東野圭吾の「加賀恭一郎シリーズ」はテレビラマでも大人気の、刑事、加賀恭一郎を主人公とする作品です。中でも『麒麟の翼』は最高傑作といわれており、謎解きの面白さはもちろん、心にぐっと迫る人間ドラマとしての魅力も十分でかなり見ごたえのある作品です。
主役の阿部寛他にも、松坂桃李や菅田将暉、山﨑賢人、溝端淳平、新垣結衣、柄本時生など若手人気俳優陣がずらり登場!さらに、向井理や田中麗奈、黒木メイサ、松重豊、中井貴一、山﨑努といった出演者も要チェックです。
主役級のベテラン俳優から今をときめく若手人気俳優まで、超豪華な出演者が話題の映画『麒麟の翼』の個人的な感想とレビューをご紹介したいと思います。一部ネタバレも含みますので、これから見るという方はご注意ください。
目次
映画「麒麟の翼」を観て学んだ事・感じた事
・超豪華!オールスターキャストの出演者がすごい!
・謎解きの面白さと、主人公の人間としての魅力に惹かれる!
・希望を失わず生きることの大切さを教えてくれる
映画「麒麟の翼」の作品情報
公開日 | 2012年 |
監督 | 土井裕泰 |
脚本 | 櫻井武晴 |
原作 | 東野圭吾 |
出演者 | 加賀恭一郎(阿部寛) 中原香織(新垣結衣) 青柳悠人(松坂桃李) 吉永友之(菅田将暉) 杉野達也(山﨑賢人) 小竹由紀夫(鶴見辰吾) 青柳武明(中井貴一) |
映画「麒麟の翼」のあらすじ・内容

舞台は東京の日本橋。青柳武明(中井貴一)が、日本橋の近くで何者かにナイフで刺され、亡くなります。
ちょうど同じ頃、八島冬樹(三浦貴大)がトラックにひかれて病院に搬送。昏睡状態となった八島の所持品の中から、青柳の持ち物や財布が見つかったことから、八島を青柳殺しの犯人として捜査が進められます。
そんな中、日本橋署の刑事・加賀恭一郎(阿部寛)は、八島が犯人だということに疑問を感じ、地道な聞き込み調査を続けていました。そして、八島の恋人である中原香織(新垣結衣)や青柳の家族、青柳の勤務先の関係者と話をする中で、加賀は青柳を刺した犯人は八島ではなくほかにいるのではないかと思い始めます。
青柳が日本橋界隈の神社巡りをしていた理由を探っていた加賀は、やがて青柳の息子・青柳悠人(松坂桃李)が隠し続けるある秘密にたどり着きます。
事件のきっかけとなった隠蔽された過去の過ち、父の想い、ささやかな幸せを願い、日々を生きる人々。加賀はその一つひとつに真摯に寄り添いながら真実を追求し、絡まり合ったすべての謎が解き明かされていきます。
映画「麒麟の翼」のネタバレ感想
東野圭吾の超人気シリーズの映画化第一弾!

福山雅治主演の人気ドラマ『探偵ガリレオ』、堀北真希が主演した映画『白夜行』、山田孝之と玉山鉄二が主演した映画『手紙』、嵐の二宮和也と関ジャニの錦戸亮が兄弟役を演じたドラマ『流星の絆』など、東野圭吾の作品が数え切れないほど映像化されています。
推理小説はほとんど読まないという方でも、彼の作品を原作にしたドラマや映画をどこかで一度は見たことがあると思います。
東野圭吾の作品には、シリーズになっているものがいくつかあるのですが、中でも特に人気が高いのが、「ガリレオシリーズ」と「加賀恭一郎シリーズ」です。「ガリレオシリーズ」は福山雅治主演のドラマや映画でおなじみですね。
「加賀恭一郎シリーズ」は何度も映像化されており、ドラマシリーズ『新参者』から主役を務める阿部寛は、まさに当たり役!小説の中で描かれる加賀の人物像と、阿部寛が演じる加賀刑事の雰囲気がぴったりで「阿部寛=加賀恭一郎」と思えるほどです。
阿部寛主演の「加賀恭一郎シリーズ」がついに映画になるということで、ファンにとっては待望の映画だった『麒麟の翼』は、2012年に公開されました。ドラマシリーズでの配役はそのままに、映画ならではの豪華出演者も登場し、興行収入16億円を超える大ヒット作となっています。
物語の背景である「新参者」とは?

