のびのびと過ごさせてやりたい」という想いは古今東西の親に共通する願いです。

それを叶えることができなかったグイドをはじめ戦時下の親の胸中を思うと、胸が締め付けられます。不安な情勢のなか、少しでも明るく安心して過ごせるように恐怖は自分だけで受け止めて、子どもの前でおどけるグイドの姿は美しかったです。グイドは映画のなかだけのキャラクターでなく、あの時代に世界中で実在していた子どもを守る親を映し出していると感じました。

ポジティブは作れる

ポジティブは作れる© khalid alroumi

ポジティブな人は結構いますが、根っからポジティブな考え方ができている人より、「ポジティブでいよう」と意識することでポジティブになっている人のほうが多いと思います。

グイドは、もともと明るくポジティブなところがあったようです。後に妻となるドーラにも強引に求婚して駆け落ちのような勢いで結婚しています。でも、さすがに強制収容所に入れられてもポジティブでいられる人は少ないですよね。

グイドという人物も「前向きでいよう」と強い意志を持つことで、ポジティブさがキープできているように感じました。映画のなかの話とはいえ、あれほど大変な状況でも希望を失わないでいようとする人がいるくらいなので、多少大変な状況下でも「自分もポジティブにいよう」と勇気づけられました。

冒頭から登場するフェルッチョの存在感

逆境のなかでもポジティブにいられたのは、友人フェッルッチョの力もあると思います。フェッルッチョは、グイドの友人で詩人です。彼は、ドイツの哲学者ショーペンハウアーの言葉を引用して「意志の力があれば何でもできる」と話しています。

グイドは、友人から意志がもつ力の強さを学んだのではないでしょうか。ドーラに振り向いてもらいたい時や、息子ジョズエを守りたいときなど、「こっちを見て」などと呪文のようなものを唱えながら念じています。結果として、物事をポジティブな方向へと導かせていました。

 

フォルッチョは哲学者の言葉を引用するような人ですが、陽気な人柄でとっつきやすい人物です。グイドとともに田舎から都会のアレッツォにやってきました。

お笑いコンビのボケ担当のような人で、彼といるとグイドがつっこみ役になります。物語前半のコメディタッチの本作を盛り上げ、嫌味なく物語に溶け込んで、伏線のような言葉も発してくれる重要人物です。

松本人志が打ちのめされた映画として名高い

松本人志が打ちのめされた映画として名高い© khalid alroumi

『ライフ・イズ・ビューティフル』は、松本人志が絶賛した映画としても有名です。松本人志は「日経エンタテイメント!」という雑誌で「シネマ坊主」というコラムを書いていて、映画を批評したり解説したりしていました。

そのコラムで本作は松本人志から“満点”の評価を得た作品だったと記憶しています。「シネマ坊主」は独特な視点で映画を語り、比較的辛口の意見が多いコラムです。そのため、満点をとって松本人志を笑わせた作品として本作は話題になりました。たしかに、映画の前半にたくさん盛り込まれているジョークはお笑いとしても面白いです。ベニーニ監督もインタビューで「映画に笑いを盛り込みたかった」というようなことを言っています。

 

また、グイドは「お笑い芸人と通ずるところがある」と思わせるようなキャラクターです。

グイドは面白いからふざけているのではなく、妻と子どもに楽しんでもらいたいからふざけています。「観客のためにふざけて笑わせる」というところが、お笑い芸人に似ていますよね。

『ライフ・イズ・ビューティフル』の名言

『ライフ・イズ・ビューティフル』の名言© khalid alroumi

『ライフ・イズ・ビューティフル』には名言がたくさんあります。たとえば、映画の冒頭に出てくる叔父が発する「ムダなものほど大事なのだよ」です。

毎日の日常で当たり前に繰り返される一見ムダだと思われるものこそが、人生にとって大事なものだと感じさせます。ユダヤ人として迫害される彼らには、日常やムダと思われるようなルーティンワークを行う機会が奪われます。

強制収容所に入れられたジョズエは、ただ母親に会いたいと言って家に帰りたがります。毎日あたりまえにそこにあって、ありふれたものこそが人生にとって大事なものだと思いました。

