『映画 プリキュアミラクルユニバース』のメインとなるキャラクターは2019年2月から始まった『スター☆トゥインクルプリキュア』に出てくる14代目プリキュアの4人です。
さらに『キラキラ☆プリキュアアラモード』に登場する6人の12代目プリキュアと『HUGっと!プリキュア』に登場する5人の13代目プリキュアも活躍します。『映画☆プリキュアミラクルユニバース』のネタバレ感想!「仲間を想う心」を強く感じられる作品!
普通の女の子たちが変身してプリキュアになり、様々なトラブルに諦めずに立ち向かい、力を合わせて乗り越えて行く姿が印象的なプリキュアシリーズ。今作では3代のプリキュアが揃っていることで『仲間同士で想いあう心』がより感じられる作品となっています。
今回はそんな『映画 プリキュアミラクルユニバース』の個人的な感想や解説を書いていきます。ネタバレを含むので、映画を鑑賞した後に読むことをオススメします。
目次
『映画 プリキュアミラクルユニバース』を観て学んだこと、感じたこと
・仲間のことを信じ思い合うとすごいパワーが生まれる!
・もうだめだ……と思ったときでも、自分ができる『何か』がきっとある!
・すぐに嘘だと決めつけずに信じようとする心をもちたい
『映画 プリキュアミラクルユニバース』の作品情報
公開日 | 2019年3月16日(土) |
監督 | 東堂いづみ |
脚本 | 貝澤幸男 |
出演者 | スター☆トゥインクルプリキュア・キュアスター/星名ひかる(成瀬瑛美) キュアミルキー/羽衣ララ(小原好美) キュアソレイユ/天宮えれな(安野希世子) キュアセレーネ/香久矢まどか(小松未可子) |
『映画 プリキュアミラクルユニバース』のあらすじ・内容
宇宙のどこかにあると言われている惑星ミラクル。ここにはプリキュアのパワーを高めるミラクルライトを作りだすただ一つの工場があります。ある日突然、ミラクルライトの光が真っ黒になってしまい、惑星ミラクルが闇に覆われ始めます。
『ピンチになったときに、プリキュアが救ってくれる』という伝説があり、見習いのミラクルライト職人ピトンがプリキュアたちを呼びだします。集められたのは「スター☆トゥインクルプリキュア」の4人と「HUGっと!プリキュア」の5人、そして「キラキラ☆プリキュアアラモード」の6人でした。
宇宙を支配したいと願う宇宙大魔王に息を合わせて戦う「HUGっと!プリキュア」と「キラキラ☆プリキュアアラモード」たちですが、「スター☆トゥインクルプリキュア」の4人はなかなか息を合わせることができません。
失敗を繰り返してしまうプリキュアたちは、ついに惑星ミラクルのみんなから『偽物だ!』といわれてしまいます。しかし、4人の息も少しずつ合ってきて、最後にはプリキュア15人と惑星ミラクルみんなの想いが一つになり、宇宙大魔王の闇に打ち勝ちます。
『映画 プリキュアミラクルユニバース』のネタバレ感想
みんなの想いが一つになると大きなパワーが生まれる!
今作では、全部で14代いるプリキュアのうち、12代目「キラキラ☆プリキュアアラモード」や13代目「HUGっと!プリキュア」、14代目「スター☆トゥインクルプリキュア」の3世代15人が活躍します。
闇に立ち向かうプリキュア一人ひとりが、それぞれ『必ず光を取り戻してみせる!』という想いを持っていますが、始めは15人の想いが中々一つにならず、失敗を繰り返してしまいます。
特に、なかなか息が合わないのが「スター☆トゥインクルプリキュア」。他のプリキュアがお互いを信頼して行動する様子を見たり、優しくアドバイスをもらったりしていきながら、だんだんと息を合わせることができるようになっていきます。そして想いがひとつになったとき、プリキュアたちはすごい力を発揮します。
宇宙大魔王からうまれ惑星を覆っていた闇に、息を合わせて想いをひとつにしたプリキュアたちが打ち勝つストーリーを見て、『一生懸命一人で頑張ることはステキで大切なことだけど、みんなの想いを一つに力を合わせることで大きな力がうまれる!』と私は感じました。
今作を観て楽しむ子どもたちの年齢には少し難しいかもしれませんが、一緒に映画を観ているお母さんやお父さんが噛み砕いて伝えてあげるのもいいかもしれません。私の娘はまだ4歳ですが、『仲間を想う気持ち』や『仲間が何を考えているのか想像する心』を持つ人になって欲しいと思っています。娘が大好きなプリキュアから、そんなことを学んでくれたら嬉しなと思います。
仲間みんなの絆もステキだけど2人組の絆にもグッとくる!
