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映画『エスター』のあらすじ・ネタバレ感想!子役の演技がすごいサスペンスホラー

映画「エスター」のあらすじ・内容

2009年の10月に日本で公開された「エスター(原題:Orphan)」はアメリカのサスペンスホラー映画です。

子どもを題材として書かれた作品で、子役たちの怪演、好演が大きな話題となりました。

今回は10年を経た今でも異色の存在感を放つ映画「エスター」の感想や解説、考察をネタバレを含んで書いていきます。

目次

映画「エスター」を観て学んだこと・感じたこと

・子役とは思えない「エスター」の圧倒的存在感!
・設定の突っ込みどころはあるが、怖さを堪能したいならこれでOK
・思い切りエスターを憎んでストレス発散!

映画「エスター」の作品情報

公開日2009年
制作スーザン・ダウニー
レオナルド・ディカプリオ
監督ジャウム・コレット=セラ
脚本デヴィッド・レスリー・ジョンソン
出演者ケイト・コールマン/ヴェラ・ファーミガ
エスター/イザベル・ファーマン
ジョン・コールマン/ピーター・サースガード
ダニエル・コールマン/ジミー・ベネット
マックス・コールマン/アリアーナ・エンジニア
シスター・アビゲイル/CCH・パウンダー

映画「エスター」のあらすじ・内容

映画「エスター」のあらすじ・内容

3人目の子どもを死産し、悲しみに暮れるコールマン夫妻は、生まれるはずだった娘の代わりに孤児院から9歳の少女エスターを引き取ります。

賢く愛らしいエスターは、家族の一員としてスタートを切りますが、日が経つにつれエスターの周りで不穏な事件が頻発するようになります。

子どもたちに危険が及び、エスターに疑いを持つ母ケイトですが、父親であるジョンはすっかりエスターの懐柔されているため、逆にケイトの過去の飲酒癖を責めたて、ケイトは窮地に追い込まれてしまうのです。

エスカレートするエスターの異常な行動から子供たちを守れるのか、そしてエスターの正体とは…?

映画「エスター」のネタバレ感想

映画「エスター」の感想© 2009 Dark Castle Holdings, LLC.

衝撃のラストが話題になったエスターですが、ここではネタバレを含めて感想・考察を書いていきます。

最終的なネタバレの項目は章を分けますので、まだ「エスター」をご覧になっていない方は前半部分のみお読みください。

エスターの悪魔的な怖さ!怪演・演技力に脱帽!

とにかくまずはエスターの悪魔的な怖さ!怪演ぶりに脱帽!© 2009 Dark Castle Holdings, LLC.

エスターというのは孤児院から引き取る少女の名前で、このエスターは一見普通の女の子です。いろいろなレビューを見ても「最初はかわいい普通の子と思った。」という意見が主流です。しかし、ここは個人差があるのでしょうが、わたしは最初から違和感がありました。なんというか、子どものあどけなさみたいなものを全く感じないのです。

この役を演じるのはイザベル・ファーマンという1997年生まれのアメリカの女優さんです。7歳でカートゥーンネットワークの「Cartoon Friday」でデビューし、その後TVなどの出演を経てエスター役に抜擢されています。

目元が涼しく印象的な顔立ちの女優さんで、この映画の3年後には「ハンガー・ゲーム」に出演し、殺しを楽しむ冷酷な少女の役を好演していました。

 

コールマン夫妻との出会いのシーンでは、孤児院を訪ねた夫妻が一人ぼっちの教室で絵を描くエスターに目を留めます。近づいて話を聞いてみるとエスターはさりげなく自分が孤独なかわいそうな子どもであることをアピールします。

「退屈ならパーティに出たら?」
「出ても意味ないの。誰も私に話しかけないし・・・。変だから。」

ここで夫妻を見てニコッと笑いかけますが、その笑顔が、けなげさを演出したような、子どもらしさを感じない顔なんですよね。ライオンの絵を書きながら話をするシーンなのですが、「一生懸命絵を描いている」のではなく、「一生懸命絵を描いている自分を演出」している顔や仕草にしか感じないのです。しかもキャンバスに向き直った時の顔が一瞬怖い!

