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『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』ネタバレ感想・考察!何度でも笑って、泣いて

東京タワーのような塔の階段を駆け上がるラストと鳩

18年前から現在まで長く愛され続けている映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』。子供の頃から大好きな映画でしたが、大人になってから観ることで、子供の頃とは感じるものや感想がだいぶ変わっていて驚きました。

今回はそんな映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」についての詳しい感想と考察をご紹介していきます。感想と考察ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください。

目次

映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」を観て学んだ事・感じた事

・家族って、大人って何だろう
・何度観ても笑って、考えて、泣ける
・自分の年齢、環境で感想がガラッと変わる映画

映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」の作品情報

公開日2001年04月21日
監督原恵一
脚本原恵一
出演者矢島晶子(しんのすけ)
ならはしみき(みさえ)
藤原啓治(ひろし)
小林愛(チャコ)
津嘉山正種(ケン)

映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」のあらすじ・内容

映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」のあらすじ・内容

昔のテレビ番組、遊び、暮らしを再現した懐かしい世界が広がるテーマパーク・20世紀博が開催され、大人たちは子供そっちのけで懐かしさに浸り、子供のように夢中で遊んで大喜び!

そんなある日、20世紀博からのお知らせとしてTVで「明日の朝、お迎えにあがります」という白黒映像が映し出されると、大人たちは突然仕事や家事を放棄してゴロゴロと過ごし、明朝迎えにやってきた車に乗り込んで20世紀博へと閉じこもってしまいます。

大人のいなくなった街に残されたしんちゃんたちカスカベ防衛隊は、大人たちを取り戻すために20世紀博へと向かうのでした。

映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」のネタバレ感想

子供の頃から好きな映画ではありましたが、大人になった今観返してみると子供の頃とは感じ方がだいぶ変わっていることに驚きながら、改めて新鮮な気持ちで楽しむことが出来ました。

笑って泣いて楽しみながら万博・BGMの曲・声優など、新しい部分にも興味を持つことができるような映画です。昔何度も観たことがあるから、古い映画だからと避けている方にもぜひ視聴していただきたいです!

万博について興味が湧く

万博について興味が湧く

20世紀博のワンシーンとして映画冒頭で日本万博博覧会、通称・万博の様子を再現したシーンや解説などが入るのですが、それに思ったよりも興味をそそられました。

万博という大規模な博覧会が過去に開催されたということ、月の石や太陽の塔といった有名どころは知っていましたが、77か国という参加国の多さ、6000万人越えの入場者数、半年間という開催期間の長さについては知りませんでした。

万博についての解説だけでもかなり興味がそそられたのですが、解説で紹介されていない水槽のようなものに体だけ入る装置や斬新な形をした建造物なども気になりました。形が斬新過ぎて用途が想像もつかないものばかりだったので、あれが何の装置だったのか、どんな思惑・モチーフの建物なのか、なぜその形なのかなど知りたいと思いました。

 

このように万博に実際に行ったことがある方や当時テレビなどで観たことがある世代にとっては懐かしく、私のように漠然とした知識しかなかった方にとっては万博について初めて知ること・驚くことが多いのではないでしょうか。

楽しみながら何かに興味を持ったり、知ることができるのはこういったアニメ映画の大きなメリットですよね。

ネギ・ホステス・屁意などくだらなくて笑える

クレヨンしんちゃんと言えば、小さい頃は「お尻を出しておしりあい~」や「かぁちゃんお便秘~」などのくだらない笑いが好きだったイメージがあるのですが、大人になってもそういったくだらない笑いが好きなところは変わりませんでしたね。

特に万博のホステスについて紹介するみさえに対して「父ちゃんの大好きなホステス?」と言ったり、お腹が空いたと騒ぐしんちゃんに「ネギ」っと言って生のネギをぽんっと渡していたり、真面目な時にも自重しない「でかい…かぁちゃんのケツ…」「屁意?」などのくだらないセリフ。

コンビニの少年にカンチョーしたり、突然始まるリアルおままごと、密室ですかしっぺしてみんなで悶えたり、バスの屋根からおしっこをしたり、お下品でくだらない笑いどころも個人的には好きでした。

最近のアニメには制限が多く、酒・下品な行為・イジメや虐待に繋がりそうなものは排除されている場合が多いですが、昔のアニメということもあってかそのあたりはかなりオープンなのかもしれませんね。人によっては子供の教育によくない、下品すぎると感じるものなのかもしれませんが、子供の頃の懐かしさや最近ではあまり見かけないお下品さが面白かったです。

子供の頃の私が楽しみ、大人になった現在の私も楽しめたことから、性別年代問わずに1人で視聴して楽しめる映画です。

 

しかもそれだけではなく、万博などの時代を感じる部分が多いことから万博を知っている世代の方と一緒に視聴するとより楽しめる映画ではないかなと感じました。世代の方と一緒に映画を観て話を聞いてみると、1人で観ていた時には気付かなかった部分について教えてもらえたり、同じ映画を観ていても感想や感じ方が変わってくる場合が多いので、新しい発見があって非常に面白いですよ。

普段は1人で映画を観ているという方も、機会があればぜひ親子や祖父母、世代の方と一緒に映画を視聴して一緒に楽しんでみてください!

