ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンのW主演映画『最高の人生の見つけ方』。
余命・病気・死という重いテーマでありながらコメディ要素があり、泣けるのに笑って心温まるような映画になっていました。
今回はそんな『最高の人生の見つけ方』の詳しい感想と考察をご紹介していきます。感想と考察ではネタバレを含みますのでご注意ください!
目次
映画「最高の人生の見つけ方」を観て学んだ事・感じた事
・泣けるのに笑える心温まる作品
・死について、幸せについて考えさせられる
・感動映画が苦手な方にもおすすめな映画
映画「最高の人生の見つけ方」の作品情報
公開日 | 2008年05月10日 |
監督 | ロブ・ライナー |
脚本 | ジャスティン・ザッカム |
出演者 | ジャック・ニコルソン(エドワード・コール) モーガン・フリーマン(カーター・チェンバーズ) ショーン・ヘイズ(トマス) ビヴァリー・トッド(バージニア) ロブ・モロー(ホリンズ医師) |
映画「最高の人生の見つけ方」のあらすじ・内容

真面目な自動車整備工・カーターと大金持ちの実業家・エドワード。本来であれば共通点がなく出会うはずのない2人は入院した病室で出会い、共に病気に苦しみ、時を同じくして余命6か月という人生の期限を言い渡されました。
唐突に余命宣告された2人は思い残すことがないようにと、お互いの死ぬまでにやっておきたいことを書き出した『棺桶リスト』という1枚のリストを作り、死ぬ前に全部叶えよう!と病院を出て生涯最後の壮大な冒険旅行へと出かけます。
棺桶に後悔を持ち込まないため…、棺桶リストという夢を全て叶えるために…。
映画「最高の人生の見つけ方」のネタバレ感想

病気・余命など人の死に触れるテーマでありながら、2人の正反対な男達のやり取りに笑ったり考えさせられながら、最後には泣けるけれども笑顔になれるような温かな映画だと感じました。
笑えるコメディ要素も多いので、感動系の映画が苦手な方にもおすすめな映画です!
不謹慎だけど笑える入院中のやり取り

人の死という重いテーマの映画ではあるのですが、2人のやり取りにはコメディ要素が多く、不謹慎ながら入院中の2人のやり取りには笑える部分が多かったです。
エドワードが入院のためにバタバタと病室の準備をしているところ、秘書が病室でカーターを発見して何をしているのか問うたとき、「病気と…闘っている」と答えたところとか好きでしたね。
病気と闘うために入院しているわけですから、まさに仰る通り!確かに!と笑ってしまいました。
そして、裁判では経営者として「病院はリゾートホテルではない。個室はつくらない!」と言っていたエドワードが、いざ自分の入院となった時には「個室をつくれ!」と言い始めていた手の平の返し様も面白かったです。見事に自分の言葉で自分の首を絞め、それを秘書に諫められている姿もエドワードらしいというか、今作の映画らしい笑いどころだったと思います。
あとは入院当初に「LAで最高の味だ!」と豪華な食事を取り、その後トイレに直行しているエドワードに対して「LAで最高の味が今ではLAで最低の味だ…」とカーターが呟いているシーンも個人的には好きでした。
生死や病気に関わるテーマなので真面目な部分ももちろんありますが、こんな感じでジョークを入れているところが海外の映画らしく、感動の涙を誘うだけではなく笑いながら明るく前向きな気持ちになれるような映画だったなと感じました。
自由な実業家と真面目な自動車整備工

正反対で共通点のない2人に人生の期限という共通点が生まれ、少しずつ仲を深めていくことで友情が生まれ、棺桶リストを共有しながら夢を叶えていく姿には考えさせられるものがありました。
実業家と自動車整備工。
金持ちと一般人。
家族に恵まれた者と家族と疎遠になっている者。
白人と黒人。
神を信じる者と無神論者。
自由な男と真面目な男。
これだけ正反対な男2人が同じように病気に罹り苦しみ、棺桶リストを共有して夢を叶え、お互いのことを思いやって良い人生にしようとしている姿には、病気には貧富・性格の良し悪し・身体的特徴・宗教的なもの一切関係なく、誰にでも平等に訪れるものであること、どちらが幸せなのか決まりがないのだなと思いました。
お金があるから幸せ、家族がいるから幸せ、自由だから幸せなのではなく、それがあって自分の人生に幸せを見出すことができるのか、気付くことができるのかが大切なのかもしれませんね。
もちろん映画なのであくまでもフィクションの出来事ではあるのですが、現実世界でも似たような部分はあるのではないでしょうか。
2人のくしゃくしゃの棺桶リスト