映画『麒麟の翼』には「―劇場版・新参者―」というサブタイトルがついていますが、「新参者」とは一体何なのでしょうか?
先ほど紹介した「加賀恭一郎シリーズ」は2013年までに10冊が刊行されていて、『麒麟の翼』はシリーズの9作目となる作品です。シリーズの中で、警視庁捜査一課に勤務する刑事だった加賀恭一郎は、本庁から練馬署を経て日本橋署に配属になるという設定になっています。
着任したばかりの日本橋署で、加賀がよそからやってきたばかりの新参者として事件の捜査に加わることになるのが、シリーズの8作目となる『新参者』。日本橋の町を歩き、地域に溶け込みながら人々との関係を築き、事件の謎を解いていく物語を描いた『新参者』は、2010年に、連続テレビドラマとして映像化されました。
シリーズの9作目となる『麒麟の翼』は、『新参者』と同じ舞台設定(日本橋署に配属されたばかり)で、続編という扱いになっています。そのため、映画『麒麟の翼』には「―劇場版・新参者―」というサブタイトルがついているのです。
ところで、小説のタイトルになっている、この「新参者」という言葉、ちょっと面白いですよね。
組織やコミュニティに新しく加わったメンバーを意味する言葉ですが、単なるニューフェイスではなく、あまり好意的に受け入れられていない人というようなニュアンスが込められています。つまり、加賀にとって、日本橋署はアウェイな環境だということなのでしょう。
加賀が本庁を出ることになった理由はここでは語られませんが、加賀は、ある目的を持って日本橋署への異動を希望したようです。
新参者として、ときに邪険に扱われたり、胡散臭い目で見られたりしながらも、少しずつ地域や周りの人々と関係を築いていく加賀。そんな様子が、映画『麒麟の翼』の中でも描かれています。
いくつものエピソードが交差する深みのある物語

物語の中心となるのは、青柳武明(中井貴一)が殺害された事件です。
翼を広げた麒麟の像が立つ日本橋のたもとで、青柳は何者かに刺されて亡くなります。映画の中では、この事件を中心にいくつものエピソードが展開していくのですが、「青柳と息子である悠人との関係」「悠人が中学時代に起きた事件」「青柳が神社巡りをしていた理由」「青柳の会社で起きた隠蔽事件」など、さまざまなエピソードが重なり絡み合うことで、より複雑なより深みのある物語になっていきます。
細かいエピソードもたくさん含まれているのですが、私の印象に深く残ったのは以下の3つのエピソードでした。
- 八島冬樹と中原香織の物語
- 青柳悠人の中学時代の事件
- 加賀と父親、看護師の物語
それぞれのエピソードについて、感想を交えつつ解説してみたいと思います。ここから先は、事件の結末には触れていませんが、ネタバレを含みます。まだ映画を見ていない方はご注意ください!
八島冬樹と中原香織の物語

