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映画『ジュラシック・ワールド』ネタバレ感想・解説・考察!恐竜たちの魅力が最大限生かされている!

映画『ジュラシック・ワールド』のあらすじ・内容

映画『ジュラシック・ワールド』は、かつて人気を博したSF恐竜映画「ジュラシック・パーク」シリーズの続編に相当する作品です。

同シリーズは以前に3作ほど公開されていましたので、本作は第4作という位置づけになるでしょう。3の公開からは実に15年近い期間が経過しているので、近年流行している「リバイバル作品」の一つであり、ファンも多いことから作品の出来には非常に注目が集まっていました。

今回はそんな『ジュラシック・ワールド』の個人的な感想や考察を書いていきます!なお、ネタバレには注意してください。

目次

映画『ジュラシック・ワールド』を観て学んだこと・感じたこと

・長い時間を経て蘇った恐竜の世界に大興奮
・過去の作品に比べて進化したCG技術を感じる
・人間と恐竜の関係性については意見が分かれるかも

映画『ジュラシック・ワールド』の基本情報

公開日2015年8月5日(日本)
監督コリン・トレヴォロウ
脚本リック・ジャッファ
アマンダ・シルファー
デレク・コノリー
コリン・トレヴォロウ
出演者オーウェン・グレイディ(クリス・プラット)
クレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)
ヴィック・ホスキンス(ヴィンセント・ドノフリオ)
サイモン・マスラニ(イルファーン・カーン)
ザラ・ヤング(ケイティ・マクグラス)

映画『ジュラシック・ワールド』のあらすじ・内容

映画『ジュラシック・ワールド』のあらすじ・内容(C)Universal Pictures and Amblin Entertainment

恐竜たちの脱走によって起こった惨劇からはや22年。かつてインジェン社が所有していた「恐竜の出る島」はグローバル企業のマスラニ社に買収され、新たに「ジュラシック・ワールド」を作り出し観光地化することに成功していました。

この地の運営を任されていたクレアは、周囲の反対を押し切って遺伝子操作によって生み出された「インドミナス・レックス」の防護壁づくりに腐心。

しかし、ある時インドミナス用に築かれた防壁内に恐竜の姿がなく、脱走してしまった形跡があることを認識しました。

壁内の調査をするために恐竜の生息エリアに侵入した職員らは、インドミナスの罠によって捕食されてしまうのです。こうしてパークを脱走することに成功したインドミナス。単なる肉食恐竜というだけに留まらず、高度な知能さえ有しているインドミナスを打倒することはできるのでしょうか。

映画『ジュラシック・ワールド』のネタバレ感想

【解説】長い年月をかけて製作された続編は商業的にも大成功

【解説】長い年月をかけて製作された続編は商業的にも大成功(C)Universal Pictures and Amblin Entertainment

まず、本作がこれだけの長い期間を経て公開された理由を解説していきたいと思います。そもそも、「ジュラシック・パーク4」に関する計画自体は、2002年(3公開の1年後)には持ち上がっていたようです。すでに脚本も仕上がっており、残りは撮影を含めた製作に乗り出すだけという段階まで至っていたものの、どうやら続編計画そのものがとん挫してしまったようです。

その後、2011年にようやくスピルバーグが内情を公開し、「4」の製作が進行中であることに言及しました。そして2013年には撮影が開始され、監督には長編映画をまだ1作しか製作していないものの、その作品が注目を浴びていたコリン・トレヴォロウが就任することになりました。

皆さんご存知のように「ジュラシック・パーク」シリーズは「1」と「2」で監督を務めたスピルバーグの意向が強く反映されており、あくまで想像ではありますが全てをほぼ新人の監督が制作したわけではないでしょう。

 

本作の出来に関しては、「概ね満足」というのが私的な感想であり、キャリアの浅い監督が制作を担当したということを考えれば及第点を与えられそうです。ただし、トレヴォロウ監督は本作公開後に製作した長編映画で評論面・興行面で大失敗してしまいます。

さらに、2019年内に公開予定の『スターウォーズ エピソード9』では監督に内定していたものの、ディズニー側と脚本面で折り合いがつかず監督を降板するなど、監督としてのキャリアがあまり順調に推移していないのが現状です。

ただし、本作の続編に相当する『ジュラシック・ワールド炎の王国』では製作総指揮及び脚本を、2021年公開予定の『ジュラシック・ワールド3』でも同じポジションを担当予定で、「ジュラシック・ワールド」シリーズのスタッフとしては一定の評価を獲得しているようです。

こうして彼が本シリーズに関わり続けられている理由として、本作の商業的な成功が考えられます。最新のCG技術を惜しみなく投下した作品のため製作費も1億5千万ドルと破格のものになっていますが、結果として全世界で16億ドル強の興行成績を収めることで見事成功へと導いています。