偶然同室になっただけの2人が同じ余命に悩み、たまたま書いたメモから始まる2人の『棺桶リスト』。1度はカーターが捨てたくしゃくしゃの棺桶リストをエドワードが拾い、それを再び広げて自分の夢も書き加えている感じが個人的にとても好きでした。
くしゃくしゃに丸めて1度は捨てた棺桶リストが家族のためと我慢し続けてきたカーターの夢をそのまま表しているイメージがあって、それを拾い上げて自分の夢も書き加えて共に夢を叶えようとすることでエドワードの人柄みたいなものも表されていたように思います。
棺桶リストを書いている時の2人は我慢することなく、死を知って初めて自由になった2人が少年のようにキラキラを語っているのが良かったですね。
その後、ケンカをして棺桶リストをエドワードが破いてしまいましたが、カーターはそれを拾って直しておき、死の間際に「あとは頼むよ。」と棺桶リストと共に自分の夢をエドワードに託した姿には泣けました。
日本語版では『最高の人生の見つけ方』というタイトルですが、原題は『THE BUCKET LIST』と言い、今作で言う棺桶リストを表すタイトルになっています。
原題ではタイトルになっているほど重要な棺桶リスト。テーマやタイトル、ストーリーがマッチしていて、明るさと悲しさが同時に来るような今作のために欠かせない重要なものだったと感じました。
スカイダイビングや車にはしゃぐカーターとエドワード

スカイダイビングや夢の車など、夢を叶えている時の2人の少年のようなはしゃぎっぷりがとても印象的でした。
普段は真面目なカーターがスカイダイビングでは「あいつのせいで!」と怯えていたり「お前なんて嫌いだ!」と子供のようなことを言っていたり、サーキットで夢の車に乗るときには少年のようにテンションを上げています。荒っぽい運転をしていたりエドワードを挑発していたりして、スカイダイビングの時とは全く違った人のようになるほどはしゃいでいましたよね。
子供がおもちゃにはしゃぐように、大人が夢を叶えてはしゃいでいる姿が良かったです。夢を叶えているときの2人はとても楽しそうに人生を謳歌していて、でも病気が治ったわけではないという現実と夢が同居しているような感じが印象でした。
映画『RED』と『シャイニング』の2人

視聴中に気付きましたが、カーター役のモーガン・フリーマンは個人的に好きな映画『RED/レッド』のジョー役の人で、エドワード役のジャック・ニコルソンは映画『シャイニング』でジャック役を演じていた方のようですね!
REDの時からカッコいいおっちゃんだなと思っていましたが、モーガン・フリーマンの大人の落ち着きと少年のようにはしゃぐ姿のギャップがとても良くて、酸いも甘いも噛み分けた大人の魅力があるように思います。
REDの方でも主人公に協力する良き友人のキャラだったためか、今作とイメージが被る部分も多くて個人的には改めてモーガン・フリーマンの良さに気付き、今作でのカーターというキャラが好きになりました。
ジャック・ニコルソンはニカッと笑った時の顔、特に目元がシャイニングのジャックに似ているなぁと思っていたら本人でした。シャイニングを視聴したのが比較的最近のことなので古い映画ということを忘れていて、思っていた以上にジャック・ニコルソンが歳を重ねていたことに驚きましたね。
シャイニングでは狂気を感じる熱演っぷりが印象的でしたが、今回はワガママな部分はあれど友について真剣に悩んだり思いやったり、良い人生を送ろうと夢を叶えている前向きなキャラが印象に残りました。
個人的に好きな映画に出演していた2人だったということもありますが、今作の映画にピッタリな2人だったのではないかなと思いましたね。
「俺が幸せな夫なんだ」というセリフ

香港で出会った女性・アンジェリカがカーターを部屋に誘った時、言葉を濁すカーターに対してアンジェリカが「幸せな奥様ね。」と言うと、カーターが「俺が幸せな夫なんだ。」と返すセリフが個人的には今作で一番好きなセリフでした。
「幸せな奥様ね。」というセリフは不倫系の映画・ドラマではよく聞くセリフなのでそこまで物珍しさはないのですが、そのセリフに対して「俺が幸せな夫なんだ。」という返しは初めて聞いたので新鮮でしたし、心に来るものがありましたね。
映画前半のカーターは子供ができたから結婚した、結婚生活は我慢だと夫婦・家族に対して前向きなイメージがないように感じていたのですが、ここで自分が幸せであること、相手を幸せにして自分は幸せにしてもらっていたことに気付いたような重みのあるセリフだと思いました。
女性として、妻として、人生で死ぬまでに叶えたい棺桶リストに入れておきたいセリフですね。
秘書のトマスが良いキャラしてます

カーターとエドワードの旅に付き添い、時には助言したり悪態をつく秘書が今作の中でとても良い立ち位置のキャラだったと思います。
エドワードの秘書・部下という立場でありながら、エドワードにとって最も近い位置にずっと寄り添い、2人の棺桶リストを叶えるための旅行にも付き添い、時には悪態をつきながら命の期限が迫るエドワードが後悔しないように最善を尽くそうとしている姿もありました。
カーターの急変を知らせる電話をエドワードに持ってきたときにも、「あとにしろ」というエドワードに「出るべきです。」とエドワードのことを思ってカーターに会うことを勧めていたり、ただの部下ではなくエドワードのことを思っている姿が印象的でしたね。
最後にはエベレストに納骨に行っていたり、最後まで彼はエドワードに寄り添った良い秘書だったと感動いたしました。
泣けるけれど温かな作品