 

その後、無事コールマン家に引き取られたエスターは徐々に本性を現していきます。コールマン家にはダニエルという男の子とマックスという女の子がいますが、ダニエルがペンキ玉が出るおもちゃの銃で遊んでいた時のこと、ほんのいたずら心から鳩を撃って瀕死のけがを負わせてしまいます。

そこへ、マックスと遊んでいたエスターが登場し「あなたの責任よ、楽にしてあげて。」と大きな石を渡します。「できない。」と断ると無表情のまま鳩を石で叩き潰すのですが、はっきりとした描写がなくても、エスターが鳩を殺すことを楽しんでいるのが画面から伝わってきます。

この時、エスター役のイザベルは若干12歳です。12歳といえば日本では小学生ですよね。その幼さで人を不安にさせるような邪悪なものを伝えられるのは凄い才能ですし、本来のイザベルからはにじみ出てしまうであろう無垢さみたいなものを見事に内にしまって、完全に「エスター」を演じきっています。

子どもが異常性を発揮する映画は他にもありますが、それは無垢な子どもに邪悪な何かが憑りついたり、本来の子どもではない何かになって現れたりというオカルト的なものが主流でした。しかし、この映画では正真正銘生身のエスターが心底怖いんです。みなさんが私と同じように体の芯が凍り付くような怖さを感じるならば、それはイザベル・ファーマンの才能に他なりません。

 

ちなみに、企画段階でエスターの設定はブロンドの予定だったんだそうです。

それが、オーディションを受けたイザベルを一目見て、黒髪のキャラクターに製作側が急遽変更したんだとか。それほど、エスターの役とイザベルがリンクしたのでしょうね。

事件ではないけどやっぱりおかしいエスター

事件ではないけどやっぱりおかしいエスター© 2009 Dark Castle Holdings, LLC.

作中ではもちろんいろんな事件が起こるのですが、事件でなくても、後から考えるとあの時もなんかおかしかった…と思う描写はいくつかあります。

まず、夫妻が初めて孤児院に行った(エスターに初めて会った)日のこと。一人教室でキャンバスに向かうエスターにジョンが話しかけます。その後、二人で話をしているところにシスター・アビゲイルとケイトが入室してきて、夫妻とエスターの3人で談笑し始めます。にこやかにその様子を見守っていたシスター・アビゲイルは夫妻と目が合うと軽くウインクなどして見せるものの、その後何とも言えない不安な表情をするんです。

きっとシスターには、孤児院の生活の中で「この子は何かがおかしい。」と思う瞬間が数度あったのでしょう。しかし、断言できるほど確かなものではないうえ、思い過ごしであってほしいと、無理やり自分を納得させているような描写になっています。

そして、コールマン家に到着したエスターは、兄妹として一緒に暮らすことになるダニエルとマックスを紹介され、マックスやジョンから家族になった記念のプレゼントをもらうシーンがあります。ジョンはイーゼルをプレゼントするのですが、エスターはジョンに「ありがとう!」と抱きつき、背後にいたダニエルと目が合うとニコっと笑います。邪念のないような顔を装いますが、顔面から邪念がダダ漏れです。さらに、その抱き着く時間が「あれ?長い?…でも、よっぽど嬉しいのね…。」くらいの絶妙な長さ。注意していないと気付かないかもしれません。

 

さらに、第3子を失って以来夫婦生活はご無沙汰だったコールマン夫妻ですが、エスターが到着したその夜、何となくいいムードになります。そこで「いざ!」という時に、エスターとマックスが「雷が怖いから一緒に寝たい。」と寝室に入ってきます(おそらくマックスは夫妻の寝室で寝ようとエスターに持ち掛けられた)。

それほどまでに心を開いてくれたエスターのことがうれしく、夫妻は快く2人を寝室に招きますが、エスターは「私パパがいい!」と知って無邪気に?ジョンの隣に潜り込み、べったりと抱き着きます。

役柄は9歳の少女です。いくら孤児院にいたからって、今日いきなり父親になった男性にそこまでぴったりくっついて眠ろうとするでしょうか。もちろんジョンはそんなエスターがかわいくて仕方ない様子です。

実はこのシーン、最初に見た時は「寂しい生い立ちのせいで兄妹からパパを取ろうとしているんだな。」と思うのですが、結末まで見た後に初めて「今思えばあの時も……。」とぞっとするシーンになっています。

妹役のマックスとエスターはまるで天使と悪魔

妹役のマックスとエスターはまるで天使と悪魔© 2009 Dark Castle Holdings, LLC.

