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映画『ボーン・レガシー』のネタバレ感想・解説・考察!アーロン・クロスが主人公?

映画「ボーン・レガシー」のあらすじ・内容

世界中で大ヒットした『ボーンシリーズ』の3部作目『ボーン・レガシー』。

大人気作品のオリジナルストーリーということで人によって賛否分かれている作品でしたが、個人的には1作品として『否』という感想に至りました。

今回はそんなボーン・レガシーについて、詳しい感想と解説・考察をご紹介していきます。エンディングについてのネタバレを含んでおりますので、視聴前の方、ネタバレを避けたい方はご注意ください。

目次

映画「ボーン・レガシー」を観て学んだ事・感じた事

・『薬』は怖い
・ボーンシリーズを知らなくても割と楽しめる

映画「ボーン・レガシー」の作品情報

公開日2012年9月28日
監督トニー・ギルロイ
脚本トニー・ギルロイ
ダン・ギルロイ
出演者ジェレミー・レナ―(アーロン・クロス)
レイチェル・ワイズ(マルタ・シェアリング博士)
ルーイ・オザワ・チャンチェン(LARX-03)
ジェリコ・イヴァネク(ドナルド・フォイト博士)

映画「ボーン・レガシー」のあらすじ・内容

映画「ボーン・レガシー」のあらすじ・内容

CIAが極秘計画流出を防ぐために、計画に関わるアーロン・クロスの殺害を計画します。

アーロンはそんな危険を回避しながら、服用している薬を求めてマルタ・シェアリング博士の元に向かいました。

しかしそこでも薬を手に入れることはできず、薬の秘密について知ることになります。薬を飲まなくて済む方法を求めたアーロンは、マルタ博士と共にフィリピンへと向かうことになりますが、そこにもCIAの魔の手が…。

 

敵を退けながら目的達成を目指すアクションの中に、『薬』にまつわる秘密に迫っていくサスペンス要素のある映画です。

これまでのボーン・シリーズ3部作では語られなかった『裏』の物語と新しい登場人物達を描いたオリジナルストーリーになっています。

映画「ボーン・レガシー」のネタバレ感想

ボーン・レガシーは個人的には少し期待外れな映画でした。

シリーズの真ん中の作品である今作は比較的見やすく、ざっくりとした流れは理解しやすい作品だったのですが、アクションシーンやキャラクター、エンディングのインパクトが弱いため、1作品として物足りないものがあるように感じました。

アクションシーンが少し弱い

アクションシーンが少し弱い© 2012 – Universal Pictures

ボーン・レガシーはアクション・サスペンス映画ということですが、肝心のアクションシーンは少しインパクトが弱いように感じました。

アーロンが雪山を登っていたりアクションとしてのスケールは大きいのですが、細切れのカットが入るためにキャラクターの動きが読みにくく、どうしてもスケールダウンしているように感じました。リアルな映像をつくる上では必要なカットなのかもしれませんが、個人的には1点から映してキャラクターとの距離感や迫力が伝わってくる方が良かったです。

 

アーロンが敵と戦闘するシーンや終盤のバイクシーンでは、動きを見せるアクション!というよりも被害を少なく、限られた動きで静かに敵を倒している印象があったので、映像としての迫力はあまりありませんでした。ただ、その方が工作員(諜報員)らしい動きをしていると感じたので、大掛かりなアクションをしているよりもリアリティがあるしドキドキするものはありましたね。

アーロンのアクションシーンは少しインパクトが弱かったのですが、最初の山小屋が爆発するシーンと無人飛行機が飛んでいるシーンは個人的にイチオシです。映像としての迫力はもちろんのこと、爆発音や飛行音などのサウンドがとても良かったので、ぜひヘッドホンをして視聴していただきたいです!

