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劇場版「Fate/stay night Heaven’s Feel Ⅱ」のネタバレ感想・解説!間桐桜を守る士郎を描いた2作目

映画「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterflyのあらすじ・内容

映画『劇場版「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterfly』(以下Heaven’s FeelⅡ)は有名アダルトゲーム『Fate/stay night』の映像化作品です。

『Fate/stay night』には大きく3つの攻略ルートがあり、その3つ目のルートが『Heaven’s Feel』です。映画としては3部作構成になっており、『Heaven’s FeelⅡ』はその2作目にあたります。

今回はそんな『Heaven’s FeelⅡ』の個人的な感想やネタバレ解説を書いていきます!

目次

映画「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterflyを観て学んだ事・感じた事

・自分の信念を折り曲げてでも愛する人を受け入れることの尊さ
・これまで映像化されているFate作品を鑑賞しているとより楽しめる!

劇場版「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterflyの作品情報

公開日2019年1月12日
監督須藤友徳
脚本桧山彬(ufotable)
出演者衛宮士郎(杉山紀彰)
間桐桜(下屋則子)
間桐慎二(神谷浩史)
セイバーオルタ(川澄綾子)
遠坂 凛(植田佳奈)
イリヤスフィール・フォン・アイツベルン(門脇舞以)

映画「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterflyのあらすじ・内容

映画「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterflyのあらすじ・内容(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

7組の魔術師<マスター>と英霊<サーヴァント>が万能の願望機「聖杯」をめぐり戦う「聖杯戦争」。主人公の衛宮士郎もマスターの1人としてこの聖杯戦争に参加しますが、第一部『Heaven’s FeelⅠ』で自身のサーヴァントであるセイバーを失ってしまいます。

しかし、本作のヒロインである間桐桜を守るため、それでも士郎の聖杯戦争は続いていきます。

各陣営のマスター、サーヴァントの思惑や謎の黒い影が入り乱れ、『Heaven’s FeelⅡ』では聖杯戦争は更なる混沌に誘われていきます。

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劇場版「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterflyのネタバレ感想

士郎が桜を殺そうとするシーン。士郎という人間の在り方

士郎が桜を殺そうとするシーン。衛宮という人間の在り方(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

本作の見所の一つに、士郎が桜を殺そうとするシーンがあります。

街の人々にこれ以上犠牲を出さないため、士郎は桜を殺すことを臓硯に勧められます。包丁を持った士郎は桜の寝室に入り、桜を殺そうとします。普通なら主人公がヒロインを殺してしまうなんて考えられないですが、士郎ならやりかねません。

何故なら、本作の主人公である衛宮士郎は「正義の味方」になりたかったからです。それ故に、あまりにも自己の犠牲を軽く見るその精神は、他ルートでは人として狂っているとまで思われる程でした。

 

ここでいう「正義の味方」は「最大多数の最大幸福」を実現するため、例え100人が死ぬことになるのであれば、10人の犠牲は結果的に仕方ないと考えそれを実行する者です。そして、士郎は10のために自身の命も投げ出すような人物です。

そんな人間なので桜を殺すことが正義であると考えますが、葛藤の末、士郎は涙を流し桜を殺すことができませんでした。

ここまで士郎が涙を流したシーンは他ルート含めてありませんでした。今まで使命だけを追い求める人形同然だった士郎が、人の心を手に入れた瞬間でした。このシーンは泣けましたね。

 

普通に考えれば、一人の少年が初めて愛した一人の少女を殺せるわけがありません。

当たり前なことではありますが、士郎はその当たり前を今まで犠牲に、というより選択肢にすら入れることなく人生を過ごしてきたのです。

結果として他ルートでは英霊<エミヤ>となってしまいますが、このルートでは「正義の味方」ではなく「桜だけの正義の味方」になることを誓ったため英霊にはなりません。こうして士郎はただの人になったわけです。

士郎を人間にできるのは桜だけ!だから桜は不遇ながらも人気のヒロインなのですね。桜や桜ファンが長年の時を経て、ようやく報われた気がしました。

士郎の葛藤のシーン、その時桜は

士郎の葛藤のシーン、その時桜は(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

桜側からの解説も補足しておきます。このシーンの桜は起きていた描写がありましたが、士郎に殺される覚悟もしていました。

桜は士郎のことが大好きですから、士郎がどういう人間かはわかっています。前シーンの桜の「先輩は誰も裏切らない人です」というセリフは多数を支持し、自分が殺されることへの覚悟の表れです。

このシーン士郎に対して「裏切るのか」というメッセージ、英霊化するパターンのエミヤ達(士郎の内側)からの物です。それに対して「裏切る」と決意した士郎。桜のために信念を捨て「桜だけの正義の味方」が誕生しました。個人的にはこの時点でで気持ち的にはハッピーエンドでした。