前半部分は病気に苦しむ入院シーン、2人の男達が夢を叶えるために世界中を飛び回るシーン、笑えるコメディばかりが印象的でしたが、それがあったからこそ映画後半では泣ける映画だったなと思いました。
ケンカした時にエドワードが2人の棺桶リストを破いてしまった時に既に泣きそうになりましたが、その後にカーターがそれを拾って修繕しておき、自分の死の間際に「あとは頼むよ。」とエドワードに託しているところは泣ける…。
その後のエドワードはカーターが勧めていた娘との再会も果たし、孫の存在も知ることが出来て『世界一の美女とキス』の棺桶リストを叶え、カーターの葬儀で弔辞を読み上げていました。
最後には結局2人とも亡くなってしまうのですが、最高の日々を過ごして棺桶リストの夢を全て叶え眠る2人を想うと、悲しくて切なくて泣けるけれども笑顔になれるような温かな作品だったと思います。
映画「最高の人生の見つけ方」の伏線・考察

「最高の人生の見つけ方」の隠された伏線やラスト、この映画のマイナス意見について考察していきます。
あくまでも個人的な考察なのでこれが正解というわけではありませんが、参考程度に見て頂けると幸いです!
棺桶リストに隠された伏線

カーターが「泣くほど笑う」を叶えた後、2人の棺桶リストの残りははエドワードに託されました。
「世界一の美女にキスをする」はずっと疎遠になっていた娘の娘。つまりエドワードにとっての孫にキスすることで叶えられました。カーターの助言もあって会うことが出来た大切な孫娘は、エドワードにとって間違いなく世界一の美女でしょう。
「見ず知らずの人に親切にする」はカーターとの旅で叶えていたのだと考えられます。つい数か月前まで見ず知らずの他人だった2人は、旅の中でお互いに親切にして喜びをもたらし合ったということではないでしょうか。
「荘厳な景色を見る」はエベレスト山頂に埋葬されたことで叶えることができました。カーターが語っていた生前の希望通りに。
ラストの違法行為について

エドワードの死後、「彼は山に埋葬された」という後に「これは違法行為だ」というカーターのナレーションがあります。法的な部分は詳しくないので分かりかねますが、エベレストへの埋葬は違法なのかもしれませんね。
違法であることを知りながらも、2人は自分たちの希望通りの場所で希望通りの埋葬をされ、満足げに天国へ旅立つことができたのではないでしょうか。
個人的には宗教上のため、仕事のため、家族のためと真面目に生きてきたカーターの最初で最後の違法行為、いわゆるヤンチャであることを表しているのかなと思いました。
CGが気になるなどのマイナス意見も…

基本的には高評価の多い映画ではあるのですが、中には低評価やマイナスな意見のレビューもありました。それについてこの映画について高評価な感想を持っている私があれこれ考察して書いていきます。
「旅や後半の展開が早すぎる」
前半部分の2人の入院生活や出会いは長いのに、2人の旅が短く後半の展開が早く感じるとのレビューがありました。
これは大人しくしていることを強いられる入院生活が当人にとっては恐ろしく退屈で長いこと、2人の出会いがお互いにとっていかに嬉しかったのかということ。それに対してやっと得た自由、楽しいことはあっという間に過ぎていくということが感じられて良かったと思っています。
半年という短い時間の中にぎゅっと詰まった、楽しく濃密な時間だったのではないでしょうか。
「旅先はCGが多いし雑…」
2人の棺桶リストを叶えるために世界中の風景が映し出されますが、それのほとんどがCGであること、そしてその出来栄えが雑であるとのレビューがありました。
私は映画を視聴中にCGの雑さや多さについて感じたことはありませんでした。このレビューを見て改めて旅行中のシーンを観返してみたりもしましたが、どうしても目が主演のジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンを追っかけてしまい、観ているようでそこまで背景については観ていなかったのかもしれないなと感じました。
個人的には気にならなかったので、私のように主人公に目が行く方やストーリーが好きな方ならばそこまで気にならないかもしれませんが、画面全体を見渡している方や背景の出来栄えも気にされる方にとっては雑に感じるのかもしれませんね。
「最高の人生の見つけ方」は死を目前にした友情に心温まる映画
病気・余命・死を感じる中で出会った2人の男達。そんな2人の友情に心温まるような映画でしたね。
死を目前にしても友のことを思いやり、最後には感動して泣ける映画になっているのですが、泣ける中にも笑顔になれるような温かさがある映画で主演・ストーリー共に良い映画だったと思います。
感動するけど悲しみだけを押し付けてくるような映画ではないので、感動映画が苦手な方にもおすすめな映画です。興味のある方はぜひ実際にチェックしてみてください!
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