お互い身寄りがなく養護施設で育った八島冬樹と中原香織。ささやかながらも幸せな日々を送る若い二人でしたが、冬樹が派遣社員として働く工場でケガをして、そのまま仕事も首になってしまいます。さらに悪いことに、冬樹が交通事故にあいます。
交通事故で救急搬送された冬樹が青柳の鞄を持っていたため、殺人犯としてほぼ断定されてしまいますが、そんなはずはないと訴える恋人の中原香織の言葉を聞いた加賀は、事件前の冬樹の行動について調査を始めます。
まだ冬樹に打ち明けていませんでしたが、実はそのとき、香織は妊娠していました。香織の様子からそのことに気づいていた冬樹は、家族を養うために必死で仕事を探していました。
そんな時、偶然青柳の姿を見た冬樹は、自分が首になった工場の親会社の社員であったことに気づき、思わず後をつけてしまいます。そして、家族のためにお金が必要だった冬樹は、倒れている青柳の鞄を盗んで逃げてしまうのです。
辛い境遇の中で懸命に生きていた二人が、さらに不幸な出来事に見舞われるという、胸が苦しくなるような設定ですが、香織の笑顔とひたむきに生きる姿に救われます。
中原香織役を演じるのは、新垣結衣。苦しみながらも恋人の無実を信じ、生まれてくる子どもと二人で強く生きていく決心をするという難しい役を、とても印象的に演じていました。彼女には、健気な女性の役が似合いますね。
それにしても、無実と分かった後に冬樹が病院でそのまま亡くなってしまうというラストは、せつなすぎました…。
この部分は、ネットでも賛否両論で、ここまで辛い設定にしなくてもよいのではという意見もたくさんありました。二人には幸せになってほしかったというのが正直な感想ですが、香織が新たな人生に向けて旅立つという部分が、物語の中の重要なエピソードとして必要だったのかもしれません。
青柳悠人の中学時代の事件

青柳殺しの背景には、隠蔽されたある出来事がありました。中学時代、水泳部に所属していた悠人は、仲間と共に大会に参加することになります。初めてリレーの選手に抜擢された後輩の吉永友之もメンバーに加わっていましたが、緊張した吉永のミスで、残念ながら失格という結果に終わってしまいました。
泣き出さんばかりに謝る吉永に対し、悠人たちは心無い言葉をあびせます。やがてそれはエスカレートし、深夜の学校のプールで特訓という名のしごき、いじめが始まってしまいます。これが青柳殺害に至る、すべての事件の始まりです。
遅くまで一人校内に残っていた水泳部の顧問糸川は、プールの人影に気づき、様子を見に行きます。悠人たちは急いでプールから出て逃げようとしましたが、3人の先輩にフラフラになるまで無理やり泳がされた吉永は、水中に沈んだまま浮かんできません。
糸川は吉永を助け出し、救急車を呼ぶ前に3人を家に帰します。吉永は重い障害を負いましたが事故として処理され、悠人たちはその後もう吉永と関わることはありませんでした。
糸川の対応は、単なる事故として片付けることで生徒たちの将来を守ろうとしたようにも見えます。しかし実際は、騒ぎになることを恐れる気持ちのほうが強かったのかもしれません。
部活動で起きたいじめによる大事故となればニュースにもなるでしょうし、そうなれば、生徒たちだけでなく糸川自身もマスコミにさらされ、将来にも大きな影響を与えてしまったでしょう。
事実を隠蔽し、生徒にも嘘をつかせた糸川の行為は教育者として、人として、やってはいけないことでした。そして、チームプレーでのミスをとがめるようなことがないよう、いじめなどが起きないような部活動での雰囲気づくり、普段からの指導が大切だったのかもしれません。『麒麟の翼』は、教師という仕事がどれほど責任の重い仕事かということまで感じさせる物語でもありました。
東野圭吾の作品は、社会問題を多く取り上げていることでも知られています。
『麒麟の翼』では当時大きな社会問題となっていた「労災隠し」が事件に絡んできます。青柳が勤務するメーカーの工場で起きた事故を、工場の担当者は労災として申告せず、なかったことして処理、ケガをした派遣社員を首にします。そして、隠蔽工作は青柳の指示だと嘘をつき、罪をなすりつけようとするのです。
ここでも「嘘」「隠蔽」という、糸川がやったのと同じことが行われています。
ちなみに、労災隠しをされたうえに首にされた派遣社員が八島冬樹です。このため、冬樹は労災隠しを恨んで青柳を刺したのではないかと疑われることになります。
いくつかのエピソードが絡み合いながら物語が進んでいくのが、東野作品の特徴です。そのため、ストーリーがより複雑で難解になっているのですね。
加賀と父親、看護師の物語

