ブサイクな男がハンサムになれるスーツを手に入れるコメディ映画『ハンサム★スーツ』。
豪華なキャスト・芸人さんの入り混じるコメディ映画で、谷原章介さんの振り切ったイケメン振りにはとにかく笑えて、最後にはほっこりするような良い映画でした!
今回はそんな『ハンサム★スーツ』についての詳しい感想をご紹介していきます。感想ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください!
目次
映画「ハンサム★スーツ」を観て学んだ事・感じた事
・とにかく笑いたい時におすすめのコメディ映画
・幅広い世代に響く歌とテーマ
・谷原章介さんのイケメン振りは必見!
映画「ハンサム★スーツ」の作品情報
公開日 | 2008年11月1日 |
監督 | 英勉 |
脚本 | 鈴木おさむ |
出演者 | 塚地武雅(大木琢郎) 谷原章介(光山杏仁) 北川景子(星野寛子) 大島美幸(橋野本江) 佐田真由美(來香) 池内博之(狭間真介) |
映画「ハンサム★スーツ」のあらすじ・内容
定食屋を営む心優しいブサイク・大木琢郎。料理の腕前も人柄も完璧でお客さんや友人からは愛されている男なのですが、顔のことで女性からは敬遠されてしまうために、女性とはまったく縁がない日々を送っていました。
そんなある日、琢郎の店にアルバイトとしてやってきた超美人の女性・寛子ちゃん。美人な彼女に惚れた琢郎は思い切って彼女に告白しますが、あっさりとフラれてしまいました…。
彼女にフラれたことを引きずりながらも洋服の青山にスーツを買いに来た琢郎は、そこで着るだけでハンサムになれるスーツ『ハンサム・スーツ』を手に入れます。
ハンサムに変身した琢郎は光山杏仁として瞬く間に人気カリスマモデルに!これで寛子ちゃんにも好かれるはずだったのですが…。
映画「ハンサム★スーツ」のネタバレ感想
ブサイクがイケメンになるスーツをゲットして、今まで体験したことのないイケメンライフを楽しむというくだらない展開や、落ち着いた印象のある谷原章介さんがあんなに振り切ってイケメンを演じているのはとても面白かったです!
適度に入るくだらない笑いどころ、ブサイクと美女の恋模様なども個人的には気に入りましたし、世代を問わず響くような映画中の歌もかなり魅力的な映画になっています。
ブサイクの扱いがなかなかにひどい
ブサイクがイケメンになるというテーマがテーマなだけに、映画中でのブサイクの扱いはなかなかにひどいものになっています。かなり極端な表現で「ブサイクの人生は虐げられている」という表現がなされているので、人によっては少し不快に感じるかもしれません。
映画冒頭でブサイクについて、琢郎についての紹介がされているのですが、「ブサイクとは文字通りブサイクのこと」「ブサイクな人生」「くしゃみで細菌兵器をばらまかれたように逃げられる」と、かなりひどい紹介をされています。
個人的にはブサイクをテーマにしている映画だからこそ、下手に控えめにブサイクを擁護するような生易しい表現をするよりも、これくらい振り切った表現をした方がいっそ清々しいし、だからこそ笑えるものがあったのだと感じました。
ブサイクな主人公・琢郎のキャラも良かったですね。
ブサイクだからと女性にぎゃいぎゃい言われるもののお客さんや親友からは愛されていますし、真っすぐに自分と向き合ってくれる人からは好かれている感じが良きブサイクキャラといいますか、愛すべきブサイクキャラだったと思います。
くだらなくて笑えるTHE・コメディ!
今作はTHE・コメディ映画!と言えるようなくだらなさとお約束感があって、個人的にはかなり笑えるものがありました。
しかし、ただ笑えるだけでなく、琢郎の恋模様ではテンポよく女性関係の展開が進んでいき、どの女性と交際を目指しているのか、最終的にどの女性を選ぶのかが分かりにくくなっているので、笑いながらもドキドキ観られるような展開だったと思います。
ハンサム・スーツ関連の話もかなり笑えましたね!ハンサム・スーツがそもそも洋服の青山で開発されているのもインパクト大ですし、店長も実はハンサム・スーツを着ていて中身は温水洋一さんというのも面白いです。
ハンサム・スーツを試着した時の展開は特に好きで、イケメンのビジュアル・声ともに多種多様なイケメンを揃えている細かい演出も良かったですし、ハズレボイスに当たった時に谷原章介さんが声に合わせて独特な動きをしているのが面白かったですね。
そして、ベストなイケメンビジュアルと声を手に入れて光山杏仁となった琢郎に対して周りの態度が露骨に変わりながら、ハンサムになって実感できる得がかなり些細なものだったのも妙にリアルで、面白かったし良い演出だったと思います。
また、ちょっとした演出で登場する芸人さんたちもいます。今作ではメインのキャラクターをドランクドラゴンの塚地武雅さん・森三中の大島美幸さんが演じていることもあり、それぞれの相方さんやバナナマンの日村さんといった芸人さんが登場します。
イケメンスーツがお湯で脱げてしまった琢郎を見かける通行人、モトエさんと衝突したバイクの運転手、次期イケメン・スーツ使用者など、ストーリーに直接的に関係があるキャラクターではないのですが、個人的には主張し過ぎず弱すぎない良いキャスティングだったと感じました。
他にも細かい笑いどころがストーリーの各所に散りばめられています。何も考えずに観て笑えるような映画になっているので、コメディ映画好きな方はぜひチェックしてみてください!