イタリアンコメディは日本人でも笑えるのか

お笑いが好きな人でも海外の笑いは笑えない人もいますよね。私は、ジム・キャリーの映画やアメリカンホームドラマなどアメリカンジョークが笑えるタイプなのですが、イタリアンコメディもしっかり笑えました。人にもよるかと思いますが、アメリカンジョークが笑える人は、イタリアのジョークも面白く感じるのではないでしょうか。

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グイドがオペラ鑑賞中に好きな女性へ身体を向けて凝視し続ける姿もコミカルで面白いシーンでした。一歩間違うと怪しい男の人ですが、ベニーニは面白おかしく演じています。子どもたちの前で肌着姿になって壇上に立ちおどけるシーンは身体をはった笑いですが、話す内容はアーリヤ人のすばらしさや民族として尊いというエピソードです。

この様に映画の伏線や大切な要素が、笑いのなかにさりげなく盛り込まれています。とくに前半部分は笑いとラブコメディの要素が多く、重くなりすぎないタッチで物語は展開していきます。笑いを通して、戦争映画が苦手な人も自然と映画の世界に引き込まれていくのではないでしょうか。

コメディ映画のなかに突然悲劇が挿入される

コメディ映画のなかに突然悲劇が挿入される© khalid alroumi

コメディタッチの楽しいラブストーリー展開ですが、ところどころに兵隊の姿やユダヤ人迫害のシーンが映り込み、ヒヤリとさせられます。楽しい日常なのに、恐怖が忍び寄ってくるおそろしさがあります。映画の基本軸がコメディタッチで描かれているので、少し映り込むだけでも余計に怖くなるのです。

グイドと息子と叔父が強制収容所に連れて行かれるのも突然です。それまで、楽しく家族で自転車に乗ったりおしゃべりをしたりして暮らしているのに、いきなり連行され、物語が急展開します。

急に、普通の日常が奪われる戦争の恐ろしさを感じますし、これまでの展開が明るく面白いものだっただけに、急展開するストーリーに強い衝撃を受けると思います。

 

そして、この映画を観るにあたって「戦争映画や暴力的な映画は苦手だけど、この作品は観ることができるかな」と迷っている方もいるかと思いますが、個人的には、問題なく観ることができました。直接的な激しい暴力シーンはほとんどなく、PG-12など子どもの鑑賞に注意を払う指定もついていません。

ただ、直接的な暴力の描写はあまりありませんが、比喩的表現で凄惨な現実が描かれています。たとえば、年配者はガス室に送られて焼かれるという会話の後に、画面が切り替わって煙突から黒い煙が立ち上るシーンが映し出されます。直接にガス室の様子は映っていませんが、間接的にガス室の様子を想像させるシーンです。

暴力的シーンが苦手な人も直接的な描写が少ないので、閲覧できると思いますが、間接的に戦争の悲惨さは訴えてくる作品です。

グイドは「ゲーム」ということにしようとした

グイドは「ゲーム」ということにしようとした© khalid alroumi

ユダヤ系イタリア人のグイドと息子ジョズエは強制収容所に連れていかれます。怖がるジョズエにグイドは、「旅行に行くだけ」と嘘をつきます。そんな嘘はすぐばれますし、嘘をつかずに本当のことを教えて適した対応を取らせたほうがいいかもしれません。

私は、強制収容所に連れていかれる電車移動を旅行ととらえることで、気持ちを持ち直して耐えさせようとしたんだと感じました。ジョズエもこれは嘘だと薄々は分かっているんですよね。ジョズエは強制収容所でほかの子どもから真実を伝えられ、グイドの発言を疑ったりもしています。

「強制収容所に連れていかれる電車だけど、旅行だと思い込もう」「ゲームじゃないけどゲームということにして乗り切ろう」とグイドは息子の気を紛らわせて励ましていたのだと思います。

 

親が不安がっていると子どもも不安になりますよね。グイドのような戦時下の状況ではなかったとしても、親である自分自身が不安なときにあえて笑顔を見せ、子どもをリラックスさせようとした経験のある親御さんは多いのではないでしょうか。

