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映画『レオン 完全版』ネタバレ感想・考察・解説!裏社会での復讐、歳の差恋愛の末に残る報われないラスト

連鎖する空しい復讐劇とラスト

裏社会での復讐と歳の差恋愛を描いた映画『レオン 完全版』。

連鎖する空しい復讐に歳の差恋愛が合わさることで、2時間の映画とは思えないほどボリュームのある、そして報われないラストに惹かれる映画になっていました!

今回はそんな『レオン 完全版』についての詳しい感想と考察・解説をご紹介していきます。感想と考察・解説ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください!

目次

映画「レオン 完全版」を観て学んだ事・感じた事

・裏社会での復讐×歳の差恋愛
・ボリュームのある映画をじっくり楽しみたい方におすすめ

映画「レオン 完全版」の作品情報

公開日1996年10月
監督リュック・ベッソン
脚本リュック・ベッソン
出演者ジャン・レノ(レオン)
ナタリー・ポートマン(マチルダ)
ダニー・アイエロ(トニー)
ゲイリー・オールドマン(ノーマン・スタンフィールド/スタン)
ピーター・アペル(マイキー)
マイケル・バダルコ(マチルダの父)

映画「レオン 完全版」のあらすじ・内容

映画「レオン 完全版」のあらすじ・内容

依頼された仕事を淡々とこなす寡黙な殺し屋・レオン。

仕事は冷酷にこなす彼ですが私生活では牛乳を好み、アパートの隣人である傷を負った少女を気遣い、服に丁寧にアイロンをかけ、観葉植物を愛情持ってお世話するような穏やかな日々を楽しむような男性でした。

そんないつもと変わらない穏やかなある日、麻薬の運び屋をやっていた隣人一家が麻薬取締局のスタン一味によって惨殺される事件が発生。

運よく買い物に出ていて難を逃れた一家の生き残りである少女・マチルダを助けたレオンは、ひょんなことから彼女と暮らすことになり、2人の奇妙な共同生活が始まることになるのですが…。

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映画「レオン 完全版」のネタバレ感想

映画「レオン 完全版」のネタバレ感想

今作の魅力は主人公・ヒロイン・敵といった濃いキャラクター同士が合わさることで、恋模様や復讐、やり取りに独特な展開とボリュームが生まれ、今までに観たことないような面白さのある映画になっていた点です!

グロくないのに印象的な映像

グロくないのに印象的な映像

今作は裏社会をテーマにした映画でありながらグロい描写がなく、グロくないのに印象的な映像になっていたのが新鮮で、楽しみながら観やすくて良かったですね。

最初のトニーと仕事の話をしている時の目元と口元のドアップも、裏社会をテーマにした映画っぽい映し方でありながらギャグっぽく感じてしまう要素もあるので、裏社会がテーマの作品が苦手という方でも観やすいような冒頭になっていたのではないかなと思います。

 

また、裏社会がテーマの映画でありながら、グロテスクなシーンが少なく直接的な描写がなかったのも良かったです。

銃撃シーンや死体等が映ることも多いのですが、死に顔・傷口といった直接的な部分が映り込むことはなく、血糊と画角でうまく隠しつつそういった描写を表現していたので、裏社会の雰囲気はしっかりと楽しみつつも、気分を害するような心配がなくて非常に観やすかったです。

裏社会をテーマにしている映画らしい空気感や雰囲気は楽しみつつ、グロテスクな演出や映像は苦手という方でも安心して楽しみやすいような映画になっていたので、裏社会をテーマにした映画に挑戦してみたいと考えている方におすすめな映画になっていました。

ただ子供が安心して観れるという程ではないので、お子様との視聴を考えている方はご注意ください!

