映画『MEG ザ・モンスター(メグザモンスター)』は、『トランス・ポーター』や『ワイルド・スピード』で活躍しているジェイソン・ステイサムが主演のサメ映画です。
サメ映画と言えばB級映画的なものを想像しますが、本作は普段のB級サメ映画よりも巨大な予算とスタッフで作られ、大きな話題となりました。
そんな話題作となった『MEG ザ・モンスター』のネタバレを含む個人的な感想を書いていきます。ネタバレを含んだ感想と解説になりますので、未視聴の方はご注意ください。
目次
映画「MEG ザ・モンスター」を見て学んだこと・感じたこと
・ジェイソン・ステイサムが大活躍する映画
・多くの予算がつぎ込まれたサメの迫力
・エンターテイメント性重視の作品だが、自然の恐怖を感じる一面も
映画「MEG ザ・モンスター」の作品情報
公開日 | 2018年9月7日 |
監督 | ジョン・タートルトーブ |
脚本 | ディーン・ジョーガリス ジョン・ホーバー |
出演者 | ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム/山路和弘) スーイン・ジャン(リー・ビンビン/魏涼子) ジャック・モリス(レイン・ウィルソン/伊藤健太郎) ジャックス・ハード(ルビー・ローズ/清水はる香) |
映画「MEG ザ・モンスター」のあらすじ・内容
中国の上海にある海洋研究所「マナ・ワン」では、マリアナ海溝の海底探査を行っていました。探査班は海底のさらに奥のところに、人類が足を踏み入れたことのない未知の領域を発見します。
しかし、探査班は突然謎の海底生物に襲撃され地上に生還できなくなってしまいました。
探査班の救助のために、研究所はかつてのレスキュー・チームのリーダーであるテイラーを呼び戻します。テイラーは、かつて海の巨大生物の襲撃で仲間を失った経験をもつ人物です。研究所から謎の生物の襲撃を受けた旨を聞いて、探査班の救助に参加します。
テイラーは無事に探査班がいる未知の海底領域に到着して救助を開始しましたが、そこで探査班を襲撃した巨大生物が姿を現します。その巨大生物は、200万年前に絶滅したはずの巨大生物メガロドンでした。
映画「MEG ザ・モンスター」のネタバレ感想
ジェイソン・ステイサムがめちゃくちゃカッコいい
本作は堂々たるサメ映画であるのですが、サメ映画であるのと同時にジェイソン・ステイサムの映画とも言えるでしょう。なぜなら、あまりにも作中でステイサムが活躍しすぎているからです。
ジェイソン・ステイサムと言えば、『ワイルド・スピード』や『トランス・ポーター』のようにハードボイルドでアクションに秀でているイメージがありますよね。マッチョで敵を倒して飛び回ったり、銃を振り回してるイメージが強いです。
本作のようなサメ映画でも、ステイサムのハードボイルドなアクションは健在であり、登場人物の全てを食ってしまうかのような活躍ぶりでした。実際に映画を見終わったあとの登場人物の印象は、ステイサムの印象が強すぎて他の人物が霞むほどです。
単刀直入に言うと、ステイサムVSサメのメガロドンの戦いがこの映画の全てと言っても過言ではありません。実際にメガロドンと戦っている人物はほとんどステイサムでしたね。
劇中の周りの人物も、ステイサムがメガロドンと戦っている姿を見て、「カッコいい」と呟いています。ちょっと制作スタッフも狙ってるとしか思えないシーンですが、やはりステイサムが本作の中心であることは間違いないです。
他にもステイサムとメガロドンの戦いの中で、ステイサムがメガロドンのいる海にダイブし、泳いでメガロドンの体に発振器を生身で打ち込むシーンなどがあります。ステイサムは、全長20メートル以上の人食いサメ相手に、クレイジーな戦いをどんどん挑んでいました。そんなことはあり得ないと思いつつも、難なくやってのけてしまうステイサムもまたカッコよく、斬新な面白さがあります。
作中の後半では、ステイサムが最新テクノロジーを使いながら、何でもありのような展開になりますので思わず笑いがこみ上げるほどです。このように無謀としか思えないアクションを巨大サメ相手に次々と挑んでいくのは、映画を鑑賞していてとても痛快でした。