谷原章介さんが振り切っている
私の中で谷原章介さんと言えば『王様のブランチ』でニコッと爽やかに笑っている落ち着いた男性という印象が強かったのですが、今作ではずっとイケメンとして動き回っていたりふざけて、イケメンとして振り切っている姿にはかなりビックリしましたが、それと同じくらい笑えました。
イケメンの谷原章介さんが「センキュッ」とぎこちなくウインクしていたり、分かりやすくカッコつけて話したりしている姿は今作でしか観れないような振り切っているキャラで、観ていてかなり面白かったですね。
個人的に一番好きだったのは谷原章介さんだけど中身が琢郎というシーン。
真介から「來香の家にいるから来いよ」と電話を掛けられた時、イケメン・スーツを着たままこっそり声だけ琢郎に戻して電話に出るというシーンがあるのですが、その時の自然な琢郎感というか、声に合わせて琢郎っぽく動いている谷原章介さんが本当にイケメンの皮を被っているように感じられて面白かったです。
ただのイケメンが演じているのではなく、落ち着いたイメージのある谷原章介さんが演じていたからこそ笑えたのだと思います。そう考えると、光山杏仁役として谷原章介さんはピッタリでしたね!
コンプレックスを抱える者同士の恋
今作ではハンサム・スーツを手に入れたブサイクというストーリーがメインになってくるのですが、その中にはコンプレックスを抱える者同士の恋模様も描かれており、コメディ要素がメインではあるもののそれ単体でも楽しめるようなストーリーだったと思います。
琢郎がブサイクであることを気にして恋に消極的だったり見た目のことばかり言われ続けることにコンプレックスを抱えていたように、寛子ちゃんも美人であることを気にして自分に寄ってくる男性に対して不信感を抱いていたり、見た目だけを褒められることにコンプレックスを感じていました。
ブサイク・美人と美醜の違いはあれど、誰も内面を見てくれないことを気にしているという同じコンプレックスを抱えている者同士の恋模様というのが個人的には面白かったです。
人間は内面が大事というのはもちろんありますが、他人と接するときに一番最初に入る情報は結局見た目ですし、見た目の好みというものが人によってあって、外面が自分の好みで内面も良いというのがベストなわけですから、外面を見ずに内面を見てほしいというのは現実的には難しいですよね。
今作の外面ではなく内面重視の恋、コンプレックスを抱える者同士の恋というストーリーが、映画『シュレック』に少し似ています。
怪物であることを気にしているシュレックと美人のフィオナ姫との恋模様というのが、琢郎と寛子ちゃんの恋模様と似ている部分がありますし、相思相愛なのにイケメンになろうとしているテーマは『シュレック2』の方と似ていました。なので、シュレックが好きな方は今作の恋模様も気に入るのではないでしょうか。
洋服の青山で手に入るハンサム・スーツ
ストーリーの要となるハンサム・スーツの販売元がスーツの大手『洋服の青山』というのは面白いですし、設定も適度に細かくて良かったと思います。
映画のテイストとしてはコメディなものの、不思議なアイテムで人生を変えようとするテーマ、ハンサムになるスーツというのは『笑うセールスマン』や『世にも奇妙な物語』などで出てきそうな不思議アイテムなので、それらの作品がお好きな方ならば気に入る映画なのではないでしょうか。
悪くいうとよくありそうなテーマではあるのですが、コメディ映画ということでかなり笑えますし、コンプレックスや恋愛要素も盛り込み、どことなく他とは違った雰囲気のある映画だったと思います。
ハンサム・スーツの設定は適度に細かくて、スーツを身体に密着させるために掃除機を使っていたり、試着用スーツはお湯に弱く、プレミアム版にすればお湯に強くなるけどもう脱ぐことができないというのも良かったですね。
完璧過ぎず適度に欠点がある方がストーリー的に盛り上がりますし、面白い展開もたくさん盛り込めたのかなと思います。
最後は王道のハッピーエンド!