自分1人で不安感を受け止め、子どもを守り続けようとしたグイドの強さに感動します。

不幸な歴史は繰り返させないという確固たる意志

不幸な歴史は繰り返させないという確固たる意志© khalid alroumi

本作から、監督の「民族虐殺という不幸な歴史は絶対に繰り返させない」という確固たる意志を感じます。世界が体験した暗い歴史にふれた作品ではありますが、どうして過去にこんなことができたのか疑問です。

本当の姿を映したのかどうか分かりませんが、第二次世界大戦中のドイツ兵が強制収容所の様子の写真を見せられ、顔を覆って悲しんでいる写真を見たことがあります。ユダヤ人を傷つけていた人も、本来は普通の人です。冷静になれば、誰でも人を傷つけたくありませんが、そういう普通の人でも他民族を迫害した歴史があります。本作でも、迫害している女性ドイツ兵がときどき戸惑っているような表情をしているときがあるように感じました。

この作品のような無情な戦争映画を観ると「こんなことは二度と起こしてはいけない」ということを心に刻むことができます。

グイドのジョズエとドーラへの愛

グイドのジョズエとドーラへの愛© khalid alroumi

本作を通じて、父親グイドから息子への強い愛情を感じます。自分もお腹が減っているのにジョズエにパンを与えたり、自分の身の危険をかえりみずジョズエを隠そうとしたり、ジョズエのためにおどけたりと、ジョズエのために彼は生きています。

父性愛が素晴らしいグイドの姿を観ると、子どものいる親御さんは胸をうたれるのではないでしょうか。子どもがいない若い女性も、悲惨な状況下でもポジティブでいる力強い男性の姿に感動すると思います。

 

ヘラヘラして無責任そうなグイドは最後まで妻ドーラを愛し抜き、ドーラを命がけで守ろうとして行動します。その一途さやひたむきさにひかれる人も多いと思います。

私は独身時代のときに本作を観て、妻を愛し抜くポジティブなグイドに感動しました。子どものいる今は、子どもを守ろうと明るくひたむきな姿に魅力を感じます。未婚、既婚、子持ちに関わらず、惹きつけられる映画だと思いますよ。

DVD特典映像でベニーニは「おとぎ話のような映画」と解説

冒頭に、息子ジョズエのコメントとして「童話のような物語だ」というようなセリフがあります。DVDの特典映像のベニーニへのインタビューでも、「これはおとぎ話のような映画」と語っています。

おとぎ話は残酷だけど世の中の本質をついていますよね。本作も、その人物のやさしさやそれまでの生き方は関係なく、ある民族というだけで強制収容所に送られる無情さを描いています。おとぎ話のようにグイドの願いが途中までとんとん拍子に進む楽観的な部分もあります。

映画の本筋は、「人生は生き方によって素晴らしいものにすることができる」という人生の教えを含んだ世の中の本質をついていると思いました。

沈黙が答えのなぞなぞ

沈黙が答えのなぞなぞ© khalid alroumi

本作には「沈黙」というキーワードがよく出てきます。冒頭にも、「沈黙は最も強い嘆きなのだ」という発言があります。グイドが強制収容で健康診断を受けるときに以前からの知り合いの医者をみつけ「私の名を呼ぶ時、私は消える。私は誰?沈黙だ」というなぞなぞを出します。息子にもよく「話すな。返事をするな」と沈黙していることをすすめます。

ガンジーはイギリスからの独立運動のとき、血を流させずに無言の抗議をして勝利を勝ち取りました。第二次世界大戦を描いた手塚治虫の漫画「アドルフに告ぐ」のなかにも、ユダヤ人青年が「物言えば唇寒し」という言葉を引用するときがあります。

戦時下で沈黙することの意味を説いているような気がして、興味深いシーンでした。ちなみに、グイドはこのなぞなぞを出すことで、自分がグイドであることを軍医に気づいてもらいます。しかし軍医から助けてもらうことはなく絶望を感じたのでした。

「つまらない映画」という批判的意見もある

「つまらない映画」という批判的意見もある© khalid alroumi

『ライフ・イズ・ビューティフル』をつまらないと感じる人もいるようです。たしかにグイドは強引で陽気なので、場合によっては独善的でヘラヘラしている人と受け取られるかもしれません。