この映画のポイントの一つに、エスターの妹役マックスのかわいらしさと演技力があります。マックスには生まれつき聴覚障害があり、最初は思えたての手話で話をしてくれたエスターを姉のように慕い、一緒に遊んだりして心を開いたかのように見えますが、実は鳩を叩き潰した一件あたりからエスターに逆らえないような雰囲気を感じ取っていたのだと思います。

聴覚障害を持つゆえに、敏感で感受性が豊かな少女であり、あどけなさや明るさといった素直な子どもらしさがあります。そしてまるで天使のようなかわいらしいお顔をしていて、彼女の笑顔がこの映画の唯一明るい面ともいえるほどの存在感です。

 

ある日、シスターアビゲイルがエスターの経歴に不審なところがあるという知らせをもって自宅を訪問します。自分が不利な立場にいると知ったエスターは、マックスに「意地悪な女の人が私をさらおうとしている。助けて。」と持ち掛けシスターの殺害を計画します。

マックスにダニエルの遊び場であるツリーハウスのカギを探させ、素直でお利口なマックスちゃんはエスターを守るために鍵束を探してエスターに渡します。鍵束の中に金庫のカギを見つけたエスターは、金庫の中の銃をゲットしてぞっとするような悪魔の笑みを浮かべます。

ゲットした銃で、マックスにロシアンルーレットを仕掛け、銃口を向けて「遊びたい?」と聞くエスター。恐怖におびえながらもけなげに首を横に振るマックス。おそらくこの時にエスターはマックスに恐怖を植え付け支配を強めたのでしょう。

この後、帰路に就くシスター・アビゲイルを先回りして待ち伏せし、マックスを道路に突き飛ばしてシスターを足止めします。慌てて車を降り、マックスに駆け寄るシスターに背後から近づくエスター。そして、シスターの頭を金槌で何度も殴り撲殺し、エスターは一部始終を目の前で目撃し恐怖に震えるマックスにお前も共犯だと脅します。ここからエスターによるマックスの支配がはじまります。

 

マックスはアリアーナ・エンジニアというカナダの女優さんで、エスター出演当時は8歳でした。役どころを見ると5~6歳くらいの設定のようですが、怖い思いをしながらも、けなげに家族を守ろうとする姿に胸が締め付けられます。生まれつきの聴覚障害の設定なので、セリフは一言もありませんが、それゆえに表情や目だけで感情を表現せねばならないにもかかわらず、セリフ以上の説得力や共感をもたらすのはさすがの一言です。

また、アリアーナは実際にも聴覚障害があり、同作品のほかにも「バイオハザードⅤリトリビューション」にも聴覚に障害のある少女の役で出演しています。マックスの天使のようなかわいらしさは、この作品の中で唯一心が和む点ではないでしょうか。

映画「エスター」の根幹をなすイライラポイント3つ

【解説】オカルト映画にはない「憎たらしさ」にイライラ!

1.オカルト映画にはない「憎たらしさ」にイライラ!© 2009 Dark Castle Holdings, LLC.

ホラー映画といえば、真っ先にオカルト(悪魔や超常現象など)を思い浮かべますが、この映画はサスペンスホラーなので、そういった人知を超えたものは登場しません。オカルト映画はドキドキしたりぞっとしたりしますが、この作品はそれにエスターの憎たらしさがプラスされるので、何とも言えないイライラが体験できます。

エスターはたくさんの悪事を働きますが、その際の表情、小賢しさ、残虐さといったら、幽霊や悪魔がかわいく見えるほどです。オカルト映画では対象を怖いと思うことはあっても憎いと思うことはないですよね。エスターは今すぐ画面に入り込んで張り倒してやりたいほど憎たらしいです(これもイザベルの演技力のなせる技です)。

オカルト映画では、恐怖が主人公への共感となりますが、この映画では恐怖に加えて憎たらしさも、ケイトやマックス、またはダニエルに感情移入する手助けをしてくれます。

【解説】短絡的思考回路で思慮の浅いコールマン夫妻にイライラ

2.短絡的思考回路で思慮の浅いコールマン夫妻にイライラ© 2009 Dark Castle Holdings, LLC.