そりゃあもう桜も感涙しますよね。そんな士郎の決意を受け、桜もまたこの事態に決着をつけることを決意します。

桜に殺される間桐慎二という男

桜に殺される間桐慎二という男(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

決意をした桜は間桐臓硯を倒すため間桐邸へと戻り、そこで間桐慎二(ワカメ)と出会います。

結果として、間桐慎二は桜を犯そうとして桜に殺されてしまいます。これにて慎二の一生は終了です。

桜ファンや当時ゲームをプレイした人にとっては「もっと苦しみながら酷いやられ方をして欲しかった」と思ったかもしれませんが、このワカメ野郎にも同情の余地が少しくらいあるのは確かで、死にゆくワカメへの送別として解説をそえておきます。

 

まず、間桐慎二は才能には恵まれませんでした。努力はしましたが、これっぽっちも見込みが無かったんですね。

慎二も昔はここまでひどい奴ではありませんでしたが、間桐の正統な後継者が桜であると知ったことで慎二の中で何かが崩壊してしまいます。それ以後、桜に暴力を振るうようになったり、仲の良かった士郎にも無茶苦茶やるようになってしまいました。

慎二は構って欲しかっただけなんですよね。どんなに理不尽なことをしても桜は人形のよう、士郎はどんなに雑用など押し付けても笑顔で受け付けまったく怒らない。きっと相手をされてないと感じてしまったのでしょう。

なんというか、たまたま周りに居合わせた人たちが特殊すぎたのかもしれません。

 

そうして長年たまった劣等感や疎外感が爆発した瞬間が、学校で凛やアーチャー、桜、ライダー、士郎が対面するシーンの「こっちを見ろおおおおお!!!!!」につながります。

7組のマスターとサーヴァントが巻き起こす聖杯戦争という物語のスケールに対して、彼の存在はあまりにも矮小すぎたのです。ね、かわいそうでしょ?

というものの、やはり桜に対する扱いは擁護できるものではなく「死んでせいせいした」という気持ちのほうが100倍強いですね。加えていうなら慎二を殺してしまった桜はショックを受けて暴走、黒い影と完全に同一化してしまうのですが「死ぬときまで迷惑かけるな!」と感じました。

映画はR15指定!刺激の強い桜のシーン

映画はR15指定!刺激の強い桜のシーン(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

この映画はお子様には少々刺激の強い話でもあり、この映画…R18だったっけ?と思う様な描写もあったりします。(実際はR15)。

『Fate/Zero』のアニメや『Fate/Grand Order』の成功ですっかり薄れていってしまいましたが、原作はエロゲですからね。

注目ポイントはやはり「私、処女じゃないですんよ」というセリフと共に、指チュパ
をする桜の求愛でしょうか。それぞれ解説していきます。

 

「私、処女じゃないんですよ」はFateの中でも印象に残るセリフだと思っています。

『Heaven’s FeelⅠ』や『Heaven’s FeelⅡ』では、白い雪のシーンや白いワンピースの桜、先輩思いのとってもいい子で、守ってあげるのが当然と思えるようなヒロインでした。これでもかってくらい白い桜が印象的でしたね。

今となっては、全てこのセリフへの前振りではないかと思わせるほどです。

ただ、桜に凄惨な過去があったことを思わせるインパクトのあるセリフでした。声優である下屋さんの演技も完璧で、桜を守らずにはいられない気持ちになってしまいます。

 

桜が性欲を抑えられず、士郎の血を舐めるシーンがあります。確か全年齢版のソフトのためにベッドシーンの代わりに挿入されたシーンだったはずですが、やってくれましたね。

このシーンがあったので、ベッドシーンはないのかと思っていましたが、しっかりとベッドシーンもありました。

あまり多く語ることはないですが、士郎は身も心も桜を受け入れます。桜の全てを受け入れる士郎、大切な意味を持つシーンです。

セイバー・オルタvsバーサーカーは迫力のあるシーン!

セイバー・オルタvsバーサーカーは迫力のあるシーン!(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

他ルートと比べて英霊達の影が薄い本ルートですが、ここで存分に出し切ってきました。

セイバーを失った士郎、このままでは戦う術がないのでイリヤに共闘を申し込みにいくことにしました。

イリヤの城には辿り着きましたが、間桐臓硯とアサシンがイリヤとバーサーカーを襲撃している場面に出くわします。同じくイリヤに共闘を申し込みにきていた凛とも合流しました。

 

そして、臓硯陣営から姿を現すセイバー・オルタ。セイバー・オルタvsバーサーカーの幕開けです。

とは言ってもオルタ側には黒い影の力があり、バーサーカーは影が紐状になったものに完全に捕らえられてしまいます。バーサーカーは強すぎていっつも縛られてる気がしますね…。

だがしかし、これで終わるバーサーカーではありません。自らの身体の限界を超え、セイバー・オルタに立ち向かっていきます。本当化物としか表現できないような強さでしたね。

イリヤを守りたいからこそのもので、喋ることはできませんがバーサーカーの一挙手一投足からその気持ちが伝わってきました。

 