恐竜たちの迫力やCG技術が素晴らしいの一言

恐竜たちの迫力やCG技術が素晴らしいの一言(C)Universal Pictures and Amblin Entertainment

かねてよりシリーズ作品を楽しんでいるファンの方ならばよくご存じかと思われますが、本作の魅力を左右する点はなんと言っても「恐竜を魅力的に描けているか否か」に他ならないでしょう。実際、予告編などが公開された時点から「最新技術で蘇る恐竜たちを見るのが楽しみ」という方も少なくなかったですし、制作側もそれを理解しているために技術面への投資を惜しみませんでした。

結論から言えば、「恐竜たち」という側面から本作を評価していくと、動きや迫力が素晴らしい作品であるといえそうです。かねてよりT-REXの魅力が高く評価されていた作品ですが、本作ではそれをさらに進化させた遺伝子配合の産物「インドミナス・レックス」が大暴れし、見ていて飽きない作品に仕上げられています。

作品を見ていて「もしティラノサウルスに知性が備わったらどうなるのだろう」と考えた経験がある方もいると思いますが、本作はその答えを教えてくれる作品でもあります。こうした観点から考えると、なにも技術だけをアップデートしたリバイバル作品と断じてしまうのは早計にも思えますね。

 

なかなか文章で映像的な美点を評するのは難しいところではありますが、最新のCGで彩られた本作には同じく最新技術である3Dや4DXなどの上映スタイルとの相性も抜群でしょう。そのため、本作を劇場で視聴するのはなかなかに難しいかもしれませんが、2021年に公開が予定されている「3」はぜひ劇場で、かつ最新の上映スタイルで視聴されることを強くオススメします。

「映画はレンタルやVODで済ませてしまえばいいや」という方もいるかとは思いますが、本作のような映像美と迫力で押していくタイプの映画は劇場の良さが最大限に生かされる作品です。

そのため、場合によっては「劇場で観た」という方と「自宅で観た」という方の間では、映画の評価さえも異なるものになる可能性があります。筆者は劇場にて鑑賞した記憶がありますが、そのために本作を「佳作」と評することになったのかもしれません。

それくらい映像面の感じ方が重要な作品であると解釈していただければ幸いです。

【解説】ストーリーに真新しさはないがオマージュなどは充実

【解説】ストーリーに真新しさはないがオマージュなどは充実(C)Universal Pictures and Amblin Entertainment

次に、本作において展開されたストーリー面について解説を加えていきます。この点について、ハッキリと言ってしまえば「特に真新しさもなく、無難」という評価が最も適当かと思われます。

確かに、合成恐竜の出現や恐竜との共闘など、これまでになかった要素が全くないわけではありません。しかし、続編ということを踏まえれば多少の追加要素はあって当然とも考えられますし、そこで大きく評価が向上するということはないでしょう。

 

さらに、作品の大筋としても

1.恐竜が脱走してしまう
2.なんやかんやで死人が出るなど大苦戦する
3.結局からくも恐竜を倒し平和が訪れる

という「いつもの」流れがほぼそのまま踏襲されており、シリーズのファンだけでなく初見の方であってもだいたいの流れを察することができるほど、オーソドックスな展開になっています。

正直に言って、脚本面の評価はそれ単体で考えれば決して素晴らしいものにはなりませんが、これが映像と結びつけば話は別です。そもそも、先ほどから指摘しているように「恐竜以外は実質オマケ」という作品であることは否めず、本作についていえばその点が充実している時点で駄作にはなり得ないのです。

そのため、一応そこそこの活躍は見せていたもののあくまで脇役に過ぎない印象の人間たちや、特に評価する点のない無難な脚本は、裏を返せば「恐竜たちの魅力を損なわない」程度にちょうどいい塩梅の出来になっています。

実際、この点に下手なこだわりを持ち込んで映像の魅力を台無しにしてしまう作品も少なくないだけに、大作であることを考えれば果敢な挑戦に出なかったことは正しい判断だと思います。もっとも、人間側の管理意識の低さは笑ってしまうほどで、「これってもはや人災なのでは?」と感じてしまうような低品質なシーンも少なくなかったのは否めませんが…。

 

ただし、本筋とは関係ない部分ですが、本作に盛り込まれたオマージュの数々はファンにとってささやかな注目点になっているでしょう。オマージュの種類は過去のシリーズに由来するものもあれば、『ジョーズ』といったスピルバーグの過去作など様々な他作品から引っ張ってきているものもあります。

こうした長編シリーズのリバイバル作ではオマージュがふんだんに採用されるのも珍しいことではありませんが、ファンにとっては「狙ってるな〜」と思いつつも、ついつい該当しそうなポイントを探してしまうものです。

このように、脚本そのものが特段に素晴らしい要素を備えているわけではないものの、「映像面の邪魔と言うほど出来が悪いわけでもない」「オマージュはそれなりに充実している」という点を鑑みていくと、本シリーズは脚本としては良くできているとまとめることができます。