冷酷さと穏やかさを併せ持つ掃除人・レオン

冷酷さと穏やかさを併せ持つ掃除人・レオン

依頼された仕事を淡々とこなす冷酷さがありながら、私生活では穏やかな日々を見せる掃除人・レオンのキャラクターが、面白いだけでなく共感しやすいような部分もあって非常に良かったです。

寝る時には片目を開けておく、常に服の下には武器を仕込んでいるといった仕事人らしい部分もありますが、基本的には仕事以外の時には普通にお買い物をして、家のことをして、時には映画を楽しんだりもする…普通の人らしい行動が多くなっていました。

そんな普通の一面があることで裏社会の人間という遠くの存在ではなく、比較的身近な存在に感じることができて共感しやすかったです。そう考えると仕事の冷酷さと休日の穏やかさも、誰にでもあるような仕事のONとOFFをキッチリする人というだけですからね。

なので裏社会の住人でありながら共感しやすいようなキャラクターをお求めの方、仕事をキッチリとこなすキャラクターに共感しやすい方におすすめな映画です!

麻薬取締局所属の敵キャラ・スタン

麻薬取締局所属の敵キャラ・スタン

主人公が共感しやすいようなキャラクターになっていたのに対し、敵キャラである麻薬取締局の人間であるスタンは、独特過ぎて共感しにくいようなキャラクターになっていました。

無言でマチルダの家族を次々に殺害していき、薬でおかしくなってしまっているせいかヘラヘラと笑いながら音楽の話を延々と1人で話し続けていたり、マチルダの父に銃で撃たれた時には傷を負ったことよりも上着に穴が空いたことを怒っていたり…中々に共感しにくいキャラクターでしたね。

 

しかし、そんな彼にも普通っぽい部分もあって、それが相棒への親愛。

犯罪者やその家族は女子供問わず殺害し、警察の目を誤魔化すためには仲間を切り捨てるような冷酷さがありますが、相棒としてずっと行動を共にしていたマイキーのことだけは別らしく、マイキーが殺害された時には悲しんだり動揺したり、復讐心という人間らしい感情が見えました。

なので完璧に理解できない人間というわけではなく、共感はしにくいけど愛着は湧くようなキャラクターになっていたかなと思います。

 

愛着が湧いたのは吹き替え声優が山寺宏一さんだったからというのもあるかもしれませんね。

常軌を逸しているような時にも、マイキーのことを失い悲しみにくれている時にも、復讐のために組織全体を巻き込んで総力戦を挑んでいた時にも山寺宏一さんの声がピッタリと合っていました。

レオンとマチルダの歳の差恋愛

レオンとマチルダの歳の差恋愛

今作の最大の魅力といえば、やはりレオンとマチルダの歳の差恋愛でしたね。

最初はマチルダを足手まといだと振り払おうとしていたのに、段々彼女に殺しのことを教える代わりに読み書きを教えてもらうような関係になり、気が付けば友人のように一緒に遊ぶ関係になり、最終的にそれが恋へと変わっていきます。

中年と少女の恋模様ということで抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、レオンは19の頃から恋愛をすることがなかったという設定があり、見た目はおじさんでは心は19歳の頃のピュアなままな恋模様なので、映像的・展開的にも心配するようなラブシーンはありません。

むしろガツガツアプローチしてくるマチルダに、レオンがタジタジになるようなレベルの恋模様なので、少女マンガよりも節度のあるピュアな恋模様になっています。グイグイくる女子にタジタジな男という関係性は、映画『君の膵臓をたべたい』と近いものがあったかもしれません。

 

そして、そんなピュアな恋模様がありながらも、レオンには10代の頃に恋人を彼女の父に殺害されたという暗い過去があったために恋愛に対して消極的…という設定がちゃんとあったのが良かったです。

その設定があるからこそ、ただの歳の差恋愛として終わるだけではなく裏社会に生きる人間の恋という要素もしっかりと感じられて、微笑ましくなるだけではなく切なくなる部分やストーリーへの理解が深められる部分もある面白い恋模様でしたね。

おじさんと少女のピュアな恋がお好きな方から、恋愛映画が苦手という方、ラブシーンが苦手な方にもおすすめできる映画になっています!