そもそもエスターを引き取ったいきさつは、第3子を死産してしまった夫妻が、この子の代わりとして孤児院から子供を引き取ろうと決めたことに始まります。

この夫婦、なぜ2人の子どもを持ちながら養子をもらおうとしているのでしょうか。死を悼む気持ちは理解できますが、それならなおさら二人の子どもを大切に育てるべきではないのかと思うんですよね。

寂しさをペットで埋めるかのように「そうだ!女の子を引き取って育てよう!」だなんて短絡的にもほどがありますし、自分らの心の穴を子どもに埋めてもらおうという魂胆が丸見えです。十分な話し合いもなされている描写はなく「ジェシカのための愛を必要な子供にあげたいの」この発想自体が完全にアウトです。

ジェシカ(死んでしまった女の子)のための愛は本来ジェシカだけのもの。他の子どもに与えることはできないし、与えられる子どもも傷付くはずです。どうしてこの親は二人も子どもを持っていて、そんな当たり前のことがわからないんでしょうか。この点もイライラポイントです。

イライラの権化は頭の鈍すぎる父親・ジョン

そして、イライラの真骨頂といえばなんといっても父親のジョンです。この男はとんでもないウスノロで、さんざんエスターは何かがおかしいとケイトが警告してもまるで取り合いません。

シスター・アビゲイルがエスターの不審な点を知らせに訪問してくる場面があります(この帰り道に彼女はエスターに殴り殺されます)。シスターは前の学校で男の子が不審な事故にあった時そばにエスターがいたとか、以前の養親の家が全焼しているが、いまだに犯人が捕まっていないことなどを話してくれますが、ジョンときたら子どもがそんなことをするわけがないの一点張りです。今まさに、自分の子供に危険が及ぶかもしれないのに、どこまで危機感のない父親なのか本当にイライラします。

そんな中、妻のケイトはエスターに対してますます疑念を深めていきますが、ケイトは以前にアルコールの問題を抱えており、自分でそれを克服した過去があります。物語の中盤にはケイトに敵意を隠さなくなったエスターですが、ジョンにいくら訴えても逆にアルコールの過去のことを責められてしまいます。

 

また、ケイトの希望でエスターにカウンセリングを受けさせますが、逆にカウンセラーはケイトの心の問題を指摘し、エスターに問題はなく、懐こうと努力しているのに受け入れないケイトが問題だとふざけた事を言い出します。ジョンに負けず劣らず鈍い頭のカウンセラーですが、ジョンはそれを聞いてますますドヤ顔です。

このシーンは「イライラ×イライラ」で、ケイトが孤児を養子にしようとした浅はかさも薄れてきます。映画中盤からはジョンやカウンセラーのバカさ加減がケイトへの共感を後押しします。ケイト以外の大人があんまりとんまなので、消去法でケイトにしか共感できない仕組みです。

しかもこの父親、ダニエルがエスターに殺されかけても、まだケイトに「君は疲れて混乱している。」とのんきなことを言っています。以前いたはずの孤児院には記録がなく、エスターの所持品に記載されていた施設の名前は精神病院のものだったとケイトが訴えても、「君の話は信用できない」と言うのです。

ダニエルが瀕死になって意識不明になったのはツリーハウスの火事が原因なのですが「エスターかダニエルしか犯人がいないのよ!」といえば「それは…」でだんまり。本当に、頭に虫でも湧いているのでしょうか、この父親は。とことんエスターをかばい倒します。はっきり言って不自然なくらいです。

ジョンが迎えた養子がもし男の子だったら、ここまで信じて騙されたのか?と疑いたくなるようなかばい方に本当にイライラさせられます!

【ネタバレ】映画「エスター」の後半の感想!

自業自得としか思えない父ジョンの最後

自業自得としか思えない父ジョンの最後© 2009 Dark Castle Holdings, LLC.

ダニエルもケイトも入院してしまい、ジョンはマックスとエスターを連れて自宅に戻ります。マックスがベッドに入った後、そっと補聴器を取り上げるエスター。何か企んでいるとしか思えません。

それもそのはず、エスターはどぎついドレスと化粧で酔ったジョンに迫ります。「ジョン、私に任せて。」びっくりして飛びのいたジョンはやっとエスターに出て行けと言い渡します。そして怒り狂ったエスターにナイフでめった刺しにされるという最期を遂げるのです。

悪役でもなく、殺人者の餌食になったにもかかわらず、これほど自業自得と思う役がかつてあったでしょうか。ジョンが死亡するシーンで、ただ一つの心配は寝室ですやすや眠っているはずの天使のようなマックスのことのみです。

設定にはやや無理がある!?でもエスターが色ボケしている理由は納得

設定にはやや無理がある!?でもエスターが色ボケしている理由は納得© 2009 Dark Castle Holdings, LLC.