そして、ステイサムが海に飛び込むシーンは地味に見どころです。オリンピック選手のような綺麗な飛び込みフォームで躊躇なくメガロドンのいる海に飛び込む姿は、美しさすら感じるほど。実はステイサムは元水泳の飛込競技の選手だったので、自身の経歴を存分に映画に活かしているのです。もしかしたら、ステイサムは陸の上よりも水の中でのアクションの方が得意なのかもしれませんね。
ステイサムの肉体美やハードボイルドなアクションを堪能しつつ、前代未聞の巨大サメであるメガロドンと戦っている映像はまさに圧巻です。非現実的なアクションもあり、思わず笑ってしまうシーンもありますが、それらも含めてステイサムの魅力が、『MEG ザ・モンスター』にはたくさん詰まっています。
『MEG ザ・モンスター』は、サメ映画ファンよりもステイサムファン向けの映画に近いかもしれません。ステイサムファンならぜひチェックしておくべき映画でしょう。
通常のサメ映画よりも予算があるサメ映画
サメ映画といえば、ゾンビ映画と同じように大量のB級映画が量産されたジャンルです。
B級映画はハリウッド映画のように予算は多くないのですが、その分自由な発想や型破りな表現を実現できるところが魅力ですよね。
しかし、本作の『MEG ザ・モンスター』は、通常のサメ映画よりも多めに予算がありました。サメ映画の名作である、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』が約700万ドルに対して、本作の『MEG ザ・モンスター』は、約1億3000万ドル〜1億7800万までです。B級映画が多いサメ映画の中でも、本作はかなりの予算がかけられていることがわかりますね。
サメ映画にしては莫大な予算によって、ジェイソン・ステイサムという大物俳優が出演しました。サメの映像にCGが使われていますが、十分な予算があるためか迫力も十分で、特に作中のサメの死体などはかなり生々しいです。
このようなことから、サメの造形にもかなり拘っていることがわかります。『MEG ザ・モンスター』は、映像面でも舞台でもかなり予算がつぎ込まれているのを感じられ、B級サメ映画とはちょっと違った映像を楽しめるはずです。
しかし、本作『MEG ザ・モンスター』において、サメ映画にお約束の血が足りなかったことには、サメ映画ファンとしては少しがっかりするところがあるのではないでしょうか。
本作にはメガロドンという巨大なサメが登場します。しかしその巨大さ故か、基本的に人は丸呑みになってサメの口に消えてしまいまいました。そのため、従来のサメ映画のように人がサメに食べられてしまい、たくさんの血が飛び散るというスプラッター的な要素がありません。
サメ映画が好きな人は、スプラッター要素が好きな人も一定数いるので、血が足りないことでちょっと拍子抜けしてしまうかもしれないですね。サメやステイサムに予算をつぎ込んだのはいいのですが、個人的にはそういった描写にも力をいれて欲しかったです。
逆にそのおかげか、グロテスクな映像に嫌悪感を抱く人でも、問題なく楽しめるサメ映画になっています。その点では鑑賞できる人が増えて、喜ばしいことかもしれませんね。
また、本作はアメリカと中国の合作なのですが、中国市場と中国マネーをとても意識している映画になっています。舞台背景から役者までも、中国市場の影響は強く感じられるはずです。ハリウッドと映画市場が巨大化した中国、『MEG ザ・モンスター』は両者が一緒になって取り組んだ作品なので、今までのサメ映画と見比べると、少し違和感を感じるかもしれません。
しかし、巨大で強いサメというスケールで描いた本作のサメ映画は、今のアメリカと中国の力強さを感じます。シナリオも王道的なので、本当に力強いです。
サメに関しても、近年で登場していた首がいくつもあるサメや空飛ぶサメのようなとんでもないものではなく、ただ巨大なサメという一点に絞ったのは、原点回帰の王道を目指しているように感じました。
そのようなことからも、本作『MEG ザ・モンスター』は、通常のサメ映画よりも王道的でシンプル、そして十分に力の篭ったサメ映画になっていると思います。
メガロドンは実話であり、本当に実在したサメ?