初めに書いた通り、今作には15人のプリキュアが登場して活躍します。15人みんなが揃った絆もとてもステキですが、ストーリーの中盤にでてくる2人組の絆にもグッとくるものがあります。
HUGっと!プリキュアのキュアマシェリとキュアアムールの2人は、ファンならばご存知の通り『2人揃って、愛のプリキュア』ですよね。そして、キラキラ☆プリキュアアラモードのキュアマカロンとキュアショコラの2人。プリキュアでは珍しい高校生の2人は『宝塚の男役と娘役』のような雰囲気です。
ストーリーの中盤、あと一歩のところで闇の力に押されてしまったプリキュアたちは、数人ずつバラバラに違う場所へ飛ばされてしまいます。そのときに、「HUGっと!プリキュア」のキュアマシェリとキュアアムール、「キラキラ☆プリキュアアラモード」のキュアマカロンとキュアショコラ、そして「スター☆トゥインクルプリキュア」のキュアソレイユとキュアセレーネが同じ場所へ。そこへ、宇宙警備隊が追いかけてきて攻撃されてしまい、2人ずつ糸でまかれて捕まえられてしまうのです。
ここでHUGっと!プリキュアとキラキラ☆プリキュアアラモードの2人は、お互いを信頼しているので、すぐに息を合わせて反撃にでることができますが、キュアソレイユとキュアセレーネはまだ仲間になったばかりなので、上手くいきません。
相手のことを想いながら行動して、気持ちをすぐに合わせることができるキュアマシェリとキュアアムール、そしてキュアマカロンとキュアショコラの絆がステキでした!きっとキュアソレイユとキュアセレーネも、だんだん絆が深まっていくのでしょうね。
初めからすぐに上手くいかないという王道がいい!
アニメーション映画に限らず映画作品などの物語には起承転結があるのが一般的なので、『始めからすぐに上手くいかない』というのは当たり前といえば当たり前ですよね。しかし、私は今作の感想をのべるにあたり、あえて『この王道がいい!』と言いたいのです。
今作の場面展開はとても速く、正直「小さい子どもたちは、この展開の速さについていけるの?」と感じるほどスピーディでした。でも、隣で座って観ていた4歳の娘は約70分間とても集中してみていて、終わった後も話をよく覚えていました。物語の流れが王道だからこそ、難しいことを考えずとも、受け入れやすいのかもしれません。
さらに『始めからすぐに上手くいかない』というのは、アニメだけの世界のことではなく、現実でもよくあります。新しいことに出くわす機会が多い子どもにしてみれば、自分と重なることも多いはずです。大人でも何か新しいことをはじめるときには、すぐには上手くいかないものですよね。上手くいかなくても、諦めるのではなくどうしたらいいのかを考えて色んなアクションを起こしていくプリキュアの姿に、子どもながらに何か感じるものがあるのではないかと思います。
また、一度アクションを起こしたからといってすぐに何もかもが解決するのではなく、あらたな問題が立ちはだかるストーリー展開が良いと私は感じました。何度でも諦めずに立ち向かったプリキュアたちが最後に闇に打ち勝ったとき、映画をみている子どもたちも一緒に達成感のようなものを味わえるのではないでしょうか。
嘘と決めつけるのか信じるのか。『信じることで力がうまれる!』
『嘘と決めつける』のか『信じる』のか。大人になっても……というよりも大人になり子どもと接するようになればなるほど、この選択をすることが増えるかもしれません。色々な事情があり、簡単に答えを出せないときには、どちらを選択する方がいいのか……悩むことはもちろんあると思います。しかし、私が今作をみて感じたメッセージは『信じることで力がうまれる』です。つまり、嘘と決めつけずに信じることが大切だということです。
闇に立ち向かうものの上手くいかずに失敗を繰り返すプリキュアたちを、はじめは『偽物のプリキュアだ!』と、ミラクルライトの見習い職人や宇宙警備隊の隊員たち、さらには惑星ミラクルの大統領までもが決めつけていました。いくらプリキュアたちが力を合わせて頑張っていても、まわりのみんなが信じてくれていないのでは本来の力がでません。