ただし、言うまでもなく「そもそも恐竜に全く関心がない」という方にとって映画の鑑賞は苦痛でしかないと思いますので、過去作を見てみた上で好みに合いそうか否かを事前に調査しておくとよいでしょう。

【考察】恐竜と人間の協力関係には賛否がありそう

【考察】恐竜と人間の協力関係には賛否がありそう(C)Universal Pictures and Amblin Entertainment

本作のほぼ唯一ともいえる真新しいポイントは「恐竜と人間の共闘」ではないでしょうか。もともとの身体能力に加えて知性を獲得してしまったインドミナスに対抗するべく、調教を積んでいるヴェロキラプトルに加えて、一時的ではありますがティラノサウルスも味方となって「共闘」の図式が出来上がるのです。

これまでは、あくまで恐竜という存在が「人に害をなす敵」として描かれてきたことを考えると、この変化はずいぶんと大きいものであると感じます。恐竜との共闘という展開は「わかっていても興奮してしまう」ものであるとも思いますし、さらに概略化して考えると「かつての強敵が味方側の一員として参戦する」という流れは王道のパターンでもあるでしょう。

味方側として戦いを繰り広げるティラノサウルスを見て「オッ」と思った方も少なくないでしょうし、場面単体としては見せ場として機能していたと考えることが可能です。

 

しかし、この共闘展開にはいくらかの欠点も存在し、人によってはその部分がどうにも気になってしまうことがあっても不思議ではありません。具体的には、「恐竜が人間を助ける」という展開がどうにもご都合主義的に見えてしまうことです。

そもそも、本作の脚本は出来がいいとは言えないと何度も指摘しているように、作中の展開にはいくらかの不自然さが存在するのも事実です。それらの要素に加えて上記の共闘が発生するわけですから、「それはどうなのよ…」という感想が全くなかったといえば嘘になります。展開としては悪くないんですけどね。

この部分をまとめると、「映画の見せ場としては上々の出来にあるものの、展開そのものがやや不自然」と表現できるのではないでしょうか。そのため、「ティラノサウルスが味方として活躍している!」という点に興奮して脚本的な問題を無視できるか否かが評価の分かれ目になりそうです。

全体を通じてやや脇の甘い部分が目立つ映画ですので、構成の緻密さやどんでん返しの展開は期待しない方がよいでしょう。もともとそういうジャンルの映画でもありませんしね。

「炎の王国」「3」と続編の製作も着々と進められた

「炎の王国」「3」と続編の製作も着々と進められた(C)Universal Pictures and Amblin Entertainment

確かに内容面に全く問題がないとは言い切れないものの、作品の長所をよく理解することで一定の出来をキープした本作。その結果は冒頭でも述べたように、商業的な大ヒットへと繋がりました。

また、その成功を踏まえて続編の製作も進められていき、2018年には続編『ジュラシック・ワールド 炎の王国』が制作されました。この作品も興行収入でいえば全世界累計で13億ドルほどの成績を収めており、完全に作品の存在が認められています。

 

さらに、『炎の王国』はこれまでのシリーズ作品と明らかに一線を画す「自然との闘い」を描き出しており、物語前半部分についてはかなり挑戦的な試みを取り入れているのも特徴です。後半部分はかなりホラーの色彩が強めの作品となっていて、こちらもまた賛否が大きく割れる内容になっています。

これらの点を整理すると、「ジュラシック・ワールドシリーズは、賛否両論ある内容でありながら大ヒットを記録し続けている」という結論が導き出せるでしょう。この点はやはりそもそもの「ジュラシック・パーク」という看板が持つ力の強さを思い知らされるとともに、特段の教養を必要としない内容から世界中のファンが視覚的に楽しむことができるという特徴も良く作用しているのでしょう。リバイバル系の作品が批判に晒される原因の大半が「過去作との変化」に関する部分であり、本シリーズはその点を踏襲しても現代の価値観とブレないのも成功の秘訣なのかもしれません。

 

この成功を受けて、2021年には『ジュラシック・ワールド3』の公開が予定されていると既に発表されています。その詳細な情報についてはまだ情報がないので詳しいことは述べられませんが、前作や前々作の成績を踏まえればまさしくドル箱と呼ぶにふさわしい作品であるのは確かで、何事もなければまず間違いなく公開されると見て間違いないでしょう。

ただし、懸念される点は「作品のマンネリ化」に他なりません。前2作を見ればやはり展開の幅に制約があることもまた事実で、その部分に立ち向かっていく必要が生じるでしょう。さらに、「久々のジュラシックパークだから許されていた」というような印象も否めず、次の作品がシリーズ全体の評価を左右する可能性も十分に存在します。

「シリーズ3作目が鬼門」としばしば囁かれるのは、上記のような点に悩まされることともリンクしており、本シリーズがそのジンクスを打ち破れるのかどうかは2021年を迎えてみてのお楽しみということになります。

(Written by とーじん)

映画「ジュラシック・ワールド」の動画が観れる動画配信サービス一覧

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