主人公はジェイソン・ボーンではなくアーロン・クロス

主人公はジェイソン・ボーンではなくアーロン・クロス© 2012 – Universal Pictures

ジェイソン・ボーンが主役のボーンシリーズの作品なのですが、今回の主人公は『アーロン・クロス』という人物。ジェイソン・ボーンが戦っている裏で何が起こっていたのか、今までのボーンシリーズとは視点を変え、より深く楽しめる『アナザーストーリー』になっています。

私は前情報を知らずにこの映画を視聴していて、物語の中で何度も『ジェイソン・ボーン』という名前が登場していたので、主人公がてっきりジェイソン・ボーンだと思い込んでいました…。マルタ博士が彼のことを「アーロン」と呼んでいたので疑問には思っていたのですが、偽名か何かだと思って視聴後まで彼の名前が「アーロン」だと気づきませんでした。

別に誤解していたからといって問題があるわけではないのですが、この作品を観てから他のボーンシリーズ作品を観た時に、本当の主人公であるジェイソン・ボーンに対して「あれ?」となってしまう可能性があるので、出来れば主人公の名前はしっかりと理解しておいた方がいいかなと思います。

マルタ博士は後半から好きなキャラに

マルタ博士は後半から好きなキャラに© 2012 – Universal Pictures

今作のヒロイン役として登場するマルタ博士は、最終的には嫌いではないキャラなのですが、何か起こる度に喚いていて好きになれないキャラでした。

基本は研究熱心な知的美女というキャラなのですが、研究について問い詰められると「私は知らない!」「私は研究をしていただけ!」と喚き散らしていることが多く、少し面倒なキャラクターだと感じました。悪役としてちょこちょこ出てくるだけならまだしも、ヒロインとして出ているため喚き散らしているシーンが長めに用意されているため、途中でウンザリします。

ただ、最後には迫る敵を退けようとヘルメットで殴ったり、バイクに乗った犯人を蹴り飛ばしたりしているので、知的だけどやるときはやるその姿には好感が持てました。

 

そんな戦っているマルタの姿を観て、『ハムナプトラ』の『エヴリン』というキャラを思い出しました。登場した当初からマルタ博士とエヴリンの顔が似ているなとは思っていたのですが、調べてみるとやはりエヴリン役の方と同一人物のようですね。

エヴリンもエジプトについての歴史を研究している知的美女で、いざとなると敵と戦うような強い女性像だったのでマルタ博士と重なる部分は多かったです。マルタ博士のキャラが気に入ったという方はエヴリンの方も気に入る可能性が高いので、ぜひハムナプトラの方もチェックしてみてください!

最終兵器として出た割にパッとしないLARX-03

最終兵器として出た割にパッとしないLARX-03© 2012 – Universal Pictures

ボーン・レガシーがアクション映画として弱いのは、敵役の『LARX-03』がパッとしなかったせいではないでしょうか。

『感情を捨てた人間兵器』『評価の高い工作員』として登場した割には、ストーカーのように永遠と鬼ごっこを繰り返すばかりで特にアーロン達を追い詰めることもなく、追跡中に関係のない人々を巻き込み、騒ぎを起こしまくりながら移動を続けているので、とても評価の高い工作員だとは思えませんでした。

しかも最後にはアーロンと戦ってやられるわけでもなく、バイクで並走したところをマルタ博士に蹴り飛ばされて倒れているので、敵役として何の脅威も活躍もなく流れるようにフェードアウトしていると感じました。

 

完全に用意された設定に負けてしまっているキャラクターなので、もう少しキャラクター自体を強くして引き分け感のある終わりにするか、人情派にして味方のような良いキャラクターとして終わらせれば良かったのではないでしょうか。

そこまでキャラクターを変えないにしても、せめて『アーロンと戦って負けた』という流れにはしてほしかったですね。

仲間の射殺、自殺までを淡々と行う姿が怖い

アクションや敵、ヒロインにパッとしない中、ちょい役のはずのドナルド・フォイト博士が一番キャラクターとしての魅力がありました。

登場しているシーンが少なく発言や行動も少ないキャラクターではあるのですが、彼は計画隠蔽を目論む組織から同僚の研究者達を殺害するように仕向けられていました。人を殺すことに恐怖することも憶することもなく、ただただ無表情に淡々と人々を射殺していき、最後に追い詰められると自分で自分を撃ち自殺するところまで淡々としているので、アクション映画とは思えないかなり恐怖を感じるキャラクターでした。