エスターが色仕掛けで迫っている頃、入院しているケイトのもとに、エスターの出身地であるロシアから一本の電話がかかってきます。話の内容はエスターが本当は9才でなく、ホルモンの異常による発育不全で子供に見えるが、実は33歳の大人であること、残虐性があり非常に凶暴な患者だったことを知らされます。

一方、ジョンに拒絶されたエスターは、化粧がぼろぼろに剥げ落ち、老け顔になって復讐心を燃え上がらせます。部屋で化粧をふき取ったエスターが、一気におばさんのような顔になるのは必見です。

おばあさんの顔なら特殊メイクなのでしょうが、このシーンでエスターの顔に施されているのはどう見ても普通の老け顔メイクです。うっすらと分かるくらいのほうれい線も、33歳という微妙なお年頃を感じさせます。いくら12歳の子供にメイクしても、表情や仕草といった演技力がなければ老け顔メイクの効果も半減ですが、ここからのエスターの顔は完全におばさんなので、ここもイザベルの演技力が凄いポイントでしょう。

ケイトは雪の中を爆走して自宅に向かいジョンの遺体を発見しますが、部屋にマックスの姿がありません。補聴器を取り上げられ、音にハンデがあるはずのマックスですが、家じゅうを上手く逃げ回って隠れています。最後に温室に逃げ込んだ時、ガラスの屋根からケイトが「そのままそこに隠れているように」とマックスに手話で伝えます。

 

その後、お決まりのケイトVSエスターの対決となり、激しい乱闘の末、エスターは気絶して倒れたので銃を取り上げ、親子は外に逃れます。ちょうどそのころ道の向こうからパトカーの点滅が。やっと警察が来て家の中の血みどろジョンを発見しました。

でも視聴者は知っています。エスターは死んでいないことを。アメリカの映画によくある最終場面ですね。とどめを刺さずに終わった気になってしまう。そしてケイトが逃げるべきも森の中ではなく、家の中を捜索している数名の警察官のもとがベストのはずです。

でもなぜかケイトはマックスを抱いて、家の敷地内にある凍った池の方に逃げていきます。そこでよみがえったエスターとケイトは凍った池の薄氷の上で再び対決となります。

 

演技力はともかく、細かい設定については突っ込みどころもあります。数々の悪事を働いたエスターですが、大人のやり方としては穴だらけだし、大して計画的でもないんですよね。性根の腐った子どもなら思いつくような犯行の数々ですし、誰かに見られたら一発アウトで詰めが甘いことばかりだと思いました。

要するに犯行が短絡的すぎて、大人の女性という設定ならもう少し緻密であってもよかったのかなと思います。おまけに実は大人だったオチは、推理小説で完全なアリバイがある犯人が実は双子だった、という禁じ手な気がしなくもないといった印象はあります。幼稚な残虐性というもののほうがしっくりくると思うのです。

ただ、ジョンに色仕掛けで迫ることの不気味さは、実は大人だったというオチでしかうまく収められないかもしれません。エスターの色仕掛けがこの映画に程よい気色悪さを与えているのは事実ですからね。

怖さ+不気味さ+憎たらしさ!誰かを憎みたいときは必見です

怖さ+不気味さ+憎たらしさ!誰かを憎みたいときは必見です© 2009 Dark Castle Holdings, LLC.

エスターはジェイソンのようにかわいそうな過去があるわけでもなければ、悲劇的な死に方をした悪霊でもありません。思い切りエスターを怖がり、憎んで、最後のシーンでケイトに「あたしはあんたのママじゃない。」と蹴り飛ばされて、変な方向に首が折れるエスターを見てスカッとしてください。

ダニエルの命も助かったし、ジョンは死んでしまいますが自業自得なので意外と後味はスッキリです。ストレス社会といわれる昨今ですから、ぜひエスターを見て疑似復讐体験を済ませ、心穏やかに暮らしていきたいですね!

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