映画の中に2組の親子(父と息子)が登場します。青柳と悠人、加賀とその父親、どちらも関係はよくありません。
加賀と父親の隆正が疎遠になってしまった理由はここでは語られませんが、加賀は入院中の隆正に頑として会いに行こうとはしませんでした。そのことで、従弟の松宮脩平に度々責められています。母親と二人暮らしの脩平は、元刑事の隆正を尊敬し、実の父のように慕っていたからです。
加賀は隆正との間に距離をおいていましたが、憎んでいたわけではありません。顔を合わせることはなくても、父親のことを常に気にかけていたことが、担当の看護師、金森登紀子の行動からわかります。
病床の隆正の楽しみは将棋をすることです。登紀子はときどき隆正の病室で、将棋を一手だけ指していき、隆正は登紀子が来るまでに、次の手を考えるが二人のささやかなコミュニケーションでした。しかし、実際に隆正の将棋の相手をしていたのは、登紀子ではありません。加賀がメールで登紀子に指示を出し、登紀子は何も言わず、加賀と父親との仲介をしていただけなのでした。登紀子のさり気ない気遣いが、胸にぐっとくる場面です。
登紀子役を演じるのは田中麗奈で、ドラマシリーズのときから引き続き出演しています。なっちゃんのCMでおなじみの、明るくて元気な女の子という印象が強かったのですが、すっかりお姉さんになって、落ち着いた雰囲気の素敵な女性の役がよく似合っています。
隆正が亡くなった後も、加賀は登紀子と連絡を取り、ときどき会っていました。
登紀子は、加賀の隆正への態度について厳しいことを言います。それは単なるお節介というよりは、加賀への愛情が感じられます。事件の調査に没頭するクールで大人な印象の加賀が、登紀子に叱られているときはかわいくなってしまうのが面白い!悲惨な事故や出来事ばかりの物語の中で、加賀と登紀子のやりとりにホッとします。
『麒麟の翼』は希望と祈りの物語

映画『麒麟の翼』では、中学時代の水泳部での事故、労災隠し、一生懸命に生きている若者の事故死など、本当に悲劇的な辛い出来事ばかりがこれでもかとばかりに起きています。人間の弱さやずるさが引き起こしたものもありますが、避けることのできない事もあります。
ちょっと悲惨すぎるのでは?という意見もありますが、このような悲劇は、いつどこで誰に起きても不思議ではありません。
そんな悲劇に出会ってしまったとき、私たちには一体何ができるでしょうか?その答えが、この作品のテーマ「悲劇からの希望と祈り」に込められています。
絶望的な状況にあっても、そこに小さな希望を見出すことができれば、その希望を持ち続けることができれば救われます。あるいは、救いとなる何かを見つけることができるのかもしれません。
そして、誰かが辛い状況にあるとき、当事者でないものにもできることがあります。それは、誰かの幸せや無事を祈ることです。
日本にはお祈りの文化はありませんが、神社などで手を合わせて拝んだり、神様にお願いをすることは、一種の祈りなのかもしれません。
青柳の殺人事件を捜査していく中で、加賀が最初に疑問を持ったのは、青柳が日本橋で神社巡りをしていたという事実でした。七福神を巡り、折り鶴を奉納していたことが、単なる青柳の趣味だとは思えなかったのです。
青柳は水泳を辞めてすっかり変わってしまった悠人の様子から、何か問題が起きていたのではないかと感じていました。そして、悠人が見ていた「キリンノツバサ」というブログから、青柳は悠人が犯した罪と、その贖罪のために七福神巡りをしていたことを知ります。青柳は、父親に知られたことでストップしてしまった七福神巡りの続きをしていたのでした。
「キリンノツバサ」は、吉永の母親が書いているブログです。そこに、「東京のハナコさん」という名前で、悠人は、七福神に折り鶴を奉納した写真とメッセージを送っていました。
どこかで誰かが、自分の息子のために祈ってくれていることが、吉永の母を勇気づけ、励ましてくれたのでしょう。
ただし、悠人は、吉永の身に起きた悲惨な事故の加害者であり、青柳はその父親なので、彼らの神社巡りは、祈りというよりは懺悔というほうがいいかもしれません。祈ることで、吉永の母だけでなく、悠人と青柳も救われていたのでしょう。
若手人気俳優のブレイク前の姿に興奮!