イケメンになったことで琢郎の心が荒んでしまったり、琢郎としての人生を捨てようとする展開になったりはしますが、最後にはコメディ盛り込みつつ、どんでん返しもあり、王道のハッピーエンドになったのも良かったです。
ブサイクな人生が不幸だと感じた琢郎はプレミアム版ハンサム・スーツを着て東京ガールズコレクションに参加しますが、本江の事故の知らせを聞いてブサイクな本当の自分に戻ることを決意し、リストバンドのおかげで琢郎に戻れるという展開にはなるほど!となりましたね。
伏線というほど大げさなものでもありませんが、リストバンドのことが琢郎に戻るきっかけになっていたり、本江がブスになるスーツ・ブスーツで寛子がそれを着ていたということに繋がっていたり、コメディ映画とは思えないほどちゃんと冒頭とラストの展開が繋がっていて良かったです。
最終的に寛子に行くと思っていたので本江の方に告白に行った時には少し驚きましたが、寛子が自分の見た目を気にせず、中身を見て自分を選んでくれたんだと喜んでいる姿、何だかんだで1番最初に好きになった人同士がカップルになる感じは、王道の少女漫画を思わせましたね。
結末からみても、恋愛映画がお好きな方にもおすすめなコメディ映画です!
幅広い世代に響く劇中の歌
今作では映画中にかかる歌も良くて、いい雰囲気にストーリーを盛り上げてくれますし、若い世代からドンピシャ世代の方にまで響くような名曲揃いの歌のチョイスだったので、世代を問わずにテンションが上がるような歌だったと思います。
映画中に流れる歌は全8曲!今作の主題歌でもあり、重要なシーンでは必ず流れる渡辺美里さんの『My Revolution』は特に流れる回数が多くて、最後の最後にはご本人も登場しました。
その他の曲が流れるシーンは様々で、琢郎が寛子ちゃんに恋する重要シーンで『LA・LA・LA LOVE SONG』が流れていたり、ヨネさんに琢郎として光山杏仁の姿で声を掛けてしまったギャグシーンで『DA.YO.NE』が流れたりすることもあります。
ぼーっと笑いながら観ている時にそんな大御所の歌ばかり流れるとは思っていなかったので、そんな歌があることでコメディなストーリーと相まってさらに笑えると感じました。
流れる歌はどちらかと言えば渋めな歌ばかりになっているのですが、有名どころだけチョイスされているので、若い世代でも何となく分かる歌や知っている歌ばかりですし、ドンピシャ世代の方にとっては懐かしい!と思えるような絶妙なチョイスだったと思います。
そもそもコメディ映画自体が年代を問わずに楽しめるものではあるのですが、こういった懐かしい歌を映画中に流すことでさらに世代を問わずに楽しみやすく、親近感を持ちやすくなったと感じます
ちなみに、個人的に一番好きだったのは『DA.YO.NE』。流れる時間自体は短いのですが、セリフと動きに合った絶妙なタイミング、チョイスだったと思っています。ぜひ『DA.YO.NE』が流れるシーンをチェックしてみてください!
車いすでイケメンの男性に批判もあるらしい
私自身はコメディ映画として楽しく視聴しましたが、感想の中には琢郎の友人として「車いすでイケメンの男性」が登場することに批判もあるそうです。
そういった批判があることにも納得はできますが、今作をコメディ映画というだけでなくコンプレックスを抱えた者の恋模様や幸せを描いているのだと考えれば、車いすである友人になんら違和感はないと思っています。
ブサイクだって車いすに乗っていることだって、同じように変えることができない身体的特徴ですし、何をコンプレックスに思っているかというのは人によって異なるものですから、テーマには反してはいないと感じました。
車いすに乗っている必要性があるのかと問われれば、絶対に車いすでなければいけなかったということはないですが、ブサイクがもしイケメンだったら…と思うことがあるように、車いすに乗っている方ももし自分の足で歩けたら…と思う事だってあると思うのです。
最近だと『パーフェクトワールド』というドラマが放送されており、車いすに乗っていることで恋愛に対して消極的である男性のこと、車いすに乗っていることに対する世間の目、日常生活のことが描かれていて、ブサイクをテーマにした今作の映画と似ている部分は多いと感じました。
今作はそこまで障がいのことを深く掘り下げているわけではないので何とも言えませんが、ブサイクであることで日常生活に何かしらの損がある、車いすに乗っていることで何かしらの損がある、美女であることで損することがあるように、もしこうだったら…と憧れを抱くことも誰にでもあるのではないでしょうか。
健常者・障がい者、ブサイク・イケメン、美女・ブス問わず、損することや憧れるものはだれでもあるし、幸せになる人は幸せになるという普通のことが今作では描かれていたと思っております。
「ハンサム★スーツ」はハッピーエンドなコメディ映画!
ブサイクがイケメンになれるスーツ、谷原章介さんの振り切ったイケメン役、豪華なキャストや映画中に流れる歌で笑える部分が多いコメディ映画というだけでなく、ブサイクと美女の恋模様も楽しみながら、最後にはほっこりと笑顔になれるようなハッピーエンドの映画だと感じました。
イケメンとして振り切っている谷原章介さんは特に笑える部分なので、何も考えずに笑いたいときにはぜひ今作を観てみてください!
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※2019年6月現在の情報です。