連鎖する空しい復讐劇とラスト

連鎖する空しい復讐劇とラスト

どんなにレオンと楽しい日々を過ごそうとも穏やかで純粋な恋をしようとも、マチルダは弟を殺したスタンへの復讐を諦めることはなく、その復讐に無理やりレオンを巻き込んだことでスタンからの復讐も始まってしまう…そんな連鎖する復讐劇が実に空しかったですね。

マチルダの復讐は気持ちばかりが先行した計画性なしで無鉄砲な復讐ですし、復讐が上手くいかないとすぐにレオンに泣きつき、復讐のために買収しようとしたり脅してくるし…。

レオンはレオンでそんなマチルダを止めようとしつつも、最終的には押し切られてしまい復讐に巻き込まれることになり、そのせいでスタンも復讐のために攻撃してくるようになって…最終的に巻き込まれた死亡してしまいます。

マチルダが復讐を諦めてレオンと暮らしていれば、ある程度穏やかで幸せな生活を営めていただろうに復讐に走ったばかりにレオンまで失うことになる…なんとも切ないというか空しいですよね。

 

そして一番印象的だったのが、スタンがレオンたちに復讐し始めたことに関して何も理解していないマチルダの行動とセリフ。

レオンを脅して復讐させたと言っても過言ではないというのに、スタンが自分たちに襲い掛かることに対して理解していないというか「なんで私たちが攻撃されなければならないの?」と思っているような態度で、巻き込んだレオンへの謝罪も一切ありませんし…そこにマチルダの幼さが強く表れていたと思います。

自分の復讐しか頭になく、やり返されることを考えることなく無責任に人を巻き込む…そしてそんなマチルダを一切責めることもなく、愛故に彼女1人を逃がすレオンというのが、この復讐劇の虚しさを増幅させていましたね。

個人的には人間の自分勝手さ、歪んだ愛情などが感じられて虚しさこそあるものの作品内の復讐劇としては面白かったと思うのですが、人によってはマチルダの自分勝手さが苦手という方もいらっしゃるかもしれません。

2時間とは思えないボリュームのある映画

2時間とは思えないボリュームのある映画

殺し屋による銃撃アクション、裏社会の人間と歪んだ正義の戦い、復讐劇と歳の差恋愛と多くの要素が入り乱れていて、その1つ1つに魅力的な展開が多かったので2時間程度の映画とは思えないほどボリュームのある映画になっていました。

それぞれの要素自体はよくあるテーマになっているのですが、その全てが1つの作品に詰まっていて、ゴチャつくこと無くまとまっているというのが凄くて、普段映画を見ない方でに楽しめるような新鮮な映画になっていたと思います。

なので観れば観るほど惹き込まれるような映画で2時間があっという間だったのに、ボリュームがありつつもキレイにまとまっている映画だからこそ、2時間しか経っていないとは思えない程の視聴後の満足感もあり、充実した2時間を過ごせる面白い映画になっていました。

最初からラストまで豊富な要素が絡み合い、面白い展開が続くボリュームのある映画になっているので、ぜひとも時間のある時にじっくりと観ていただきたい映画です!

映画「レオン 完全版」の考察・解説

映画「レオン 完全版」の考察・解説

トニーはレオンとマチルダを騙しているのか、マチルダだけが生き残った理由について、レオンがミルクばかり飲んでいる理由について考察・解説していきます。

あくまでも個人的な考察・解説なので必ずしもこれが正解というわけではありませんが、参考程度に見て頂けると幸いです!

トニーはレオンとマチルダを騙している?