映画『麒麟の翼』はオールスターキャストといわれていますが、主役級の有名俳優が総出演している、超ぜいたくな作品です。特に注目したいのが、若手俳優の活躍!
まずは、事件の鍵を握る重要な役柄、青柳悠人を演じた松坂桃李。映画『麒麟の翼』が公開された2012年、松坂桃李はまだ20代で『侍戦隊シンケンジャー』でブレイク、若手俳優として注目を集め始めていた頃でした。高校生役がとっても似合っています。
この映画に出演後は、NHKの連続ドラマ『梅ちゃん先生』ほか、さまざまなドラマや映画に抜擢されmイケメンかつ独得なキャラクターで今も大人気です。
そして、水泳部のメンバーとして登場するのが山﨑賢人、菅田将暉です。ドラマや舞台、CMで今まさに大活躍している二人の、初々しい姿を見ることができます。
実は、当時映画を見たときは、こんなに有名になる俳優さんだとは知りませんでした!今をときめく人気若手俳優の二人が演じているのは、物語の中のとても重要な役柄です。
事件の犯人として疑われる、八島冬樹を演じるのは三浦貴大。都会の片隅で身を寄せ合って懸命に生きる恋人たちの姿が、とても印象的でした。三浦貴大は山口百恵と三浦友和の次男!両親ともに大スターということだけでなく、高い演技力で注目を集めています。
冬樹の恋人役、新垣結衣については説明不要ですね。数え切れないほどのどたくさんのドラマ、映画、CM、バラエティ番組からドキュメンタリー、ラジオ、声優としても活躍しています。
青柳が勤務していたメーカーの工場で働く派遣社員として、工場で行われていた隠蔽工作の秘密を伝えるという役を独特の存在感で演じていたのは柄本時生(えもとときお)です。
父親は俳優の柄本明、母親は女優の角替(つのがえ)和枝、兄も俳優の柄本佑(たすく)、柄本佑の奥さんは、NHKの朝の連ドラに主演している安藤サクラ。まさに、芸能一家ですね。これからの活躍がさらに期待されている俳優の一人です。
ちなみに、柄本明は、加賀恭一郎シリーズ第2作『眠りの森』のテレビドラマに出演しています。
ドラマシリーズからの出演者も健在!向井理はどこに?
加賀恭一郎シリーズは過去に何度もテレビドラマとして映像化されています。
映画『麒麟の翼』には、ドラマ『新参者』だけでなく、過去の作品から引き続き同じ役を演じている方も多数出演しており、例えば、加賀恭一郎の父親、加賀隆正を演じるのは山﨑努です。加賀の後輩で、タウン誌の編集者役に黒木メイサ、金森登紀子役の田中麗奈も、前作のドラマシリーズから引き続き出演しています。
ところで、出演者のクレジットを見て、「あれ?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ドラマ『新参者』にも出演していた向井理の名前が、『麒麟の翼』の出演者のところにしっかり入っていましたが、映画の中に向井理は出てこなかったような…。
実は、劇団員の清瀬弘毅としてポスターの中に映っていました。ポスターだけの出演ですが、映画のためにちゃんと撮影をしていたようで、わずか15分でクランクアップしたそうです。ポスターが貼ってあるのは、黒木メイサが演じる青山亜美が働いているカフェ(お茶屋さん)。気になる方は、ぜひポスターを探してみてください。
何度見ても泣ける!幅広い年代の人に見てほしい映画

私は大人になってから映画『麒麟の翼』を見ましたが、もっと若い頃に、高校生や学生時代にこの映画を見ていたら、どんな感想を持っただろう、あるいは、さらにもう少し年をとってから見たとしたらどうだろうかと思いました。
高校生なら、部活動でのいじめ事件をよりリアルに感じたかもしれませんし、年配の方なら、加賀と父親との関係について、より深く思うことがあるでしょう。工場での労災隠し問題、中原香織と赤ちゃんの人生がこれからどうなっていくだろうかということが気になった方もいらっしゃるでしょう。
少し時間をおいて見直してみたら、きっと以前とは違う見方で、違う場所で涙を流すのではないでしょうか。
映画『麒麟の翼』は一度見た方にもまた見てほしい、幅広い年代の方におすすめしたい映画です。