しかし、自分たちが出来ることを積極的に行動して何度も立ち向かっていくプリキュアたちの姿に心を動かされ、だんだんと『本物のプリキュアだ!』と信じるようになっていきます。そしてみんなが心から信じたとき、プリキュアたちはさらにパワーアップするのです。
『信じる』という、実際には目には見えない隠れたパワー。でもアニメーション映画では、隠れたパワーを目に見えるかたちで表してくれます。小さい子どもが見ていても、何か大きなパワーが生まれ動いたのだということが、光や音によって分かりやすく表現されています。
自分が『今』出来ることは何か?を考えて動く強さを感じられる
ピンチになった時、どうすればいいのか自分は何をすればいいのか、戸惑ってしまう方も多いと思います。
闇の力に押されて数人ずつバラバラに飛ばされてしまったとき、プリキュアになったばかりの「スター☆トゥインクルプリキュア」のキュアミルキーも、自分は今なにをすればいいのか戸惑ってしまいます。
しかし、先輩プリキュアであるキラキラ☆プリキュアアラモードたちは『今、自分たちが出来ること』をすぐに見つけて動き始めます。先輩プリキュアたちがしたことは、みんなが目的としている『闇に打ち勝つ』とは関係のないことのように思えます。キュアミルキーは「そんなことをして意味あるの?」と不思議に思いますが、先輩プリキュアたちが動き始めたことで周りの空気が明るくなっていきます。
どうしたらいいのか分からないときでも、何か行動をしないと何も変わりません。やってみようと思ったことが、本当にやりたいこととは全然関係ないと思うようなことでも『何かをする』と決める強さを持てるのは凄いことです。
そして、実際にアクションを起こしたことで、変化がおきていく今作のストーリーはとても良いと感じました。今作を観た子どもたちが『今、出来ることは何か』をみつけて自分から進んで動けるような人になって欲しいですね。
ところどころにあるギャグ要素でも楽しめる
ストーリーの本題は『闇に立ち向かうプリキュア』という少し難しそうな内容ですが、ところどころに大人もクスッと笑ってしまうようなギャグシーンがあるので、一息つくことができます。私の娘を含め、映画館に来ていた子どもたちは声を出して笑っていました。
キャラクターの性格やキャラクター同士の関係性を活かしたギャグシーンになっているので、プリキュア映画の見どころ一つと言えるでしょう!
黒い心からうまれる『闇』は簡単に広がるが小さな光で照らされていく!
私は、今作におけるプリキュアたちの敵は『宇宙を支配したいと願う欲望』だと思います。何かを支配したいという欲望は、黒い心ではないでしょうか。
黒い心から生まれた『闇』は、いとも簡単に広がり惑星ミラクルを包み込みます。惑星の住民たちは闇にのみこまれ、ダークライトをかかげながら宇宙大魔王にパワーをおくりはじめてしまいます。しかし、たった一つの光がきっかけとなりプリキュアたちは『闇』に打ち勝つことができます。
黒い心からうまれた『闇』に包まれてしまったときにも「ほんの少しの光があれば闇から抜けだせる」ということを私は感じました。今作を観た子どもたちにも、現実の世界で「もうだめだ!」というときに、今作を思い出して諦めずに『ほんの少しの光』を探し続けて欲しいです。
テレビシリーズもチェックすると、より深く作品を楽しめる!
今作はテレビシリーズを見ずに初めて観た方でも楽しめる内容になっていると思いますが、より深く作品を楽しんだり色んな感情を感じ取るには、やはりテレビシリーズを見ている方がいいと思います。
ミラクルライト工場がある惑星を舞台としているのも、プリキュアたちにとってミラクルライトやミライクリスタルなどがどんなものであるか、を知っているのと知らないのとでは違うと思います。
また、今作は公開の時期とテレビシリーズの内容がリンクしているところがあります。
今作は、新シリーズの「スター☆トゥインクルプリキュア」が始まって1か月半ほど経った時期の公開です。ちょうどテレビシリーズで4人のプリキュアが揃った頃の話なので、まだ4人の息が合っていないところからのストーリーになっているのです。
そこで先輩プリキュアたちに比べ、「スター☆トゥインクルプリキュア」の4人の息がなかなか合わないのも、テレビシリーズを見ている人ならばすぐに納得できますね。