オトナになってから観ると感じ方が変わる

オトナになってから観ると感じ方が変わる

子供の頃は純粋にしんちゃんの映画、しんちゃんが未来を守ったという部分だけで楽しんでいましたが、大人になって視聴してみると昔と感じ方がだいぶ変わっていました。

突然様子の変わったひろしとみさえに対してしんちゃんが「大人らしくしろ!」というようなことを言っていますが、大人は朝からおかし食べちゃいけないのか、お母さんだから朝からご飯をつくらなきゃいけないのか、ずっと子供のしたいようにしなきゃいけないのか、大人は遊んじゃいけないのかと言いたくなりました。

幼い子供がいるからしょうがない部分があるのかもしれませんが、大人だって人間だから何もしたくないときはあるし、たまには息抜きしたいし、楽しみたいときだってありますよね。子供を家に置いてきてしまったことは決して褒められたことではありませんが、日頃の不満や積もり積もった物が爆発して幼児退行してしまったのかもしれないと思うと、他人事ではない感じがいたします。

この映画はたとえ子供の頃に観ていて知っている映画だとしても、年齢の変化、結婚・出産などの自分の環境が変化することで感想や感じ方がガラッと変わってくるので、また自分の環境が変わった時に繰り返し観たくなる映画ですね。

古臭さを全く感じない

もう18年も前の映画なのですが、懐かしいと感じる部分はあれど古臭いと感じる部分は全くありませんでした。独特なキャラクターや迫力のある動きなどの映像は今観ても全く遜色ありませんし、観る度に感じ方が変わる深いストーリーには何度も視聴したくなる中毒性があります。

お下品なくだらない笑いで楽しむだけでなく、昔を懐かしみながら現在について考え、大人になった今観ると泣ける部分も多く、アニメ映画とは思えないほど感じるものが多いです。

 

個人的には特に大人、家族について考えさせられました。何をもってして大人になるのか、家族とは何なのか、こういった点は答えがあるものではないのかもしれませんが、そういった部分について考えるのは楽しかったです。

古い映画だからと視聴を避けている方もいらっしゃるかもしれませんが、古くても古臭さはないのでぜひこの機会に視聴してみてください!

足のニオイで目覚めるひろし

しんちゃんの父・ひろしと言えば足が臭いことで有名で、今作ではその臭い足のニオイのおかげで20世紀博の策略から目を覚ますことが出来るのですが、その時に流れる回想シーンでは泣けましたね…。

子供の頃は他のくだらない笑いと同じと思っていましたが大人になった今観てみると、慣れない仕事のために歩き回り、みさえとのデートで歩き、子供の出産に駆け付けるために走り、家族のために毎日仕事で歩き回り、そうして染みついた努力の賜物の足のニオイ。子供が笑うきっかけになるニオイ。まさに大人になったニオイ。大人になったからこそ知ることができた想いの詰まったニオイです。

そして自分が子供の頃に父親にしてもらったように、今度は親になった自分がしんちゃんを自転車の後ろに乗せて釣りに向かっていき、自分がうれしかったことを自分の子供にも体験させたいと同じように新しい思い出を繋いでいく…そんな姿には泣けました。

大人になると仕事・育児・家庭・金銭面でも大変なことは多いけれど、つらいことばかりではないし、大人になったからこそ分かる幸せもあるよなぁと改めて感じました。

ケンとチャコ役の声優さんが良い

未来を拒否し世界を過去に戻そうと目論むグループのリーダー・ケンとチャコの声がとても印象的で、今作のキャラクターととてもマッチしていて良かったです。

ケン役の津嘉山正種さんは昭和スターのような深みのある渋く独特な声質がとても印象的で、未来を拒否するチャコを支える大人の男性という感じがピッタリでした。

声自体も好きでしたがセリフも好きで、特に映画最後でチャコと共に塔から飛び降りようと「じゃぁな」と言った時、それを中止してしんちゃんに「おまたひゅんってなったの?」と聞かれて軽く若いながら「あぁ」と答えている一言が大好きです。渋い声だからこそ、一言一言にカッコよさと男性らしさを感じられて、印象に残る声優さんだったなと思います。

 

チャコ役の小林愛さんは、強い女性らしい落ち着いた声の中に優しさや弱さがしっかりとあるような印象がして、未来を拒否しながら「死にたくない!」と言うチャコにピッタリでした。

個人的にはアパートにやってきた野原一家に紅茶を出し、玄関にいるシロにミルクを出して「飲みな」と言っている優しい声とチャコの笑顔がマッチしていて、小林愛さんという声優さんにもチャコというキャラクターにも惹かれましたね。

調べてみると、小林愛さんはクレヨンしんちゃんの映画の中でも今作と並んで人気の『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の方でもヒロイン役として出演されているそうなので、今作が良かったなと思った方はぜひ戦国大合戦の方もチェックしてみてください!