そのあとに登場した敵キャラがあのパッとしないLARX-03だったので、余計にドナルド博士が怖く感じましたね。感情を捨てた人間兵器というLARX-03よりもよっぽど淡々と忠実に仕事をこなしているので、彼の方が敵役としてふさわしかったのではないでしょうか。

なぜドナルド博士がちょい役で終わり、『アレ』が最終兵器として登場したのか不思議でなりません。

ボーンシリーズを観ていないと細かい部分は分からない

ボーンシリーズを観ていないと細かい部分は分からない© 2012 – Universal Pictures

一応ボーンシリーズの作品は1・2と視聴済みではあるのですが、昔のことで物語の詳細は覚えていないのでボーン・レガシーの中でもよく分からない部分は多かったです。

シリーズの真ん中の作品で、あくまでも本作とは別のアナザーストーリーなので仕方がないのかもしれませんが、もう少し前作までの回想シーンを挟みつつ、それぞれの計画の詳細をボーン・レガシー内でも紹介してくれていると理解しやすくなった気がしました。

 

CIAと思われる組織の人々の会話シーンは理解できない部分が多く、人物達の説明もなされていないため、さらりと流れだけ理解するだけであまり記憶に残りませんでしたね。ボーンシリーズを知っている方にとっては「おぉ!」と思える人物達らしいのですが、知らない人にとっては無駄なシーンにしか感じず、何とも盛り上がりに欠けるシーンでした。

ただ作戦名などの詳細が分からなくても、一応ボーン・レガシー単体での話の流れは十分理解できますし、アナザーストーリーな分、前作を観ていなくても楽しみやすい作品ではあるのかなと感じました。

エンディングは少し不満が残る?

エンディングは少し不満が残る?© 2012 – Universal Pictures

敵を倒して自由を手に入れたアーロンとマルタ博士。これから2人の自由な生活が始まる…といったエンディングには正直不満が残りました。

パッとしない敵をヒロインが倒し、打ち切りマンガのように『俺達の物語はまだまだ続く』と言わんばかりにブツッと終わる展開は、アクション映画としてもサスペンス映画としても満足いくものではありませんでした。いっそあの逃亡シーンをカットして、どこかの地で普通の人として幸せで自由な生活シーンを映すだけでも良かったのではないでしょうか…。

ただ、フィリピンで工場長から盗んだ時計を船を運転している男性が腕に付けているシーンは、かなり面白かったです。現地調達しながら有効活用している姿は、ヒーローらしからぬリアリティを感じました。

映画「ボーン・レガシー」の解説・考察

ボーン・レガシーの物語の要となる『薬』について、アーロンが時計を盗った理由について個人的な解説&考察をご紹介していきます。

ボーン・レガシーを視聴する上で気になる部分、分かりにくかった部分について改めて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

『薬』の意味とは

『薬』の意味とは© 2012 – Universal Pictures

アーロン達工作員は通常の人間よりも身体・精神共に強い人間をつくりだすために、遺伝子の突然変異体を詰め込んだ『活性ウィルス』を投与されています。そのウィルスの定着具合や異常を確認するために、マルタ博士達研究員は定期的にアーロン達の採血を行い体調を管理し、『薬』を服用することで活性ウィルスによる効果を安定・発揮させていたのです。

ボーン・レガシーでは主に2つの薬が登場します。『ブルーの薬』は精神面に作用し、知能を高めたり、神経を再生させたり、弾力性を持たせる効果があり、知覚神経機能、苦痛緩和にも効果がある薬になっています。工作員としてはかなり便利な効能のある薬なのですが、この薬は服用しない状態でいると『認知能力が低下する』という副作用もあります。