トニーはレオンが仕事で稼いだお金を預かっており、銀行のようなものだからいつでも引き出せと言いながらも、レオンやマチルダにお金を出すのを渋っているような様子が何度かありました。

また、スタンが店にレオンのことを聞きに来た時にもあっさりと居場所を教えていましたし…レオンが稼いだお金を自分のものにしようとしているのではないか、レオンやマチルダがそのお金を使わないように誘導しているのではないか、騙しているのではないかとも思ってしまいますが、個人的にはそうでない可能性もあると思います。

トニーはレオンの父の仕事仲間で、レオンが裏社会の仕事を始めた時からずっと支え続けている仕事上のパートナーではありますが、自分の孫が人質に取られたとなればレオンの居場所をあっさりと教えてしまったことにも頷けますし…それだけでは裏切り行為とは言い難いです。

 

そしてレオンは恋愛経験が乏しく、幼い時からお金を使った経験がほとんどなかったためにお金を一気に使わせるのは不安…マチルダは幼過ぎて短絡的だから大切なレオンの形見であるお金を渡すのは不安という想いから、お金を出すのをセーブさせるようにしているのではないでしょうか。

レオンのお金を自分のものにしようとしているのではなく、ただ子供が無駄遣いをしないように金銭の管理をしている大人という立場ですね。なのでトニーがレオンとマチルダを騙している可能性はあるかもしれないけれど、騙しているとは言い切れません。

マチルダだけが生き残った理由

マチルダだけが生き残った理由

買い物から帰ってきたときにすぐに家が襲撃されたことに気付き、動揺することなく真っすぐにレオンの家に向かったことで、家との関係性を疑われることがありませんでした。

その後家族写真が見つかったことで結局マチルダの存在はバレてしまうのですが、レオンの家からアニメの音声が聞こえたことで「家族を失ってアニメを観る訳ないか…」と思われたのか、襲撃者が去ったことで運よく生き残ります。

そのことから分かるように、マチルダは家族を失ったことをそこまで悲しんでいないのではないでしょうか。

幼い弟が殺されたことに怒り悲しみ復讐を口にするようになりますが、レオンの家に入るまでは泣いてたはずなのに、家に入ってすぐにアニメを観始めるような心の余裕があるようですし、言っていることとやっていることが矛盾していますよね。

全く悲しくないというわけではないとは思いますが、復讐を決意するほどの強い悲しみや怒りは感じません。

 

また、レオンが亡くなったときも悲しんではいるもののすぐに学校に戻り、レオンとの話を武勇伝のように学校の教師に話している姿もありましたから、おそらくですがマチルダは自分を殺すための動機、もしくは愛情を得るためだけに人の死や復讐を都合よく利用しているだけなのではないでしょうか。

そのしたたかさ・幼さ・自分勝手さ故に、最終的にマチルダだけが生き残っているのかもしれませんね。

レオンがミルクばかり飲んでいる理由

生まれ育った家が貧しかったという話があったので、子供の頃の刷り込みで大人になった今でも飲み物と言えばジュースや酒ではなく、安くて美味しく、栄養価の高い牛乳という考えなのではないでしょうか。

もしくは、レオンは10代の時に家を飛び出していてそこから仕事一筋で心は少年のままですから、自分の成長に気付かずに「牛乳を飲むと身長が伸びる」「骨が丈夫になる」という言葉を信じ、昔から変わらず牛乳を飲み続けているのかもしれませんね。

どちらにしろ身体はすっかり中年になっていても心は家を飛び出した10代の頃から変わっていないために、ミルクを好んで飲み続けているのだと思います。

「レオン 完全版」はボリュームのある面白い映画だった!

「レオン 完全版」はボリュームのある面白い映画だった!

2時間の映画の中に連鎖する空しい復讐劇、歳の差恋愛などの要素がギュッと詰まっていることで、2時間しか経っていないとは思えないほどボリュームのある映画になっていて、見応えがあって面白かったです!

裏社会系の映画、歳の差恋愛映画をお探しの方だけではなく、ぜひともじっくりと観れるような映画をお探しの方もチェックしてみてください。

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