日本の芸人さんでいうと、高田純次のようなヘラヘラした軽い雰囲気の陽気さと無責任なふるまいがあります。グイドは大変な状況下でもニコニコ笑って明るくしているので、緊迫した状況でへらへらする無法者にみえるかもしれません。強制収容所に連れて行かれるときも、子どもには旅行に行くと嘘をついているので、無理もあります。

これらのグイドのキャラクターを「あえて前向きに明るくふるまうことで困難を打破しようとしている人物」ととらえるか、「不真面目で独善的な人物。現実はこのようにうまく進まない」ととらえるかで、本作の評価は分かれると思いました。

私は、グイドは状況を理解したうえでおどけている人だと感じました。たとえば、グイドが役人の命令ではじめて連行されるシーンでは、子どもの姿が見えなくなってから真顔になって落ち着いたトーンの声で話します。軍医から助けてもらえないと悟ったときも悲しみに満ちた瞳をします。すべて分かったうえで明るくふるまっている人物だと感じ、そこに魅力を感じました。

『ライフ・イズ・ビューティフル』の衝撃のラストシーン

『ライフ・イズ・ビューティフル』のラストは涙なしでは観られない衝撃のラストです。最後に、グイドが兵隊の真似をしてキビキビとコミカルに行進して息子に笑顔を向ける姿は、目に焼き付いて離れません。

戦争の悲惨さを訴えるラストでもあります。「こんな悲劇で無情なことが起こる人生のどこが美しいのだ」と思えるかもしれません。本当に、どこに美しさがあるのでしょうか。

私はこれまで、グイドが生きてきた過程が美しいのだと思います。最後は悲しい結末だったとしても、それまで明るく懸命に生きてきた人生が美しいのです。現代も、先行きの不透明な時代です。これから世の中がどうなるのか分からなくても、今を明るく前向きに生きようと勇気づけられる作品です。

結末はハッピーエンドかバットエンドか

結末はハッピーエンドかバットエンドか© khalid alroumi

グイドは息子ジョズエと妻ドーラを命懸けで守り抜きます。彼が命をかけて守りたかったものを守り切ったという点で、ハッピーな要素もあるエンディングだと思います。

最後は悲しくても、彼自身の人生はハッピーだったのかもしれません。愛する人と子どもに恵まれ、守り抜き、美しい人生だったのかもしれません。人生とは最後で決まるのでなく、過程で決まるかもしれないと考えさせられます。

自分のやることが成功するかどうかが怖くて踏み出せないときは、結果よりとりあえずやってみるという過程に注目してもいかもしれません。フェルッチョの「意志の力があれば何でもできる」はそのことを教えてくれているのでしょう。

 

今回は『ライフ・イズ・ビューティフル』の感想と解説を書いてきましたが、この映画は戦争の悲惨さを訴えると同時に、どんな状況でも意志の力で明るく生きることができることを説いた作品です。

グイドを通じて、親から子どもへの愛情の強さを感じます。グイドは、子どもを怖がらせないようにあえておどけて、収容所での生活をゲーム仕立てにしようとします。グイドの友人フェッルッチョの名言に代表されるように「意志の力があれば何でもできる」ということが映画を通して語られています。グイドは、明るく前向きで生き抜こうとする意志の力で、息子と妻を守りました。

 

映画の後半は戦争の悲惨さを訴える内容なのですが、前半はラブコメディタッチで笑いどころの多い作品です。松本人志が高評価したのもうなずけます。イタリアンコメディですが、日本人でも笑うことができ、笑いまくりの前半から急に物語が悲惨な内容に突入するので、衝撃的です。ラストも思いもかけない内容です。

グイドの人生の最後は悲しいものだったとしても、彼の人生そのものは美しかったと思います。大切な妻と息子を全力で守り抜きました。大変な状況のなかでも、笑わせることで安息の時間をつくることができるのです。

前向きに生きようとする意志の力はすばらしく、人生とはすばらしい。そう感じさせる名作です。子どもがいる人もいない人も楽しめると思うので、まだご覧になっていない方は、ぜひ一度ご視聴ください。

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