長期間の任務の場合には薬がなくなったらという不安感が付きまといますし、自分の精神を会社に握られているようなものなので、自分の思い通りに動きにくく仕事をやめることも難しいでしょうから、良いことばかりという訳ではないようですね。

 

『グリーンの薬』は身体面に作用し、ミトコンドリアのタンパク質の取り込みを1.5%UP。それにより細胞の活動が活発になり、筋肉が付き、酸素供給も高めてくれます。こちらも長期間過酷な活動を続ける工作員には便利ですが、薬を飲まないと効果を発揮できませんでした。しかし、マルタ博士によると現在はグリーンの薬は服用中止。活性ウィルスが体力を安定させたため、薬を飲まなくても服用時と同程度の体力を保てるようになります。

こちらは服用しなくてもそんなに問題ないじゃ?と思われるかもしれませんが、服用期間が長くなればなるほど薬を飲んでいる状態が通常だと脳が誤認識してしまい、服用していない状態だと身体が動かしにくく重く感じると考えられます。なので、服用していない状態で長くいることは身体的にかなり厳しいことなのでしょう。

この薬やウィルスのことをマルタは「化学の歴史に残る画期的な発見」と話していますが、服用していないと日常生活を営むのも難しい状態を考えると、当事者にとっては必ずしも素晴らしい!といえる物ではないのかもしれません。

アーロンはなぜ薬を求めているのか?

アーロンはなぜ薬を求めているのか?© 2012 – Universal Pictures

アーロンは物語の冒頭から薬を求めて動いていますが、なぜそんなにも薬を求めているのでしょうか。

副作用のことを考えると死ぬ可能性は低いようなので最悪の場合服用しなくても大丈夫なのかもしれませんが、敵に命を追われて逃げなければならない状態で、認知能力や体力の低下は危険が大きすぎるので避けたいですよね。そのために薬を必ず手に入れたいのではないでしょうか。

 

あとはアーロンは『薬に依存している状態』だからとも考えられます。

マルタ博士がなぜ薬が必要ななのか問うと、アーロンは明確な答えを言ってはいませんが、昔の自分の写真を見せながら「依存症の人間を見たことはあるか?」「薬がなくてはとても生き残れない」と言っていることから、『自分が依存症の人間だ』ということを表しているのではないでしょうか。

過酷な環境で生き残るために薬を服用し続けたアーロンは、気付いたら薬がなくてはならない『依存症』の状態になってしまい、薬を求めてここまで動き回っているのかもしれませんね。

なぜフィリピンで工場長の『時計』を取ったのか

アーロンはフィリピンの薬生産工場から逃亡するとき、気絶させた工場長の腕から『時計』を盗んでいます。この時計はなぜ盗ったのでしょうか?

一度マルタ博士に対して「金と時計を持って逃げろ」と言っていることから、『価値のある時計』だったと考えられます。極秘の薬を生産しているような工場で工場長をしている人物なので、さぞかし良い時計を持っていたのでしょう。追われる身である彼らが逃げ続けるためには『お金』がかかるので、その資金として現地調達していのかもしれませんね。

最終的には、船を出してもらうためにフィリピン人に渡したようです。映画のラストシーンで映し出されているので、気付かなかった方はぜひ観返してみてください!

個人的にはインパクトの弱い映画だった

個人的にはインパクトの弱い映画だった© 2012 – Universal Pictures

個人的にはアクション映画が大好きで、ボーンシリーズの1・2作目は面白かったので期待していたのですが、アクション・キャラクター・エンディングのインパクトが弱く、アクション映画としては少し残念な映画でした…。

これはあくまでも個人的な感想であり、レビューサイトを見てみるとかなり賛否別れる作品なので、ぜひ実際に視聴してみてアリ・ナシを決めてみてください!

映画「ボーン・レガシー」の動画が観れる動画配信サービス一覧

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