黒の影の話ですが、その実態は聖杯の中身です。つまり、セイバー・オルタはこの時魔力を制限なく扱えます。

そんなセイバー・オルタはエクスカリバーを連発。もちろん「エクスカリバー」なんて叫びません。完全にチートでしたね。

他ルートで一発放つだけで大体勝敗を決めてきたエクスカリバーですが、バーサーカーは十二の試練(ゴッド・ハンド)で対抗、12回死なないと完全には死にません。セイバーにエクスカリバーを連発させなきゃいけないだけでも、バーサーカーの強さが際立ちます。

しかもこいつ、黒の影の影響で並の英霊なら身動きが取れないほどの制限を受けてますからね。

 

セイバーが対城宝具を連発するので、アインツベルン城はもうボロボロ…。エクスカリバーで殺しきるかと思ったのですが、なんと最後はセイバーのクロスカウンターが炸裂しセイバーの勝利、殴っても強い騎士王でした。

ここら辺は「バーサーカーの負け方が想像できない」とのことでこうなったんだとか。
大迫力の戦闘としてとても良いシーンだったと思います。

セイバー・オルタとバーサーカーの戦いで死人は出ませんでしたが、現場は間違いなくこの戦場並の火事場になっていたことでしょうね…。

メルヘン桜と慢心王ギルガメッシュ

メルヘン桜と慢心王ギルガメッシュ(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

ここからはアニメオリジナルの要素について触れていこうと思います。

本作はアレンジやオリジナルが目立つ作品でした。原作ファンがうるさい昨今、オリジナルを入れながら、これだけ原作ファンも満足させるクオリティに仕上がっているのは素晴らしかったです。監督の作品に対する愛がこちらにも伝わってくるようでした。

 

まずは桜のメルヘンシーン。街にフラフラと出かけていき、ナンパしてきた男たちを食べてしまうシーンです。

ここの文章自体は原作にもあるのですが、原作では地の文のみの表現でメルヘンな世界観になっているのは映画オリジナルです。

そのまんまやるより逆にホラーめいていてとても怖かったですね…。道中川を流れる人形は既に桜が取り込んだ英霊達でした、細かいところまでしっかり描かれています。

 

男どもを食べる桜、そこに現れる英雄王ギルガメッシュ。ギルガメッシュは慢心しています。

慢心はいつも通りのことなのですが、今回は慢心に足る理由もあるので彼の名誉のために解説しておきます。

『Fate/Zero』(前回の聖杯戦争)において、ギルガメッシュは聖杯の中身に飲み込まれそうになったところ、それらを受け入れて受肉を成功させています。なので、例え聖杯といえどもある程度あれば自身で対抗出来うると考えていたのではないでしょうか。

結果として、聖杯の中身はギルガメッシュの想像以上に成長しており「よもやそこまで───」と感嘆、驚愕の入り混じった感情を込めながらセリフを吐いて退場してしまいました。

原作よりは粘りましたが、その慢心っぷりには思わず吹き出しそうになってしまいましたね。「ギル様弱すぎない!?」と上映後のトイレ近くで女の子が言っていたのを聞きました。哀れ英雄王…。

 

桜が自身満々に「あの人(言峰綺麗)じゃ私に敵わない」と言っていたシーンがありましたが、その根拠がこのあたりに関わっています。

言峰綺麗もギルガメッシュも聖杯に侵されているので、実質桜が心臓を握っている状態となっているからこその発言ですね。

藤村大河の重要な役割

全てのルートで後半ほぼ出てこない藤村大河ですが、本作では非常に重要な役割を果たしてくれました。

ベッドで寝込む桜と藤村先生が対話するシーン、ここは完全にアニメオリジナルです。

衛宮切嗣がひいきしてた話や、何度も外国に行っていた話。もちろんイリヤに会うためですが、結局一度もイリヤに会うことは叶いませんでした。それでも最後までイリヤのことは大切に思っていました。

前半に切嗣の名前を出した途端不機嫌になるイリヤのシーンがありましたが、これで誤解が解けてくれればいいなと思います。

 

私と観に行った友人(原作未プレイ)は「なんであそこで急にあんな話になったのかわからない」と言っていたので、話の繋がり的にはちょっと無理があったのかもしれませんが、個人的にはそれでも組み込む価値のあるとても良いシーンでした。

切嗣は最後までイリヤのことも思っていたわけですから、それが誤解で終わっちゃうのは悲しすぎますよね、イリヤにも救いがないと。

劇場版Fateの第三部の公開予定日も決定!

劇場版Fateの第三部の公開予定日も決定!(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

『Heaven’s FeelⅡ』本当に最高の出来で、第三部に向けて期待が抑えられません。

多くの人がそういった気持ちだと思いますが、ハードルが上がりすぎて少し心配ですね。

 

そして、第三部は2020年春公開とのこと!最後のあのシーンとピッタリだな、って原作ファンならみんなニヤニヤしてることだと思います。

今回が『劇場版「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterfly』のネタバレ感想や解説をしました。読んで頂きありがとうございます。

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