作中に登場するこの映画の目玉となるモンスターサメのメガロドン。実は実在していたという話があります。
メガロドンの正式名称は、「カルカロクレスメガロトン」です。大きさは最大で約20メートルというとんでもないデカさを誇ります。映画ではもっと大きく感じましたが、あの迫力は映画がなせる技なのかもしれません。とは言っても、現実でもかなりの大きさであることは間違いないので、そんな生物が深海にいたとは想像もつきませんよね。
現実のメガロドンは絶滅したと言われていますが、一部の学者の間では生存説が唱えられています。もしかしたら、現実でも映画のような巨大サメがいるのかもしれません。そう考えると、ちょっとロマンに惹かれてワクワクするところもありますが、海に行くことが怖くなってしまいます。
もちろん、『MEG ザ・モンスター』は完全なフィクションです。しかし、『ジョーズ』のように、実際にあった事件を扱ったサメ映画も少なからずあるのもまた事実。そういったことも含めて、改めて『MEG ザ・モンスター』を思い起こしてみると、実際に起こりうることであった可能性もゼロではないかもしれません。そう考えると、やはり本作は少なからずの恐怖を抱きます。
しかし、絶滅したと言われていた巨大生物が生きているかもしれないという話は、とてもロマンがありますよね。人類がまだ行ったことのない深海の領域に、過去に絶滅したと言われる巨大生物が現れると聞くと、その設定だけでワクワクしてきます。
『アナコンダ』とか『ジュラシック・パーク』のような映画が好きな方は、そのようなワクワクする気持ちを抱かれたのではないでしょうか。そういう意味では、『MEG ザ・モンスター』はある意味で夢がある作品とも言えるのかもしれません。
ジェイソン・ステイサムとメガロドンの戦いが見どころである本作ですが、このようなロマンある設定や背景も、本作における魅力の一つではないのかと思います。
『MEG ザ・モンスター』は、4DXやIMAXで見たほうが良かったかも?サメのメガロドンの迫力がすごい!
『MEG ザ・モンスター』の魅力はステイサムだけでなく、もちろん巨大サメのメガトロンにも魅力があります。本作はサメ映画にしては、巨額の予算を得ているので、サメの映像への力の入れ具合もかなりのものでした。
『MEG ザ・モンスター』は、ステイサムとメガロドンが激しく戦う映画です。そのため、深いテーマ性やメッセージよりも、みんなでワイワイ見るようなエンターテイメント性が強い作品となっています。
残酷でグロテスクなシーンもほとんどないので、広い年齢層も問題なく見れます。どちらかと言うと、『ゴジラ』などのモンスター映画を見ている感じです。
そんなエンターテイメント性の高い『MEG ザ・モンスター』ですが、本作をより楽しく見るための方法として、4DXやIMAXで鑑賞するべきでした。
普通のスクリーンで見るだけでもかなりの迫力だったサメが、4DXやIMAXで見たらそれは凄まじい臨場感を味わえること間違い無しです。本当にメガロドンが襲ってくるような錯覚を味わえるでしょう。
『MEG ザ・モンスター』は単なる娯楽映画だったのか?
『MEG ザ・モンスター』は、自然界の恐怖を描いた作品でもあると思いました。
本作はみんなでワイワイ楽しく見るような、エンターテイメント性が高い映画であることは間違いありませんが、メガロドンの設定の背景を考えると、やはり自然界はとんでもなく怖い一面があると思います。最近のサメ映画では、人間なみの知能を持ってるサメや空から降ってくるサメなど、奇想天外で思わず笑ってしまうようなサメが多く登場しています。
一方、『MEG ザ・モンスター』のサメであるメガロドンは、今では絶滅したと言われてますが実際の化石も残っています。さらに、一部の学者の間では、メガロドンの生存説も唱えられています。
メガロドンは決して奇想天外なモンスターではなく、現実味を帯びた実態のあるモンスターと言えるでしょう。
劇中におけるステイサムとの戦いでは、エンターテイメント性に特化した内容となっています。ですが、メガロドン自体の設定はとても現実的かつ自然的です。メガロドンは、数多くあるサメ映画の中でも現実的な話に近いのです。
シナリオの面からみても、人間の探求心からメガロドンを呼び起こしてしまいます。自然界の深淵に安易な好奇心で触れた人間が、痛い目にあう話は自然的でかなりリアルではないでしょうか。
そう考えると『MEG ザ・モンスター』はエンターテイメント作品でもありながら、少しテーマ性のある作品であったのかもしれませんね。
本作 『MEG ザ・モンスター』は確かにエンターテイメント性を重視した、モンスター映画でステイサムが大活躍する娯楽映画です。サメ映画にありがちなB級映画的要素を詰め込みつつも、映像や俳優に力をいれています。そして、最大の見せ場でもあるステイサムとメガロドンの戦いは素晴らしいです!
そして、メガロドンの設定や背景、そしてステイサムが活躍する前のストーリーの流れを見直すと、自然界の恐怖に人間たちが遭遇する話でもあったのではないかと思います。
今までのサメ映画とは少し違った「MEG ザ・モンスター」をまだ観ていない方は視聴してみてください。
映画「MEG ザ・モンスター」の動画が観れる動画配信サービス一覧
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