東京タワーのような塔の階段を駆け上がるラストと鳩

東京タワーのような塔の階段を駆け上がるラストと鳩

今作では明確な直接対決やバトルがあるわけではなく、過去に戻すためにエレベーターで東京タワーのような塔の頂上に向かうケンとチャコ、未来のために階段を駆け上がるしんちゃんの姿しか描かれていません。

それをバトルと取るのであれば、先に頂上に着いたのはケンとチャコなので2人の勝利なのかもしれませんが、しんちゃんに心動かされた昭和の街に住む人々の意思により過去に戻す計画は失敗となっています。

そして、計画失敗した2人は自殺しようとするのですが、それを鳩の一家が阻止。

アニメ映画でははっきりとした敵・正義の味方、バトルによる勝利・敗北といったシーンが描かれる場合が多いですが、今作では過去に戻りたいと考える2人は敵ではないし、勝利も敗北も曖昧で明確なバトルがない点が良いですよね。

そんな白黒ハッキリとさせないストーリーだからこそ考えたり感じるものが多く、自分の環境や状況に合わせて感想が変わるのかなと思いました。

昭和を感じるBGMも良い

個人的には昭和の街並みと共に流れるBGMも好きでした。街並みに合ったどこか懐かしさを感じるような昭和の名曲ばかりで、ストーリーを際立たせるだけでなくBGM自体にも引き込まれるような魅力がありましたね。

全体的に好きな曲だったのですが、特に吉田拓郎さんの『今日までそして明日から』という曲が今作で感じたイメージ、ケンとチャコの雰囲気、ストーリー展開とマッチしていて良かったです。

私は今日まで生きてみました そして今 私は思っています 明日からもこうして生きていくだろうと

歌詞がまさにこれからのケンとチャコにピッタリで、2人も明日からを生きていくんだろうなと思うと良い意味で泣ける素敵な曲でしたね。

映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」の考察

映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」の考察

映画内で語られなかったひろしの欲しがる『迷子ワッペン』について、チャコが未来を拒否する理由について考察していきます。

あくまでも個人的な考察なのでこれが正解というわけではないので、参考程度に見て頂ければ幸いです。

なぜひろしは『迷子ワッペン』を欲しがるのか

回収車に乗らなかったしんちゃんたちを強制回収するために駆り出されたひろしは、ケンが報酬として提示した『迷子ワッペン』を異様に欲しがっています。それは子供の頃に夢見た万博を体験するためだったのではないでしょうか。

ケンは「これがあればEXPO’70の部屋にいつでも出入りできるぞ」と言っていますが、EXPO’70とは大阪万博と同じように万博の通称。つまりEXPO’70とは万博を再現した部屋のことで、迷子ワッペンはそこに入るために必要なカギのようなものだと考えられます。

実際は小さな張りぼてでつくられたチープなつくりの部屋なのですが、ニオイを充満させることで大人であることを忘れて本当に幼い頃に戻ったようにリアルにその世界を感じられるようになっているのではないでしょうか。

だからしんちゃんがEXPO’70の部屋に入った時、子供の姿で万博にいるひろしの姿があったがしんちゃんのことは認識できず、足のニオイで思い出したことで大人の姿で張りぼての世界にいることに気付いたのだと思います。

 

ひろしは映画冒頭でも壊されていく万博の展示物に対して「まだ見てないのに!」と何度も言っていることから、実際は万博に行ったことがなく憧れていたか、どうしても月の石が観たいという未練があったのかもしれません。

だからこそ、万博を再現した部屋に入れる迷子ワッペンをあんなに欲しがっていたのだと思います。

チャコ不妊説もあるらしい

今作では未来を生きたいと思う野原一家と、過去に戻りたいと思うケンとチャコの対決だけでなく、家族の対決みたいなものもあるのだと考えられます。

野原一家がケンの自宅にやってきたときに結婚しているのか?と問うとしていないと答え、部屋を見たひろしが「同棲生活みたいだな」と言っていることから、2人は夫婦ではなく恋人関係なのだと思います。そして、ストーリーの中でチャコの方が家族の幸せや未来について語るひろしやしんちゃんを強く拒否しているように感じられました。

 

そのことから、ネット上ではチャコ不妊説があるらしいですね。

チャコは子供が欲しいと思いながらなかなか妊娠することができず、家族の幸せや未来について悩んだ末に思いつめて未来を拒否して過去に戻そうという計画を立て、ケンはそんなチャコを支えながら協力していただけではないかと。

確かに不妊治療に悩んだり思いつめる女性の話は現代の芸能人などでもよく聞く話なので、真実かどうかは分かりませんがストーリーの流れとしては納得できますね。

何度でも笑って、考えて、泣ける映画

子供の頃から大好きな映画でしたが、大人になった今観てみると感じ方や感想が子供の頃とはだいぶ変わっていて、新しい発見や楽しみ方ができたので驚きました。18年前の映画とは思えないほど新鮮な気持ちで笑って、懐かしんで、考えて、泣けます。

年齢や結婚、出産などの自分の環境が変わることでまた感想が変わるような映画になっているので、また自分の環境が変わったときに観たくなる、何度観返しても飽きないようなおすすめな映画です!

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